276 ─五月、薔薇の木の下で。
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僕は君の吐き出したい事を受け止めるだけの都合の良い奴でいい。 今更、取ってつけたように……
[ 心地の良い罪の共有>>1:226。 焦がれるように目を細めたのは一瞬。]*
助けるだなんて、口にするな。
(330) moro 2018/05/27(Sun) 22時半頃
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[理屈も正しさもあるべき形も考えず
友にそうしたいと思ったことをして、
求められるままに受け入れていた。
香りなど無くとも、二人は関係に名前を付けて
傷ませる思いをそれぞれに持ったまま、隣にいられる。]*
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[ 自分が彼を拒絶してこの遣り取りは終わり。 マークにした事には、適当に理由を付けよう。 フェルゼでさえ辟易するするような嘘も自分なら笑って吐ける。
戸惑う眼差しは分かりやすい>>337。 これで決別しようと、口を開いた。]
(363) moro 2018/05/27(Sun) 23時頃
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[ 落ち着いた声音>>338に、開き掛けた口を閉じる。 凪いだ眼で、静かに聞き流す。
" 欲しいと思うのは間違い? "
彼は 何を言おうとしているのだろう。 場違いに、 朝日が照らす彼の髪が、綺麗だと思った。]
……… 違う。
[ 苛立たしげに片耳を塞ぐ。 耳障りな音が戻ってくるようだ。 自分の中に落ちていった全て>>4:25がまた、 突き立てる爪が自分の胸を掴ませた。]
(364) moro 2018/05/27(Sun) 23時頃
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言うな。 知らない。聞きたくない。
[ 違う、違うとばかり繰り返す。 顔は羞恥で紅潮していた。 もう目の前の相手をすぐにでも]
(365) moro 2018/05/27(Sun) 23時頃
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[ " 君は俺が好きなんだね " ]
(366) moro 2018/05/27(Sun) 23時頃
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[ 殆ど叩きつけるようだった。 フェルゼの手首に掴みかかって、 服が汚れるのも気にせず押し倒そうとする。
そうでなくても掌に爪が食い込むのも構わないまま、 怒りとも羞恥ともつかない顔を晒した。 声が出ないまま、開いた口は無言を突き通す。]
………、
…伸ばしたかったよ…! 手を伸ばして、君が欲しいと言葉にしたかった!
[ 此処に薔薇の棘はなく、 奪う事などできやしない。]
(367) moro 2018/05/27(Sun) 23時頃
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どうして君が其れを言うんだ…! 僕は気付きたくなかった のに……
[ 暴かれたまま赤い肌を隠す術を知らない。]
こんな気持ちを知りたくなかった。 誰かを求めるなら他の奴でもよかったんだ…
[ 落ち着いた声音が床に落ちる。]
二人だけの この場所で 君に名前を呼ばれるだけで良かったのに、
(368) moro 2018/05/27(Sun) 23時頃
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[ どうして。 一度目の声が途切れる。 どうして。 二度目の声が掠れて消えた。
三度目を口にする前に顔を覆う。 指の隙間から零れ落ちるものを止められない。]
(369) moro 2018/05/27(Sun) 23時頃
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…どうして、君を好きになってしまったんだろう。
(370) moro 2018/05/27(Sun) 23時頃
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[ 嗚咽すらないまま、 まるで此処に誰もいないかのように静かに落ちる涙だけが床を濡らしていく。
いますぐにでも、消えて無くなりたかった。*]
(371) moro 2018/05/27(Sun) 23時半頃
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[ 相手からの返事はどんなものであっただろう。 それがどんなものであったにしろ 此処を立ち去る相手に、最後のお願いを口にするだろう。]
僕が眠るまで、手を繋いで
[ 膝を抱えて、迷子の子供のように。]
此処にいて。
[ 「そうして僕が寝たら そっと部屋から出ていって欲しい」
君が去る時、顔を見られたくないから。 そんな事言えなかったけれど。]
(404) moro 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[ 中庭にただひっそりと咲いた涙色の薔薇。
それは確かに咲き、香り。
やがて枯れ。
そして散った。
その先に愛(たね)を手にした。
その花に宿る言の葉は《奇跡》―――― ]**
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[ 目を瞑って、寝息を立てる。 手を繋いでいたのはどの位の時間だろう。 とても とても長く感じた。 離れるときは一瞬。
眠ったふりの瞼を上げる。 泡沫に消えた人の影と、未だ覚えている体温を思い出して顔が歪んだ。
耐えきれなかった嗚咽に答える声は、 もう無い。]
(405) moro 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[ 此処に居るのは " 僕 "一人。]
(406) moro 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[ 照りつける朝日が呪いのように暑かった。 春は終わる。 薔薇は散る。
もうすぐ、目に見える物全てが色鮮やかな夏が来る。**]
(407) moro 2018/05/28(Mon) 00時頃
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