147 書架の鳥籠
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いや。
変なものか。
…何も変ではない。
[それは優しく諭す父のよう。
けれど、―― 願いのためなら、友すら人形にする。
大切なものがあるからこそ、
守りたいものがあるからこそ、]
…嘘であっても、
随分と良い思いをさせてもらったよ。
[それに、もしこれで 亡霊である我々が―――
そこまで考えて、思考は止めた。]
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[私を呪った魔女のいた暗い森は、もしかしたらサイモンのような魔女狩りをする人に焼かれたのかもしれません。 そんなことも頭によぎります。
私には勇気なんてありません。勇気があるのは、ホリーやグロリア、ピッパやオズワルドみたいな人のこと。
私は、魔女の呪いを解いてほしかったのです。 そうしたら、私には重すぎる荷物も、きっと……]
(129) 2013/10/06(Sun) 22時頃
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[へたな呼吸をしながら、からがら走る私の目の前に、シメオンが突如現れました。 驚いた私は、本につまづいて盛大に転びます。]
……っ!
…………!!
(130) 2013/10/06(Sun) 22時頃
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[ホリーと言葉交わす時>>116] [所作が愛らしい猫に置き換えられてしまう。 知らず亡霊の可能性を拭いたくなりもするが]
ありがとう。 しかし紳士は仮の姿で本当は とんでもなくわがままな男なのだよ。 と、言ったら …困らせてしまいそうだな。反応に。
[冗談ともつかない真顔は 先ほどよりもしかりと向けられる笑みに がんばりが見えてさらに微笑ましくなってしまう]
(131) 2013/10/06(Sun) 22時頃
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レティーシャっ
[自分より年若い少女が叫んで飛び出すのを引きとめようと前に出した短い腕は、彼女の影にすら触れる事叶わず空を切った。 追いかけるには、サロンを出て行かなければならない。 彼女にはそれが怖かった。 結局サロンの出口で足が止まってしまった。 臆病な田舎娘は、『お姉さん』として励まし接する事も出来ない。]
(132) 2013/10/06(Sun) 22時頃
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レティ嬢?
[家に帰りたい、と書架の迷路へと駆け出す背に声を投げ 私は同時に手を伸ばすが、残念ながら届かない。]
っ、…待ちたまえ! [そして私も書架の迷路へと駆け出す。]
(133) 2013/10/06(Sun) 22時頃
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……そうか。恐くないのではなくて、 恐怖よりも、強いものがあるから、か…。
[向き直ってくれたオズワルドの返事>>93には、 得心と微かな共感を覚えて、小さく頷き]
ええ、負けられない。 ……失えないものが、あるんです。
[得るものではなく、失えないものを理由に挙げ]
……あの。”嬢”って、呼ばないでください…。
[また、“ホリー嬢”と呼ばれれば、 微かに肩が強ばる。私の顔には、少しだけ哀し気な、 困ったような表情が、浮かんでいただろう]
(134) 2013/10/06(Sun) 22時頃
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あっ
[曲がり角から現れた自分に驚いたのだろうか、レティーシャが本につまづいた>>130 思わず手を伸ばし受け止めようとするが、届く前に転んでしまっただろうか?]
(135) 2013/10/06(Sun) 22時頃
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[男はまだ書見台の前に立つ。 オズワルドからかかる言葉>>117]
守護、と。彼女の名の記しが増えている。
[識ることは出来るから、 文字として綴られていることを伝えて]
…、ふむ。
[添えられる言葉を内に落とす響き。 己の内に手探るそれは長くも短くもない。かたち]
幸せとは、長短の計りだろうか。 難しいとは、誰が決めることなのだろうか。
[批判の色はなく。純粋な問いがそこにあり]
(136) 2013/10/06(Sun) 22時頃
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[ルーカスの柳眉と口角。 二つが示す肯定に思わず緩む口許。 への字がやがて紡いだ言葉>>126を聞くと]
いくつになっても少年の心を忘れないのが殿方。 御婦人方はそう言っていたけど本当かもしれないわね。
でも、子供でもないからあなたは私の言葉に怒らない。
[既婚の証である輝きを認め、 何か言おうとするも開いた口が音紡ぐ前に レティーシャの声>>118が届いて意識がそれる]
あ……。
[呼び止める声が重なり、駆け出す者もいて 歩くことに支障なくとも駆ける事できぬグロリアは動けず]
(137) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[カトリーナも同時にサロンから出ようとしたようだが 彼女は途中で足を止める。それを見ても咎める事はしないが、]
…、ルーカス君!
[振り返って被っていた帽子、それをまるでフリスビーのように投げる。彼がそれをキャッチできたかは、さて?]
預かっていてくれたまえ。 …、ここにまた戻ってくるための 願掛けだ。
[そして、足を止めたカトリーナへ向けて]
レディが1人で行って何かあっては大変だ。 ここは、私が…
[と、言えば再び駆け出すつもりで]
(138) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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― サロンを離れてクラリスの定位置へ ―
[珈琲を片手に一人歩く。 ひとくち含めば、苦いとも酸味ともつかない味が口の中に広がり、飲み込む一瞬に顔に出てしまう。]
この辺だったかな――……
[いつもクラリッサが本を読んでいたところ。 奇妙な数日を過ごした者たちとは、次第に打ち解けてはいったけれど、彼女のことは良く知らない。
それでも、足は正確に。 うず高く積まれた本の向こう――彼女の椅子を見つけて。]
理由も何もわからない間に……こんなことに。 ――ごめんね、頑張るからね。
[目を閉じた。 彼女が術者を失った獣の犠牲になったのはどこだったか。 そんなことを思いながら――今は自分を見下ろす星々にぞくりと寒気を感じながら、黙祷を捧げて。]
(139) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[隅の方に歩いて行きながら >>92耳に引っかかっていたオズワルドの言葉を思い出す。
友が亡霊だとしても想い続ける
友とはそういうものなのか。 想像してみたが、頭の中で上手くイメージを結べず結局諦めた。]**
(140) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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ったく、サイモンめ……。 かっこつけといてそりゃないよ、ね。
[サロンのテーブルに転がる人形を思う。 悪態はつけどそこに悪意はなく。]
――"人"を、殺すなんて。
おまけに、こんな後手後手の配役、 私には合わないわ―― "ミスキャスト"だよ――……
[飲みかけの珈琲。 読書机にそっと置き、零すのは途方に暮れたような声*]
(141) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[オズワルドからの答えが返るのと レティーシャが駆け出すのはどちらが先か] [男は追わずグロリアの傍にあるまま、書見台からサロンの方を向き直る]
その連鎖を――
[言葉は>>122へ]
断ち切る先は、決めたか?
[問いかけは彼女を見ずに。 男の視線の先には、円卓の上に置かれた紅茶と。 サイモンの人形に向けられた祈り>>128]
――私は、 ”そう”でないと 思いたくなる者ばかりが増えて行く。
(142) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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ルーカスは、グロリアに向けた声は苦いもの。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[私は固い床に身を打ち付けると思い込んで目をつむりましたが、衝撃はやってきませんでした。 シメオンが受け止めてくれたからです。]
……っく……
ね、ねえ、どうしたら良いの? わた、わたし……こんなことになるなんて、知らなかった!
[彼の顔を見上げながら、思わず声を荒げました。]
(143) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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グロリアは、ルーカスの苦さ含む声に悩むように眉を寄せた。
2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[オズワルド>>138に向けるのは、歪んだ顔。 この期に及んで恐怖を取る、浅ましい自分を見られたからだ。 ただ、頷いた。]
ああ……おら、もう駄目かもしんね……。
[眠気が近づく]
[抗いがたい『生贄』を選ばなければという衝動]
[誰も選びたくない]
(144) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[ふと、グロリアの視線>>100を感じた気がして、 そちらに瞳を向ける。
見つめ合った、どこか切ないような、綺麗な双眸と、 掌の赤い痕を想う。
どうか、傷つかないで…貴方は、心から願う]
(145) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[不意にオズワルドから投げられた帽子>>138]
む。
[ばすっと良い音を立て顔に当たった。 ぽてりと落ちる時さえキャッチできずに。 運動神経からきしの男の髪が一房乱れて額へかかる]
やれやれ。
[拾い上げる帽子。髪を手のひらで撫で整え]
…そんな事を言われては また増えてしまうだろう。
[下げた帽子の唾が男の目元を隠した]
(146) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[私は魔女の呪いを解いて、みんなのようになりたかったのです。 食べ物を食べて、おいしいと思い。 他人の好意を、素直に受け取り。 おおいに笑って。 夜は何度も目覚めること無く、朝までぐっすり眠る。
『レティーシャ』とは違う子になりたかったのです。
そうしたら、きっと、暗い森のことも忘れられますから。]
(147) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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……
[抱き留めた華奢な体、荒げられる声>>143 何を言えばいいか分からなかった、思い出す前のシメオンならなんて答えるのだろう そう、■■が■■に■■■■、■に■■■と思っていたシメオンなら。]
……分からないよ、僕だって分からない。
(148) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[オズワルド。 巻き込んでしまって、ごめんなさい。
そんなどうしようもない私だけど、 聞いてくれますか、私の「呪い」のこと。 暗い森のこと。
あなたが知りたがったこと。
私に出来ることって、もう、それしかありませんから。 私が壊れてしまう前に、それしか出来ませんから。]
(149) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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―テーブル近く―
………。
[テーブル近くで、 冷たい陶器のサイモンの「人形」を手にしたまま、 “ある考え”>>105を思いついた後]
[夜の色の瞳を、集う人々の上にそっと廻らせる。 その視線は。
絵を愛する青年と、 金色の髪の小柄な少女の上に。
他の人達より、少しだけ長く留ってから、 ふっと、天井の紛い物の星空へ向けられ、閉じられた*]
(150) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[グロリアは視線を落とす。 胸元で自身の手を握りしめるとツキリと微かな痛みを感じた]
断ち切る先は――…
[ルーカスの言葉をなぞり、間をあけて]
あなたでないのは確か。 けれど、まだみつからない、みつけられない。
[“そう”でないと思いたくなる相手はグロリアにも存在する。 だから、同意するように頷いて、嘘の星空を見上げた]
(151) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[落ち着かせようとレティーシャの髪を撫で]
ティーシャは、どうしたいの 魔女が願いを叶えてくれないとしたら、どうなるのが幸せ?
(152) 2013/10/06(Sun) 22時半頃
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[彼女は最も長くサロンにいた。 話しかけられれば誰かと話すが、 積極的に誰かと『仲良くなろう』とした事はない。 彼女の世界には夫しかいなかったから。 夫の世界には彼女は存在していないのに。]
(153) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[ボリスを友だと思った。 それは本当。 彼よりも長く生きて彼を覚えておきたいと思ったのも本当。 けれど、彼女にはもう、耐えられなかった。 『痩せたい』なんて、軽い願い、 誰かのいのちと引き換えになんて、出来ない。]
(154) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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[誰の死も望みたくない。 それがたとえ亡霊であっても。 けれど、『彼女の死を積極的に願わない』人がいない事は、彼女が一番よく知っている。]
(155) 2013/10/06(Sun) 23時頃
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