40 おおかみさんが通る
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[考えるべき事は更に深まり、考えねばならぬ事へと変わる。
“人狼”である己は一体何をするべきか。
『待っていて安穏得られる等在りはせんのが当たり前。
それを歎き哀しむ暇があるならば、何を信じ何を守るか、己が今すべきは何か考えるが先であろう。』
そう、偉そうに抜かした己の言葉が頭を廻る。
何を信じ何を守るか。]
生き辛い、世の中よ。
[そうだろうと声が届いて居るならば同種の男に呟いた。
何かを信じ何かを守るには、其れの掌は小さすぎた。]
[己が息子のような弟子、久しく見付けた獣の同胞、七坂町での“人”の生活、時代に霞む唐傘造り。
守る為にはどうにか紛れ、威かす者現れたなら威しの一つもせねば成るまい。
からころ下駄が鳴り響く、其れが向かうはどんな道。
曲がりくねった獣道。
決意の眸は黒檀の奥、朱い燭滾らせて。
深夜人の子ら寝静まる時、闇に紛れて狼が啼く。
銀の銃弾持つやも知れぬ、異国の男を傷付ける為。]
アォォ―――…… ン……
[遠吠えを七坂町の人々は聞いただろうか。
己が往くと知らせるを同胞は聞いただろうか。
黒銀の毛並み持つ耳と尻尾の生えた“人”の姿。
爪と牙は鋭く長く、けれども完全な獣ではない。
そんな姿を見たのなら、矢張り人々は畏れるのだろうか。
其れを“物ノ怪”だと謂って**]
守備は如何でしたかしらん?
[夜明け頃、お大人が狩りをしていた頃かどうか。
毛玉のような狼が教会で寝そべっている。
人狼の姿よか獣のカタチの方が表面積が小さくてぬくぬく。
同族がやるというなら邪魔はしない。
くわぁ、とあくび一つ]
気分佳いものではあるまいよ。
[丁度狩りを終えた頃“狼の姿をした人”は一つ愚痴を毀した。
風に乗り、その声は同族へ届く。]
少しは人も懲りてくれようかな。
[ひょこり。髪に隠れた耳が揺れる。
音が聞こえるのはこないだの弟子のものじゃない]
…お大人、いらっしゃるのかしらん?
済まんな店に来ていたようで、手紙も読んだ。
あんな高価な…弟子が驚いて居った。
[応える声は同胞の、と謂うよりは傘屋のそれであったろう。]
気に入るものを拵えて、必ず一本渡してやろう。
好みは朱か、柄はなんぞと詳しく話も聞かねばならん。
此方は店に。
[心なしか、声は幽か喜ばしげに。]
高価なのかしらん?
[そういえば、獣の自分を見た人が、勝手に財布を落として逃げるから。それを集めて金とやらにかえただけ。
だから価値なぞ欠片も知らぬ]
そンでもそれで傘見つくろって頂けるなら嬉しい限り。
じゃ、今からお店に行きましょ。
なぁんか…変な娘が熱出してるらしいのよねン。
助ける気にはどうにもならんのですけどもサ。
余りおいそれと他人に渡すものではないぞ?
[軽く驚いた表情をして見せたが、声に乗って届いたかどうか。]
熱?
これほど寒くある中で、熱も在るのに歩き回るとは。
叱る人は居らぬのかな。
[頭に浮かんだのは翠の事であったが、まさか同一人物とは念ってもいまい。
彼女は其れに、ごめんなさいと謂ったのだから。]
待っている。
[傘を造る手は止める事なく。]
さぁてネ。
人の好意を無駄にするようなンは知らんですヨ。
人の好意、厚意。
難しいものさ。
[翠に対するそれのようで居て、他に対するもののようで在る。
売れず時代に霞んだ傘達。
長い間紛れてそれでも倖せに暮らしたこの七坂町。
好意を、厚意を持ってしても。
感慨深くなるのは歳の為すか。
小さく、小さく呟いた。]
あ〜…やっぱり、アンタさんでしたかいナ。
[いつぞやにすれ違った御人。
どこか感慨深げに]
いいお顔をしていらっしゃる。
よい暮らしをされていたのかしらん?
[良い暮らし。金だけがよいくらしではなく。
満ち足りたものが垣間見えるその様子]
この生活に、生きがいはありますかしらん?
…………。
[暫く声は出せなかった。
其れの胸を占めるのは、締めるのは何と謂う念いであろう。
長く生きて来はしたが、相応しい言の葉を知らぬ。
自然に向けるは笑みそのもの。]
矢張り、あの時の。
佳い暮らしか、どうだろう。
人に紛れ人を喰い、裕福ではない暮らしなれど… …此れのお陰で。
[爛漫とした弟子の頭を一つわしりと撫で回し、問いには頷き応えるだろう。]
生き甲斐さ。
傘も、此れも……御前もきっと。
[群れるは疎ましがられようか。]
[じぃ、とその顔を見やる。
なんと人臭い表情をするのだろう。
長く溶け込んでいればこうも変わるのかと思えば、
群れぬ己には新鮮で]
そのお弟子さんも、お大人が人狼としったら
どう変わるンでしょうネ。
[見上げる顔を見て返すは少し困った表情。
弟子が其れを知ったなら。
幾度考え、幾度悩み、幾度打ち明けてしまおうかと揺らいだ事は数知れず。
けれども其れは謂わずに在った。
秘め事が心に重くとも。]
さあ、どうだろうか。
蔑まれるかな、憎まれるかな。
すぐに突き出されてしまうやも知れん、その場で殺されてしまうやも知れん。
泣くだろうか、怒るだろうか。
どんな反応でも構わんさ。
彼奴が“人らしく”あってくれれば。
[緩やかな声で呟いて。]
それが、親ってぇもんさ。
いやはや。
お大人は今の生活を壊しちゃいけませんヨ。
一人、人狼てのが捕まったら、流石にもうおっかけられはしないでしょう。
あぁ心配ご無用。適当に騒ぎが収まったら逃げますからネ。
[かんらかんら。笑い声だけが風に乗る]
捕まれば、とは…。
[表情に陰差したろう。
同胞の身を案じぬ者が何処におろうか。]
なんの為に…
此方一人程置いて、御前だけでも逃げれば佳いこと!
[けれどもからりと笑う声、相手に届きはしないこときっとどこかで解っている。]
いやいや勘違いなさるなヨ。
アタシは死ぬ気もないですからサ。
逃げます逃げます、ご安心を。
アタシはここからどこかに流れてもかましませんけどサ、
お大人はそうもいかんでしょう。
可愛いお弟子さんじゃぁないスか。
大事にしてやればいいンですわ。
[流れてしまっても、そんな声に曇らせたのか。
感情といったものは難しい。
難儀で難儀で、どうしようもない。]
ならば、必ず逃げ仰せ。
それから傘を取りに来い。
でなくば、可哀相であろう。
[造った傘が、…そして。]
犠牲には成るな、約束だ。
同胞の屍なぞ、もう見たくはないのだから。
[念う約束は一方的なれど、届いてくれればと背に投げた*]
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