224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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自信作…ですか。楽しみですね。
[眠たそうなヴェスパタインに >>81 笑みを向ける]
そんなこと、あの人の前で言わないでくださいね。 私もヨアヒムさんが村でなにか事を起さないように、慎重になってます…。
[天気のことを気にしていたのを悟られたか]
まるで"雪鬼"でも出そうな天気ですね。
[そう言って、幼いころを思い出すように、少し笑った]
(82) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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「前にお話していた、ケイトに贈るつもりのドレスは完成しました。ただ、彼女へ渡す勇気が出ません。 今日は待ちに待ったお祭りの日。 角灯が冬の夜を美しく飾るのでしょう。お祭りで並ぶお料理やお菓子も楽しみです。それにね、大好きな人達が帰って来たんです。今年のお祭りは一段と賑やかになりそう。
貴女もお祭りに行けたら良いのに。」
(83) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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― 翌朝 ―
[何時もの決まり文句で締めくくり、筆を置く。書き終えた手紙は白い封筒へと入れる。 わたしは机の中を開く。中から出てきたのは、古びた手紙の束だ。どの手紙にもお友達があて先に書かれ、差出人にはわたしの名前がある。幾通ものまっしろな手紙たち、それらは全て、消印は押されていない。切手どころか、宛先すら書かれていない。 出せない手紙の束が幾通も積み重なるばかり。*]
(84) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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― ドロシアの店 ―
[ドロシアは祭りの会場へ出掛けた後だろうか。 (受付は終了してるとは知らず、)昨日の内に頼んだ洋服を取りに行った。あくまでも、会場へ寄るついでを装って。 昨日の今日、洗濯は終わっていなくても仕方がない。事情も話せず、祭りに間に合わせて欲しいと図々しくお願いは出来なかった。]
[コン、コン。と扉を叩く。**]
(85) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/05/26(Tue) 00時頃
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─祭りの当日─
ねえ、叔母さん、本当にヘンじゃない? みっともなく、ないかしら。
[賑わう祭の屋台のひとつ。パルックの食堂が出している出店の裏で、ケイトは何度目かの問いを叔母に投げる。
朝から出店で売るものを作るのに働き通しで、正直おしゃれどころの話では無かったケイトだが、昼を回って数刻程で、折角だから遊んでおいでと解放された。
昨日ジリヤとドレスの話なんかをしたけれど、誰と会う予定でもない。もう何時もの格好でもいいやと匙を投げたところで、叔母に捕まった。
着替えは持ってこなかったのか問われると、ゆるく首を振る。 お祭りは少し覗くだけだから。いいの。 そう言って弱々しく笑うと、じゃあせめて、なんて言って髪を整えられ、ついでに化粧もされた。]
(86) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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[普段はゆるく二つに結んだだけの髪も、綺麗に編まれて片側に流してある。 くるんと上がった睫毛も、艶を乗せた唇も、少しだけ血色を良く見せる頬紅も、ケイトにとっては初めてのものだ。
ちっとも変じゃないわよ、自信持ちなさい。なんてどすんと叩かれた背中が、実は10分経っても痛いのは叔母の恰幅の良さゆえか。
とにかく、こんなのは逆に気恥ずかしい。 お気に入り菫色のプラトークを頭からすっぽり被って、叔母の声に背中を押されるようにして喧騒の中へ踏み出した。]
……マスカラって、つけると眼鏡に睫毛が当たって邪魔なのね。知らなかった。
[人混みの中で誰にともなく呟いて、歩き出す。 こんな時に限って大抵、会いたくない人に会ってしまうものだったり、なんて過ぎった思考を無理矢理頭の隅に追いやった。]
(87) 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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そうさなぁ…。
良くガキの頃は親に言われたもんだ。 夜になったらあったかくして寝なさい。 寝る前にジュースを飲みすぎちゃダメよ。 そんな夜には悪い子のところに雪鬼が来て、お尻を凍らせてしまうんだからね、って。
[寒い日に子供がお腹を冷やさないように。おねしょをしないように。 そんな感じで親たちが躾の為に語る迷信。 おねしょで濡れた下着が冷たくなったら、きっと尻も凍るだろうと。]
お前んとこの大将ンとことかに来なきゃいいねぇ……雪鬼。
(88) 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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[名前なんて読んだものの、遠くから呟いたようなものだし伝わっていなくともさして気にはしない。 祭りの間は滞在するつもりだから、もしかしたらまた会えるだろうし。 それ以降は───…考えていないけれど。]
あんまり天気はよろしくないようで。
[結局、祭りの準備に励んだ一員としては少し不満が募る。 まぁそれもいつもとは違う楽しみになるのかもしれないが。]
ま。来ないよな。
[時間も場所も指定していなかったから、仕方はないのだが。 靴元に視線をやるのは一瞬。 次は何を食うかなんて視線をやれば、思った以上の至近距離に誰か>>87が。]
───と、ごめん。
[咄嗟に謝って、口をあんぐり上げる。 瞬きも忘れて暫く眺めた挙句、落ちる一言は、あっけない。]
(89) 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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……………誰?
(90) 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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アランは、宿屋の軒先にあるランタンを眺めていた。
2015/05/26(Tue) 00時半頃
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[ランタンの柔らかな灯りが揺れる賑わいの中を一人で歩いていると、まるで知らない場所にいるみたいだ。 場所だけじゃなくて、自分も他の誰かになったよう。少しだけ背伸びした化粧も、そんな気分を手伝っているのかも知れない。
いっそ、眼鏡も外してしまおうか。 そんな風に思ったのはほんの気紛れで、祭りの賑わいに充てられたんだろう。 視力は、実はそんなに悪くは無いのだ。唯、薄いレンズ越しだとしても、他人の視線と直接向き合わなくて済むというのは、いつもケイトを酷く安心させた。
レンズを通さない世界は、ぼんやりと滲んですれ違う人の顔も形も曖昧にする。 けれど、目を閉じると、ざわめきの一つ一つは確かに知ってる村の人たちの声なのだ。]
(誰も私を見付けない。私に、気付かない。)
[不思議と孤独は感じなかった。 少し遠くで、聴きなれない女の子の声>>68。ドロテアの大きな独り言は、通りの向こうから。>>79 アランやジリヤは来ているだろうか。ヴェスパタインにも、今年のランタンの感想を言わなくちゃ。]
(──ああ、やっぱり、私。 この村も、村の人たちも。大好き、よ。)
(91) 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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お尻を凍らせるなんて、今考えてもあんまりだなあ。 モスクワの人たちに雪鬼の話をしたことがあったけれど、 誰もそんな話は知らないようでしたね。
[極寒のこの地域では、夜に出歩くだけで命を落とす危険がある。 それだからこそ作られた怪異なのだろうか]
…あの人のお尻を凍らせるには、雪鬼でも丸2日くらいかかりそうですね。
(92) 2015/05/26(Tue) 01時頃
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[輪郭のぼやけた視界で、祭りの雰囲気に浮かれて、だから、気付かなかったのだ。
すれ違う人と肩が触れた気がした。 ごめんなさい、肩越しに振り返って謝罪の言葉を口にするケイトの目線の先に、滲む金髪。>>89]
『……………誰?』
[記憶にあるその声に、菫色の瞳がいっぱいに開かれた。 逃げたしたいのに、足が咄嗟に動かない。 なのに、唇だけは勝手に音を吐く。]
(93) 2015/05/26(Tue) 01時頃
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────……シメオン、…。
(94) 2015/05/26(Tue) 01時頃
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[カラカラ、と、頭の奥深いところで何かが回る音がする。
見開かれた菫色の瞳は、確かに目の前の青年を捉えていた。
否。目の前の青年の、瞳のもっと奥の奥。
ねぇ、わたしよ。
遠くて近い声が鳴く。まるきり別人の思考が割り込んだように、少女の意識は完全に停止する。
わたしよ。わかるでしょう?
カラ、カラ、カラ。
ああ、滑車が回るような何て耳障りな音。
彼が答えてくれたなら、この不快から抜け出せるんだろうか。
明滅する意識の底で、少女の知らない獣が息をする。急かすように。
はやく。はやく。]*
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……言えてら。
[なかなか凍らない大きなお尻を思い浮かべ、小さく噴き出した]
いっそあの大将を差し出して、凍らせるのに手間取ってるうちに、雪鬼の奴を溶かしてやりゃいいんじゃね?
暖炉《ペチカ》の、火かき棒《デレッキ》でさ。
[雪鬼《スニェク・ディアボル》を倒すにはペチカで熱したデレッキで叩け。 そう言いだしたのは誰だったか。 そりゃまあ確かに、熱いデレッキでなら倒せそうな気がしなくもないか。]
さて、寒いから中…入ってるよ。 [軽く片手を上げて、暖を取りにいった。**]
(95) 2015/05/26(Tue) 01時頃
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火かき棒…か
[幼い頃は雪鬼を倒してやると、生意気な子どもたちは言っていたものだ]
[癖になっているか、率先して店のドアを開き]
ではまた。 ランタン…見ておきますね。
[そう声をかけて、静かに閉めた **]
(96) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2015/05/26(Tue) 01時半頃
アランは、雪鬼《スニェク・ディアボル》……と呟いた。
2015/05/26(Tue) 01時半頃
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[丁寧に編み込まれた色素の薄い髪。 紅の香りに混ざる粉の匂い。 男の知らない薫香だ。
呼吸をする度に白い息が視界を埋め尽くす──よりも鮮明に煌めくヴァイオレット。
いつか耳にした唄を思い出した。 そこにあるのは漆黒ではないけれど。
縫い付けられたようにその場から動くことが、出来ない。]
────………。
[ 滲む。
乾いた音。 硝子よりも細やかに微かな欠片が潜り込んだように。
心臓が一度、大きく跳ねる。 ]
(97) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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[ 目蓋の裏側に直接破片が混じったような冷たさを痛覚として認識する。
せり上がる唾液を嚥下することも忘れて、唯々魅入る。
戸惑いの種を摘み上げた唇はゆぅるりと弧を描き、吐息混じりに音もなくひとこと「囁く」だろう。 ]
『 あぁ───…見つけた。 』
[潜り込む異分子。
内側から侵食しては脳を巣食う正体に気付けた者を知らない。
何故なら、真実に気付く前に、人は皆───]
[くすり。
喉奥で声は嗤う。
唇は動いていない。ただ息をするように滑らかに紡ぐ。]
『 誰に見て欲しい? 』
『 誰に気付いて欲しい? 』
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────ケイト。
(98) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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[風が頬を撫でる。 唇が渇いて言葉を紡ぐ度に小さな痺れが走ったけれど朧気に映っていた視界が鮮明に戻る頃。
取り繕うように言葉を継ぎ足す。]
………あんまりに変わったから気付かなかった。
(99) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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[ 何が「変わった」というのか、
この男は自覚していないのだけど。]
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何。めかし込んで。 そう言えばアラン兄も帰って来てるみたいだし、会いに行く途中?
[それなら悪かったと視線を逸らそうとする。 何故だろう。 彼女の瞳を見ているとのめり込まれそうになる。
まるで、気付きたくなかったものに気付かされるような。そんな錯覚を覚える。]
………似合わないよ。
[「言葉には気を付けろ。」 忠告を貰ったのに、口走る言葉は落ちる雪のように淡々としていただろう。]**
(100) 2015/05/26(Tue) 01時半頃
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― 祭りの広場 ―
[さて、昨日はケイトにどんなドレスを着るのか訊ねてみたけれど。 わたしは言うと…
お洒落よりも食い気だった。シャルロートカを昨日も食べたのに今日もぱくぱく。]
(101) 2015/05/26(Tue) 02時頃
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[昨日だって――。こっそりお皿の端に乗せられた焼き立てのお菓子に。>>24 「え、良いの?お祭りの為に焼いたのでしょう?」驚いた様に目を瞬かせて。質問はするものの、シャルロートカから目を離さなかった。 水色の瞳は、キラキラと輝く。大きく口を開けて食べれば、口の中いっぱいに広がる甘さ。]
っ、美味しい。やっぱり、ケイトのお菓子は世界一ね!
[おかげで笑顔までとろける。何時もの様に素直に感想を告げる。]
(102) 2015/05/26(Tue) 02時頃
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