204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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ー 一階温泉 ー [湧き出る湯特有の臭い 立ち上る湯気 ぼんやりと霞んだ視界で もう 冷たい水は必要ない表情が見える
あいた口 咄嗟に両の手で耳を塞ぐ ルーツが猛る際の反射神経の賜物]
…………???
[けれど音は続かなかった 届いたのは大きな水音だけ
中途半端にまくれた上着を直す余裕なく 白い軌跡を描いて落ちた身体に驚いて 服のまま湯の中に入り]
…………トレイル???
(155) 2014/11/16(Sun) 02時半頃
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[仰向けに落ちたはずの 彼の腕を掴んで引き起こそうと かける声は大きくはない]
(156) 2014/11/16(Sun) 02時半頃
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ただの物静かな人物
としては 不自然なほどの静けさ
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ー 一階温泉 ー [ノックスが紹介してくれたトレイルの名 瞬いた深い色彩 意識も何もかも 明瞭のようで 安堵すれば 服が張り付く気持ち悪さを感じる
が]
………………
[白く滑らかで 筋肉質と言うわけでもなく 不完全な下半身が 女性的とまでは言わないが 中性的とは十分言えて
腕をつかむ手に力が入った 目をそらさなければ と思えど 雫がこぼれる 滑らかな肢体から目がそらせないまま]
(159) 2014/11/16(Sun) 02時半頃
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[喉が上下する 嚥下する音が耳に響く
トレイルが首を振れば 髪を伝い雫が落ちる 音のない 唇だけの その 口元に目が そのまま 白い首筋に 己より華奢な鎖骨に 動く腕は こちらを振りほどくほどではなく
無意識 身体が動いた 濡れた肌に 鎖骨に歯を立てて…………
跳ねるようにトレイルから飛びすさった 口元 少量赤く染まるまま その味が 現実に引き戻して 足元が滑り 湯の中に尻餅をついた]
…………っ
[逃げなくちゃ 人から 衝動から]
(163) 2014/11/16(Sun) 03時頃
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駄目だ これはただの衝動
これは 食欲でもなく 一瞬の
嵐のような衝動
駄目…………駄目なんだ
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ー 一階温泉 ー [自分が散らした紅 鎖骨から細い筋
目を離さなければ それは 違う 駄目だ いや 十分怯えるだろう?どうして?
差し伸べられる両腕は誘うよう 震える手を伸ばす 掴むのはその手首 細い手首 上背は自分よりありそうな けれど 何か 線の細い身体を 両腕で引き寄せて 強く抱きしめれば 衝動は身体に火をつけて 彼にもある箇所も熱く]
…………にげっ……て
[喘ぐように 微かな理性が 濡れた髪から覗く 耳に囁く]
(166) 2014/11/16(Sun) 03時半頃
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ー 一階中央奥 ー [暖かな息が首筋にかかる 目を一度強く瞑ったのは背筋を駆け上がる ぞわりとしたものに 頭の中が焼かれるから
物欲しげな視線が 濡れて張り付くのを 下から押し上げる箇所に注ぐ
どうして?けれど 深い色彩の蠱惑的な]
ーーー俺は…………
[その首筋を食い破りたい] [そう思って首筋を指先が辿る] [胸を開き 肋骨の隙間から指を差し入れかき混ぜたい] [そう思ってさらに手は下がり胸板を撫でる] [細い腰をへし折り] [もう片腕は腰に回し力が篭り]
(168) 2014/11/16(Sun) 03時半頃
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[嗚呼 この腹を裂いたら…………] [さらに下がる手が優しく円を描くように撫でる] [覆いかぶさるトレイルを見つめる目は獣のそれ]
(171) 2014/11/16(Sun) 03時半頃
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[滲み続ける衝動の それを拒もうとする精神の
せめぎ合いが続く]
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[トレイルが何を思っての行動か 理性が焼き切れそうな獣は 理解する知能はもうない
それでも 牙も爪もたてないのは けれど 手の撫でるままに 跳ねる身体の 白さは眩しくて 揺れで硬く持ち上がる箇所が擦られ………]
………………トレっ イル…………
[掠れた声で囁く ゆるく傾げれば 撥ねた髪からまた雫落ち 覗くぬめる赤に吸い寄せられるままに唇を重ね]
……っあ っ
(176) 2014/11/16(Sun) 04時頃
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[甘い声を零すのは 捕まえた腰を揺らし 硬くなったものを彼の尻へ すりつける動作に連動して ……先の仰け反る動きによる刺激が甘くて
辛うじて こうしていれば 最悪の事態……彼を喰らうことは回避できそうで 何度もトレイルの腰を揺すり トレイルの幼い残されたものを巻き込み 布越し何度も擦り当てる]
(177) 2014/11/16(Sun) 04時頃
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[衝動に快楽を上書きして
食べてしまわないように
食べてしまわないように
ただ それだけを願う]
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[深く眉間にしわを寄せ 衝動をすり替えようと
見上げた孔雀色は その思考も忘れ トレイルの深い色彩を その嬉しげな 必死の代用行為のはずが 溺れていく
何度も名を呼びながら擦り上げた 熱と欲に浮かされた声は 上ずって 服越し 赤が刻み込まれるほどの
トレイルの手の力に気づく余裕もなく 身体と熱が強く脈打つまで 重なる音は息遣いと踊り躍らせるための水音 声を落とすのは彼ばかり ]
(180) 2014/11/16(Sun) 04時半頃
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…………お願い……内緒に して
[危険な獣であることがばれないように ………本当にそれだけだろうか?] [果てて内からも下衣を濡らした彼の 最初の一言はそれ
衝動も過ぎ去ったが ぐったりと疲れて 持ってきていた自分用の布で トレイルの透明な雫も それ以外の身体も拭えば 当人はびちゃびちゃに濡れたまま 重い足取りで温泉を後にする ぐらぐらと目眩が*した*]
(181) 2014/11/16(Sun) 04時半頃
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快楽を代償行為として衝動を散らす
咄嗟に殺さずに済んだ 襲わずに済んだ
ーーーけど 本当にこれでいいのだろうか?
寒い とても寒い…………
わからないけど、万が一があったら、こわいし。
ありがとう。
ほめられると照れるね。
[気恥ずかしさがにじむ。
気をつけて、には小さく頷きを返し]
そっちも、なにかあったら教えて。
どうか、した?
[伝わる驚愕に静かに問いかける。
けれど、衝動をこらえるような思考を感じれば口をつぐみ。
落ち着くまで、声をかけることはなかった]
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ー 一階中央奥 ー [びちゃびちゃに濡れたまま 定位置に戻る ほんの少し前 ラルフに弓を教えたり
ーーーーー付け加えられた一言に 迷った末 頷いたーーーーー
そのまま 寝藁が濡れるのも気にせず その場に倒れこんで]
あ…………上着
[防寒着を温泉で脱いだことを思い出す が とても取りに戻る気にはなれない ルーツが戻る早々横になる彼に 遊べと乗っかろうとして 飛車飛車な様子に その場から 何歩か後ろに飛びすさった]
(186) 2014/11/16(Sun) 10時半頃
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[ほんの少し前 それが遠く感じる
感じた気恥ずかしさや 気遣いや
そっちこそ と風邪の話に口にした
上がどうなっているか
こちらより暖かいだろうけど
ーー嗚呼 風邪 そうだ 服 けど]
………………俺ーーー
何かあった 何かあったけど
どうしよう なんで 俺ーーーーー
[混乱が滲む]
フィリップ……?
何が、あったの。
[届いたのは衝動を誤魔化すもので。
快楽がにじんでいたのも、理解はしていた]
大丈夫?
[落ち着かせるように、問いかける]
何かーーーーラルフ 俺……
[躊躇う ある程度成長するまでは
集落で暮らしていた
だから 人並みに倫理感も羞恥も 最低限はあって]
衝動を散らしたかったんだっ!
だけど 気持ちも良くて…………
こんな 散らし方…………
[うかがう様子に 問いかける感触に
衝動を抑える方法 けれど内容は
伝えていいのか 躊躇う
躊躇いながらも 気持ちは消沈したまま
落ち着きは少しずつ 取り戻されて]
衝動を覚えるようなことがあって。
それを散らす方法が――伝えにくい、と……
どんな方法であっても……
食べたのじゃなければ、まだ、誤魔化せるんじゃない、かな……
[羞恥と、快楽と。
伝えにくいということがわかればなんとなく想像もできる。
思い至ったことを言葉にはしない]
ーーー…………うん
誤魔化せる…………かな
…………最中も笑ってはいたし
内緒にしてもらえれば 誤魔化せる?
[トレイルが話せないこと
……静かすぎることに違和感は覚えても
まだはっきりと核心には至っていない]
人間が怖いのか 自分が怖いのか
ーーー…………わからない…………
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