143 宵を待つ村
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ケヴィンおはよう見えてる?
ごめんね、情報欄については見てるんだけどこれだけ言わせてね。
赤でもう1人が喋ってるの見えないから多分ベネットが首無だと思う。俺もどうしていいのか分からない。
今日の襲撃先はラルフ[[who]]
―集会所前―
あんな証拠もなく疑ってくるからですよ?
[ケヴィンの死体の前で誰にも見られないように笑って見せた]
―回想・集会所前―
[分かったことがあると言って呼び出した相手は、夜暗くなっているというのに現れた。あんなに疑っていたのに、人のいい青年は他の村人を守るためにやってきたのだろうか。それとも人狼の正体が分かっていて退治しにやってきたのだろうか]
ケヴィンさん、こんばんは。
[笑って声をかけ、じっと相手の出方を窺った]
―村長宅―
[2階までよじ登り、窓の一部を割って中に入った。体力の消費と緊張で息が上がる。夜中に一人でやってきた方が遥かに楽だっただろう。
しかし、どうしても昼間のうちに来たい理由があった。夜はオスカーの近くにいたい。……村人の数を減らす時以外は]
これは?
[村長の机を探ると日記が見つかった。ぱらぱらっと捲ると、見覚えのある封筒が挟まっていた。差出人は編集長。封は開いていてる。中身を確認すると、そこには俺が人狼であると書かれていた。処刑の準備が滞りなく行われたのも、村長は誰が人狼であるか初めから分かっていたのだ]
くそっ。
[あの晩、村長を殺していなければ処刑されていた。村長を殺さなければ何も起こらない平和な日々を続けることが出来たかもしれない。そんな夢みたいな話も
ありえない絵空事なのだ。
手紙を握り潰し、急いで日記に目を通す。確認したいことが2つあった]
[第一に、村から出られない。
これは人狼は全ての村人を殺すか、村人は全ての人狼を殺さないと外に出られない。人狼と人間、長きに渡り互いに怨み合う呪いのようなものが原因らしい。
第二に、大量に咲いた待宵草について。
異常な量の花も何か関係していると推測した。
待宵草が狂い咲いた時、想い合う村人同士は固い絆が結ばれる。それが今年のようだ。
困ったことに気づく。俺とオスカーの間に絆はない。俺が人ではないだからだ。
どうして俺は人間ではないのだろうか。こんなに愛しているのに、オスカーが死んでも俺はすぐに後を追うことはない。村人達に復讐を望み、最後まで抵抗して死ぬのだろう]
どうして……なんで……こんなことに……。
[己の不運を嘆いても戻れない。
全ての村人を殺しオスカーとこの村の中で生き続けることを強要するか、人狼だと話し処刑してもらいオスカーには生き続けてもらうのか。
どちらにしろ、自分には彼に幸せな未来を与えることが出来ないのだ]
……村人共め。
[村人に対する殺意が沸き上がる。
絶対に守りきる。なんだって利用してやる]
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