204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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……ノックアウトされれば、気絶して動けなくは、なるよね……
[それだけの力で殴れるかどうか。
そのあたりが不安ではある]
うん……ドナルドにとっては、そうだったみたい。
――だから、衝動に負けるのが、すごく、怖いね。
それだ いっそ弓で………は 死ぬか……
…………怖いね……
[片目を失うより 衝動の入りやすさを
自覚しているだけに]
……衝動にとらわれないように
囚われても 殴るなりなんなりで……止めるよ
[獣の性質を同じように持つラルフの安心になるように]
|
―緋/3階廊下―
[掌の血は、乾いて鱗のように張り付いていた。 洗い流すには足りない水筒の水。
階段の上に座り込み、視線を落とした。]
――曇天の下、少女は木を見上げる。
[インクの匂いのする指先を、擦り合わせる。]
(414) 2014/11/17(Mon) 00時頃
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……それは、死ぬ。
衝動が、どんなタイミングでくるかわからないから。
それがこわい。
[いまだ、ざわめきしか感じなくても。
これが、おさえきれなくなったらきっと、と思えるものを感じている]
うん、ありがとう、フィリップ。
俺も、そうするね。
[こうして、声をかけてくれるだけでも、ありがたいと思う。
一人で考え込んでいたら、きっと飽和していただろう]
嗚呼…………それは ある
怖くて 人間をさけてたはずなのに……
……思いっきり 鳩尾に打ち込んでいいから
[殴られるなら 先の散らした行動より
ラルフにも頼みやすくって
自分は…………できるだろうか?]
満月のときだけ、避けていたけど……
――なんとか、しないとね。
うん、少なくとも痛みで動きが止まるぐらいには、思いっきりやらないとね……
フィリップも遠慮なく、やっていいからね。
|
[階段を降りていく足音は遠くなっていく。 二つの影は、段々と短くなる。 居間に消えるものと思って、また視線を落とし。瞬く。
時折、視界が霞む。眼底が痛みを訴える。 ニコラが悪いのではない。ノックスも逃げようとしなかった。 包帯が取れたとき、心底安堵したものだ。 愛しい姿が見れなくなるのは、ツラい。]
(433) 2014/11/17(Mon) 00時半頃
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ドナルドも強いし……ラルフも強いね
それでも 人に関わって……満月以外の時
狩で仕留めるように…………やるよ
ノックスは、ラルフの声に、はっと顔を上げた。
2014/11/17(Mon) 00時半頃
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[明かりの少ない階段の途中、ラルフの髪色が周囲にとけているように見えた。
彼を見下ろし、苦く笑う。]
あー、傷薬と包帯はあったんだけど、ね。 実は、………まだ。
大丈夫、水で洗い流せばすぐだから。
[血の匂いが届いてはいけないと、その手を後ろに。]
(434) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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俺が強いんじゃなくて、二人に支えられてるだけだと思う。
これから、がんばることができたら、強いのかもしれないけど。
――う、うん。
……身をもって体験するわけか……
[少し、痛みを想像して青ざめる心地]
…………衝動に 負けない くらい
そう 思えることが もう 強さの一つ
だと思うよ
一瞬だから…………!
狩でもそうなんだ 長引かせないのが大事
[と 慌てた風に 思考を上書きする]
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やぁ、シメオン。君に――…いや、また後で。
[個室に戻ろうとする姿に、今は見送るに止め。>>436]
バイ菌が入ったらいけないものねぇ。 じゃあラルフ。ひとつ頼まれてくれるかい?
水を器に入れて、持ってきてくれないかな。
[手当する様を遠くからでも見せれば安心するだろうと、笑んだ。]
(441) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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そっかな……そうだといいな。
ありがとう、フィリップ
[あわてて重ねられる思考に、ほっと吐息をこぼす]
一瞬なら、我慢できるはず……
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―スチールグレイ/椅子を背負っていた頃の話―
『いい加減にして、ニコラ!!!』
[きいきぃと木板が鳴るような金切り声が、部屋の奥から聞こえた。 ノックスは肩を竦ませ、テーブルの正面に座る姉を見る。 久し振りに会ったが、ひどく疲れているようで。自分が呼ばれた理由を察し、溜息。]
俺、ガキの子守りはごめんだよ。
[あんたもついこの間までガキだったでしょうと、姉は笑い飛ばし。次には重く息を吐く。 記憶の中よりも目元の皺が深くなっている。醜いと、ノックスは思った。]
(446) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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『もう嫌なの。 魔女とか、南瓜の馬車とか、宙に浮かぶ猫とか、妖精とか……もう、訳が分からない。気味が悪い。勘弁して欲しいの。』
[6ヵ月前に、子供を預かったと聞いていたけれど。1年ともたなかったようだ。‘神童’だと喜んで居たのは彼女達ではなかったか。
『片付けもろくに出来ないなんて!』 『なんて悪い子なの!ダメな子なの!』 部屋の奥。まだヒステリックな声は続いて。姉の目尻に皺が増えた。醜い皺が。]
(448) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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『いつもは良いの。うちに居る子供の中でも一番小さくて、私達も愛しているの。ちゃんと可愛がってるのよ? ――でもね。姑が。』
[子供の声が、した。 我慢が出来ず、ノックスは椅子を倒す勢いで立ち上がった。]
(449) 2014/11/17(Mon) 01時頃
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ううん きっと のりきれるさ
[と 勤めて心はポジティブに
混ざる感情は どうしよう この子供達と
トレイルとニコラの様子に ちょっと遠い目したい
けれどそれは牧歌的な悩みで 気がポジティブに寄ってたのもある]
痛みを感じさせないくらい
素早くしとめるよ…………
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っ!
[鞭のしなる音、肩に衝撃。 少年から醜い姑の顔が見えないように、その頭を抱く。 じんとした痛みを笑顔に隠して、大丈夫、大丈夫と耳元で繰り返す。]
『何をするの、ノックス! どきなさい!』
[柔らかなプラチナブランドが揺れ。スチールグレーの瞳にノックスが、映った。
その瞬間から、ニコラはノックスの愛しい子になった。]
――きみは、悪い子じゃない。ダメな子じゃない。
[首輪を鳴らし、内なる獣が吼えた。
いい子だと甘く優しく褒め。 月の満ちる夜のうちに、拐った。**]
(453) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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だよね。
[話しているうちに楽観的になってきたのは間違いない。
なにかほのぼのとした悩みが伝わるけれど、そこまで気にする必要はなさそうだとも思う]
……わあ、狩人っぽい。
獲物になった気分ってこういうのかー。
[こちらはそこまで言い切れないから、なるべく確実性を狙うか、と思う。
血が流れているわけではないから、まだ
そこまで匂いで動揺することはない。]
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―薄緋/3階、階段―
[どうして子供と言うのは純粋に、あぁも喜んでくれるのだろう。戻ってきたラルフににこにこと微笑んでしまう。]
おかえり。早かったね。
[器に湛えられた水に両手をつけた。 冷たさに思わず目を瞑る。
このぐらいの冷たさがあって良い。頭が冷える。 擦り合わせた手の間から、薄緋が流れていった。]
あぁ、ラルフ。今なら時間がとれるけど、どうする?
[赤くなった手を水から引き上げた。]
(459) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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[笑うような気持ちで 薄く羞恥プレイに
恥を感じる思考もあれど
今はのんびりと楽観の中笑って]
ふっ 獲物になり切りすぎて
逃げないでね?
[などと 冗談もこぼれ]
[こちらもまた、喜色が思考にまじる]
逃げない、けど。
うん、がんばる。
[冗談にくすくすと、おかしげに笑いがこぼれる]
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[急いだ理由は、傷の心配からだろうと目を細め。 手の甲を服で拭った。]
勿論。 ――あー、ここだと階段を塞いでしまうね。
奥の方に行くかい?
[個室よりも廊下の奥はどうだろうと首を傾げた。 笑顔が眩しくて。つい――手を伸ばしそうになる。]
(466) 2014/11/17(Mon) 01時半頃
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[なにか ラルフにいいことがあった様子
だから ダメだ 心配かけちゃ
ダメだ]
ーーーーーうん……そうだね
[フィリップの様子がかわったことに気づかず]
うん――
二人きり、は、あぶないん、だったっけ。
[嬉しさにまぎれていたけれど。
ふと、改めて二人きりだと気づいた。
それがちょうどフィリップのほうでも起こっているとは知らぬまま]
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[掠れた声小さく。何か異音が聴こえたら駆け降りるつもりで居たのに。階上までは届かなかった。>>469
ふと、意識を階下に向け。]
あ……いや。そうだね。
[小箱の中から貝を取り出す。傷薬が染みて、小さな声を漏らした。包帯を巻くには片手では不便。 またお願いと、彼に白い布を差し出した。]
(474) 2014/11/17(Mon) 02時頃
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…………そう 二人きりはだめ…………
こわい……二人きりは怖いよ
[うわ言のように触発されて思考が落ちる]
フィリップ……
もしかして、いま、二人きり……?
[ふと、届いた声に、問いかける]
……ごめん
でも 大丈夫 だから
…………難しい ね
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