19 生まれてきてくれてありがとう
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「こんにちは、はじめまして!《Ich freue mich, Sie kennen zu lernen!》」
「わたしの 可愛いお姫様」
「握り返す手が愛しかった」
「あなたがどうか、幸せな道を歩みますように――」
「ご機嫌はいかがかな?《Wie geht es Ihnen?》」
「僕の 可愛いお姫様」
「笑う顔を見るだけで嬉しかった」
「お前がどうか、素晴らしい人生を送りますように」
嗚呼 Mutter, Vater...
私はあなたたちの願いに副うことは出来るのでしょうか。
ただ、産んでくれた事実は、"今此処に居る私"。
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―酒場―
[セシルとゴドウィンが用意してくれた昼食は美味しくて、お酒も美味しかった。
二人にお礼を言って、後片付けは手伝って。 途中ヴェスは帰ってしまったろうか、それならば飲んだ量が多かっただけに、気をつけてね?と見送って。 片付けも済んで、ほら帰れ、とゴドウィンに促されると、うん、と頷いた。]
おじちゃん、御馳走様でした。 セシ兄も、いつもありがとう。
[セシルの方にも顔を向け、アルコールでほんのり赤く染まった笑顔で礼を言った。]
(399) 2010/07/06(Tue) 15時半頃
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[酒場を出て、今からどうしよう、と考えて。
元々の予定では、リアのところに昨日のお詫びも兼ねてお茶をお裾分けしにいくつもりだったけれど、思いのほか飲んでしまった今の状態で顔を出したら逆に心配されてしまいそうだし。 そもそも、アルコールでふわふわした足元であまり歩けるとも思えなくて。 内心、飲み過ぎちゃったな、と反省しながら少し悩み。]
(400) 2010/07/06(Tue) 15時半頃
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私、一度家に帰るね。 さすがにちょっと飲み過ぎたみたい。
[セシルと、まだ帰っていないならヴェスにそう言って。 一緒に帰ると言われたら一人で大丈夫だよ?と微笑むが、それでもついてきてくれると言われたらありがとう、と礼を言って共に帰り。 一人で帰るならば、セシルたちにも気をつけて帰ってね?と笑顔で手を振って帰宅しただろう。**]
(401) 2010/07/06(Tue) 16時頃
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あなたは、呪うの?
誰かを――…。
村の人々が噂するように、本当に。
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─ 酒場→自宅 ─
…セシ兄だって、お酒弱い、くせに。
[さっき、本当にびっくりしたんだよ?と、頭に手を置いてこちらを見るセシルを見上げて。 それでも大人しく、一緒に帰る道すがら。 不意に、小さな声で問いかけた。]
セシ兄は。
最期に、傍に居て欲しい…傍に居たい、人はいる?
[聴こえるか、聴こえないかの小さな声は、届いただろうか。 届いたとして、返答はあったろうか。 何か返っても、返らなくても。 アルコールのせいか、ふわりとした笑顔を浮かべたまま、セシルの方は向かず、前だけを見て、ぽつりと。]
─…私は、居るよ。
[そう、呟いた。]
(412) 2010/07/06(Tue) 23時頃
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あ…ごめんねセシ兄。 送ってくれて、ありがと。
セシ兄も、気をつけてね? またふらふらしちゃったら、大変だよ。
[丁度家に着いたところだったから、そのままセシルの方は見ず。 それじゃ、と家の中に入って、そのままずるずると扉によりかかって座り込み。]
─…バカ。
[小さく、そう、自分を責めた。]
(413) 2010/07/06(Tue) 23時頃
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水、浴びよう。
酔ってると、ろくなことしないや。
[ふら、と立ち上がると扉に施錠をして工房に向かい。
いつものように水桶に水をため、頭から被り。 何度も繰り返せば、身体の火照りも収まった気がした。]
…今から、どうしよう。
[リアのところに行くには遅い時間だし、かといって今から作業に入るには、まだ心残りがありすぎる。 きっと作業に入ったら、もう、誰にも会えなくなるから。]
…おじちゃんのお酒、誰かと一緒に飲めないかな。
[本当は、また悪酔いしそうで怖かったけど。 早くゴドウィンに礼を言いたいのも確かで。 服を着替えると、ワインのボトルを持って外へ出た。]
(420) 2010/07/06(Tue) 23時頃
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─ 村の通り ─
[ワインのボトルを抱いて歩くものの、どこへ向かうアテなどはなくて。
どうしようかな、と思って歩いていると、良く知った声が聴こえてきた。]
…ヴェス?
[いきなり笑い出したりとかは良くあるけれど。
初めて聞くような哄笑に、どうしたのだろう、と思い。 声が聴こえた方へと駆け出した。]
(436) 2010/07/06(Tue) 23時半頃
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ヴェ、ス。
どう、したの?
[程無く見つけたその人は、手から血を流していて。 慌ててハンカチを出して、その血を拭おうとしながら顔を見上げた。]
怪我、してるよ。 手当てしなきゃ。
(438) 2010/07/07(Wed) 00時頃
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何が、おかしいの。
それの、何が、おかしいの?
ヴェスらしく、ないよ?
[ハンカチで血を拭い、傷を見て眉をひそめ。 止血程度にしかならないけれど、と自分のスカートの裾を裂いて包帯代わりにしながら。]
ヴェスは、いつだって。
そんな投げやりなこと、言わなかったじゃない。
(443) 2010/07/07(Wed) 00時頃
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あなたは、死ぬのが、怖いの?
一人で逝くのが、残されて逝くのが怖い、の?
あなたの傍には――…。
あなたを想う人がいたのに、……
あなたも、その人を想っていたのでしょ?
選んだ道は正しかったの?
[何処から聞こえた、
の哄笑に、漏れる呟き。
目の前には、永遠の眠りにつこうとするゴドウィンがいて――。
せめて、静かに、との思いが沸いて。]
[でも、人は弱いから――…。
狂気に堕ちても、その人を責められる事だろう、か。]
――…。
[誰も、皆、心に弱さを抱えているのだから――]
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─…うん。
私も、ね。 自分のしたいことと、出来ることを。
したいって、思ってる。
[ヴェスの手を、じっと見つめて。]
ちゃんと、薬塗らないとダメだよ?
あと、は。 どうしようもなくても、生きてる限りは。
頑張ろう、ね。
[こちらに視線が向かなくても、気にすることはなく。 笑顔を向けて、それじゃ私、行くね。と手を振ってその場を離れようと。]
(451) 2010/07/07(Wed) 00時半頃
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うん、頑張る。
─…もうね、逃げないって。 決めたんだ。
[背中にかけられた声には振り向かずに、そう答えて。 あてはないままに、歩を進めた。]
(459) 2010/07/07(Wed) 00時半頃
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