197 獣ノ國
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―ホテルの一室―
[案内されたホテル>>72に入れば、きょろりと室内を見回す。既に用意されている料理と、窓から見える景色と。そのどちらにも仄かに息を吐きながら、此方を見詰める相手に笑みを返す。 コートは脱いで椅子にかけておいた。散々汚れたそれは、ジャニスには相応しくないと思ったから。脱いだってどうせ、中も真っ白なのだけど]
まあ、それは楽しみだわ。 ホテルだなんて、最初はびっくりしたけれど。ちゃんと"考えて"くれているのね。
――科学塔、
[あの薄気味悪い噂の絶えない塔の事か。 移された視線を追いながら、持ち上げられた眉に微かに顔を顰める。 随分科学塔を嫌っている様だけれど。細められた目に気付けば、その会話に追い縋る事はせず]
そんなに期待値を上げられると困っちゃうわ。
[つと苦笑を零し、此方を真っ直ぐ見据える彼にぱちりと目を瞬かせる。何を"期待"されているのだろうか。 ジャニスは初めて居心地の悪い視線というものを感じている。例えどんな視線だって、"観客"が此方を見ているなら、嬉しい筈なのに]
(76) 2014/10/05(Sun) 15時半頃
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獣人に会ったの。それも二人。狼と……カナリア、だったかしら。 一人とは連絡先の交換も出来たわ。 身が危ない可能性もあるから、本当はあまり言いたくないのだけど。……アナタになら、良いわよね。
[最後に落とした言葉は、確認めいた声音を伴った。 ……アナタなら、この情報を悪い様にはしないでしょう?昨日会ったばかりの相手に、何を期待しているのか。ジャニス自身もそう思ったけれど、目の前の紳士がジャニスを害するとはとても思えず。 ……だって彼は、褒めてくれたのだ。ジャニスの演技に"価値がある"と認めてくれているのなら、そうそうそれを穢す真似はしないだろう]
ねえ、本筋とは外れるけれど、アタシからも一つ、良いかしら? ルーカス、アナタの姓を教えてちょうだいよ。そうしたら、アタシの本名も教えてあげる。
[隠された"V"の本質を窺う様に、楽しげに。 交換条件は、彼が少しでもジャニスに興味を持っているのなら、乗ってくれるだろうと。そんな期待も含まれていた。 願う様に彼の名前のその先を求めるのは、きっと。もう、隠されているから、という幼い興味からくるものだけでは、なくなっていたけれど]
(77) 2014/10/05(Sun) 15時半頃
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[一人で寂しそうなサボテンの事は毎朝見ていたからよく知っている。 サボテンは育成が楽だとは聞くけれど、ぽつねんと佇むひとりぼっちの緑は寧ろ寂しさを引き立たせていた。 態とひとりぼっちにしていたの?とは、聞けない。
自嘲の笑み>>17と遠くを見つめる瞳は目は何処か遠くを、はたまた何処も見てはいないように 見えて。 優しくない、と語る相手の話を静かに聞いて、静かに頷いた。 一瞬、何も聞こえなくなったけれど叩かれた時計の音を合図にまた針は動く。慌ただしく去った後に残るのは、時間を狂わせてしまった時計の家の主。
これからあの家が、正確な時を刻んでくれるとは限らない。
チラシのサボテンばかりでは華やぎに欠ける。窓辺に置いて映える物……ドライフラワーがいいだろう。 花屋への伝票を届けるついでに注文もしてみようか。そして出来上がり次第、出来たばかりのお得意様に届けるのだ。 ––––––––明日の朝にでも。*]
(78) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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― 商店街 ―
[学生は、ただ呆然と彼の行く先>>41を見守っていました。泣きそうな程に歪まれた表情を見るに、どうも学生の言葉が気に食わなかったらしいことは見て取れました。ぼんやり、学生は彼の背中が小さくなって行くのを、雑踏に紛れるのを見ていました。よたよたと偶に彼の足がよろけることがあったのなら、息を止め危ないよ、と、声には出さずにその背中に投げることだって、きっとあったでしょう。]
……何だよ。
[吐き捨てた言葉は否定された事と、去り行くその体に。それでも彼の瞳に薄膜が張っていたこと>>43には気が付いていたのだから、あまり強いことは言えません。]
(79) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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…――所詮、御伽噺。
[如何してこうして、泣きたいのは私もだよ。学生は乾いた笑いを浮かべました。所詮のその道具に頼って生きていた私は、じゃあどうなるの。学生は爪を自分の手に食い込ませます。透明のマニキュアの塗られた爪が皮膚に食い込み、手の内が悲鳴を上げていても。学生は漸くその顔を俯けると、傘が落ちていることに気が付くのでした。]
…雨雨降れ降れ、母さんが。
蛇の目でお迎え――来てくれない……
[ぽろり。何を思うでもなく落ちたは雫は、一体なんの為に流れたのでしょうか。学生はそれを拭うこともせず、地面にぶつかると弾けるそれを頬に感じ、離れる水感に虚無を抱きます。 みんな、離れて行くじゃない。 リアルは学生を責め立てる。まるで周囲から切り取られ取り残される感覚を見に感じながら、学生は傘を見下ろしたまま、繋がりを持てる携帯を開きました。 チェシャ猫――ではなく、ヤニクさんからの返事はまだ来ず。鬱憤晴らしがてら掲示板には巫山戯たことを書いてもみましょう。そして書き終わった時に来た新しいメール>>67を開いては、学生は溜息さえ吐くのでした。]
(80) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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………せんせい。
[藁にも縋りたくなるような寂寥を抑え、学生は笑みを浮かべした。周囲から愛されるスージーに、対比したのは誰か。言うまでもなく、冷たい笑みはそれを示しています。学生は彼女を心配する文面を伝えるせんせいに、伝わらない画面上、八つ当たり気味に言いました。――僕のことも、心配してよ。 以前、彼が用事を投げ出して自分を探してくれていたとも知らずに。知る者からすれば傲慢だと言われるそれを言うのです。そうでなくとも、ただの我儘。駄々を捏ねる子どものように。 無論、伝わらないそれは、ぼたぼたと情けなく落ちる水と共に弾けて消えて行くのでしょう。]
……不思議の穴でも、探しに行こうかな。
[ふらり。足先は路地裏へ。そこに何があるというわけでもなければ、そんなところに御伽噺の入口があるはずもないことは、知っているけれど。 学生は送信済みの画面を見届けると、踵を返して行きました。食べ掛けのパンと、落ちた傘と、そして忘れられた鞄は石段の上に置いてけぼり。学生はいつになく軽くなった手の内に違和感を覚えることはせずに、歩を進ませました。]
(81) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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――――――――――――――― 差出人:皇マユミ 宛先:せんせい ―――――――――――――――
20xx年 10月2日 ――――――――――――――― スージーどうしたんですか。 ひとまず了解です、伝えておきますね!
ああ、あと、羽織、また今度返しに行きますね。 明日の講義は休ませてください/// ―――――――――――――――
(82) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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――――――――――――――― 差出人:皇マユミ 宛先:スージー ――――――――――――――― 連絡だよ。 20xx年10月2日 ――――――――――――――― せんせいが、無事なら連絡ちょうだいって。 これね!↓ [[添付ファイル:連絡先]] 何かあったの? あんまりムリはしないでね。
またいつか、ケーキ食べに行こう🍰 ―――――――――――――――
(83) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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[振動>>61が男の腰部分を鳴らす。 咽喉を鳴らして笑っていた男はようやっと飛ばした手紙の返事に気付いた>>1:328>>13>>61]
ちょっと、失礼。
[目の前にいる黒鹿>>1:393に一言断りつつ液晶をスライドさせ、文章を綴る。
宛先は3名。送った先から返ってきたのは2名。
1名の顔をぼんやりと思い浮かべつつも、新たに加わった小鳥が綴った手紙の内容を見れば男は薄く笑みを浮かべて、友からのメールには舌に滲む渋味を思い出しながら、思案。
そして最後、公園にて睦言を共にした少女からの御伽噺じみたメッセージには、睫毛を薄く伏せる。]
(84) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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…さて、どうしたものかな。
[ついでとばかりにコミュニティの投稿内容を眺めれば、変動が起きている。『人』が獣をお試しで“飼う”らしい。
男からしたら馴染みのない感覚だ。 何故ならほんの数日前まで男も自分は人間であると認識していたのだから。
動物を飼うことは予想できても、今まで男が知り合った獣人は何の因果か皆人の造形をしている。
人とそう変わらない存在を“飼う”ことにやはり違和感は拭えない。
男は手早く手紙を作成すると3名に送る。 本屋の彼とは昨日約束をしたような気もするから気にはなったけれど、連絡先を男は知らなかった。
けれど狭い小國。いずれ合うだろう。男は楽観的に考えると、再度少年に向き直り]
こんなにも人の目に触れるところに現れてもいいのかい? …君には、飼って欲しいと思う『人』でもいるのかな?
[辿々しく、目の前に佇む“人”に男は尋ねた。]
(85) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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『スージー、貴女は、ヒトが好き?』
[大好きな人に尋ねられて、大きく頷く。みんな優しいし、一緒にいて楽しいと。その本当の意図は、わたしにはわからなかったけれど]
『そう...なら、みんなを守らなくてはね。私達は、そのために生きているのだから。ヒトを助け、守るために、生まれて来たのだから』
[繊細な手が、髪を撫でる感触。とても大好きな家族の夢]
『...スザンナ、もし貴女に飼って欲しいヒトができたなら...』
[少しだけ調子の変わった声に顔を上げて顔を見ようとした瞬間....]
(86) 2014/10/05(Sun) 16時頃
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―――――――――――――― 差出人:チェシャ猫 宛先:アリス ―――――――――――――― おやおや 20xx年 10月2日 ―――――――――――――― 夢の中の世界は時間なんて概念に囚われることはないさ お茶とお菓子とお歌かい?僕ならそこに綺麗なお花でも持って行こうかな 君に似合う花籠をね
そうかいそうかい そのうち見つかるさ、きっと 白いうさぎかい? それはひょっとして切れ長の瞳をしていたかい? なら見たかもしれないね 彼は僕の友達さ
(87) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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そんな窮屈な場所じゃあないさ彼女はもっと海の遥か向こう 幸せを届けに行くのさ 空に溶けるようにね 臆病な彼女はそうだね 何処かに隠れているんだろうよ 飾られた美しさは部屋の中じゃあ意味を成さないというのにね
泡に溶けてしまう? 君の足は尾びれだったかな? ほら、よく見てごらん 君は二つの足があるだろう?両足に靴を履いているだろう? 鐘はまだ鳴らない 君の魔法は解かれていないよ 迷子の君の手を引くのは、誰なんだろうね また夢の続きを教えておくれよ ――――――――――――――
(88) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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[問いかけにはどちらがかえってきたか。 当たり前田のクラッカーだが、喩え粒餡と言われても殴らない
獣人が抱く飼育への羨望。 奇怪な半獣へ注がれるかも知れない奇異の目。 ……飼われなかったら、國府機関に獣人だとばれたら、 ――― ……どうなってしまう?]
饅頭、一種類ずつ適当に包んでくれ。 [ちり、と脳髄を掠める焦燥に眉根を寄せ、店員に告げる。 何を焦っているのかと心の中で誰かが笑う。 そうなったらそうなったで、どうしようもない事では無いか、と。
――首輪でも指輪でもどちらでも嬉しいと、あの言葉が過ぎった では、授ける首も指も手の届かない所へいってしまったら。
目を離した隙に消えてしまった家族。静寂だけを殘して。 背筋につぅ、と冷たいものが流れる。]
(89) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:トレイル ―――――――――――――― やあ、良い朝だね 20xx年 10月2日 ―――――――――――――― もう昼だけれど、また作品に夢中になっていたのかな? 相変わらず君は花が好きだね!
完成か、ありがとう 君なら大層素敵な作品に仕上げてくれたんだろうね 大は小を兼ねる、だっけ? 楽しみにしているよ
…これは君にケーキを届けないといけないのかな? なら君はおばあさんのフリをしといてくれよ 狩人を探してから向かうからさ まあ、いい 悪くはない いつもと違う日常は、僕の好きなものだからね
追伸:僕は君のことを信じているね? ――――――――――――――
(90) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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―――――――――――――― 差出人:ヤニク 宛先:カリキュス ―――――――――――――― 届いてるよ 20xx年 10月2日 ―――――――――――――― おつかい、ありがとう
きっと初めて見る小鳥に驚いたんじゃあないかな 冒険が上手くいったようでよかったよ
また、彼と話せるといいね 公園近くの喫茶店にいたようだからまたそこで会えたり、ね
僕も冒険に出てみるよ 君もまた何か楽しいことがあれば教えてくれないかな?
たとえば、素敵な本との巡り合わせ、とかね ――――――――――――――
(91) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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ーガガガガッ!
[机の上に置いていた携帯のバイブレーション>>83に起こされる。叩き起こされたことで心臓は強く打ち、見ていた夢の内容は休息に霧散して。何か大事なことを聞いたような気がしたけれど、そのかけらすら捕まえられずに見失う]
携帯...メール? 誰から...
[開いて見たメールには、可愛らしい友人の言葉。それを見た途端、不意に涙がこぼれ始めた。 何故だか、安堵とともに色々なことを間違って来たような、そんな気がして。けれどそれが何かもわからなくて。 ほとんど衝動的に、メールをしてくれた友人の番号を画面に呼び出し、発信する。 何故だか、とても強くその友人の声が聞きたくなって]
...あ、マユミ? メールごめんね、ありがとう...
[友人がでてくれたなら、会ってくれないかなんて尋ねてみようと思いながら。留守電になるとしても、メッセージは入れておくだろう]
(92) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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[メールを送信しつつ男はある失態に気付く>>91]
――…名前と記念日は、間違えちゃあ駄目、だったかな。
[いつか唇を尖らせ非難を受けたあの日を思い返し、男は手早く液晶を操作。誤ちを訂正する。]
指一つで変えられる過去、ね。 人が獣、なんて。…望んでそうなる人はいるんだろうか。
[独り言はきっと小さなもの。鹿角を持った彼には届いただろうか。 なるべく声を抑えたつもりだけれど。]
(93) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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それじゃあね。
[眼前にいる青年もまた半獣であるとは知らず。
会計を済ませ、店を離れる。 帰路へつく途中で届いたメール>>82をPDAで確認した。
ああそういえば、羽織を渡したままだ ――スザンナから聞いた話では具合が悪いとか。
届いたメールの裡に何を思っていたかなど測れないまま。>>81 簡素に一文、ありがとう、君もお大事にとだけ電子の文を認め
小雨が降り始めた街を、傘をささず歩く。 包が濡れてしまうというのも忘れ、 染みだらけに変わりゆく石畳に白が黒に染まる錯覚を覚えた。]
(94) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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>>73 錠 新年会の時、ですか。 …後で、沢山話を聞かせて貰ったものです。 ふふ、懐かしい。
[穏やかに、しかし少しさみしげに笑う。 きゅ…。少し寂しげな、しかし人の物ではない音が漏れた。]
えぇ、此処のお菓子、主人も好んで居ました。 …?粒餡かこし餡…か、ですか?
[うぬ、と少し悩んで答える。]
こし餡ですかね。個人的な好みは。
(95) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 16時半頃
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>>94 錠 ええ、また会う機会があれば。 お気をつけて。
[帰っていく相手へ、柔らかく微笑んで見送った。*]
(96) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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[はたり、瞬きが落ちる。]
(――素直)
[それは喉に引っかかる響き>>3だった。間を埋めるように、首を傾げるに似た曖昧な頷きを落とし。それを払拭するように喉を鳴らせば、"冗談"と言葉を続けて。]
それもそうだね。…鹿に世話焼く狼もいるけれど。
[赤ずきん、と呟きながら。柔い瞳を真意の読み辛い笑みへ、赤頭巾へと、順に向ける。
その後に投げた問いも、一瞬の間の後に続く答え>>4も、半ばどうでもよかった。相手が不思議そうに問いを投げた>>1:380時点で、少年の心中は概ね固まりきっていたのだから。
――さて。お喋りな狼の話は、どう綴り伝えようか。"そっか"と短い返事の合間にも、脳裏を文字が駆け巡り。見上げた鳶色に好奇が映り込んだ。]
(97) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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……なんだったかな。確かめたかった、のかも。
[マフラーに鼻先を埋め、カツと足踏みを一つ。飛び出した理由>>4、と小さく呟きながら、曖昧な心情に記憶を、言葉を、嵌めて行く。]
――…いつも通りなのか、そうでないのか。 …家の中で怯え待っている気分でも、なくなったし。
[そう、自分の背中を押した言葉があった。徐にコートのポケットの上から通信機器を撫で、蜘蛛に告げられた言葉を思い返す。]
後。そもそも、買い物しないと家に食糧が無い。
[道草で腹が膨れたらどんなにいいか。
葉野菜が食べたい、と溜息混じりにごちりつつ。ふと空を仰げば、"随分と話し込んだような…"と我に返ったような気持ちになり。ふう、と細い息を漏らした。]
(98) 2014/10/05(Sun) 16時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 16時半頃
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[――着信が来たのだろう。取りだされた機器を追うように、視線が昇り流れる。 失礼、と告げては機器を操作する相手>>84に、一拍遅れて頷くと、その手付きに素直に感心しつつ、用が済むのを見届ける。
…やがて、視線が帰って来るなり、告げられた問い>>85にはゆるゆると首を振り、肩を竦めた。]
…何かあれば、それを仲間に伝えるまでだよ。 まあ、赤ずきんを貰えれば、少しは気が楽になるかもね。 ――いないよ。飼われるなんて、想像がつかない。
[……受け入れて欲しい人は、いないような、いるような。 なんて小さく零れてしまった囁きには。思わず目を瞬かせ、泳がせる。狼の耳に、その声は届いてしまっただろうか。
…どちらにせよ。ここでその心情を深く考えようとは、まず思わないけれど。]
(99) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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― 大通り→住宅街へ ―
[そういえば、亀吉がこし餡と答えた時>>95 奇妙な音を聞いたような気がした。
今なにか鳴らしたか、と問おうとしたが その前に店員から包みを渡されてしまったのだ。]
………。
[家路に向かうまでの間、雨足は早いものへ変わっていく。 何処かで濡れているのかと気掛かりさを覚えれば、 まるで捨て犬の心配をしているようだと、髪に指を埋めて掻き。
髪が湿っていることで、漸く雨が降っている事に気がついた。 住宅街を目指す下駄の音に紛れ、湿った水音が雑ざり込む。
土の色に混ざる透明に風情は感じず、小さく舌を打った*]
(100) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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―大学→商店街―
[大学から駐輪場まで向かう間、花屋と本屋の何方が近いだろうかと頭の中の地図を見直す。
そして自転車やバイクが立ち並ぶ場所にたどり着く前に、はたと足を止めた。]
……ぅわぁ、徒歩かぁ……
[ルーカスの家から大学に来るまでに、公園や喫茶店の前を通過しただろうか。大学の門の先に伸びる道が…の顔に憂鬱そうな色を落とした。
手の中にある"V"の文字をなぞる。明日はいつも通り仕事があるから、今夜にでもバイクを取りに行かねばならない。お礼ついでにメールをしておこう。 もしかしたら夜になっても家の主は留守かもしれないけれど、連絡しておくに越した事はない。 名刺をポケットの中に押し込んで、大学の門を潜った。]
(101) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 17時頃
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[長い道のりを小さく鼻歌を歌いながら歩く。
だんだん楽しくなって、近くに人がいないのを良い事に大きくなるは歌声は、もしかすると反対車線を歩く人物に聞こえるかもしれない。
前しか見えていない、というのは不幸中の幸いか。]
(102) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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――回想・カフェ店内――
[ 奥床しい仕草とともに告げられた言葉には、緩く首をもたげるのみに留めた。テーブルの前に腰を落ち着かせれば、その目は自然、慣れぬ景色に浮かぶ既知の相手>>52へと向く。
自らの返答に、机上に落とされたその視線を追いながら。一間おいてこちらと交わったそれを、改めて緩く見つめ返す。一瞬でも逸らせばその間に、と子供じみた微かな焦燥に。
――薄笑いは形を保ったままだったろうか。冷たいガラスを取る手に知らず、力が篭った。]
……本当に。
[ ――途切れかかった、それでも耳に届いた言葉>>53には、小さく声が漏れる。 からかう意図も当から無ければ、それでも習いめいて軽さを帯びていた口調はなりを潜め。向かう相手のそこへ確めるように暗灰色を絡めれば。
映る表情に低く浅く、息を零した。湿らせたばかりの咽喉奥が乾く。]
(103) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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……じゃあ、――来てよ。
[ 今日にでも、と掠れた声には斜にした視界で呟いた。今夜でも、いつでもと付け足して。 言葉尻に重なった晩ご飯、の語にははたと虚を突かれる。ぼんやりと食べさしのケーキへと視線を落としては、ただ緩い口元に眉を顰め、呟いた。]
先輩が作ってくれるなら、全部食べるよ。
[ やがてこちらをハムスターに喩える答え>>55を聞けば、そういえばサイトでもそんな事言ってる人もいたな、と思い返す。
――「篭り切り」と間に挟まれたそれに、手に取ったフォークはただ皿上に戻した。 回し車を押すハムスターは、自分が同じ道を通っている事に気付いているんだろうか、と小さく思考を揺らす。]
(104) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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ずっと。 ……死ぬまで?
[ 逃げ出したら、には黙ったまま。口角を上げ呟いたのにはどう反応が返っただろう。問いの形は取ったものの、自嘲じみたそれの後には唇を噛み締める。
――そうして美味しい、と相手がケーキを口に含んだころには、平生の顔を取り戻しては。
別れが近づけば、また今度、と渡していたか定かではない連絡先を差し出したのだったか。次はマカロンがあれば良い、とは本心からに次ぐ。席を立った相手の手を、受け入れられたのならば再度取って、店を後にする。
いつだったのか、既知の顔に手を振って、また思うまま足を進め始めた。 ――掠る余韻には一度、僅かに目を伏せては。*]
(105) 2014/10/05(Sun) 17時頃
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