103 善と悪の果実
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――魔女の宴――
女主人の声が響いていた。
邸に番犬として放たれた犬の中に、狂犬病を持つものが現れたのだという。
決して参加者の耳に届かぬ場所で使用人へ怒号を飛ばす。
命を受けた使用人は急いで庭と向かっていった。
「お客様、そろそろパーティが始まります。
どうか大広間へと。」
使用人は告げた後、招待客を全員大広間へと案内していく。
その後ろでカチャリ、カチャリと閉じられていく扉の鍵。
やがて邸は街から孤立し、たった一つの孤城となる。
外には放たれた狂犬病発症の番犬。
出て行く術を絶たれたことに、招待客はまだ気付けない。
(#0) 2012/09/24(Mon) 02時頃
どの使用人の口からか、女主人は参加者について聞き及ぶ。
招いたはずのない姿があっても、柔らかな笑みを浮かべるだけ。
少女が会いたがっていたと聞けば、そっと瞳を伏せた。
(#1) 2012/09/24(Mon) 02時頃
善と悪の果実も ………
[くしゃり。赤い布のたてる音は、少女の耳には湿って聞こえた]
…嫌ね
[くちゃり、ぴとり。
赤は嫌いだって何度言っても、よく似合うよと笑う父親を
嫌いにはなれなかった]
煤に汚れた小さな子供。
門前で喚く女の夫。
歌を忘れた麗しき歌姫。
道を踏み外した実直な警官。
遊び惚ける豪商の三男。
挨拶をよこした夕闇の伯爵。
男女の境に立つ学者。
闇夜を渡る家業の青年。
虚栄を彩る籠の中の娘。
(#2) 2012/09/24(Mon) 02時半頃
「分け隔てなく丁重に扱いなさい。」
そう言って、彼女は大広間に出た。
(#3) 2012/09/24(Mon) 02時半頃
「お集まりいただいた皆様、今宵はお越し下さり誠に有難う御座います。
これより御見せ致しますは『善と悪の果実』。
知恵の実とも、禁断の林檎とも称されるもの。
この街の、この国の、いかなる技術を用いても解明できず
音を届けることのない自鳴器。
残念ながら音色をお届けすることは叶いませんが
この美しい姿を是非、皆様にご鑑賞頂きたく存じ上げます。
パーティも盛大に、どうぞお楽しみくださいませ。」
(#4) 2012/09/24(Mon) 02時半頃
大広間の高い壇上。
強固な警備と共に飾られた『善と悪の果実』。
挨拶と共に華麗に鳴り響くクラッカーと舞い散る金の紙吹雪。
幻想の世界へ迷い込んだ光景を背に
魔女のような女主人は大広間を後にした――…**
(#5) 2012/09/24(Mon) 02時半頃
[濡れた烏の色は、闇よりも深い。
罪と命を塗り重ねた色。
温度のない、ニタリとした笑みを湛え。
喉の奥を不規則に鳴らした。]
犬は、飼い主に従順なんかじゃない。
喉笛を噛み千切る機会を、今か今かと狙っているんですよ。
――大人しいふりをして、ね。
[濡烏、鉄錆、酸化した銀、煤にまぎれた―――赤。]
[赤く彩られたその髪飾り。
熟れた果実のような色。
金を彩るその赤に、濡烏はつうと細まる。
まるで罪の証のようじゃないか。
金の林檎に滴る赤を髣髴させて、僕は笑った。
そう、―――わらったんだ。]
嗚呼、あれが『善と悪の果実』。
[呟いた言葉はパーティの喧騒に紛れ。
その眼差しを知れるのは、そう。
同じような高さの視界を持つ者以外にありえない。
自慢げに披露する魔女の、露になった白い喉笛を見つめる眸。
今か今かと、時を待つ。
濡烏の眸を向けて――…**]
楽園に果実が落とされるというのならば。
―――――…私(わたくし)は、蛇になりましょう。**
[垣間見えた少年の笑みに瞬いた、その瞳には
不快も不安もそこにはなく、ただ理由を思う不思議と、好奇心がのぞいていた]
…変な子、使用人かしら?
[おそらくは招待客――果実に惹かれた一人だろうとは思うものの、同列に扱われることへの抵抗は薄れずに、視線を逸らした]
[――それは幼い貴族の少女にも、
見覚えのある髪飾りだっただろうか。
まだ、ブロワ家が栄華を誇っていた頃。
遠い遠い昔。
学者が捨てられた時。
父母が最後の情けにと、持たせた髪飾りだった。
彼らは学者が其れを売り払って生活を凌ぐと考えたのだろう。
しかし、学者はそうはせず、髪飾りを大切に持ち続けた。
黒い蝶の髪飾りと対になる、赤い蝶の髪飾り。
かつてはブロワの屋敷に置かれていた筈だ。
今はもう、売られてしまったのかもしれないが]
[母が最後まで大事にしていた髪飾り。
赤い蝶は、羽ばたくことができずに、ずっと屋敷に囚われていた。その羽を広げたまま、震えることすらできずに、ただ、ずっと。
そして今も、少女の手の中に。
対となるものがあるとは知らず、ただ母の形見として布に包んで持ち歩いていた。
待つ者のいない屋敷にはおいていけないと、鍵のかかった箱から出して、懐へとしまいこんだ。
ただ、持っているだけで、一人ではない気がしたから]
[――否。
細める眸は果実だけを見ているのではない。
この大広間を見渡しているのだ。
誰がどんな表情をしているのか。
反応を窺っている。
出し抜く為の算段を。
あれを奪う計画を。
だから近づかず、遠巻きに。
恐怖や畏れなど、とうの昔に失った。]
どうすれば近くで見られるかしら
[グロリアに頼めば、と
幼い思考がゆきつくのは単純な帰結。
パーティーが終わったら、今度こそ会いに行こう。
金銭の無心というもうひとつの目的は、林檎を目にした時から頭の中から消え去っていた]
恐ろしい果実を持つ貴女は、さしずめ魔女のようだ。
[そこにはいない女主人を思い、唇が弧を描く。
あの林檎を盗み出せば、恐らく一生を楽に暮らせるだろう。
見せびらかすから悪いのだ。
目の前にちらつかせるから悪いのだ。
“魔女”は磔にしなくては――…**]
[その最中、壁際の椅子にかける少女の前を通過する。
黒い蝶は彼女の眼からもよく見えるだろう。
それは偶然を装うようで、
敢えて行った行為であったのだけれど。
行儀よく座る姿へ数瞬のみ視線を向けて、
にこりと柔らかな微笑みを浮かべた]
…お疲れですか? レディ。
どうかご無理なされませんように。
[囁くような声は、彼女以外には聞こえまい。
今はまだ、そう声をかけるにとどめて]
[烏の眸は射る。
そこには冷たい憎悪と羨望を持って。]
……………。
[言葉はない。
ただただ、“男女”と思わしき二人を見詰めている。]
[ただ、"蛇"はその強い眼差しに灯る意思を感じて]
――――――――…ふふっ。
[小さく、小さく、笑ったのだ]
[黒い蝶が、羽ばたいている]
……… ぁ
[小さく洩らした声をかみ殺して、唾を飲み込む。
赤い蝶が眠る薄紅よりも、ずっと鮮やかな流れるストロベリーブロンド。
近くで見ればそれはやはり同じようで
でも自信がなかった。
赤い蝶を起こして確かめる気はなかったけれど]
……ええ もう随分よくなりましたの
[少し強張った笑顔。
今はまだ、見送るのみで]
…………ふっ。
[笑みには笑みを。
黒く塗りつぶされ、光さえ灯らぬこの眸に
“蛇”のような女の顔を刻み込んだ。]
[少女の髪の赤へ。
そして林檎と似た色の髪へ。
その視線の先。
――否、その眸。
甘い林檎の蜜を啜ろうとする、そんな眸を烏は捕らえる。
微笑を向けたのは、扉をすり抜けるほんの一瞬前。]
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