204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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あの時は――
あれが一番いい方法だと思ったンだよ。
今でも間違ってるとは思わない。
ラルフに喰わせたこと、後悔してないからな。
――…聞こえてる。
そう信じて話し掛ければいい。
ーーー…………そこも含めて 聞き分けない
[ふはっ と思わず笑ってしまう
ああ まだちゃんと笑えるんだと]
ーーーそっか……
うんーーーーーーえへへ
少し 寂しくないね……そう思うと
――…いいじゃねぇか。
俺はしたいように出来て、満足だ。
[笑う音色に安堵が過る。]
……だろ?
けどこれって、ひとの考え方なんだぜ。
ひとの在り方も、悪くはない、だろ?
……俺の血 あげたかった
ラルフから 止められなくなるから
って 言われたけど…………
[安堵が滲む暖かさ
ここも 似てるんだと ぼんやり思い]
…………ラルフ ラルフは
俺が人としてあるのと 獣としてあるの
どっちがいい?
止められなくなるくらいには
お前さんを好きだったって事だろ。
――…なら、
やっぱりノックスの言葉は嘘だな。
例え衝動を懐いたとしても
ラルフなら嫌がって逃げるだろうよ。
止められない怖さ分かってたなら、尚更。
好きーーーーーーー
うん…………俺もーーそう思う
絶対 ラルフは衝動に負けてない
ーーーーーそれなのに 許せない
――――許せないのは、俺も同じ。
ラルフは復讐なんざのぞまねぇとは思うけど
それでも、抑えきれねぇくらいに、苦しい。
ラルフーーーごめんね 望んでなかったら
でも うんーーー許せない
今ね……二階の廊下で トレイル手に入れた
けど ノックスがうっとおしいんだ
[これくらいなら 手を汚す範囲に
きっと ドナルドはならないよね と
共感のあまり 現状をこぼした]
ノックス、か。
こっちは二コラが癇癪起こしてンな。
――…ノックスを足止めするか?
うんーーーー目の前で トレイルの首
かっ切ってもいいんだけど…………ね
お願いしたい……
ニコラも手に入れたいのだけれど
ノックス足止めできれば……ニコラも手に入れやすいし
二コラはディーンを喰ってたのか。
フィリップ、そっちを、手伝う。
けど、――、今何処にいる?
ーーーそう 彼だったんだ ディーン食べたのーー
マグカップ返せなかった…………
今ね 南側の一階に降りる階段そば
直ぐ見えると 思う
ノックスが――…
トレイルの無事確かめたいンだと。
さすが、過保護だな。
耳がいいトレイルの為に
フランシスが歌うのを止めさせただけある。
歌は、フランシスの衝動紛らわせる方法なのに。
フランシスも過保護だけどーーー
ノックスのは 何か違う
なんだろう あれは …………
ふぅん…………ルーツの轡
とってあげたらどうなるんだろうね?
階段の上からならいいんじゃない?
なんか トレイル文字を書いてるし
何を書いたかは知らないけど
なんだろうな。
ま、分かりたいとも思わねぇけど。
耳いいらしいから、すっげぇ響くンじゃね?
ルーツの声、結構大きいからなぁ。
ーーーーそれは そうだね
どうでもいいよ あの人たちのことなんて
ふはっ ドナルド
ルーツの轡 とってあげて
きっと いい声でないてくれるよ
あァ。
ルーツの轡?
取り方とかわかんねぇし!
それにアイツ俺が寄ると暴れる。
前、爪でひっかかれて大変だったンだぜ。
ま、何かあったら考えるけど。
……似た色の髪で大きいから……
ライバル だと思った かも…………
……芸も躾も してないからーーごめん
――…え。
ルーツにライバル扱いされるとか
なんか、微妙な気分になるな、それ。
髪染めンのも面倒だし
背縮めることも出来ねぇし
なかなか懐いて貰えそうにねぇなぁ。
フィリップの相棒、なんだろ?
なら、少しは仲良くしてーとは思うンだけどな。
ホレーショーも ずっとそうだった
でも 楽しそうだったよ
…………だから 雪が止むまででは難しいね
鳥 扱いしないと
少し機嫌がいいのだけれど
――…そっか。
[保護者の話をするフィリップ。
その言葉から垣間見える光景は幸せな一幕にも思え]
雪が止むまでで無理なら
雪が止んで此処を出てからも。
気長に付き合ってけば少しは慣れてくれるかもしれねぇし。
居間に戻ろうーーーフランシスが
心配するから
[階段を上がりながら そうと
ドナルドの思考聞きながら思っていた
が]
ーーーーーーーはい?
[いまなんて?]
ああ、そうだな。
頭冷やすにしちゃ、
ちぃと時間掛かりすぎか。
[そんな言い訳して出てきたことを思い出し]
ん?
そう言って でてきたんだ
[らしい言い訳に ふっとはにかむ]
………………雪が止んだらって
けど………………
というか……なんで………
あんま心配させたくねぇから。
――…まあ、それでも心配するんだろうけど。
[はにかむ気配が伝い、目許が和む。]
雪が止んだら、いや、止んでも
一緒にいればいい。
……いやか?
過保護な保護者って 大変なんだね
[放任主義の 保護者しか知らないから
ドナルドとラルフの大変そうな過去を
想像して くすくすと笑う
……トレイルを殺しても 罪悪感なく]
い いやじゃない
いやじゃない けど
獣で人殺し……なんだよっ?
過保護は大変だけど嬉しくもあった、
[笑う声に少しだけ安堵する。]
いやじゃねぇならいいじゃねぇか。
獣なのは俺も一緒だし
それを言うなら俺も共犯だ。
俺と一緒にいればいい。
ひとりで運ぶのはつらいだろ。
俺も手伝う。
……三階の使われてない部屋に運ぼう。
窓、少し開けて温度下げとけば――…
や、階段あるから俺ひとりで運んだ方がいいか。
ーーーそうなんだ
[かすか安堵 感じると
こう言うところも ラルフと似てる と思う]
フ フランシス に きいてから ね?
[簡単に一緒に旅することが決まって行き
心の持ち用が見つからず
あわててそうと考える
話はそこからだ と]
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