84 戀文村
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謝らなくて、いいの。 でもね、私も、酷いと思ってて ブローリンさんに言いたいことがあるの。 いっても、いい?
[彼が我儘を1つ請うたように、女もまた1つの我儘を請う。 それくらいは、泣く代わりに、許して、と。 ブローリンの隠れて見えない、青を伺う。]
(49) 2012/03/29(Thu) 16時頃
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ブローリンは、クラリッサに、静かに頷く。
2012/03/29(Thu) 16時半頃
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ブローリンさんが、先に此処を出ることがあったら 私は『いってらっしゃい』と言うわ。 だから、私が先に此処を出ることがあったら 貴方も『いってらっしゃい』と言って欲しいの。
……『おかえり』と『ただいま』と、言えるように。
[頷きを得て、話の流れから、死ぬ気でいるだろう相手に願うこと。 それは、皆に願ったのと同じこと。 また此処(この村)で会いましょう、と。]
その時に、ブローリンさんのハンカチ、返すわ。
[この村の出でない彼に、この言葉は合っていないのかもしれない。 でも、その言葉を向けたいのだと。]
(50) 2012/03/29(Thu) 16時半頃
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クラリッサは、ね、酷いでしょう?と、微笑んだ。
2012/03/29(Thu) 16時半頃
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[そう、思ってくれているだろうか。きっと戦場に往く事まで重なる。 そう思ってもらえる事が嬉しく、哀しい。 受け入れられても哀しく、拒絶されても悲しい。 だが後者なら自分だけで済む。 伝えなければさらに相手は傷つくまい]
……
[自責してばかりだった。 同時に、これほどまでに自らを責めたくなるのは、 この村が、村人達が好きだからだと自覚している。 していても、誰も救われない感情ではあるが……。 彼女の言葉に、気恥ずかしそうにも、悲しそうにも見える微笑を見せる。 もしも自分がこの村にもっと早く…もっと違う形で…。 そんな、詮無い事を一人、思う]
[彼女の問いに、頷いて、その言葉をじっと聞く]
(51) 2012/03/29(Thu) 16時半頃
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[困ったようにも、驚いたようにも見える表情を閃かせる。何事か、口を動かす。 唇を丸めるようにして、意思を伝えるためにペンを走らせる]
"君が往く事があれば、さようならと送るつもりだった。 自分が往くのならば、村を頼むと伝えるつもりだった。
"喋る事ができなくなって、それでも通じ合えていた友たちを失って、 一人のどかな村に居て、自分は死に場所を探していたのかもしれない。 そう、思っていた。"
[ペンを持つ手を握り締めるように、続ける]
"今君の言ってくれた言葉でやっと分かった気がする。 自分はどこかに還りたかったのだと。
自分はこの村を愛している。 君の居るこの場所を愛している。 この村を愛する、君を愛している…"
[ともすれば、泣いてしまうのではないか。そんな懸念から、深呼吸して]
(52) 2012/03/29(Thu) 16時半頃
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"自分も、ここに帰って来ていいのだろうか"
[そう書いて、中央に線を引き打ち消す。 そして書き足していく]
"どんな形になっても帰って来よう。 どれほどの時が過ぎても待っていよう。 君に伝える為に、君に迎われる為に。 君を迎える為に、君に伝わせる為に。"
[紙を差し出した手、受け取って貰い、 そのままその手を、彼女の頬にゆっくりと伸ばした]
(53) 2012/03/29(Thu) 16時半頃
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[じっと書かれる文字を見る。 書くという動作は、喋るという動作よりも時間がかかる。 それが、もどかしいといったような手も視界に入った。]
少なくとも、私は待ってるわ。 それこそ、どんな形になっても。 その為に、どうなっても戻ってもくるわ。
[差し出された紙を受け取り、先ほどの紙と合わせて持つ。]
この村も、貴方が愛した村ならば 貴方を拒むことは、きっとない。
[軍人を厭う気持ちが村人の中にあったとしても、 それを上回る気持ちがあったから、愛してくれたのでしょう? と、それは言葉にはしないけれど。]
(54) 2012/03/29(Thu) 17時頃
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……結局、泣いちゃったわ。 ダメね、私。もう、泣かないって決めてたのに。
[頬に伸びる手。触れるならば、伝う*雫ひとつ*]
(55) 2012/03/29(Thu) 17時頃
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[非道いのはやはり自分だ。彼女の涙すら愛おしいと思うのだから。 きっとそれが彼女を哀しませると知って、こうして話をしたかったのだから。 彼女に渡すハンカチはもうない。冷たい外気の中、手袋越しに分かるはずのない 暖かさを持った頬に触れた指に、涙が通っていく。 頬に触れた手、そのまま、言葉なく、彼女の目をじっと見る。 もしもその目が閉じられたならそっと…… …]
……
[…こうして二人で居るだけでも、厳格な者が見れば懲罰対象だ。 自分は構わない。だが彼女に迷惑をかける訳にはいかない。 髪の一房を、するすると名残惜しげに手のひらを滑らせながら手を引く。 目を閉じ、ペンを取り、紙に綴る]
"ありがとう。君か、自分か、別れがまた来る前に また話をしてくれると嬉しい"
[今日で終わりでない事への喜び。 いつかは終わるのだろうと言う恐怖。 そして、例えそうだとしても帰還を、再会を願う希望]
(56) 2012/03/29(Thu) 18時半頃
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[例えこの村に帰れなくとも、彼女と共に居られるなら、とも思う。 けれどやはり、自分はここが好きなのだ。 待っていて欲しい。待っていたい。 迎えたい場所であり帰ってきたい場所であった。 部外者の自分であっても、彼女が待っていてくれるのなら。 彼女が、帰ってくる意思を持ち続けるのなら]
"ありがとう、クラリッサ。 君のような人と出会えただけでも、今までを生きてきた甲斐があった"
(57) 2012/03/29(Thu) 18時半頃
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[それから何を話したろう。人の…何より軍人の目がある。 ずっと一緒には居られない。 それでも日が傾きだすまでは、たとえ無言でも、座っているつもりで。
彼女と別れた後、分隊長を探し、敬礼を交わす。 そうして、"今夜一緒に飲みに行って頂けますか"と書いた紙を差し出した**]
(58) 2012/03/29(Thu) 18時半頃
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長老 ナタリアは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 19時半頃
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− 本屋 −
[あからさまな緊張感>>12をひしひしと感じ、苦笑よりも 破顔に近いものに]
んな緊張しねえでも、取って食ったりしねえよ。 ま、軍人見てイイ顔する奴も珍しいからしょうがねえけどな。 客だ、客。
[店主の様子から、あまり長居はしない方が良いだろうと判断する。 だが店主の勧め>>13に本をパラパラと捲り少し考え込む]
……そうだな、まぁこれだろうな。 気持ちを伝えたくても形式ばらないと表現出来ないって 奴もいるだろうし、無くて悪い事はない。 あんたならすらすらと詩や小説とか書けそうだな。
(59) 2012/03/29(Thu) 21時半頃
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ありがと、これくれ。
[じっとこちらを窺う視線にやはり笑いながら本を差し出す。 会計の途中、ふとミッシェルの事を思い出す]
そういや本の栞になるものってねえの? あったらそれも欲しいんだが。
[村に来て間もない頃、エリアスにミッシェルの仕事を 教えてもらった事を思い出す。 生活費にもならないだろうが、仕事を、親方を、エリアスを 奪った罪滅ぼしの欠片の様に、そして村の想い出として 叶うなら手に入れたかった]
(60) 2012/03/29(Thu) 21時半頃
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あんがと。 あ、何か手伝いとかあったら言ってくれ。 出来る事なら手伝うから。
[彼の態度から軍人と関わりたくないのは判る。 長居すれば村人や他の軍人からもいらぬ噂を立てる事に なるかも知れないと、栞が手に入らなくても 代わりを探す事無く本を手に店を出るだろう。
酒場の女主人と懇意にしている事も密かに知っていたので 本当は彼女を頼むと伝えたかった。 そして彼ともっと話をしてみたかった。 だがどれも出来ずに店の扉を出て行くしか出来なかった]
何やってんだかな、俺。
(61) 2012/03/29(Thu) 22時頃
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[ベネットの返事が何であれ、一度店を出て、数日ぶりに工房へ向かう。戻ってきた頃にはかなりいい時間で。村の広場で、道端に腰かけては考えあぐねていた]
・・・・・そう言えば。結局母さんに、言いそびれちゃったな・・・
[何と言えばいいのか。決めていたはずなのに、いざ目の前にしても、うまく言う自信がなく。時間を無為に過ごしていた]
(62) 2012/03/29(Thu) 22時頃
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[昨日ほど、滂沱ではない、ほろりとした涙。 瞼を伏せたのは、目尻に貯まったそれを落とすため。 その間に、髪にかかる感覚がある。 クラリッサは、細く目を開けて、微笑んだ。]
ええ、もちろんよ。
[傍から見て、どう見えるかまで、考えは至っていなかった。 だから、また紙に書かれた文字に頷く。 涙は、束の間で止まったのは]
厭だわ。そんな大仰に言われると…… なんだかすごい人になっちゃったみたい。
[彼が紡ぐような立派な人間ではないけれど。 せめてそう、演じたいと思ったから。 それから、陽が暮れるまで、おそらくは一方的に話をする。 全ては、他愛のないもの。]
(63) 2012/03/29(Thu) 22時頃
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じゃあ、また、明日。
[そして、村人の皆にそうするように、またと次を約束して。 女は広場を離れる。 少し迷った後、開店前のダーラの店に行くのは、 結局今日一日見かけなかったヤニクを気にして。 彼女は、店にいただろうか。 短くヤニクの件を聞いて、答えがもらえたなら、 長居はしないつもり*なのだけれど*]
(64) 2012/03/29(Thu) 22時頃
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[外に出れば丁度クラリッサに出会う。 ヤニクの事を知らない彼女は……。 この村に留まり続ける事を選んだ彼女は……]
…クラリッサ、おはよう。 今日も可愛いな。 で、可愛いクラリッサと話をしたいんだが、残念ながら俺は 用があって郵便屋のおっさんと話をしないといけない。 何処かで見かけなかったか?
[能天気に何も考えていない発言は村人達からすれば 不愉快に感じたかもしれない。 ここ数日で精神的にも参っているだろうクラリッサにも 感じさせてしまうだろうか]
(65) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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あ、あっち? 歩き回らなくて済んだ。ありがとう。
[ウェーズリーに赤紙が届いた話は自分からする事はないから 知らないままかもしれない。 だがこれからも次々と村人に赤紙が届くのかと思うと無理に 陽気に作っていた表情が歪み掛ける]
ここ数日ナタリアさんのとこ行ってないんだが困ったりしてないか?
[衝動的に、クラリッサに赤紙が届いたらどうする? と聞いてしまいそうになった。 大切な者がいるのか。その人に手紙を残すのか。 それとも共にこの村で眠りたいのか。 だが彼女にそれを聞くのは何より残酷だと、 衝動を押し留めて当たり障りの無い事を尋ねてから 彼女と別れた]
(66) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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−路地−
[封を少しだけ切ればやはり赤い紙が覗く。 それを懐の奥深く深くに仕舞い、上着で封をする。 上から手を当てて息を吐き出す表情は穏やか]
さて、仕事仕事。
(67) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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[今日も、ぼろぼろのメッセンジャーバッグは働く。 自転車もまた、きこきこと、少しくたびれた音と共にはしる。 バッグの修理を申し出てくれるクラリッサ。 手紙を待っているといってくれたミッシェル。 彼女たちとすれ違い、本屋のほうへ向かおうとすれば 聴こえてきたのは陽気な軍人の声]
…ああ、あんたか。
[きゅっ、とブレーキパッドが音を立てる。 差し出された本とレターセットに笑った。 かわいらしい兎とパステルの花のそれは 大の男が持ってくるにはどう見たってかわいらしすぎた。 けれど、その割に投げかけられる質問は物騒だった]
(68) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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心残り?そりゃあ沢山あるさ。 でも、それも悪くないよねえ。 毎日ああすればよかった、こうすればよかったって思うんだけどさあ。
[悔いを残すだけが心残りではないと男は思っていた。 己の思う心を残す事だってきっと心残りだ、と。 問われれば答えるだろうが、聞かれないのなら答えるはずもない]
じゃあね、まだ配達があるからさ。
[ちりりん。 ベルは鳴って、自転車はまた走り出す。 きこきこと、自転車は音だけ残して遠くなる]
(69) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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[無口な軍人とすれ違った時 男が自転車を止めたのはなんとなく。 そう、ちょうど虫の予感というやつなのかもしれない。 問いかけるのは空気を震わせない声。 穏やかな文字の羅列を見て、男はゆるぼったく笑った。 その表情が、声のない男に対する返事だったかのかもしれない。 声が聞こえて振り返ればダーラがいて、くたびれた帽子を持ち上げる]
寒いのはお互い様だねえ。 飲みに行きたいのは山々だが最近どうも夜更かしできないんだよ。 またそのうち、温かくなって夜が長くなったらさあ。
[それまで、取り置きを頼んである酒瓶は置いておいてくれと 告げて自転車はまた走り出す。 きこきこと、いつものように]
(70) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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女主人 ダーラは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 22時半頃
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・・・でも、いつまでもこうしていても仕方がないよね。 ・・ねえ、エリアス。
[ふと空を見上げ、戦地だという方向を見やって呟いた]
・・・戻って来るよね、エリアス。 ・・・だけど。もし、最後までこの村に残る事ができた人がいてさ。 ・・・・・・幸せになれるかな。なっていいと、思えるかな。
ううん、ならなきゃダメ。・・・なんだよね。
[答えなど返るはずもなく。佇んでいたが、ややあって立ち上がった]
・・・ダーラさんの店、そろそろ準備してる頃かな・・?
[その足は、確認のためまっすぐダーラの店へ]
(71) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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―本屋― [ホレーショーの去った後 >>18訪れたクラリッサに微笑みかけ ランタンを受け取る]
こんにちは。 ええ、私の不注意で割ってしまって…… 幸いにも怪我はなかったんですが、少々寒さが際だちますね。
[窓ガラスの件にはそう言って苦い笑みを浮かべてみせ >>23ヤニクのことを言われると、小さく頷く]
お礼は筋違いというものですよ。 それに……彼には、私と同じ目に合ってほしくなかったですし
[長くいれば、健全な男が何故平気でふらふらしているのかと 己と同じ罵倒を浴びるやもしれないと、青年は青年なりに心配してもいて まさかその彼が既に現世を旅立ったなんて、今は誰も知らず]
(72) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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―本屋― [クラリッサが去って、暫く。 >>46次に訪れたのは、ミッシェルだった]
こんにちは、ミッシェルさん ええ、開けっ放しでは流石に風邪をひいてしまいます。
[苦い笑みを浮かべて、厚紙じゃ然程変わらないけれどと 冗談めかして一言。 エリアスが去ったのを、いまさら知った]
…………ダーラの店でなくては、いけませんか? 深夜ならば、構いませんが 人目のあるうちに外に出るのは……あまり好みません
他人がいるなら、尚更に。
[誘いかけられた言葉。 青年はたっぷり考えた後、申し訳ありませんと頭を下げた]
(73) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2012/03/29(Thu) 22時半頃
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[クラリッサのお陰でウェーズリーを探す時間が省ける。 何時もの様に酷い音を立てる自転車に乗った男に 本とレターセットを渡すが、センスの無さに笑われた]
こう言うのはギャップがあるのがいいんだよ。
[口を尖らせるが、いつもと変わらない落ち着いた様子に 困った様な笑みに変わる]
この村の人間はどいつもこいつも強いな。 強いと思ってるあんたにも心残りはあるんだな。 何だろうな。コレか?
[ふざけて小指を立てる。 戦時下で浮いた話等御法度だが、聞き耳を立てる者もいまい]
心残りがあるなら、その心残りを手紙にすればいいじゃねえか。
(74) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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−→本屋−
[きこきこ、きこきこ。 今日は最後の行き先が本屋だった。 メッセンジャーバッグの中身はもう少ない。 不思議と、集荷も少ない日だった]
邪魔するよ。
[たん、とん。 扉を叩いて中を覗くと話中らしい様子に 男は一つ二つ瞬きをしてから]
…お邪魔さぁん。
[そそ、と扉を閉めた]
(75) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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―本屋― [ミッシェルも居なくなって、本屋には静寂だけが残る。 青年はシャツのポケットに手を当てた。 思い起こす、数時間前のこと。 軍人から>>60栞が欲しいといわれたときも、青年は同じしぐさをして、こう言った。
「数日前に入荷があったんですが あっという間に栞だけ売れてしまいまして。 申し訳ありません」
いびつな細工のついた栞は、其処に。 幾ら金銭積まれようと、売り物には出来ない]
(76) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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[「――――…出来る事なら 今すぐこの場から立ち去って頂ければ。 理由は仰らなくても、察してくださるでしょう いくら国の為とはいえ 血のにおいのする方を、この本屋に長く置いてはおけません この場所は――――死から一番遠い場所でなくては」
>>61青年は彼の態度に心痛めながらも、はっきり出て行って欲しい旨を伝えた。 去り行く軍人の背を見遣り、青年がどんな顔をしていたのかは、誰も知らない]
(77) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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―回想― [答えはある程度予想してはいたが、やはり若い店主はこの店の外に出ることを避けているようだった]
・・・そうなんだ。 ううん、いいよ。・・・残念だけどね。 そう言うんじゃないかって、本当は思ってた。
・・やっぱり返してもらおうかな、あのボトル。
[そう言って、一度店を出ようとしたが、去り際に]
・・・ねえ、ベネット。私思うんだ。 自分の知った人が次々戦地に旅立っていってさ。 ・・・・私、約束したんだ。エリアスの分もきちんと生きるって。
・・だけど、本当はそうなっちゃいけないってどこかで思ってるかもしれない。たとえ生き残っても、幸せになっちゃいけないって、思ってしまうかもしれない。
・・・みんな、必ずここに戻ってくるって考えていても。 ・・・・そんな事って、ない?
(78) 2012/03/29(Thu) 22時半頃
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