43 朱隠し
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――… はは、俺が欲しいのは。
"俺"自身の価値だというのに。
[それを呉れるものだと、いうのに]
人の子を攫っても、"俺"は変わらない。
そうだろう、なあ――…?
[ならばいっそ、全てを忘れられればいいのに]
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[藤之助の代わりに答える]
アヤカシに連れて行かれた者を連れ戻す…
(257) 2011/02/15(Tue) 19時頃
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私の家は代々アヤカシに連れ去られた者を 一度だけこちらに連れ戻せるという杖を受け継いでいるのです。
…もっともその事実を知ったのも祖父が亡くなる少し前でしたが。
(262) 2011/02/15(Tue) 19時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 19時半頃
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[華月斎の疑問には]
さぁ…帰ってしまったアヤカシを連れ戻したという話は 聞いたことがありませんから…
華月斎殿は人の子になることをお望みなのですか?
(265) 2011/02/15(Tue) 20時頃
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[物悲しげな鈴の音。
りん、りん。
頭の中で、何かを思い出せというように響く。
りん。
きっとそれは、大切なことなのに。
――まだ、思い出せない]
人になりたいなんてなあ。
[人間からアヤカシに転じた自分には到底わからない話]
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[春松の真剣な眼差しに>>261内心うろたえる。 春松にとっては嬉しい話とはならないから]
春松…私が連れ戻せるのはこの祭りの間に連れ去られた者だけなんだ。
それも、本人が連れていかれるのを望まなかったことが 確認できなければその力を使えない。
正確には…使いたくない…
(267) 2011/02/15(Tue) 20時頃
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正しくは――… 人になりたい、わけじゃあないがな。
どちらかに、成りたいんだ。
[独りきりは、嫌だ]
成れないなら。
[独りきりだと感じないように、成りたい]
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[>>268華月斎の言葉が一平太の心にチクリと刺さった]
…華月斎殿…申し訳なかった。
卑怯な真似とは思いつつどうしても確認したかった。 直に聞いてもはぐらかすでしょうし…
(272) 2011/02/15(Tue) 20時頃
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[ ――寂しい、 と 。
意識 をすれば するほどに
孤独は 深く なっていく]
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華月斎殿がアヤカシだと知ったところで、 私が華月斎殿を疎むことはありません。
ただ、不可解な動きの訳が知りたかった。
それだけです。
本当に、申し訳ない。
[そう言うと華月斎に深々と頭を下げた]
(273) 2011/02/15(Tue) 20時頃
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その穴を埋めたいから
人の子を攫うんだ。
何故それがいけないのだ。
―― 穴 を 、 埋める ――
[藤乃助の言葉に、赤褐色の眸が、揺れる]
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[頭を下げた目の前に蝶が舞う、思わずその視線を追うと 華月斎の顔があった]
ただ人として祭りを楽しみたかった華月斎殿の望みを叶えられなくしたことへの謝罪…
(279) 2011/02/15(Tue) 20時半頃
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[男は、人の子を攫う事を、肯定も否定もしていなかった。
"神隠し"は、自分以外のアヤカシにとって必要な事のようだと薄ら感じていたし、
そも、"神隠し"事態に、男には興味を惹かれなかったのだ]
[人の子を連れ去る事に興味を持てなかったのは、男のアヤカシらしくない部分で、
興味が無い事には一切無頓着、それはアヤカシらしい男の一面だったのかもしれない]
[けれど]
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友と言うてくださる事はうれしかったのですが、 決して触れようとしなかったこと
境内の裏で蝶を飛ばしていた時の雰囲気… それが人ならざる者の雰囲気だったのが気になったのです。
だから確かめたかった。
(280) 2011/02/15(Tue) 20時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 20時半頃
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確かめてどうということはなかったのです。
ただ、華月斎殿が望めば私は向こう側に行きたいと願っただけで。
(284) 2011/02/15(Tue) 21時頃
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[間抜けた声にバツの悪そうな顔をする]
最初にお会いしたときに連れて行かれるのも悪くないと言ったではありませんか。
身寄りを亡くした虚しさ、寂しさ、 それと自分に課せられた重責から逃れたいがため
そう思っていたのです。
(287) 2011/02/15(Tue) 21時頃
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[慌てふためく華月斎に冷静に答える]
驚きはしましたが、気持ち悪くはありません。 …特に華月斎殿は私よりも人の心をお持ちのようですし。 むしろ好感がもてました。
私の力は一度きり、それを使ってしまえばただの人です。
それに…連れて行ったアヤカシが嫉妬深ければ、代わりに私が連れていかれるのは想定しております。
事実私のおじもそうやって連れて行かれましたから。
アヤカシの怒りに触れて連れていかれるよりも、 望まれて連れていかれる方がよい…
これが私の身勝手な願いなのは百も承知ですが。
(292) 2011/02/15(Tue) 21時頃
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[華月斎の問いには>>291]
残される家族がいればこのような考えは持ちますまい。 私は独りだから…
(295) 2011/02/15(Tue) 21時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 21時半頃
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[華月斎の言葉に>>299安堵した顔になる]
祭りの時だけの友…ですか。 友と言っても…よろしいのですか? もちろん、それが望みとあれば…喜んで。
[晴れやかに笑った]
(300) 2011/02/15(Tue) 22時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 22時頃
[風は言葉を運ぶ。
人の子らの言葉も。藤之助や華月斎の言葉も]
……会って話をしたら、触れたくなる。
俺たちが持ちえない温もりを持つそれらを、知りたくなる。
[鳥居の上。
面を外したアヤカシはくるくるまわる風車を、冷たく見降ろしながら]
触れたいと思えば、欲しくなる。
人の子を己が手で、花の様に咲かせたくなるものだ。
[くるりくるり。
回る風車へ、そっと口接けを落として。
まるで憐れむように、
その赫い眸を縁取る長い睫毛を震わせた]
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華月斎殿が人の子になりたくてもなれないアヤカシなら 私はアヤカシになりたくてもなれない人の子…
ちょうど境遇が似ているではありませんか。
逃げたいのは自分の甘え… 運命に逆らってはいけないのです。
[笑顔のまま、冗談めかした口調ではあったが、一抹の寂しさと決意を込めて言う]
(304) 2011/02/15(Tue) 22時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 22時半頃
一平太は、華月斎はどう感じただろうかと心配している
2011/02/15(Tue) 22時半頃
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[>>306華月斎の問いにぽつりと呟くように]
華月斎殿に
触れられるなら…――
[最後の言葉は紡げずにいた]
(307) 2011/02/15(Tue) 22時半頃
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一平太は、華月斎から目を逸らした
2011/02/15(Tue) 22時半頃
門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 22時半頃
触れたい…………相手に触れたい?
[今までそう思って人を攫っただろうか。
――否、ただ隙間が埋まればとそれだけで]
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また…わがままが出ましたね… 華月斎殿はお優しい方だ
[クスリと笑う]
冷えてまいりました…私は篝火の方に行きたいのですが 華月斎殿はいかがなされますか?
(315) 2011/02/15(Tue) 23時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 23時頃
門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 23時頃
門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/15(Tue) 23時半頃
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