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【人】 奏者 セシル[何か、遊ぼうと寄ってきた最上に、意外そうな顔をしつつも、ちょっと嬉しく思った (246) 2011/05/17(Tue) 01時頃 |
[ 明確に自分に向けて発せられた声に、振り返る ]
『…………』
[ 苦言に眉を下げ、差し出された菓子を見つめる ]
[ それから蛍紫の顔を見て、再び菓子を見つめて ]
『……ありがとう』
[ 頭を下げて、小さな声で、蛍紫にお礼を言った ]
『あなたの言う通り、わたしは幽霊』
『変わった、人。わたしの姿を見て逃げなかったのは、あなたが初めて』
『ううん、もう一人、いたかしら。さっきわたしを下から見ていた』
[ 女はたどたどしく話す ]
『……ごめんなさい、人とお話したの久しぶりで上手く話せない』
[ 不器用な言葉を止めて ]
『わたしは、日向(ひなた)』
『――あなたは?』
[ *蛍紫に名前を、尋ねた* ]
【人】 奏者 セシル[そのまま、通り過ぎていく土橋の背中はちらっとだめ眺めて、それから首は軽く振って、一旦俯いたけど。] (252) 2011/05/17(Tue) 01時頃 |
[ やってきた調音に軽く視線を向ける ]
[ この人は、見えない ]
[ それだけ判れば十分と視線を外して ]
『……それ、くれるのは嬉しいけれど』
『あなたが変な人と思われる』
『持って帰って自分で食べて』
『お供え物って、そういうものだから』
[ *気持ちだけで、十分* ]
[一回りしてみたが、特に火事の痕らしきものは見つからなかった。
2階から見れば、また何か見つかるのかもしれないが、とりあえずは十分と、立ち止まり。
屋根を見上げれば、雨霞で定かではないが、窓辺に立っているのは見慣れた幼馴染の姿。
けれど彼女の姿は、そこから動いた様子は無かった]
よっ!
[ぴっ、と挙げた手を、ひらひら振って笑う。
見えている、と示すように、真っ直ぐ彼女を見上げたまま]
オレ、楓馬ってんだ。あんたは?
これから、オレたちしばらく、此処にお邪魔してっから。
何かして欲しいことあったら、言ってくれ。
とりあえず、中入ろうぜ。聞いただろうけど、そいつもすっごく、気にしてんだ。
[見るからに寒そうだからさ、とジェスチャーし。
別荘の中へ戻ると、階段を駆け上がり、蛍紫の後ろから、ひょこっと顔を出す。
供えられた袋に、口元を和らげ]
ほら。来いよ。
[あとで廊下掃除だな、と思いつつ、窓をいっぱいに開いて。
身を乗り出すと、彼女のほうへ手を思い切り伸ばした*]
胸が苦しいのは。
きっと、僕が弱いから。
[ また、自分に向けて掛けられる声 ]
[ 今度は、下。手を振る楓馬を見る ]
『ふうま。変わった名前』
『わたしは、日向』
『……幽霊に暑いも寒いもないわ』
『あなたのほうこそ、寒そうよ』
『わたし、使用人だったけど。もう浴巾(タオル)一枚出してあげられないから』
[ 足りない言葉と、遠回りな気遣い ]
[ 見えなくなる姿に、忙しない人と ]
[ 溜息を吐いた頃に、楓馬は2階に ]
『あなた、昔から幽霊慣れしてるのかしら』
[ 手を伸ばす楓馬の手を握り返さないまま ]
『でも、あまり安易に触れようと思わないほうがいいわ』
『あぶないから』
[ 女は目を細める。根負けしたようだった ]
『そこまで言うなら入るわ』
『でも、助けは無用よ』
[ だけど手は拒む。決して掴むことはない ]
[ 女の姿は一度雨に溶けて、二人の後ろへ ]
[ 女の視線は蛍紫と楓馬の近い距離に ]
『……あなたたちは仲良し?』
『仲が良いのは、素敵なことね』
『どうか、その絆を見失わないで』
『わたしみたいに、ならないように』
[ もし、二人に引き止められなければ ]
[ *廊下の水滴に溶けて、女は姿を消す* ]
【人】 奏者 セシル ――……部屋、甲斐、和室でもいいって言ってたよな。 (285) 2011/05/17(Tue) 09時頃 |
【人】 奏者 セシル よっし、じゃ、次は…。 (286) 2011/05/17(Tue) 09時頃 |
【人】 奏者 セシル
(288) 2011/05/17(Tue) 09時頃 |
変わってっかな?
名付け親のじっちゃんが台湾のひとだったらしーから、そのせいかも。
[日向が応えてくれたのに、ほっとする。
お気遣いなく! と笑って駆け出した足は、廊下の窓まで濡れた足跡をぽつぽつと]
うん、慣れてる。
だけど心配されたのは久しぶり。日向、良いヤツだな。
[あぶないと言われても、にへらと嬉しそうに笑うだけ。
入る、と日向の姿が雨に溶け消え、廊下に現れてから、窓を閉じた]
おう、仲良しだぜ!
オレが迷惑かけてばっかの気もすっけど。
[付き合いの良い幼馴染の肩に手を伸ばし。
ぐいっと引き寄せたところで、自分が濡れていることを思い出して、悪ぃ、と慌てて手を離す]
でも、……日向も、もう哀しいこと溜めこむな。
怪談が本当でもウソでも、十分苦しかったんだろ。
心残りがあるなら、果たせることなら、やってやるし…… だから、日向がイヤじゃないなら、日向とも仲良くなりたいよ、オレ。
[彼女に触れられることはなかった手を握りこみ。
また痛みだす胸元にあてて、息を吐いた。
眼差しは真っ直ぐのまま。
応えがどうあれ、消えるまで見つめていた]
― 回想 ―
[じっと見詰めていれば、かえってくる応え。
たどたどしい話しぶりは、蛍紫にとっては親近感をうむものであったから、少し表情が緩む。]
いや、俺も、上手く話せる性質ではないから、気にするな。
ひなた……日に向かうと書くのでいいのか?
俺は、けいし、紫の蛍をひっくり返して書く。
もう一人は………。
[珀のことを告げようとすれば、後ろからかかる声に言葉が途切れた。
百瀬は直ぐに去って行ったが……。]
そうだな。
[忠告に苦笑したあたりで、下から聴こえる珀の声。]
もう一人は、自分から名乗りたいみたいだ。
[案の定、直ぐに聴こえる名乗りの声。
日向の反応にも苦笑を深めて、珀が来るのを待った。
そして、開かれる窓。]
コイツがこんなだから、な。
[先程答えなかった、逃げないという言葉と仲が良いという言葉を、まとめて返す足らずな言葉を返しながら、日向が屋敷内に入るのを何処かほっとした様子で見守った。]
しかし、まぁ、別件で迷惑をかけているのは、俺も一緒なんだが。
[引き寄せられる肩。けれど直ぐに離されることに、少し困った顔をしながら、そう付け足す。
窓が開け放たれた時、少し濡れてしまったから、今更だと。
心の底で思うけれど、その思いは言葉にはならないまま。
消え行く日向の背に、珀が語る言葉を唯聴いて]
一応、一歩前進で良かった……んじゃないか。
嗚呼、掃除は、任せてもいいか?
俺、荷物おきっぱなしなんだ。
そのまま置いてたら、多分鳴瀬先生に迷惑かけると思うから。
[日向の姿が完全に消えたところで、珀に願う。
おそらくは、否という返事ではなかった筈だ。]
[去る珀の背を、しかし、急いで追うように階下には降りず。
ゆるっと手を伸ばすは、供えという役割を終えたマーマレード。
ほんの少しの間、また窓から雨に打たれる景色を見やる。
その後、くるっと踵を返したのだった*]
[ 蛍紫の名乗りを聞いて ]
[ 少し困ったように言う ]
『……わたし、読み書きできないの』
『生まれた時からずっと、ここで働いていたから』
[ 学校には行ってないと ]
[ 漢字は覚えられないと ]
『でも、それで合っているわ』
『"ひにむかう"と書くと……教えてもらったから』
[ 誰からとは口にしない ]
[ その記憶は棘のように ]
[ 女自身を苦しめるから ]
『――怪談』
『わたしの正体を、知っているの』
[ 立ち去る前、楓馬を振り向いて問う ]
[ 無表情だった顔は少しだけ、険しく ]
『…………』
『…………』
[ ふわと、薔薇の香りが周囲に漂った ]
[ ごく僅か、気にならない程度の強さ ]
『……わたしに話しかけたら祟られると思わなかったの』
『変な人たち』
[ *そして、その纏った香りごと消えた* ]
知ってんのかどうかは分かんね。
だから、話す気になったら、教えて。
[目の前の日向と、怪談話と。
わずか険しさの籠もった表情を見れば、無関係とは思えないが、どれだけ事実なのかは分からないから。
軽く肩を竦めて、そう答え]
えっ。あ、いや。蛍紫は祟ったらダメだから!
[ヘン、は否定しないけれど、祟りは否定しておいた。
最近はひとりで遭遇してたから、そういう危険が頭からすっぽ抜けていて。
ダメだからな! と仄かな香りと共に消える日向に、ぶんぶん手を振り]
てか、こんなって何だよ、こんなって。
心あたりはあり過ぎるけど。
むしろ、なんか迷惑掛けられたこと、あったっけか。
そっちは全然無え。
[一応前進なんかね、とこくり首を動かして。
任せろ、と階下へぱたぱた、走り降りて行ったのだった]
【人】 奏者 セシル―一階和室の一室 ― (324) 2011/05/17(Tue) 18時半頃 |
【人】 奏者 セシル
(325) 2011/05/17(Tue) 18時半頃 |
心当たりあるようだが、あえていうなら、
今みたいに無防備に、幽霊に手差し出すようなところとかな。
[日向が去った後、ふっとわざと片方の唇の端だけ上げて笑ってやった。
迷惑関係は、笑みの種類を変えて、少し困ったようにして、何も言葉は紡がないまま、ぱたぱたと去る背を見詰めながら、一人考えること。
日向と珀の怪談関係の話には口を挟まなかったが。
日向が浮かべた表情や、少ない会話の中で知れたことを繋げていけば]
ひにむかうと教えたのは、屋敷の持ち主の家族。
怪談があっているなら、息子かな。
[学校へ行けたのはそれなりの身分がないといけない時代だったらしい。そうなれば、そうなのだろうと、独り語ちた。]
私たちのようにならないように……か。
[思い出す言葉の1つに、少し首を傾げはするのだけれど。
そんな呟き達は、窓の外の雨音に全て打ち消されて流れていった*]
【人】 奏者 セシル[だけど次にはその手を捕まえる。そっと剥がして、微かに赤らんだ頬に自分で気付かず、笑みをつくった。] (357) 2011/05/17(Tue) 21時半頃 |
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