227 【完全RP村】Etude of NIGHTMARE
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― 幕間のちょっと前 ―
―― …… なーんか、さっきより、 口軽くなってやがるみたいだし、よ
[ >>62手を振るう姿を、 じ と 、 睨めつけながら。
心無しか言葉の調が軽い気がすんのは 気のせーか はたまた違うのか。
相変らず‟双子”である事を理由にしやがるのは もー聞き飽きた!ってばっかに、眉を寄せて。 虚空を見上げながら、ふ と、息を吐いた。 ]
…… なーんだよ、突然。 そりゃ、どーも。
(111) 雨京 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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[ 掠める生温さに乗って、不意打ちの台詞。 『アリス』がどーの、っていうのは。
――― やっぱり、気に食わなかったが。]
( … こーいうとこは、憎めねーな )
… まあ、夢から醒めたとして、 本当にテメーが 『存在する』なら、 いつか。会いにいってやるくらいは、してやるよ
[ 白金は、きらり、靡いて、
見上げた彩にそう言うのは ふつーのやつなら、到底無理なことだけど、 特になんなく さらっと言ってのけた。
――― ついでに、 久しぶりに、手紙の送り主にも 会いにいこーか。っつーのは心の中で。]
(112) 雨京 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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[ あっさり断れたんなら、 苦虫を噛み潰したみてーに、 ギリ と 歯と歯を擦り合わせて。 ]
… うっせー、俺も癪だけどよ…! テメーは、巻き込んだヤローが 気に食わなくねーのかよ?
[ 差しのべられた手には、 他人の手を取るのは好きじゃねーから。
… 少し悩んだけども、 ぐい と引きこむよーに乱暴にとって、 立ち上がってやる。
もしユーリがバランスを崩したって、 知らねーこと。
―― まー、手を差し伸べ返すくらいはしてやっけど。 そんなところで、幕が天にかかったか *]
(113) 雨京 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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― ウサギ穴へと落ちた先で ―
[深い、深い闇の底へ。 ――或いは闇から光の方へ。
緩やかに、しかし確実にその底へと落ちて行けば。 辿り着いたその先で、本を読む姉の膝の上で。 ……"アリス"は漸く、夢の終わりに辿り着く。]
(114) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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――……" "。
[無意識に唇が紡ぐのは、此方を覗き込むようにする"お前"の名前。 揺らめく竜胆の瞳に滲むのは、さぁ一体どんな色だっただろうか。 名を呼ぶ声は少し掠れてしまったから、"お前"は首を傾げてしまうだろうか。
魘されていた、と。そう告げる"お前"に向けて、ふ、と息を吐き出して。 ――そうすれば、何だか可笑しくて、可笑しくて。クツクツと喉を鳴らして暫く笑いが溢れ続けてしまったから、"お前"はもしかしたら怪訝そうな眼差しを向けたかもしれないけれど。]
あぁ、すまない。 ちょっと……"ナイトメア"に、捕まっていてね。
["酷い悪夢を見せられたよ"、と。肩から力を抜き、姉の膝では無く何時もの枕の上で目覚めの時を迎えながら緩く笑相手を見上げてみたのなら、帰ってくるのはまるで子をあやすような言葉。
それが何だかこそばゆくて、心地良くて――懐かしくて。 "それじゃあお願いしようか"と戯けてみせれば、"お前"はどんな顔をしただろう。]
(115) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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[そうして、ふと。 夢の中であの時計を握っていた手のひらに、"何か"の感触を覚えて。 開いてみれば、そこにあったのは小さな一つの甘い飴玉。まるであの夢の中で見たような真っ赤な林檎のような包み紙に包まれたそれは、……さて。"ナイトメア"からの餞別だろうか。
『何持ってるの』、と。掛けられた不思議そうな声には、肩を竦めてその飴玉を掲げてみせて。 飴玉を見せてみれば、お腹が空いていたのか、と。戯けるように光る瞳に笑いながら、飴玉を持つ手の指でその唇をなぞってみようか。]
(116) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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……もし、お前がいいなら。少し話に付き合ってくれないか。眠いなら、途中で眠ってくれて構わないから。 少し目が覚めてしまってな……、あと、ほら。"悪夢"は人に話せば、現実にならないと言うだろう?
[そうして、"少し巻き込まれてくれないか"、と。言いながら身体を起こせば、伸ばした腕は"お前"の短い髪の後ろへ。 軽く引き寄せ頬へと唇を落としたのなら、ヘッドボードへと凭れかかる自分の方へと抱き寄せる。
ベッドの側にあるテーブルを見れば、其処には眠る前と同じ位置で、小さく時を動かす時計。 飴玉を底へと置き、代わりに時計を取り上げて。文字盤を見てみれば、蜘蛛は漸く蝶から離れたばかり――嗚呼。こんなにも短い夢だったのか。]
……さて、何から話したもんか。 "不思議の国のアリス"は……知っているか?
あの話に似せられた夢でね……ウサギ穴に落ちて、この時計を失くしてしまったんだ。
[そうして軽く目を伏せて、"お前"の肩を抱きながら。いつしか――あの日そうしたように、しかしあの日とは違い逆の手に持つ時計の文字盤を指の腹で撫で、時折頭を預けたりして。 ぽつりぽつりと、夢の内容を語り始める。]
(117) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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[ 急いでいない時計ウサギの話。 真面目なチェシャ猫の話。 まだ開かれていないお茶会に、招待状をくれなかった帽子屋の話。 空から降ってきた、憎らしい程に"可愛らしい"赤の女王の話。 "アリス"にお茶を、"飲ませてくれた"三月兎の話。 白金の髪の、"もう一人のアリス"の話。 夢の中で会う事は叶わなかった、ディーとダムと、そしてハートの女王の話。 そして謎の言語を駆使する皮蛋野郎……ハンプティ・ダンプティとの話。
最初の最初こそ、物語を思わせる所もあっただろう。しかし次第に歪に歪んでいくその物を――そして、男がその物語の中でよりにもよって"アリス"の役を演じていたと言ってみたのなら。 その時の"お前"の顔は、少しだけ楽しみなような、怖いような……嗚呼、無論。あのスカートの一件だけは、絶対に伏せておくけれど。]
(118) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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酷い夢だったよ。 時計は失くすし、夢の中だというのに痛覚はあるし、……まぁ、あのジャバウォックに心踊らなかったと言えば嘘にはなるが。
……、そして、夢の中で俺は死んでしまって。もう二度と、お前には会えないと言われた。 絶望したよ。……本当に、心から。 まぁ、幕が降りてみれば、それもまた"劇"の一部分だったんだが。
[そうして最後に語るのは、ポップコーンを手に劇を楽しむ"観客"の話を。
掻い摘みつつ話はしたけれど、そこそこに長い間話してしまっていたらしく。 夢の話が終わったのなら、肩を竦めて隣の"お前"の顔を見つめてみせた。]
(119) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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……ありがとう、聞いてくれて。これできっと、"現実"にはならない。
さぁ、そろそろ寝ようか……、思いの外、長話になってしまった。
[手の中の時計の中では、何時の間にやら2度程逢瀬を重ねており。その事にはまったく、驚くやら呆れるやら。
再び動き始めたその時計を傍のテーブルへと再び置いて。 そしてふと、思い出したように目を瞬かせたのなら、身体を僅かに横に向けてその手を握り、自らの頬へと押し当てる。
"お前"の指先は、さて今はどうなっていただろう。出来ることなら、美しくあってくれれば良いのだけれど――まぁ、もしもまた削れてしまっていたのなら。 少々咎めるような眼差しを向け、軽く噛み付いてみせるくらいはしたかもしれないが。]
(120) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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あぁ、そうだ。一つ我儘を。 ――……"おかえり" を。言って、くれないかな。
[そうして、夢の中でずっと願っていた言葉を"お前"へと強請り。 そうすればきっと、"お前"は望む言葉をくれただろうから――頬へと顔を預けたまま、男は酷く嬉しげに笑った事だろう。
一日の終わりには、何時もそうしているように。 今日は一回だけ多いキスを交わし、そうして共にまた布団の中へと潜り込む――次はもう少し、"幸せ"な夢が見たいものだと。 取った手は、今日くらいは……離さなくても、良いだろう? 嗚呼、しかしまったく上手くいかないもんだ。あの夢ではああ思ったのに――甘えているのは、結局俺の方じゃあないか、…なんて。]
(121) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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[ 飴玉の包み紙に書かれた鏡文字。
あの悪夢の少女からの"お礼の手紙">>#3に気付くのは……まだ、もう少し先の事。]**
(122) ねこんこん 2015/07/03(Fri) 16時半頃
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― 幕間 ―
[ >>57悪態混じりに吼たる言葉も、
くるり 、
回された傘が風を呼び、 さらり と 過ぎてく。
―― ああ、纏わりついた 血の臭いがほんとーに鬱陶しいこった。 ]
…… あ?
遊ぶも、何も、 そもそもテメーは傍観してるだけで、 弄んでただけじゃ、ねーのかっ!!
(123) 雨京 2015/07/03(Fri) 17時半頃
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[ >>58遠くに重ねた大嫌いな人影とは、 また違う笑みがにこやかに浮かんで、 それがまた逆撫でする。
残念そうに肩を竦めた様にゃ、 一瞬引っ掛かったが。
そもそも、ただ見てるのやつと、 『遊んだ』とは到底言えねーとは思えねーし、 認める気も無く。
――― た、 と 、 駆ける。 ]
(124) 雨京 2015/07/03(Fri) 17時半頃
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[ 殴る寸前、
妙に素直な頷きにゃ はあ? と、一瞬躊躇いが生じかけたが、 一回振るったもんは、簡単には下ろせねえ。]
[ ――― ごちん、 ]
…… ッ、いって!!
[ 柔らかな黒髪を舞いあげながら、 そんなもんがクッションになる訳もねーので、 反動の鈍い痛みに手をぶんぶん、
自滅的に振うと、 >>60傘が、ひらり 遠くへ飛ぶ。 碧眼を細めながら、眺める悪魔は 数秒 林檎色を瞬かせて ――― 。 ]
(125) 雨京 2015/07/03(Fri) 17時半頃
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…いや待て!なんだよ、そのタイムラグはよ!?
[ >>61畜生、すっげーわざとらしい!!
へにゃり、 膝を追って座りこむ姿は 収まるどころかよけーに苛立たせるだけだ。
対照的な白い髪を持つ 俺より年上の少女の容貌の姿のやつのが、 ずっと可愛げがあるってもんで。
――― やり場のねー怒りが、 もっかい拳を作りかけた。 ]
(126) 雨京 2015/07/03(Fri) 17時半頃
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[ どれもこれも嘘くせー、 両手を頭で抑えながら 窺うような林檎色を 鋭さはそのまんまにジロリ、睨み据えて。
( もっかい、殴ってやろーか! )
そう思った時、 影に絡めとるのを躱したユーリの >>64二撃目が降りかかってったので、 勘弁してやった。
( ああ、その林檎色に溜まった滴も 全部 にせもんくせーまんま! )
… そこで、溜息、ひとつ。 ]
(127) 雨京 2015/07/03(Fri) 17時半頃
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ユーリだって、最後まで残ったんだからよ それくらいの権利くれーあるだろーが。
[ まだ手に残る、固い頭の感触に 握った拳を ぱ と 開けて、
手首をひらひら、振るう。 ]
…… んで、テメーは、なんだよ。
『命を預かる気持ち』、だったか? … んなもん聞いて、どーしてんだよ。
… 遊びてーだけなら、 舞台上から眺めてるだとか、 悪趣味なことしてんじゃねーっての…!
(128) 雨京 2015/07/03(Fri) 17時半頃
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[ むしろ余計に 沸き立ったまんまの苛立ちは消さず、 粘つくような視線で じとり、 『観客』としての役割も、 ‟そうしないと遊べない”の意味も、 深く分からなかった俺は。
林檎色をまっすぐ、 それでも幾分かは落ち着いた調子で 真意を探るよう 見据えてやった。 * ]
(129) 雨京 2015/07/03(Fri) 17時半頃
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[あらあら、残念無念! 実際痛いのだけれど、 「わざとらしい」と言われてしまっては ナイトメアも肩を竦める他なく。 更に追撃されればぐうの音も出ず。]
[ナイトメアは二人の男を見上げては、 こころもち頬を膨らませて、 ゆっくり と立ち上がる。 聞こえた溜息なんか知らない。>>127]
(130) sane 2015/07/03(Fri) 18時頃
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『… 遊びてーだけなら、 舞台上から眺めてるだとか、 悪趣味なことしてんじゃねーっての…!』
[粘っこい視線を受け流す。]
……。 だから、みるしかできないの。
あなた、水族館ってしってる? ――いいえ、「リィブラ」にはきっとないわ。 じゃあ、水槽の中の綺麗なおさかなを おもいうかべてごらんなさいよ。
(131) sane 2015/07/03(Fri) 18時頃
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[子猫をしかりつける少女のように、 人差し指をたてて、]
どんなに魚がきれいでも それを手にとって眺める事はできない。 ――そんな事をしたら魚は息ができなくてしんじゃう。
どんなに魚と遊びたくても 水槽が小さすぎてわたしは入ることができない ――わたしは水槽を割ってしまう。
[わかる? と言葉を紡ぐ。]
わたしはゆめのあくまだから。 ゆめでしか あなたたちにあえないの。 舞台に あがることは ゆるされないの!
[それは一つの制約のようなもの。 無数の世界戦に居る人々をゆめに招く事ができるかわりに 悪夢の中の人々に直接手を下す事はできない。]
(132) sane 2015/07/03(Fri) 18時頃
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[真意を探ろうとするなら、 少女は何も「裏」など存在しない 子供の 残酷な目で アルヤスを見据えるだろう。
それから、くるり、とダンスのステップをふむように ドレスの裾が黒い花弁のように広がって、 薔薇園に影を落とす。
――た、た、たたん、と足音が響く。]
にんげんって どんなことをおもうのかしら しあわせなときに たいへんなときに いきているときに しのまぎわに!
いのちというだいじなものをあずかるとき どれほど かくごするの?
わたしはそれを しりたいだけ。 ないものにきょうみがあるだけ。
(133) sane 2015/07/03(Fri) 18時頃
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なぐりたいならなぐらせてあげるけど――
結局、こたえてはくれないの? アリスも。ダムとディーも。
[”悪魔”は至極 至極残念そうに溜息をつくと、 もう一度手を宙へと翳した。
ス、と虚空を指先でなぞる。 周囲の景色は一気に黒に染まり、 ――今度は、四方、八方から、 黒い掌が伸びてきて 彼らを闇の底へと 引きずり落とすだろう。*]
(134) sane 2015/07/03(Fri) 18時頃
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― 後日譚:日本・自宅・初夏 ―
[ 荒れた畳の上を、暑さを運ぶ白南風が通り過ぎ 狭い狭い部屋の中にツツドリの啼き声が転がり込む。
きらり、きらりと射す日差し。 カーテンの陰が揺らめき 僕の声がじとりと湿った空気に響いた。]
ごろーー、 おへよーーーー。
[ くてり。隣にある布団の山に寄りかかって ミノムシの中身が動くのを肩で感じる。 むくりと起き上がった顔に付いている細っそい目へ きししっと笑って見せるのは、欠かさない日課だ。
いつもならもう炊きたてのご飯と味噌汁、昨日の残り 2人ぶんが、小さな卓袱台に並んでいる筈なんだけれど
今日は湯気が立つ ホージ茶がふたつだけ。]
(135) kanko 2015/07/03(Fri) 19時頃
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なあなあ、今日は豆腐と長葱が良い。
[ うざったいバンドで肩から右腕をぶら下げ、 刀どころか包丁も扱えなくなった僕は 寝起きのひとの耳元で そんな甘えを口にする。
すりりと擦り寄せた頬は 伸びたヒゲで一寸痛いけど それはたぶんお互い様。 頬をひとつ、啄めば はふ、と耳朶が湿気た息に包まれ 小さく噛まれた。]
………ん、 っ
[ ………何だか嫌なことを思い出した気がする。>>4:+37
あの時みたいに死にたくはならないけども そんでもって一発殴る気も>>5:+1起きないけども うぐ、と喉の奥に何かを溜め。
ぽすりと左胸に拳を振り下ろしたあとに 「 ごはん。(つくって)」 と言うのでした。]
(136) kanko 2015/07/03(Fri) 19時頃
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[ 規則正しい調理音が響く頃、 大きな背中を見つめながら 僕は着替えの用意をする。
「 ウチにベッドは少ねェの。ほら、帰れ。 」
組と馴染みのヤブ医者に、ケツを蹴られるようにして 薄暗い部屋を追い出されたあの日。 「忘れ物だ」と放り投げられた小さな飴玉は ジャケットのぽっけに入ったままになっていたのだけれど]
これ…………なぁ。
[気に障る丸文字が刻まれた 小さな包みを指先で挾んで ちら とまぶしい朝日に透かして見る。 毒々しい林檎色の赫が 此方を見ているようで ( ……見てんなよ! ) ぷす、と鼻を鳴らして 手にとったのは僕の茶筒。 棄てるのも何か嫌、でも目につくとこにも置きたくなくて 包みごと、まっくらの茶っ葉の中に突っ込んだ。]
(137) kanko 2015/07/03(Fri) 19時頃
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―――いただきます!!!
[ ほっくりと湯気を立てる味噌汁と 艶やかに水を滴らせるトマト、脇にはキャベツの浅漬。 茶碗の中で立派に立つ米粒を前に、僕は両手を合わせる。
”夢”の話は、たぶん………しない。 僕も、このひとも 殺さなきゃ帰れないとかそーいう話は好きじゃないから。
……それに、俺に耳やら尻尾が付いてたってー話も 双剣相手に無様に負けたってー話も 糞餓鬼に煽られて景気良く頭の血管切れたってー話も ( それは僕が恥ずかしいから、したくない。)
左手でむりやり使う箸にしかめっ面をして 目の前の人に あーんぐりと口をあけてみせりゃ トマトのひとつも入れてくれるだろうか。]
(138) kanko 2015/07/03(Fri) 19時頃
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[ ヤクザ稼業にゃ有給休暇も障害保険もありやしねーので 今できることを、できるかぎりするために 左腕をジャケットに通す。 結べるようになるまで暫くは、タイ無しだ。
「 行くぞ 」 「 へーーーい。」
家から見上げた桜は、濃い緑が生して 日差しの隙間を足元にくれる。
僕は木漏れ日の中に見える 僕のいのちを預けた背中を眩しそうに見て
八重に 九重に ――幾度となく 散ってもまた 馨る季節に 咲く華を 此の人と ”彼等”と共に 覽るために
追いかけ、つかまえた背中に ――祈りをこめて ]
(139) kanko 2015/07/03(Fri) 19時頃
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さー、今日もおツトめ 頑張りますかねぃ。
[ 背中に額を付けたのは一瞬。 するりと脇を 踊り抜けて 動く左腕をくるりと回す。
明らかにカタギでねぇスーツ2人が ボロアパートから”出勤”した。
誰もいない部屋の中、飴玉が入った茶筒が
( コトリ ) と 小さな音を立てて 倒れた。**]
(140) kanko 2015/07/03(Fri) 19時頃
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