56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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俺は大丈夫だ。
それよりもお前たちの方が頑張れだ。
[山積みになった書類をオスカーもまた、目にしていたから。]
…頑張れベネット。
[果たして書類相手にイアンが戦力になるのかどうか、怪しいもんだと思いきり思っていた。]
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[ソフィアは作戦を教えてくれただろうか。 どちらにせよ、戦になれば知ることになるが、予め知っておきたいと思っていた。 暫く話していれば、中に入ってくる男の姿。>>202
その姿を見て、小さく呻く。]
俺は作戦の確認とか聞きに来ただけだ。 ……副団長こそ、どうしたんだ。
[彼が参謀と話をする為、来ることはおかしくない。 にも関わらず、間の抜けた返事をしてしまったのは、先程ミーティングに遅れたから。]
探す手間って、わざわざ注意しに来た、とか?
[説教されそうなら、休眠命令を理由に早々に部屋を抜け出す心算でそう聞いた。]
(213) 2011/07/01(Fri) 00時頃
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[ベネットから声をかけられれば
眉間に皺をこれでもかと寄せた顔でそちらを向く。
説明を受ければ、あーあーと相槌なのか奇声なのか
分からないような声を上げて]
分かった、分かった、つまり
こっちはどーんと構えてるから、
こいつらがざーーっと行けば問題ないって事だな。
[人差し指でどんどん、と紙をつつきながら
ベネットの言葉を一つずつ理解していく。]
くっそ、簡潔に一枚にまとめてくれよな…
[今彼にとって倒すべきは、
敵国じゃなく、この山積みの書類なのだった。]
[オスカーが出ていく際に、何故自分への声援は無かったのか
疑問に思っていたが、彼がその意味を理解することはなかっただろう。
それからしばらくすれば、唸り声が執務室に響き渡っていた。]
…――― 俺にも後でその書類見せろ。
[風にのって届いてくる主の声を聞き、暫く沈黙…、いや、唖然として。
戦場においても、オスカーはイアンの傍につき従い伝令や偵察、場合によっては戦闘もこなさなくてはならない。
彼だけに任せておくのはあまりにも不安だった。]
[―― トントン、と顔を指を書類に突き入れる様に次第に僕も説明しだす]
……イアン! ここ三千六百って書いてる!
あぁもうまだ半分以上あるんだよ!?
[…何故僕だけに声援を送られたのか
イアンの唸り声を音楽に、その意味は嫌と言う程理解した。
―この戦が終わった後、どうなるんだろう、と]
ああ、お前が祈るのなら神様もきっと勝利を与えてくれるだろうな。
期待してる。
[彼が何を考えているのかまでは伝わってこないが、それでも空気を明るくする為にそう言って笑う。]
俺たちが前線に行っている間、お姫様のことも気にかけてくれ。
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えーっと、3回くらいか?
[ちらちらと扉を見ながら逃げ出すタイミングを計るが、淀みなく注意され>>220その隙がない。 頭を掻きながら聞いているが、その態度は反省しているようには見えないだろう。
しかし、赤騎士団の団長と副団長が決まったと聞けば、興味深そうににやりと笑った。]
へぇ、あの二人か。 漸く決まったか。 あっちの士気にも関わると思っていたが、これで纏まるんじゃないか?
(228) 2011/07/01(Fri) 00時半頃
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[間違いを指摘されると、その顔を一層歪ませて]
…げっ。
無理無理無理、これ朝までとか死ぬ。
何だ、参謀室長殿は俺を決戦の前に殺す気なのか?
[へらへらと皮肉を言ってみるが、
そんなもので現実は変わらない。
しばらくは睨みあいをしていたが、痺れを切らせば]
…ちっと外、出てくる。
ベネット副団長、少しの間よろしくな!
[わざとらしく副団長なんて呼んでみたりして。
半ばベネットに押しつけるように、書類を渡すと
きっと彼の制止の声も聞かず、執務室を飛び出した。]
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