204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[獣として、人として。 生きる間に経たのは様々な楽観と諦観。
時として逃げて、目を逸らさなければ、とてもやり過ごせない。
大人と子供の違いなど、その自覚の有無程度に過ぎない。 ささやかで、けれどそれは遠い隔たり。
己の反応でさえ制御することを覚えたその機微は、いまだ子どもには想像もつかないかもしれない。>>199]
(201) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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[ バーナバスの言葉は古傷に刺さる。 それはきっと彼の過去が 言葉に込められているからだ。 今の彼ほどに考えてあの時、他の狼に喰われてこときれそうな恋しい人を食べられなかったわけでは、ないのだが。
――誰にも、取られたくなくても。 ――もし、そうすることが、あるのなら。
泡のように弾け、声にしたのは。]
――、ホレーショー?
[ なぜ、今彼の名が、でてくるのか―― ]
(202) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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[奥底で復讐を考える。 大事なものを奪ったものに同じを。 ああ、けれど。 どうしてかを当人の口から聞きたい。 どうしてラルフが殺されねばならなかったのか。 保護者としてある大人がひとを殺した理由。
ひとの世界でいきるために 保護者に導かれ旅した日々を思う。
この獣の血が流れる限りは 大人となってもひとにはなれないのだろうか、と。]
(203) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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[本人に責める気のない言葉も 時として 凶器になる 言いたいことだけを 投げつけられて
うなだれた 獣は >>197を ただ 黙って聞いていた あたる ラルフの鼻梁 やはり冷たくて ーーーーー苦しい]
(204) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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知らなかったーーー暖かさ
知らなければ 出会うまで 我慢できた
[ラルフと また 暖かさがなくなったら
耐えられないね と 共感しあった
そんな 記憶がすでに遠い]
だから やめて 気休め思わないでーーー
雪が止んだら いなくなるのに
そんなこと 言われても
………………ルーツも きっと もう食べてしまう
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[ホレーショーの名が 耳に入る 怯えるようにーーーーー震えた]
………………風呂でーー外にも風呂続いてて そこでーーー死んでた
[ラルフの冷たい額に 額を合わせながら 押し殺した声が フランシスの質問に 答える]
(205) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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俺はラルフの代わりにはなれねぇ。
ラルフのように優しくはない。
けど、寒けりゃ風よけになってやる。
手がかじかんだら息ふきかけて手擦りあわせて
あっためてやるよ。
寒いなら、苦しいなら、ちゃんと言え。
いくらでもきいてやる。
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[声はただ暗闇に吸い込まれていく。 苦しみの前には、どんな言葉も無力だと。 そんなことは男自身が知っていた。
言わずにはおれなかった言葉の破片の行く末も、獣の目にはその破片がどう写るのかも。 思い出した苦しさに息を飲む。]
(206) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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[ 庇うように広げていた両手を、 ゆっくり下ろす。
――ノックスが、殺した。
ドナルドが補足した事実は、 暗く恐ろしい感情を煮えたたせる。 けれど、けれども。それで、また喪ったらどうなる。これ以上、危険を増やすつもりなのか。ラルフを守れなかったのに。更に危険を増やしてどうするのか。
直情で動けたら。 でも、守りたいものがある、まだ。 ――理性の鎖が本能を縛る。 ]
(207) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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[眠るまで強請り、与えられた口付け。 欲しがって与えられても、足りずに餓えた獣のように求めた。 向けられている衝動にも気付かず、与えられる口付け。 どこまでも保護者とその養い子の関係なのかと思い。 寂しかった。
揺り動かされ、目が覚める>>176。 変わらず外は荒れているようで、時間は分からない。
警戒する様子のバーナバスに頷いて、その後ろをついて共に部屋を出た。]
(208) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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ルーツは喰うより歌わせろ。
その方が喰うよりずっといい。
歌わないなら歌うまで根気よく続けろ。
注いだ分だけ、きっと、返ってくっから。
雪が止んだら――、か。
如何するか、まだ考えてねぇな。
ひとを喰ったら、きっと、ひとの中じゃ生きられねぇし。
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[ 小さく唇を動かし。 一度きつく目を閉じて、 なんとか――ドナルドのほう、気遣うよう見て
項垂れラルフのからだを抱きしめる フィリップのそばに膝をついて耳を傾け ]
――そんな……。
[ 小さい声は辛うじて聞き取れる程度。 保護者さえ喪ったと、フィリップは謂ったのだ。 ああ しっかり、 しないと
――自らに言い聞かせながら、フィリップの背を撫でようと、した ]
(209) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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ーーーーーー……………っ
苦しいーーー胸が痛い 怖い 寒い
辛い 痛い 痛いーーーー
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[小さく息を吐き出し、呼吸と気持ちを落ち着ける。 冷静に、そう言い聞かせる時点で既に冷静でないのだとはよく言ったか。
ドナルドにも、問う声は短い。]
なあ、なんでノックスは殺したんだ。
[ノックスが愛しんでいたのは二人の連れ。 ラルフへと抱く恋情を知る由もない男は、短く疑問を浮かべる。]
(210) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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[気遣うようなフランシスの眼差し>>209に ドナルドはゆると目を細め大丈夫と音なく綴る。
本当は大丈夫と言えるだけの何かなんてもっていなくて 憎悪するまま衝動をぶつけることさえ考えて]
(211) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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ーーーーーー……………っ
[暖かい 温度が背に触れて また 身体が震える]
………………っ う……
[そのまま 声を押し殺し 獣であり彼は 小さく震え始める]
(212) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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[バーナバスからの短い問いかけ>>210に 少しばかり考える風に眉を寄せた。]
俺もそれが知りたい。 ――…過保護、みてぇだし。 ノックスだけの理由じゃ、ねぇような気がする。
フランシスが歌うの止めたのも、 ノックスがトレイルの為に、言ったし。
[想いあい、喰い、喰われるならば 獣としてなら本望な部分もあっただろうと思いながら そうと思えぬ何かをフィリップの慟哭から感じる。]
(213) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[フィリップが抱きしめた亡骸を見て、哀悼を感じないわけではないが。 男は自分の背に隠すようにしたプリシラの存在を思う。
奪われた命が、プリシラでなくてよかったのだと。 密やかな安堵をこっそりと零した。]
(214) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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――…フィリップ。
[呼び掛けるは常のバリトン。 フィリップへと視線向け おいで、という風に両の手を彼へ向け軽く広げる。]
(215) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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苦しい時は我慢しなくていい。
泣きたい時は思いっきりなけばいい。
胸くらいは貸してやるよ。
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[頷いたトレイルを見て、頷きを返して。 ポケットに入れっぱなしだった小刀を取り出して、少し考えて]
はい。
[数分後、差し出した腕肉の切り身。 お湯でちゃんと洗ったのだけども、トレイルは渋い顔をしていた。 ちゃんと料理しなきゃだめだろうか]
料理……したことないねえ。
[小首を傾いで。 とりあえず、自分で食べておく]
ねえ、トレイル。 ノックスとはいつまで喧嘩するの?
[あんまり長いと困ったなあ]
(216) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[ フィリップの背を撫でる。 言葉も見つけられない 今の自分にできること。 己の大切な人を、人で在ろうとして 耐えてきたのに別の獣に奪われた――過去の自分の亡霊が、重なり、泣いている。]
……ノックスが作ったオルゴール ラルフは昔買って
……大切な宝物にしてたんだよ…… なのに、あんまりだ……
[ ドナルドの述懐に嗣ぐ声は、 やはり、所々震えては不安定だ。 ]
(217) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[かかる低い声色 微か ラルフの額から 頭を上げて
歪み始めた孔雀石が覗く
かなりの躊躇の後 ラルフの肉や 血で 赤くなった 指先 広げられた腕の 袖を少しだけ掴んで
もう片手 拳を作って 噛み付いて 震える]
(218) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[ニコラから切った肉片を貰って その濃いピンクの、にごった赤の、塊を 利き手でないほうの掌にのせてしげしげと眺めた後 くん、と臭いをかいで ちろっと舐めたトレイルは、渋い顔で首を振った。
もう二日何も食べていないけれど さすがに、これは、と。
料理の仕方は、トレイルもあまり知らない。 肉片をニコラに返しながら >>216彼の問いに困った顔で笑う]
(219) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[だって、あれはもう トレイルの知る
ノックスではないのだ。
だから]
(220) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[バーナバスの後ろを歩いて、居間に着く。 獣の唸り声>>178にぎくりとバーナバスの後ろに隠れた。 言いつけ通り、傍を離れず話を聞いているが、血の匂いとその状況に理解が追いついていない。]
(221) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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[ノックスは、いなくなっただろう? 僕たちで、何とかしないと。
そう、ゆっくり唇を動かして 焼けば食べられないかなと、提案する。 いくつか、食べられそうなところを切り身にして 火に炙ったあと、塩でもかけたらどうだろう?**]
(222) 2014/11/22(Sat) 23時半頃
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