193 古参がゆるゆるRPする村
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そっか
[相互に名を交わす程度には、関わりのある相手だったらしい。]
違ってたらだめ?
だめじゃあない。
ただそうかとおもうだけだ。
[一行ずつの文。
間があいて。]
ああそうか。
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[草むらに立ち、縋るようにサイラスを見上げる。 握った手には痛いくらいの力が込められている。 握りしめている女の手は血の気を失って白い。
女の唇がわなわなと震えた。]
…………嘘です だって“先生”は 私を大切だと言って下さったじゃありませんか
それなら それならわかるでしょう?
私があの日感じた高揚…… 胸が痛くなるような想い あれは、この、青い花たちが運んで来たものです
(335) 2014/09/09(Tue) 23時頃
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ほら……
[女はしゃがんで両手で野草を引きちぎり サイラスの顔へと押し付けようとする。]
だめなんです、他の花じゃ 違う色の花じゃ、だめなんです……!
[女はヒステリックに叫んだ。]
(336) 2014/09/09(Tue) 23時頃
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そんなことないです だって先生が チャールズ先生が言ったんですもの
ここに私を連れて来た日 今日からここにいる先生が、お前の新しい先生だよって だから先生は、“先生”なんです……っ
[女の手から、無残に引き千切られた緑と青が零れて パラパラと草の上に落ちた。]
いいえ先生 これです この花です
だって──…ほら こんなにあまい匂いが……ッ!!
(363) 2014/09/09(Tue) 23時半頃
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……ああ
[小花を握ったサイラスの手が 女の手に重なる。 あたたかい、大きな手が。]
そうなんですね……
[女は唇を噛んだ。]
先生は、嘘をついたんですね? 私を大切だと仰ったのは、その場しのぎだったんですね?
私が…………
(364) 2014/09/09(Tue) 23時半頃
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人殺し──── だから
(365) 2014/09/09(Tue) 23時半頃
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[女はわらった。 碧い目からぼろぼろと涙を流して嗤った。]
やっぱり駄目なんだ 私じゃ駄目なんだ……
あの人も私を選ばなかった
先生もそうなんですね!!
[女は、重ねられた手を振り払い 両手でサイラスの胸を強く突き飛ばした。]
(366) 2014/09/09(Tue) 23時半頃
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さわ っ らないで
先生が汚れてしまう
私の手は汚い あの子を
────あのこを殺した手だから!!
[泣きながら女は叫び サイラスに背を向けて森の奥の方へと駆けだした。]
(367) 2014/09/09(Tue) 23時半頃
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コリーンは、あっという間に藪の奥へと消えていった。
2014/09/09(Tue) 23時半頃
ねえ。
フラレたことって、ある?
[じごくだとかなんとか飛び交うログも読まずに放り投げた質問は、努めて明るく書いたせいで、随分話題から浮いたかもしれない。]
コリーンさんが脱走しました。
すみませんが、応援願います。
振ったことなら割と…。
[関係ない話題で、和まそうと思ったけれど。
和みそうな内容でもなかった]
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[サナトリウムのある方角に背を向け 木立の間を抜け 下草を踏み分け、息が切れても止まらずに走った。
森はどこまでも続いた。 入り込めば入り込むほど、鬱蒼と繁った森は暗くなる。
汚れた白いワンピースの裾は どこかに引っ掛けたのか破れ、一部が引き千切られていた。]
(399) 2014/09/10(Wed) 00時半頃
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>突然何言ってんだ。
[とりあえずそれ で]
>は?脱走?
>サイラス先生
カフェにいらしたらお引き止めしておきます。
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[視界に森の切れ目が見えた。 と、思った瞬間、女は足を止めた。]
──!!
[唐突に森は途切れ 女の目の前に高低差のある斜面が現れた。 斜面の下は幅の広い川が流れている。]
ひっ
……あ、 いや
[女の顔面が一瞬で血の気を失い 唇が震え出す。
怯えたように川面に釘付けになっていた視界に 震える掌を持ちあげ、凝視する。
女は声にならない声で叫んだ。]
(401) 2014/09/10(Wed) 00時半頃
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嫌だ。…──嫌 違う 私は、声を掛けただけで
彼女が勝手に、驚いて落ちて その 筈
(────なのに)
ぁあ、ああ な のに
[白い手を握りしめ、 森の端に膝を突いて譫言のように呟く。]
どうして……
(412) 2014/09/10(Wed) 01時頃
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(やわらかい女の肉の感触が、この手に残っている)
(413) 2014/09/10(Wed) 01時頃
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あ
──はは うふふ
……っふふふ
あっはははは……!!!
(414) 2014/09/10(Wed) 01時頃
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[女は泣きながら空を仰いだ。 高く澄んだ楽器のような声で狂ったように哄笑し 立ち上がって一歩、足を踏み出した。]
あは あはは
ふ、ふ んふふ…………
[一歩。 また一歩。
女は斜面へと近づき──]
(416) 2014/09/10(Wed) 01時頃
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[ずるり──と足を滑らし 落差のある斜面を、転がりながら滑り落ちて行った。**]
(417) 2014/09/10(Wed) 01時頃
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[じごく]
人間じゃなかったら
[地獄。]
他の動物とかはどうなるのかな
人間と同じ? 違う?
コリーンは、数度瞬きをした後、意識を失った。地面に広がる銀糸の間に赤い色が滲んでいる。**
2014/09/10(Wed) 01時半頃
[流れていくログを見ている。
脱走、と見えたのには眉をひそめて、自分の話題以外の流れを追うが、この療養院の外に出られてしまえば、声をかけることも、連れてくることも僕にはできない。
一番はっきりと僕を見てくれる人だったのに、追うことすらできない。]
>けっこう大事なことなの。
>フッたことかあ 案外悪女?
>僕だってさああああああ
[それぞれ短く返信して、スマホ傍らに空を見た。]
生きようと思わなくても、生きられるのは。
[生きているのか。
続く文字をうとうとして止めた。]
おれはメアリーにはふられっぱなしだな。
すきでにげたならほおっておけばいいのに。
いきようとおもわなくても
せいはせい
しはし。
しんだらてんにのぼるかじごくにおちるか。
ひとをころしてもてんにはのぼれる。
ひとをころさなくてもじごくにおちる。
きじゅんはわからない。
どうぶつもわからない。
かみさまのいうとおり。
そっか
[基準は解らない。
それなら自分は、どっちに行ったら良いのか解らなかった。
いや、そもそも良し悪しでも、自力で選べる道でもない。
……のだろうか]
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