204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[愛しい彼の赤を被り、舌で唇を拭った。倒れそうな身を支え。 腹に放たれた白は、赤と混じってピンク色。掬った掌を口許に運び、琥珀の瞳の前で啜った。
やっぱり美味しいと。好きだよと、もう一度愛を囁き。 フロスティブルーはラルフの最期を映さんとする。
――すべては過去に消えても、夢みる心は華やかなりし昔を描き出そう。 水は冴かに美しく、空のように青く、限りなき美にドナウは充ちる。 我等いま歌う。 青きドナウを讃えて、我等今うたう。
とこしえに美しく青きドナウの歌を。*]
(50) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[肌に歯を滑らせて、プリシラへも促すように男の指や肩を噛ませる。 過ぎる強さで歯を立てられた時には、咎めるようにプリシラの肌へも強めに歯を立て。
傷つけないだけの力を覚えこませるように、互いの肌を味わう。
ぐちゃりと濡れた音よりも、獣じみた吐息や噛みしめた唇の隙間から零れる声、耳の奥でどくどくと響く血潮の音がうるさくなってきた時。]
…くっ、
[ぐる、と喉を鳴らすよう、腹の奥から腰へと熱が走って、そのまま欲望を爆ぜさせた。]
(51) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[最愛の人を食べたくなる。 流れる血はそんな血族のもの。 だから血の近い同性と旅をする。
熱の解放を手伝うだけでも 喰いたいと欲する本能。 飼い慣らした大人ならいざ知らず 保護者に付き添われる身では――。]
これ以上はダメだって。 俺に、喰わせたいの?
[フランシスに言い聞かせる声は自らにも向く。 一度は抗い片目と引き換えに手に入れたはずの平穏。 大事な同行者に血を与えただけでそれは遠いものとなる。 仮令そうなると知っていたとしても ドナルドはラルフの回復を望みそうしたのだろうけど。]
(52) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[絡む指と深くなる口付けに、堪えていた涙が零れた。 それはまるで、堪えようとしていた感情のように。
逃げる舌も絡め取られ応じる術も知らない為、翻弄されるだけ。]
待、て……なあ、なんで……。
[先程自分で慰めていたそこを露にされ>>46、戸惑いと共に声をかけるが、直ぐに追い立てられてしまう。
そもそも、人に触れられたのは初めてと言っても良い。 縋るようにその肩に頭を押し付けた。]
(53) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[その瞬間だけ一際大きく背を揺らし。
プリシラの瞳の端に滲んだ雫を舐めあげて、同じように手を濡らした二人分の精をべろりと舐めた。]
すすんで飲むモンじゃねえな。
[口にした白濁へ顔をしかめて、そんな感想を零しながら片手に纏わりつく雫は瞬く間に舌に舐めとられた。]
(54) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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ー →居間 ー
ーーーーー………………
[何があったのか] [呆然と 開けた居間の扉 甘い血の匂い 混じる 先も嗅いだ 匂い
燃ゆるペチカのあたたかさ を感じない ふらり 足が 向かう ソファーに あの二人はまだいただろうか? ノックスは?]
(55) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[煩い 五月蝿い
耳を抑える。
聞いた覚えのあるリズム 音程は違う 何が行われて居るのか ペチカの火が、トレイルに伝えて
ニコラの指が>>37触れていなければとうに 二人に向けて襲いかかっていただろう。 彼の同じ表情が無ければ
今は 寧ろ]
(56) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[>>49 見られている気がして少し首を傾いだ。 喰らってしまうかも、と謂ったから唇は、 ――先ほど触れた以外は、避けたけれど。]
…… おぼえなくて いい……
[眼を逸らして恥じ入った。
そうして、ぼんやりとした頭のまま尋ねてしまったけれど 大人が飼いならしたはずの本能を 首筋を食むような、覗かせ方をしてしまったのだから――ドナルドは。]
っ、…!ちょ ドナルド……
[軽々抱えて運ばれて、うろたえるまま名を呼ぶも 静かにそっと眼を伏せた>>52]
……ごめん。――いけないこと、した、な
(57) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[トレイルは、ニコラに前髪をいじられたあと ゆっくり立ち上がって、ノックスに近づいて行った。
それは、フィリップが>>55到着する前]
(58) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[バーナバスのものと重ねられ、視覚的にも煽られる>>48。 強張った顔のまますぐ近くのバーナバスの顔を見れば、苦い笑みを浮かべていて。
なかったはずの牙が疼く。]
あ……んっ……んん……。
[声を殺す為に衝動を堪える為に、親指の付け根を噛む。
それを咎めるように、肩を噛むようにと言われてその皮膚に歯を立てた>>51。 人の肌に幼い牙を立てるのも初めてで、力加減など分かるはずもなく。 言葉なく力の使い方を教わる。
バーナバスの声と呼吸と、水音だけが聞こえる。]
(59) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[口直し、と階下から失敬した酒瓶を傾けながらプリシラの頭を撫でる。
珍しく言葉を探すように逡巡した様子を見せた。]
あー…、いきなりだったとか、唐突だったとか。すまねえ。
[性欲の発散が衝動の気晴らしになるだとか。本能や欲望のコントロール手段だとか。 そんな単語だけをもごもごと口で転がして、やがてそれだけ言っても意味のないことに気がついた。]
(60) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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ラルフ!ねぇラルフ!!!
返事して…………どうしたの!
[呼びかける 心で
一瞬の激痛の後ーーーーー聞こえない
何も聞こえない]
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[この手が、その声が、その眼が――ずるいところも]
ドナルド、 に、… …ふれて、 ほしかった
[――駄目な保護者だ。 思いながら、ぽろ、と零した。 ――そ、とドナルドの髪を撫でるため手を伸ばして、触れて。
冷えたベッドの上に横たえられると 程なく眠りに落ちて―――ラルフがおきて、階下へ向かう、前の、こと**]
(61) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/22(Sat) 01時頃
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[一度熱を吐き出せば妙に頭が冷えるのは性としてどうしようもなく。 その居たたまれなさにプリシラが煩悶しているのかもしれないと思えば、何かしらは言わねばなるまいと思う。]
やり方や、突飛さはさすがに自分でも呆れてるから、…怒っていいぞ。
[男よりもいくらか柔らかいプリシラの髪を梳いて、それだけは目線を合わせて告げる。]
怒っていいから一つだけ、覚えておいてくれ。
(62) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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[聞こえない 眠っているかのような
空白の まるで独り のような ]
ーーーーーーーラルフ!ラルフってば!
[悲鳴に近い思考 痛みに気を失っているだけ?
そうであって欲しい そうであって欲しい
けれど どこか違う何か予感がある]
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人としても狼だとしても。お前のことは大事にしときたいんだよ。
[行為の最中は煽られるだけだった涙が、今は流れないといい、と。 思って髪や頬を撫でるものの。
さすがにこれ以上同じ寝台で眠ることは今夜ばかりは嫌がられてしまうだろう、と嘆息する。**]
(63) 2014/11/22(Sat) 01時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/22(Sat) 01時半頃
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――…いつかの為に覚えてる。 いつになるかはわかんねェけど。
[逸らされる視線>>57に羞恥の気配を感じ目を細める。 少しだけ愛しげな色が覗くけれど。 抱き上げた身体からはぬくもりが伝う。 もう少し、と思うのに寝台までの距離は近すぎた。]
煽ったのは俺だし。 気にすんな。
[寝台へと静かにフランシスの身体を下して 縁に手をつき寝台を微かに軋ませその貌を覗きこむ。]
――…俺も、触れたかった。
[眠りに落ちゆく彼に囁き、離れる。]
(64) 2014/11/22(Sat) 01時半頃
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[眠るフランシスの身体を濡れた布で拭い、 床に落ちた名残を跡形なく消してから ドナルドもまた寝台へと潜り込む。
肩に、首筋に宛がわれた歯の痕、 微かな窪みに指を這わせて悩ましげな息を吐く。
悶々としたままいつしか眠りについて ラルフが寝台を抜け出したことにも フィリップが部屋を出るにもすぐには気付けぬまま*]
(65) 2014/11/22(Sat) 01時半頃
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―夜明け前、居間― [ニコラの、唇を飾った紅は、トレイルのもの>>37 小刀は見つからなかった。 透明な声を大分聞き取ってもらえるようになっていても 心の内までは、届かない。
故に トレイルは、直接向かう事にした
あの音がフィリップから毀れた時は ただ、もっと欲しいと思ったけれど 音を引き起こす行為の意味を知って、意思は変わる
ノックスが漏らした音>>38 彼が紡いだ旋律とは似て非なるもの トレイルのためでなく、ラルフの為に紡ぐ音 一分一秒でも早く止めてほしい。
何の為に 何の為に、ラルフを――――]
(66) 2014/11/22(Sat) 01時半頃
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[我慢なんて なんて 出来るように、喰ってよ。 どうして、ノックス
その音は
ノックスは、トレイルの耳の良さを本当の意味で知らないのかもしれなかった。 音のない囁きまで聞き取れる異常なほど恵まれた聴覚で どうして、ほんのわずかしか離れていない彼らの音を 取りこぼせよう。
肉にナイフが埋まり 内臓を切り開き、骨にぶつかるときにたてる鈍い音 ラルフの命が消えるまで、発する音 全てを拾って
トレイルはノックスの傍へと近づいていく]
(67) 2014/11/22(Sat) 01時半頃
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[夢に見るのは恋した少女の姿ばかり。
彼女の血の味を忘れられずにいる獣が静かに目覚める。]
――――…あァ?
[ラルフ、と聞こえる。
けれど反応示すはラルフでない獣。]
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[眠るドナルドの眉根がきつく寄せられる。]
あぁ……、うっせぇなァ。
[寝足りぬとばかりに毛布を被りなおす。 それでも誰かを呼ぶ誰かの声は遠退いてはくれない。]
(68) 2014/11/22(Sat) 02時頃
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[――――パンッ
と、軽く、でも大きく響いた音 トレイルが、ノックスの右頬をたたいた音だ。
血の臭いが酷い。 足音がする。 フィリップだ、と見ずに思った。 でももう、構わなかった。
そのまま、力尽き崩れたラルフの 脇腹を渾身の力で蹴飛ばし、ノックスから引きはがす。 精一杯の力でも、トレイルには少年一人転がすのが精いっぱいだ。
そうして、ラルフの腹に刺さったナイフの柄を、 靴裏でゆっくりと踏んで押し込めていった。 彼に手は使わない]
(69) 2014/11/22(Sat) 02時頃
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ーーーーーー………………ラル…………
っ
[硬直する思考 ラルフの声がしない
けど なにかの…………]
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―眠る前の― [いつかのために。]
……おとなに、……
[>>64大人に、なったら――その、いつかが、くるように祈る。 なんて、 ――焦がれているにも、程がある。と、フランシスは思いながらも、ふやりとした調子で、紡いだ]
…… ――
[覗き込まれる顔、胸が痛み、ざわつくのは。 ――嗚呼。**]
(70) 2014/11/22(Sat) 02時頃
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[バーナバスが熱を吐き出す前、追い立てられるままに熱を吐き出す。 吐き出されたそれを舐める舌が見え>>54、眉を下げる。]
何で、やめろよ……なんで。
[止める間もなく舐め取られてしまう。 酒を飲むバーナバス>>60を見つめる。]
…………謝んなよ。 謝られたら、悪いことされたみたいじゃん。
[嫌だったら、拒絶した。 戸惑いと困惑と不安と、それ以上に嬉しかったと。
それは、言えないけれど。]
(71) 2014/11/22(Sat) 02時頃
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[思考が赤く染まる]
[甘い血の匂いと その先にある 床にいる …………そこから伸びる 黒く 細い身体……につながる脚
何をしているか 理解するよりも早く 森や山を 駆け回りなれた脚は 一気に距離を詰め寄り そのまま 頭からトレイルに突っ込んで行く]
(72) 2014/11/22(Sat) 02時頃
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[最低だ、ノックス
噛みきったくちびるから血を流したまま 肩で息をする ただ、これだけの行動が トレイルには重労働にも値して
足音が勢いを増し近づいてきても 避けもせず 溢れる感情の雫で両頬を濡らし続けている]
(73) 2014/11/22(Sat) 02時頃
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―ブラッドレッド―
………ふ、ア ……く
[終わった。壊した。 瞼を閉ざして手で覆う。酸素を求めて喘いだ。
心地好い疲労感。愛液の酩酊感。――…喪失感。 滲む涙。]
……あぁ、トレ――
[足音に手をどける。床に頭をつけたまま、姿を認め。愛し子の名前を呼ぼうとしたら。頬を、叩かれた。
驚き目を見開く。]
(74) 2014/11/22(Sat) 02時頃
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