204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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…………一緒にいたい ラルフと
痛いよ いたいけど…………
一緒に…………そばに
――うん。
いっしょに……それだけでいいのに。
[衝動の、抑えることのできない強さ。
それは、どうしようもないもので。
フィリップを、ただ案じている。
それと同時に――
同じものを感じてしまったら。
きっと、抑えることなどできないと、思う]
……それだけが できない
[獣であることも悪くないと思った
それが すぐに転じられる
一緒にいられない ラルフを傷つけた
それでも 大丈夫と 言ってくれる
ラルフといられない
きっと いつか抑えが効かなくなる
同調した感覚 何に?]
――……悲しい。
[傷つけられてもいいと、思えた。
食われるのも、悪くないと、一瞬。
それは、危険で。
たったひとり、フィリップを残したくなくて。
けれど、傍にもいられない、それが]
かなしい、ね……
うん…………
[ラルフは
逃げなかった 怯えなかった 避けなかった
牙を 受け入れてくれた
それは危険で
ラルフには笑って欲しい
傷つけたくない 痛いと思わせたくない]
ーーーーーーうん
[どうしようもない 感情だけがつもる
同じように思ってくれる けれど悲しい]
[どうしようもない。
悲しさだけが、つのる。
あんなに、暖かかったのに]
…………衝動を、抑えるすべを覚えたら。
そしたら……
[覚えるまで、
それまで、衝動に負けずに。
そうしたら、きっと。
そんな、夢を思う]
ーーーー………………
[そんな未来があるのだろうか?
そんなすべを身につけられるのだろうか?
向けてはいけない 衝動を
向けて傷つけてしまうような 己に
深く 深く 光のない 海の底に
沈んでいく感覚
冷たさで手足の感覚は痺れ
ラルフの言葉 信じたい
けれど 自分が信じられない]
…………寒い…………
[温もりが欲しい]
――……フィリップ
[案じるけれど、遠い。
止めることも、できない。
いつか、フィリップと同じようになるのが、わかる。
きっと、それはきっと、遠くない先の話で。
だからこそ、フィリップを案じている]
ーーーーーー………………寒い
[深く 光の届かない海に 沈んだ
彼の意識は 名を呼ばれると
ぽつり と 地上に届く前に
水に溶けてしまう泡のような
小さな 意識を 零す]
……いま、ホレーショーに伝えたから。
だから……
フィリップ、……
[衝動を堪えるの、無理をさせるのと同じだから。
無理しないでとも言えず。
ただただ、案じる気持ちだけを向けて]
ーーーーー………………うん
[ぽつ と また 淡い意識が 一つ
水面 暖かい陽射しが あるのを知っている
けれど 手に 脚に 解けない 鎖
沈み切った 重い体 もう 浮上するために
足掻く力もなく ただ 届くもだけ
辛うじて 窒息死をまぬがれ]
――――
[かろうじて、届く。
その伝わる思いに、ただただ、案じている]
……すべて、終わったら。
きっと、……
[衝動をおさえることができたら。
できなくても――大事な人たちが残っているのなら。
きっと、やり直せる、はずで]
[終わったらーーー全て終わったら
最期はーーーーー嗚呼]
食べたく…………ない……
[全て終わったら…………きっと
食べないでいい きっと もう 誰も食べない
だれも 傷つけない ただ きっと寒いだけ]
|
―ピンクホワイト/温泉―
[トレイルが気にしたのは『ラルフ』の方だった。>>326]
……僕が気安く接してしまったから、彼を困らせてしまったんだ。 だから、もう合わないようにするんだよ。
[正論。表の理由。 フィリップが聞いていたら、物言いたげに睨まれるかも知れない。
遠ざかってくれて良かった。>>336 トレイルの身から流れる赤を、見せたくなかった。]
(398) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
|
寒いーーーーやだ 食べたくない
いやだ…………いやだ…………
[けれど 水面は遠くて もう遠くて
届かない ただ 嘆きだけが
ぽつり こぼれるままに]
|
[指環は湯の中で黒に染まるだろう。過去との繋がりを断ち切った唇は、愛し子の名を呼ぶ。>>327]
……トレイルの家族は、僕達だろう? そんなに昔が恋しいかい。 歌を忘れられないのかい?
[夢想の中で。悲鳴を上げて暴れる少年も、従順に口を開ける少年も。
終いには『僕を食べて』と――…口にした。それは痛みから逃れる為に強制された言葉であり、懇願の言葉であり。
本能に従いながらも死の喪失を伴わない、至福の時間。]
(400) 2014/11/18(Tue) 23時半頃
|
[伝わる嘆きに、
胸が痛い]
……フィリップ。
[ただ、名前を呼んで。
衝動にのまれたのがひどくならないようにと、願う]
|
[聴こえるようにわざと音を立て、舌が柔らかな桃色の肉をなぞる。溢れる血が咥内を満たす。臓腑に落ちた甘露はノックスの衝動を容易く呼び起こし。 裂いた肉片は首輪の存在を主張した。]
……とれい、る。
痛くない、かい?
[上衣の中に滑り込ませた手が、止まった。*]
(407) 2014/11/19(Wed) 00時頃
|
[口元 微か シメオンの 血の味]
いやだ…………助けて…………やだ
やだよ……やだ
[ただ それは 案じる 微かな それを
悲しませるに過ぎない けれど
抑えきれず 浮上出来ない意識は
耐えきれず ただ ただ ほつれる]
ノックスは、トレイルの『痛み』に口端を持ち上げた。笑う。嗤って――…
2014/11/19(Wed) 00時頃
[伝わる思いが、痛い。
悲しい]
フィリップ。
――……いま、ホレーショーがそっち、いくから。
だから、大丈夫……
[ただ、大丈夫だと信じたくて。
言葉を重ねた]
|
――っ
[肩から離した赤い唇を、彼の唇に押し当てた。 抉じ開けて流し込む血を飲み込むまで。
軟らかな舌を噛みきってしまわないよう。 その分、腰を抱く腕に力が籠った。]
(421) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
|
………………うそ 怖い
いない やだ…………助けて
怖い 怖いよ…………
[子供のように 泣きじゃくる
悲しませる 困らせる
それらに気を配る 余裕はなくて]
ーーーーーーっ
……フィリップ
―――……きっと、助けてくれる、から。
[そう願う。
なにもできない無力さが、痛い]
[口の中 甘い香り 蕩けるような
薄い肉付きの その ちぎった 若々しい 味わい]
あ あああ やぁ…………!!
[それは 人の味
知っている味 衝動に負けるままに
軋む 心が音を立てて軋む
海の底 足りない 窒息するままに 悲鳴が上がる]
―――っ
[伝わるものに、息をのむ。
ああ、痛い。
壊れる。
こわれて、しまう]
……フィリップ。
|
[全人の血が甘露になる訳ではない。 感じる味は正直だ。
喉の鳴る音、両肩に指が触れる感覚。]
………は、 ぅ ん……
[離した唇の、息が上がるのは熱のせいだけではない。]
食べられるって、痛いんだ、よ。 ねぇ、トレイル。箱の話は……
(434) 2014/11/19(Wed) 00時半頃
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