3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[保健室で休む方が良いと言われ、こくりと頷く。 体調が悪いのは自覚もある。 けれど…
全てから薄い膜で隔てられているような奇妙な違和感。 説明のつかぬ感覚にいつの間にか染められている気がした。
見つめる右手。いまだに感覚は鈍いが、多少は動くようになってきたか。]
(225) 2010/02/27(Sat) 13時頃
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あ、
厭
…――怖、……
[笑い声が、聞こえる。]
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─ 保健室へと向かう廊下 ─ [保健室は、正面玄関を越えて、校長室の隣。 さほど距離はないはずなのに、何故だかひどく遠く感じた。
ふと見た、窓ガラス。 淡く映る自分の姿が一瞬だけ奇妙に歪んだ気がした。 誘うように招く手。僅かその表情が笑ったような。]
(245) 2010/02/27(Sat) 14時頃
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風紀委員 ディーンは、美術部 ミッシェルの叫び声に、ふと我に返る。
2010/02/27(Sat) 14時頃
[――見ない]
[見ない、 見ない。]
[窓際ひとり]
[同じ。 同じだ]
[――違うのは]
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…メアリー! [駆け出した彼女を追おうとするも、周りに引き止められしぶしぶ保健室へ。 この部屋の中だけは何故か空気が違う気がした。
窓辺で揺れる、鮮やかな色の葉の観葉樹。]
(257) 2010/02/27(Sat) 15時頃
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…わかった。 こんなことしてる場合じゃないのにな。心配かけてすまん。 [結局隅のベッドへ押し込まれ、ネクタイを外して衣服を緩めた。 目を閉じて眠りに落ちる瞬間、何かの声を聞いたような気がする…*]
(283) 2010/02/27(Sat) 16時頃
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――、…
渇く。 なら、
[嗚呼。あげる と、 優しげな声がする。]
……――何処に。
[あげるよ。誰かの声に似ている。
知っている。知っているのだ。]
… 鬼は……、
……他を、捕まえないと
[橙の眼が謳った溺れるものの板。
じわじわと脳裏を侵食する。]
……この、こえは。
……なんなん、…だ…?
[鬼であり鬼に近すぎるのに鬼になりきれない薄紫は
小さく、そう呟いた。]
ああ ああ
ああ ああ
[衝動が高まる]
[渇きが高まる]
ああ
くる しい
つら い
ああ
[何か壊れる寸前にも思えて]
…、っ
[共鳴か、呼応か、渇きが伝播する。]
や、…め、…、
…、――っ
[搾り出すような こえ が、脳裏に響く。
耳をくすぐる 手招く声。]
こわ、れるな。…だめだ
[くろとしろの、手招く、声。]
鬼は
… 俺たち。
[おにさん、こちら。]
…… …
[――――頂戴。]
[――――頂戴。]
[あげられなければ、
て、しまう。]
――――――永遠の、鬼ごっこ。
――――ここで死ねば
―――ずっと
なんで
こんなに
ああ ああ
こんな中にずうっといるなんて
イヤ だ
[赤い、ビー玉の黒いしみが
ぎろぎろと燃える……。]
イヤ だ……。
ここにずっといる のは
お前も
そうだろう?
[段々と、思考が、目的を定め始めるか……。]
勝つ?
それは……。
[わかってくる方法、それはそれは]
他を……。
嗚呼。
そうか。
―――――勝てば。
[―――かえる。
かえって。かえっても。
かえりたくなくてここにいた。
けれどここにいたいわけなどあるはずもない]
[ぼやけた、黒。
薄紫に滲む黒。
漆黒に引きずられるように。]
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