218 The wonderful world
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[だから、この記憶は、このままにここに。 学生という肩書を脱ぎ捨てるように、置いていく。 あの死神たちにまた会う機会もあるのだろうけど。 その時は、別個の人間として。 オレ自身も、子供みたいなままじゃない、生を見据えられる大人になって、話したいと思うから。]
(158) pepaki 2015/03/24(Tue) 01時半頃
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「お、全員、おわったかー?」
オッケィ、写真にでも残して、退散しようぜ!
[その声を皮切りに、一斉にフラッシュが光る。 中々撮れずに手間取っているやつもいるようだが。
落書きした一角。 そこに置き去りにした思い出を、忘れることはないだろう。 だけど、留まることもしない。 新しい生活に、両手で拓いていく。 それぞれの未来を、描いていくから。*]
(159) pepaki 2015/03/24(Tue) 01時半頃
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[1○1○の付近まで来れば、服装のことに意識が行く。 今身に纏っているのも「ハロウ・バニィ」のロリータ服ではあるけれど。 気分を一新するためにも、いろんなデザインを研究するためにも、他のブランドにも手を出してみようかなとは思っている。
そういえば、と思い出すのは。 ゲーム開始直後、テルと契約した時に出会った、時代錯誤の服装をした死神の子。
あの時のカエルがいろいろときっかけだったな、としみじみ思う。 死神といえば、こっちの世界ではどこかで活動しているのだろうか?
……もし出くわしたら、どんな顔をすればいいのやら。
そう思いながらファッションの店舗を覗くように歩いていけば……窓の向こうに、いた気がした。 服装は死神の時と違うけど、背格好は間違いない。あの子だ。
もし目が合えば、気まずそうに口角を上げて。そのまま立ち去った。]
(160) myu-la 2015/03/24(Tue) 02時頃
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[ケンタッチーでは空腹に耐え忍んだものの、やはりおなかがすく。 近くにあったカフェにふらりと吸い込まれるように立ち入って、ひとつだけチョコレートのケーキを頂いた。
甘すぎないチョコレートは昔からの好物で。 疲れで頭が働かない時も、それを食べて努力したものだ。
テーブル席でケーキを頬張りながら、何やら聞こえた声のやりとり。 そちらを見やると>>@40>>@41。 確か、ノイズを食べていた死神の女の子――だった気がする。
彼女が、誰かと話している様子を、そっと見守る。 私には事情も何も分からないけれど、何やら雰囲気は悪くないらしく。 彼女たちの会話に挟まれた形で、チョコドーナツが見える。
うん。チョコレートはやっぱり美味しいよね。 ケーキを食べ終わったらそっと会計を済ませて、外へ出た。]
(161) myu-la 2015/03/24(Tue) 02時半頃
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[ウニクロを通り過ぎたあたりで、またポスターを発見する。 これもモルコで開催されるマブスラについてのものだ。 今度は『切り裂く閃光』の顔写真が映っている。
……あれ? この仮面、イクリプス666で私たちを襲ってきた子だ。 彼の妨害によってゲームマスター戦まで辿り着けなかったのだから、絶妙な仕事人だった。
彼もまた死神として参加者狩りをしているのだろう。 応援もせず、呪いもせず、その事実を見届ける。 マブスラの大会に行けば、彼の元気な姿も見れるのかもしれないな。 そう思いながらポスターから視線を外す。
>>@39その時、クレープ屋の方面から駆け出してきた、“仕事”を始めようとする彼の姿は、私には見えなかったけれど。]
(162) myu-la 2015/03/24(Tue) 02時半頃
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[ラウンドツーに行こうぜー!と、そんな号令が聞こえてきたのは、すれ違った男子学生の一群から。 あそこのゲームセンターは人気が高い遊び場所だ。私には縁が無いけれど。
男子学生が何かを口に咥えているのを見れば、また非行少年か、と眉を顰める。 しかし、それは煙草ではなく棒付きキャンディだった。 おやまあ。煙草と比較して可愛らしい。
なんだか今日はあのゲームのことを思い出してばかりだ。 キャンディを咥えながら、氷の壁で私たちを妨害してきた死神を思い出す。
覚悟、か。 あの時のミッションの出題意図は、結局なんだったんだろう。
やっぱり、死神は参加者を消すだけじゃなくて、何かを測っている気がするんだ。 生きるのに必要な価値、みたいな。そんな感じ。
それは勝手な推測。当たってても間違っててもどうでもいい。 また死んだ時にでも考えよう。
クレープ・ヘグリに辿り着き、その扉に手を伸ばした。]
(163) myu-la 2015/03/24(Tue) 02時半頃
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― クレープ・ヘグリ ―
[様々な回顧を経て、辿り着くのがこの場所だ。 クレープの甘い香りが鼻腔をくすぐる。
ゲーム中は分からなかったけど、ここの店内は思ったよりも独特な色彩をしているみたいだった。 マリアちゃんの趣味なのだろうか。
今日ここに来た理由だが、クレープを食べに来たわけではない。 さっきチョコレートケーキ食べたし。これ以上は太る。
マリアが出迎えてくれたのならば、挨拶の後に話を切り出すだろう。]
中葦原公園で新しいグラフィティアートを描くことになったんだ。 もし良かったら見に来てね。 面白いの、見せてあげるから。
[>>@36一度、空白となったその場所に。 新たな絵を描く許可を貰えたのは、ついさっきの話で。 ヒラサカ区の中央に近いあの場所を使って、とうとう私の新しい絵を描けることになった。]
(164) myu-la 2015/03/24(Tue) 02時半頃
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[それを伝えて、土産のようにカウンターに「深夜の紅茶・アバンチュールミルク」を置く。 女の子ならこの紅茶シリーズは好きだろう。たぶん。
今度来た時にはフルーツ増し増しのスペシャルなやつを頼むと予約もして。 店内から立ち去り、最後に向かうのは中葦原公園。]
(165) myu-la 2015/03/24(Tue) 02時半頃
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― 中葦原公園 ―
[公園に辿り着けば、最初に目に入ったのは広場で忍者ごっこをしている小学生たち。 全身黒尽くめの衣装を纏い、忍ばずに手裏剣やクナイのようなものを投げ合って騒いでいる。
忍者、流行ってるのかな。 確か、あの鼠央というゲームマスターもシノビっぽい格好をしていた気がする。
彼とは最後、戦うことはできなかった。 しかしゲームがクリアされたということは――彼は、倒されて消滅してしまったのだろう。]
あなたが消えて、私たち皆が生き返った。 ……変な話だね。
[そう考えると、哀れで仕方がないと思う。 彼は何を背負ってこのゲームを仕掛けたのか、は、ゲーム終了後にマリアが言っていたっけ。
ヒラサカの消滅を賭けてゲームをしていたと。 つまり、ヒラサカを守るために、参加者を消そうとしていたと。]
(166) myu-la 2015/03/24(Tue) 03時頃
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……あなたは。 ヒラサカのために戦ったんだね?
[同情するつもりはないけれど。 彼の意志は汲むつもりだ。
ヒラサカに生きる住民として。……なんて、格好つけた精神ではないけれど。
この街を消滅させるにはまだ惜しいと、その意識は一致していたから。]
(167) myu-la 2015/03/24(Tue) 03時頃
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[公園の一角、少し開けた場所の高台に、真っ白な壁があった。 そこは数々のアーティストが、期間限定でいろんなアートを施していく場所。
無名から再開した私が、いよいよここに辿り着いた。
「深夜の紅茶・ムーディーアップル」を飲み干して、空になったボトルを置く。 そして壁に向き合い、描く内容と構図を決める。
様々な想いが私の中に渦巻く。 今までの数々の出会い。 死神のゲームを経ての生き返り。 そして、傍にいてくれるテルのこと。]
(168) myu-la 2015/03/24(Tue) 03時頃
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[“死”を、描いてみたかった。
雲を掴むようなその好奇心は、死んで生き返った今は塗り変わり。
“生”も“死”もひっくるめた、今の私にしか描けないものを描こう。]
(169) myu-la 2015/03/24(Tue) 03時頃
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[黒一色ではない絵筆を取り、豊かな色彩でこの街を彩ろう。
私がこれから生きる証を、一人の足で立つ証を、ここに。
それは決して孤独ではなく。
信頼できる人がいるからこそ、私はその答えに辿り着く。
私の目に映る世界からは、もう、色は失われない。**]
(170) myu-la 2015/03/24(Tue) 03時頃
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―???:英語準備室―
……ありがとうございます。
[>>147この人に頭をわしゃわしゃと撫でられるのは、まぁ、嫌いじゃないなぁ、なんて思う。 子供みたいだとか言われそうだが、素直に心地いい。背丈やらを揶揄っているわけでなく、これがこの人なりの褒め方なのだろう。褒められるのは、嫌いじゃないし。
そうして、いつかとは全く逆の状況。斜め後ろから聞こえた、鼻を啜る音には苦笑を零した。手を伸ばして、あやすように広い背を軽く撫でる。全く、どちらが大人なんだか]
……シュガーとフレッシュ、置いといてくださいね。
[言外に、また会いに来ますと告げて。未だ肩口に埋められた頭に、少しだけもたれ掛かったか。僅かに目元を潤ませつつも、はにかんだ顔は、未来を見据えた晴れやかなものだった**]
(171) ふゆのひと 2015/03/24(Tue) 05時半頃
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―― ‟終わり” の ‟始まり”は
未だ、始まったばかり。
そう これからも続いていく。
(#3) 2015/03/24(Tue) 06時頃
ああ なんて。
くだらなく。 ふざけた。
『すばらしき この せかい』。
(#4) 2015/03/24(Tue) 06時頃
―― The wonderful world ――
≪End ⇒≫
(#5) 2015/03/24(Tue) 06時頃
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