158 雪の夜に
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― 港 ―
[それから、孫娘の姿を探すも、 ホレーショーとの再開を見れば、軽く笑み、向かうことはない。
船の出迎えをソフィアと手をつないでみた日はもう、セピア色にも見えて。 でも、どことなく、少しほっとした気もする]
(136) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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― 宿屋朝凪亭 回想 ―
[>>108 戻ってきたハナを待っていたのは、やはり女将さんの叱責でした。既に客がいるから軽く済んだのか――もしかしたら後で彼女の母も叱られるかもしれません。 給仕の母親も、失望した表情で娘を覗きます。 きっと、夜にはこの辺りの子どもに対する通り文句が出るでしょう。
『いうことが聞けない子には、人狼がくるよ!』
>>116 赤い男のとりなしに、少女はへの字に歪めた表情をゆるめて、感謝の言を述べたでしょう。]
[まだまだ小さなハナに、任せられる仕事は多くありません。 包丁を持たせたり、お金を預けたり、そんなたいへんな仕事などもっての外です。 集会場で宴が始まり、客が引けていくまでは女将さんといっしょにせわしなく働いていたことでしょう。]
(137) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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[その間にもダーラの姿 >>127 を見かければこんばんはと手をふった。 ダーラの宿屋は雑貨屋である我が家のお得意様でもあったし、宿で出される料理をたまにティモシーと食べにいく事もあった。]
(138) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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いつでも混じりにおいでねえ。
[それは誰に向けた言葉だったか。 笑って言うと、船乗り達の塊に混じっていく。 >>135料理を運んできた少女がソフィアと名乗ると ああ、あんたが。と小さく相槌を打った。 船で名前を聞いたことがある。 なんでだったか。名前を出したのは誰だったか。 そこまでは思いだせなくて首を傾げたけれど。]
ここに来るのは一年に一度だけだけれど、 それでも色々積もってくもんだね。
[少しずつ増えていく知り合い、新たに知る町のこと。 女もまた自分の名前を名乗り返して少女へと誘いの言葉を掛ける。]
ほら、ソフィアも手伝いちょっと休んで 一緒に飲まないかい?
(139) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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[やがて、船長らしき人物にも呼ばれ、ティモシーはいちど、船の中に消えていく。 喪服の女性はその視界には入る事なく、
また、いつもと同じ、船のいるさむい日がはじまると信じている。 やがて、船から降りた時、もう、孫娘の姿もホレーショーの姿もない。 きっと、いつものように集会所に向かったのだろう。 今から、彼らを迎える準備はさぞかし大変だと思うが、町はそれ以上に不思議な活気と祭り気分になっていた。
老人は、ひとり、また坂を登って店に戻っていく。]
(140) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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[>>133 女の所作はごく自然で無意識に等しかったが、 青年が肩で扉を押し開けることになったのは、無論、その手を委ねたせいだ]
あら、……ごめんなさいね。
[配慮の足りぬをひとつ詫びる、 宴の中心の喧騒から遠ざかるように、 2人の姿はあるだろう。 それが本当に目立たぬものであったかは、さて]
……人の多くて騒がしい場所は苦手なのよ。 でも、そうね。あたたかいというのは、本当ね。
[紅い口唇がほんの少し、柔らかなかたちを描く]
(141) 2013/12/22(Sun) 00時頃
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えっ…、私の事、ご存知なんですか?
[自分の事を知っている様なそぶりを見せたセレスト >>139 に首を傾げていたが、一緒にのまないかと言われると伺う様に周りをりょろりと見る。]
じゃあ、ちょっとだけ…
[口調は申し訳なさそうだが、その表情は嬉しそうた。]
(142) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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[船の上に根を、と聞けばおかしそうに笑う。>>134]
ははは、それもありかもな。 あんた達みたいに気の良い仲間と船に揺られて。
けど、こっちの方が、行き先を好きに選べるから。 そこはやっぱり、気に入ってる。
[集会場に入ると、早速気立ての良さそうな娘の出迎え>>135]
ん、ありがと。 盛り上がってるなぁ、お疲れさん。
[これだけなら給仕も大変だろうと労う。]
(143) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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[涼やかに鳴る囁きは、宴の喧騒に紛れる事がない。]
ん? 平気平気。
こういうのも慣れてるんだぜ、結構。
[行く先々で、正体を悟られないままに、
土地の人間に馴染める位の処し方は身につけている。]
……気になる? 男の過去。
[くつり、秘め言に滲む]
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― 集会場入り口 ―
[母に手を引かれて坂を降りて行くと、やがて広場近くの集会場へと辿り着きます。 集会場へと人が集まっているせいか、坂道には先とはまるで違って人気がありません。
ふと、入り口に黒衣の女性と大きな怪我を負った男を見かけました。 ハナは足を止め、母の手をぎゅっと掴んで、しがみつくようにその姿を見送ります。 急なハナの変化に、母親もなんだか、困った様子です。 彼らが消えて暫くするまで、ハナがそうして愚図るのは続きました。]
『いったいどうしたの?』
[時折、娘が理解できない行動を採ることは、母親にとって珍しいことでもありませんでした。 子どもが大人の理解の及ばない行動を取ることは、珍しいことではないのですから。 ぐりぐりと腰元に顔を押し付けるハナに、あやすように声をかけます。 どうせ背を叩いてあやしていればすぐにでも、いつもの元気な娘に戻るのだから。]
(144) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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ヤニクは、ソフィアと名乗った娘も席につけば、まずは乾杯と。
2013/12/22(Sun) 00時半頃
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― 雑貨屋 ―
[店に戻ると、灯りを点し、船の者が入用となるだろう品の探索にはいる。 雑貨屋の倉庫の奥に入れば、そこにはさまざまな品物が、それなりに整頓され、置かれていた。 ランプを近づけ、日付や状態をチェックする。
いくつかを取り出して、店のほうに運び、またもどり。 やがて、いつしか司祭から譲られた聖鏡を見つけたのは、偶然か]
(145) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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― 集会場 ―
いいえ。
[黒い服の婦人が詫びるのへ、首を横に振る。ヒューにとっては、謝らせてしまった事のほうが余程忍びない。]
……。
[集会場の中の活気は、これほど傍にあっても、どこか遠い出来事のようだ。呆気にとられながら、大騒ぎの中心から逃げるように、位置どった。 喧騒に掻き消されてしまいそうな「騒がしい場所は苦手だ」との声に、ヒューは困ったように、固まった。]
それは……、ご迷惑でしたか?
[ヒューは配慮が足りなかった事を、詫びたくて、視線を足元へ下げた。 それでも「そうね」と女が言葉を続けたので、顔を上げた。]
……はい。外は冷えますから。
[紅い唇は、笑っているように見えた。 すまなそうに、ヒューは苦笑に近い笑顔を浮かべた。]
(146) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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気が向いたらいつでもおいで。
[>>143それは船への誘いだったのか、 それとも船乗り達の飲みの席のことだったのか。 ヤニクにはそう言って、船乗りの群れへと入っていく。 >>142ソフィアが休憩を了承してくれると、 嬉しそうに笑って温かな料理をソフィアの傍に置く。]
むさくるしいところで悪いけどね。 あ〜、あんたの名前は何処で聞いたんだったか、 ああ、悪いことは聞いてないさ。 そういうことはここがよ〜く覚えてるからねえ。
[そう言って自分の頭を指して笑い、]
……ホレだったかねえ?
[そう呟いた直後だった。 >>#1>>#2混乱した様子の男が集会場に姿を現したのは。]
(147) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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あら、セレスト。それにソフィアも一緒かい。 ティモシーの爺様は一緒じゃないの?
[>>138村の馴染みの娘の顔が昔馴染みと共にあるのを見かけると、軽く挨拶する。]
どうも、ただ人に酒を振舞われるだけってのは落ちつかないね。あたしも手伝うよ。 ソフィア、そうね。あんたも少し休めばいい。
[そう言って、ソフィアと同じように適当に座っている人間達に料理の皿を並べ、酒を振舞って。]
そう言えばハナは母親と先に来てたと思うんだけど… どこだろうね。
[集会場をちらりと見やった]
(148) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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ああ、さっきのお客…… ヤニクに、ホレーショ―もいる。 今回はどのくらいこっちにいられるんだろうね?
[などと談笑の合間に独り言めいた呟きを漏らしていた頃、男の声がした>>#1>>#2]
(149) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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― 雑貨屋・倉庫 ―
これは司祭様にお返しせねばなるまいて。
[価値のある手鏡の表面は、当時と変わらない輝きをもっているかのようにみえる。しかし、縁っている枠の銀はすっかり黒ばんでしまっていた。 もちろん、銀なのだから、研磨剤で磨けばまた元の美しさを取り戻すだろう]
(150) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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ありがとうございます。 でも、こんな田舎の町ですから、賑やかになる事もなくてこうしているのも結構楽しいんです。
[ヤニクの言葉に柔らかな笑みを浮かべながらグラスを持った。 ダーラに声をかけられ、祖父はどうしたかと言われると、改めて周囲を見渡した。]
それが、船が来てからはぐれっぱなしで。 もうすぐ来るんじゃないかと思うんですけど。
[首を傾げる。]
(151) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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[扉を潜るときに聞こえた「いつでも混じりにおいで」というセレストの言葉が、自分を気遣ってのものに聞こえたのも、苦笑いの要因の一つだ。 船乗り達の輪に入っていくセレストの姿が、立ち上がって大笑いをしている酔った町の人間に隠されると、傍らの婦人へ再び顔を向けた。]
……酒がお得意だったら、暖をとるため、だけでも、
[そう話しかけようとした直後の事だった。 混乱した様子の男が、集会場に飛び込んできた。>>#1>>#2]
(152) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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― 集会場 ―
[集会場は町中の人間が、いやそれ以上の人で溢れかえっているようにみえました。 大人の背丈で影になって、集会場の奥なんてみえません。 普段は薄暗い集会場に火がついたようで、ハナは母に手を引かれたまま、キラキラとした目で辺りを見回します。]
わあい!
[先の様子はどこへやら、ハナは母親が止めるのも聞かぬまま、宴の中へ飛び込んでいってしまいました。 やがて。 >>#1>>#2 震える男が入ってきたのはいつのことだったでしょう? 集会場は水を差したように静まり返ってしまいました。]
(153) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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ホレ…? ホレって、ホレーショーっていう名前の船乗りですか!?
[一体どうして自分の名前を出したのだろうとギョッとするのも束の間、集会場に入ってきた男の声に、ソフィアは固まった。]
(154) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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[>>127>>132 見られることには慣れている。 それら視線を疎うでもなく、目深の帽子の下の眼差しを向ける。 宴の席に注意深く視線をやって、目蓋を伏せた。
かつてのこの町の自分を知る者は、いないだろう。 例えいたとしても、気づかれるはずもないだろう。
港で見かけた老人と、 かつての彼の言葉がふと過ぎる。
―――故郷、帰るべき場所、 町は何も変わっていないと思った、 けれどこの町は既に見知らぬ場所だ]
(155) 2013/12/22(Sun) 00時半頃
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……あなたも、 騒がしい場所は得意ではなさそうに見えたから、 だから、あなたと一緒なら構わないと思ったのよ。
[>>146 迷惑か、との言葉に答えるように続く言葉。 下がる視線も、苦味を帯びた笑みも、女はゆるりと受け止める。
そして青年の手から離れた指先は、 ゆっくりと離れていく]
お酒が得意でなかったら、 ……どうあたたまればよいのかしら?
[女はさらりとそんな言葉を口にしながら、 いただくわ、と酒の杯に手を伸ばして――、 >>#1>>#2 響いたそれに手は中空に留まった]
(156) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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…… い、一体どうしたんでしょう。
[逃げろ逃げろと言い、去って行った男が出て行った出入り口を見やりながらソフィアは言った。]
人狼…って聞こえた気もしますけど。 昔話とかで出てくる?
[よくわからないと言った顔でソフィアは周囲の様子を伺った。]
(157) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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─ 集会場 ─
んあ。
[ソフィアと別れたあとで宿を取り、 やがて集会場で仲間と賑やかに酒を酌み交わしていた男は、 喧騒の中に響いた自分の名前らしきもの>>154に顔を上げた]
なんだ?おう、ちょっと悪ぃな…
[仲間に一声断りを入れて席を立つ。 人を分けて歩み寄る途中、見知った顔と出会った]
よ、ダーラ。久しぶりだな。
[昔馴染みに声を掛ける。 それと、どこか錯乱した男の声が響いたのはほぼ同時だったか]
(158) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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あなたの過去も気になるけれど……、
あの、男。
[確かに捕らえた、男の口から零れた、
うめきにも似た“人狼”という小さな呟き]
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ハナ?見かけてないねえ…。 こんだけ人が多けりゃ探すのも苦労しそうだ。
[ダーラにそう返し、 >>154ソフィアと話を続けようとしたそのすぐ後のこと。 サイモンの怯えた声にシンと集会場が静まり返る。 賑やかだった喧騒はざわざわと落ちつかない人々の呟きに変わった。
人狼、と誰かがサイモンから拾った言葉を反芻する。 人狼、人狼、昔話に出てくる名が集会場のあちこちで繰り返された。]
…人狼。
[女も、思わず口にした1人だ。]
(159) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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…、なんだありゃ。
[逃げろ逃げろと呟いて出ていった男の背に肩を竦めた]
(160) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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そっか、あれだけでかい船だもんな。 ちょっとしたお祭りになるの、解るよ。
あ、そうそう、この町でしばらく日雇いとかするなら、 どの辺りに働き口がありそうとか、知ってるか? やっぱ港の方かな。
[頷いて、軽くグラスを掲げる。>>151 ホレーショーの名前が出た途端うろたえる様に、 少し眺めてから、にっこ、と悪戯っぽく笑った>>154]
なーに、何かいい話?
[だが、他愛のない会話も、男の叫びに途切れる>>#1>>#2]
(161) 2013/12/22(Sun) 01時頃
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