194 花籠遊里
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やっ …──、いやだ… 厭です!
[僕は初めて、地下へ向かうことを拒みました。 それは子供が駄々をこねるように少し続きましたが 結局は、向かわなければならないのです。 その些細な反抗は、地下牢にも伝えられてしまったことでしょう。
何が、そんなにも厭なのでしょう?
深くを考えてはならない気がして。 僕はしぶしぶと、白を纏っていきました。]
(71) 2014/09/22(Mon) 04時半頃
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── 地下牢 ──
[白い着物を纏った櫻の精が、肌寒い地下に舞い降ります。 待つであろう、探すのは秋色。 射干玉がその色を捉えたのなら、そっと房へと格子を潜り抜け。 清めた身体から櫻の香を漂わせておりました。]
……───買わぬのでは、なかったのですか?
[今宵はどんな気紛れなのか、と。 薄い唇を引き結んで、射干玉を床へと落とします。 白い女物の着物、けれども頭には何時もの櫻色が揺れていました**]
(72) 2014/09/22(Mon) 04時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/22(Mon) 04時半頃
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/22(Mon) 13時半頃
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へえ、とうもろこしかあ。 そんなお茶もあるんだね。
[櫻子さんの好きなものをまた一つ知れた、と僕は嬉しく思いながら会話に相づちを打つ。>>65
小説を書いていると漏らせば櫻子が感嘆の声をあげるので僕は慌ててしまった。]
そ、そんな大したものじゃないんだよ? ただの趣味……で。
[なんて頬を桃色に染めて、櫻子の瞳の輝きから目を逸らす。]
う、ううん…僕の話を? それはやめた方がいいんじゃないかな…。
[櫻子は僕の人柄通りの物語を希望しているように見えたから、口に出すのは躊躇われた。しかし変に誤魔化すのも良心が咎めて白状することにした。]
(73) 2014/09/22(Mon) 14時半頃
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僕が好きなのは悲劇だから。
[そう、救いようのない悲劇が僕は好きだった。 それは隣の芝生が青いというより、ほらあそこにあんなにも荒涼とした大地があるのだから自分たちの庭は充分に青いでしょうと確認するような下衆な魂胆。 けれども僕はそこまで赤裸々に語ることはできなくて、こう取り繕う。]
だって悲劇って安心するでしょう? 最初から悲劇になると分かってるんだから。
[ふいに櫻子の口から言葉が漏れた。>>66 おそらくはヘクターのことを言っているのだろう。]
そう、嫌ってないの?それはよかった。 あんな人でも…こほん、ヘクターさんでも 嫌われるよりかは好かれる方がいいはずだからね。
[いやあの男なら真っ赤に泣き腫らした顔で嫌がられるのが一番好きだなんて言い出しそうだなと想像しながらも、自分の予想とは逆の言葉を平然と口にする。]
(74) 2014/09/22(Mon) 14時半頃
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うん、出来たらいいね。 そのときは僕もまた新しいお菓子を持ってくるから、 櫻子さんの好きなお茶をまた淹れてくれる?
[ずっと此処に咲いているという櫻の花に、僕はささやかな約束を交わした。>>68
やがて櫻の花は呼ばれて席を立った。>>69]
またね。 僕、また櫻子さんに会いに来るよ。 櫻子さんのこと好きだから。
[微笑みを向ける櫻子に何故か好意を表す言葉がするりと口から漏れて。 そんなことを言ってしまった自分にびっくりしながら櫻子の去る背を見送った。*]
(75) 2014/09/22(Mon) 14時半頃
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[僕の射干玉は俯き、少しの刻を巻き戻ります。 持て成したお茶の話、書かれていらっしゃるという小説の話>>73>>74
朗らかに笑う、太陽の御方は「好きなのは悲劇だから」と ご自分の書かれたお話の事までは、お話ししてくださいませんでした。
悲劇は安心するのだと仰られます。
僕が書斎で『夢物語』ばかりを読んでいた、霧雨の日。 数多の『しあわせ』と幾千の『悲劇』を眸に致しました。 僕の心に残ったのは、どちらの物語だったのでしょう。]
(76) 2014/09/22(Mon) 17時頃
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ベルさま。
[僕はひとつ浮かんだことをお伺いしようとして、唇を開きました。]
……───。
そのお茶会の時は、珈琲をお淹れしてお待ちしておきますね。 だから、ざっはとるて、というものを… 楽しみにしておきます。
[そして結局、伺うことはできなかったのでございます。 叶いもしない未来を夢見て、約束を重ねていくのでありました。]
(77) 2014/09/22(Mon) 17時頃
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はい。 僕もベルさまのこと、大好きです。
[再会の約束は、心からの言葉と笑顔でありました。 それが最後になってしまうことを 『悲劇』の物語だとするならば
───ベルさまは、喜ばれたのでしょうか*]
(78) 2014/09/22(Mon) 17時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2014/09/22(Mon) 17時頃
半の目 丁助は、メモを貼った。
2014/09/22(Mon) 19時半頃
許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2014/09/22(Mon) 19時半頃
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[それ程の長居はせずに、おぼろの部屋を後にする。 廊下を歩む花の表情からは、僅か、曇りが取れていた。]
……おうじは。
[中庭に見かけた、二匹の蝶と会話していた花。
今夜は、昨夜の自分のようにあの二匹に呼ばれるのだろうか。 いいや、同じ戯れは二度無いだろう。
考え、軽く息を吐く。]
(79) 2014/09/22(Mon) 20時頃
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[思い出す昨夜の地下。
男に弄られ、悦ぶ男。
見せ付けられる交わりに、混同したのは過去。
氷の指先。
花の咲き方を教え込んだ籠の主。
嫌悪感に満たされながらも、受け入れ悦ぶ身体。
未知から、力任せに咲かされる夜。]
…………
[全身を這うような気持ちの悪さに、頭を振った。]
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[僕は櫻子が去った後も広間でゆっくりしていた。
今宵は別に花を買う気はない。 さりとて独りは寂しいし…。 話し相手を求めて花を買うのもいいだろうか。]
うーん……。
[だとしてもどの花を。相手は誰でもいいのだが。]
花主さんに言えば適当に見繕ってくれるかなあ。
[だがお茶の相手を見繕って下さいなんて文句は些か間抜けに過ぎるなと、冷えきったとうもろこし茶を飲みながら思案顔。*]
(80) 2014/09/22(Mon) 21時頃
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[通りかかった広間に、一人きりの蝶の姿を見つけたならば、ごきげんよう、の挨拶ひとつ。>>80]
おうじとご一緒だったのでは? ……何か、困りごとですか?
[と問いかけた。]
(81) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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[早々に談笑を切り上げてしまうと、 男はその足で、迷わず花主の下へ向かった。 中庭に残した二人を振り返ることもなく、秋風渡る回廊を闊歩。
冷たい夜気は、人肌を求めさせるには良い塩梅。 されど、余り誰かを抱く気に慣れなかったのは、 外装で花籠に訪れてしまった為か。 謎掛け言葉を櫻子に飛ばしたものの、 買うてやろうか、やろまいか。と、茶化して、 別の花を選んだ事など幾らもある。
揶揄の対象にはなるが、同衾の対象にはならない。 まるで花としての彼を評価しないとでも言いたげな態度は、 廓を寄る辺とする彼を深く苛んだだろう。
男が花籠に訪れ、数ヶ月。 ずっと櫻の咲き方を、言葉で態度で、否定し続けてきた。]
(82) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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あ、丁助さん。
[ごきげんようとの言葉に顔をあげると赤い花がそこに>>81。]
ああ、櫻子さんとは一緒だったんだけど、 他の蝶に買われてしまったみたいで。
[困りごとがあるわけじゃないよ、と安心させるようににこり微笑みを浮かべる。]
丁助さんは?今暇なの? それなら一緒に…いっ、
[丁助のそばに寄ろうかと椅子から立ち上がりかけたところで、昨夜の出来事で疼く腰が少し痛んだ。]
(83) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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[されど、今宵、花主に申し付けたのは一輪ではなく梢であった。 切花でなく花籠に深く根を下ろし、毎年同じ場所で咲く櫻。
彼の苦労など知らず、彼のしあわせなど知らず。 ただ、巡りあわせを引き寄せる。
それは蝶の遊泳でなく、それは夜蛾の誘引でなく、人の業。 覚めない夢でも、一時の幻でもなく、確かなる現実であった。]
……へぇ、とうとう枝切りねぇ。 まぁ、聞けば永く居たものじゃねぇか。
(84) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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もうちと稼げる気もするが、お前さんの商いは 肝心なところで法を抜けやがるからな。 今後とも精進潔斎してくれっと在り難てぇ。
―――…此処は仕事で来るところじゃねぇよ。
[花主と馴染み然として交わす言葉は、 肝心な言葉を避けて深入りせず、小さく笑んで金子を放る。 選別代わりと少し多めに包んだが、オマケとばかりに 櫻には未だ告げていないとを教えてくれた。>>67>>68
男は指先に落とした視線はそのままに、 ふぅん。と気のない相槌で取り繕った。*]
(85) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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― 最後の地下牢 ―
[連日連夜の遊戯も今日でお終い。
コートを皺にならぬよう、安楽椅子の背に下げ、 ネクタイは捨てなかったが、背広の釦を全て外してしまった。 着慣れない訳でも、格式ばった装いを厭っているわけでもない。ただ、この花籠と乖離するようで、居心地が悪かった。]
―――……、……遅せぇな。 これで、香でも焚いて居たと言えりゃ立派なもんだが。
ま、駄々でも捏ねていような。
[どっかりと牀榻に腰を落ち着け、背筋を伸ばす。
最中に、想像に易い押し問答を口にしてみるも、 茶々を入れに赴く事も、面倒くさいと寝てしまうことも、 煩わしいと余所の花に浮つく事もなかった。>>70>>71]
(86) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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[彼が来ないというなら、それはそれでも構わなかった。 だが、思考に反し、必ず来るだろうと予想を立てていた。
彼にとって此処は花籠、己は蝶。 そして何より、彼は花。
必ず、訪れるだろうと踏んでいた。 あの寒々しいほど白い衣を身に着けて。]
(87) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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……成程、おうじは仕度に向かったのですね。
[蝶の言葉に頷くと、広間に入り彼へとゆるく歩み寄る。]
ええ、僕は暇、ですね。
[微笑む蝶には、にこやかに。 脳裏に過ぎる不安やそれ以外を見せぬよう。
立ち上がり、痛みに小さく呻く彼に、足は少し速くなる。 昨夜の名残を理由に想像しながらも、それは口にせず。]
無理は、なさらず……座ってください。
(88) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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[そして、彼は己の予想通り、花として牢へと降り立った。 黒衣を纏う男は、膝に前腕を乗せて、足の合間で指を組む。 ふらりふらりと舞い遊ぶ蝶でなく、悪辣な夜蛾でなく。
人として、得体の知れぬ男が、彼を待っていた。>>72]
―――…年がら年中咲いている櫻が、青天の霹靂語るなよ。 [口を開いて最初に飛ばすのは、相変わらずの減らず口。 彼が己に抱く苦手意識は、こうして直ぐに 真実をはぐらかしてしまう所にあるのかもしれない。
お前さんの慰めなど要らない。
―――と、突っぱねる強さがいつも言葉の裏に隠れていた。]
(89) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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言っただろうや、今宵は屋根を借りにきたと。 そうも不満げな顔をするんじゃねぇよ。
[安宿なら花街以前に幾らもあって、彼を買うだけの金があれば、 コンシェルジュ付きのホテルとて宿泊できる。 しかし、そんな事実を世間知らずの彼は知らぬだろう。
この廓が櫻にとっては全てなのだ。]
……それとも―――、
[ひょいと、持ち上げた瞳が彼の夜色の瞳を覗きこむ。
明けない夜など無いと知っている。 けれど、彼の瞳は永劫続く常夜に似ていた。 明けない夜はないけれど、咲かぬ花はあるとでも言うように。]
(90) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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俺に抱かれたかいね、櫻子よ。
[せせら笑う悪辣な顔。 ひらりと櫻の香を掻き混ぜる右手。
歪んだ唇から吐き出す言葉は、また、彼を傷つける。*]
(91) 2014/09/22(Mon) 22時頃
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あっはは、ありがとね。
[>>88丁助には自分の腰が痛む理由が分かられてると思うと気恥ずかしかったが、心遣いは嬉しかった。 言葉に甘えてその場に座っておく。]
隣に座る?クッキー持ってきたんだ。 一緒に食べようかなと思って。
[なんて、さっきまで櫻の花が腰掛けていた場所を示しながら尋ねる。]
それとも丁助さんは僕なんかとお茶はいや?
[昨夜のことで幻滅されてはいないだろうかと、問いを重ねる。]
(92) 2014/09/22(Mon) 22時半頃
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別に構いはしないさ。だがな、丁助。
…道を見誤るなよ。
冷静に物事を見れる『花(ひと)』であれ。
[手折られずに、毒されずに。
その時まで根腐れも起こさずに。
自由になれる時が来れば良いなと、そんな思いを込めて。
年長からの小言に焔はどんな反応をしただろうか。
朧月は珍しくふわりと笑う。
『幸福』であって欲しいと、そんな夢を見ながら。*]
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[丁助は然程長居はせずに部屋を出ただろうか。 殆ど減っていないであろう湯呑みを眺め、その視線は外へとずれる。
月が『花』にしてやれる事の少なさにため息を落とす。
嗚呼、朧月の望みは一体何だっただろうか。 叶うこと無く潰えた望み、とは。*]
(93) 2014/09/22(Mon) 22時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2014/09/22(Mon) 22時半頃
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ああ、甘いもの。 おうじは喜んでくれましたか?
[お誘いの内容に、昨日話した事を尋ね。]
ふふ、嫌だなどと、まさか。 僕で宜しいのですか?
[示された椅子に腰掛け、笑う。
花には蝶を拒む術など、持たない。 染み付いた花の理に従って。]
(94) 2014/09/22(Mon) 22時半頃
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ああ、すっごい喜んで貰えたよ。 ありがとね、教えてくれて。
[おかげでいい贈り物ができたと礼を言う。>>94]
うん、丁助さんの笑顔は好きだからね。 それより丁助さんこそ…その、
[二人の男のまぐわいなんか見させられて嫌だったろう、と口にするのはあまりにも直截すぎて言葉が途切れる。]
それよりその、 丁助さんは悲劇と喜劇はどっちの方が好き?
[先ほどの櫻子との会話を思い出して、会話を繋ぐためにそんな話題を差し向けた。]
(95) 2014/09/22(Mon) 23時頃
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冷静に、物事を。
……ありがとう。
[朧月の微笑に、赤い花も、笑う。
彼の言葉の真意に、己が気付けていたかはわからないけれど。
真摯な花の気遣いに、唯感謝した。]
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いいえ、どういたしまして。 貴方も嬉しそうで、良かったです。
笑顔がすき、ですか。 ありがとうございます。
[嬉しそうな蝶へと向ける笑みは、夜を越す前と変わらぬ物。>>85 言葉を濁すような物言いには、急かす事無く少し待ってみる。
そうして、向けられた一つの問いかけ。]
悲劇と喜劇。 どちらも良さがあると思いますが……
[普段なら濁すだろう答え。 けれど今日は、ふと、思考の端が口に出る。]
出来れば、幸せに終わる物語を。
(96) 2014/09/22(Mon) 23時頃
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そう、幸せに終わる物語…。
[ぱきり、とチョコレートクッキーを噛んだ。 咀嚼すると甘い味が広がる。]
丁助さんにとっての幸せって?
[いつものように微笑は浮かべず、さりとて重要な話をしているという風でもなく、なんでもないことのように尋ねる。横目でちろりと丁助を見つめて。]
僕にとっての幸せは…
[なんだろう?
朝、目覚めること。 起きて食卓に着けばそこに家族がいること。 可愛い許婚との結婚が間近であること。 それに関して友人たちが祝いの言葉をくれること。
どれもこれも一つ一つは確かにその瞬間には幸せだと思うものを感じるのだが、改めて考えると分からなくなる。]
(97) 2014/09/22(Mon) 23時半頃
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