103 善と悪の果実
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[赤い蝶は、久々の水浴びを終えると満足げに薄紅の褥へと戻っていった。
生命を失ってなお、美しい
――否、だからこそ美しいグロリアの身体をベッドに横たえる。
これだけのことが、幼い少女には一苦労だったが、愛情がなくても、熱に浮かされ赤く染まった少女は、笑みすら浮かべながらグロリアの髪を整えまでした]
……姉様 おやすみなさい
[目元に別れの口付けを落とし、ナイトランプを消せば
部屋は再び闇へと沈み、光がなければ赤もまた、輝くことはない]
[真っ赤に染まった夜着と身体を、グロリアの部屋に繋がる浴室で清め、少女は部屋に戻った]
林檎、は――
…駄目、眠いわ
[ひとつ、大きく欠伸をすると、幸福な子供の表情を浮かべベッドにもぐり込む。遮る者は、もう何もない。
あとはただ、手を伸ばすだけ。そう信じて―――]
― 翌朝、大広間で ―
……ずっと寝室にいたわ?
[嘘はついていない。
実際、夢も見ていない。魘されることも、幸せな夢も、何も見なかった。
昨日聞いた音は彼なのだろうか、と思いはすれど、子供が果実を盗むなど、と。自らを棚にあげた思考が先にたつ]
……ありがとう
[小さく礼を述べ、手を離すよう言外に促した]
"――――――…見ていた。"
例えば自室をそっと抜け出した、赤い蝶を携える少女。
例えば人の気配のない大広間、闇夜に紛れた一羽の烏。
"蛇"は警備を誘惑し、甘い甘い毒を盛る。
きっと哀れな被害者は、今朝には何の記憶もない。
舞台さえ整えれば、劇が始まると知っていた。
だって…姉様はもういないのに
[小さく、小さく零した言葉はトニーの耳に届いただろうか]
―深夜の大広間―
[蝶が舞い、赤の蜜を吸う一方で。
僕は黄金の林檎を手に入れた。
あれはまだ、大広間の中にある。
部屋を彩る植物の飾り。
この屋敷を象徴するかのような黄金の林檎たち。
その中にひとつ、忍ばせた。
木を隠すなら森の中、果実を隠すなら同じくだ。]
もう、いない…?
[届いていた言葉。
蝶のように走り出した少女。
そして栄光の死。
――彼女が、グロリアを?
もし、そうならば。]
[そこには蛇もいたのだろうか。
そして昨夜のように、見ていたのだろうか。
林檎を盗み出す、アダムを。
果実を啄ばもうとする、烏を。]
[少女は秘密を守りきることに無防備だ。
感情を押さえつけることも苦手だ。
欲しいから、奪う。
邪魔だから、壊す。
善も悪も、自覚はしていない。
ただ、欲望に忠実な、心を知らない蝶のような存在。
この狂気が始まったのは何時だったか―――]
[まるでそれは、わざと聞かせているような推理。
撹乱したいのか大広間を外す言葉を用いて。
本当はすぐ傍にある。
ただ誰も、気付いていないだけだ。
足元に転がる林檎のどこかに、“それ”があるだなんて。]
[見られていることにも、聞かれていることにも気づかぬまま]
そうだわ
[人影のない、廊下の途中で手を合わせた]
早く…あの子をつけたいわ
[黒い蝶もいつか羽ばたくのだろうか。
それとも蛇に呑まれてしまうか。
軽やかに少女が廊下を進む頃、
薄紅の褥に眠る蝶は、乾いた血で黒蝶に*成った*]
[左手が凶器に沿う。
ふつふつと湧き上がるこの感情が何なのか、分からない。
不明瞭で、だからこそ、消してしまいたい。
僕は怯えているのだろうか。
あの、おどおどとした彼のように。]
[警官が去った後に大広間へ辿り着いた蛇には、
烏の落とした推理を直接拾う機会はなかったが。
けれどざわめく人々の言葉端より、
彼が話していたことは伝わるだろう。
…あの夜、まさに林檎へてをかけた、
他ならぬ彼の言葉を]
――――――…栄光(グロリア様)へ、永遠のお別れを。
[見開かれた瞳は、やがて力を失った]
………姉様、とても柔らかかった
あたたかかった
…今は きっと 冷たくなってしまったのね
[諦めたように呟いた後、
意思を確認しようと顔を見たがる。
少女は蛇の意図を知らず、それでもまだ、無防備なままだった]
[赤い意思。
殺戮の匂い。
突き付けるのは、異端者を見る眸。
重ねるのは。
重ねるのは。
僕を知った人の眸。
僕を造った人の眸。]
…貴女様が望んでくださるのならば、
私は兄にでもなりましょう。
このような、下賤な浅黒い肌でも許されるのならば。
…貴女様が望んでくださるのならば、
私は。
―――――…御守りしましょう。
レディ・ポーチュラカ。
兄様………?
[手の中の蝶は、同じ血を吸うことはない。
震える手は、震える唇は]
[小さな呟きは、鈍く光る銀色の運命を絶つ。
赤の殺意をもってして。
どちらかの命をもってして。
濡れた烏の、
塗り潰された黒の、
重ねた血の、
背負う罪の、
眸を開ける頃、世界は“楽園”に変わっているだろうか―――……**]
……ええ
[守られることになれた少女は、花のように笑う。
家族を失い壊れた少女は
けして取り戻せない欠片の幻影にすがる他ないのだ――**]
[本質は、望まれるままに]
[共にも]
[男にも]
[女にも]
[兄にですら]
[脱皮を繰り返す蛇は、己というものがまるでないように]
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