162 絶望と後悔と懺悔と
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[声を掛けられた家畜は大袈裟に身体を震わせて
少女を見つめて頭を下げる。
既に始祖のお気に入りの話は伝わっていた]
は、はい…何でしょう……私に何かご用でしょうか…。
[子供相手に怯えた様子を隠しもしない]
[感覚的な怖ろしさはない、
多分自分たちよりも、少し年嵩の女性だろう。
とはいえ、得体の知れぬ城の中だ、緊張は滲む]
あの……、
水がほしくて、厨房はどちらかご存知ありませんか?
兄弟が熱を出して、それで……。
[問いかけに応えは無い、ただ近づけばわかった。
覆われた首筋、精気のない眼差し、少しふらつくような足取り。
眉根を寄せた、この人は吸血鬼に血を差し出している人だ。
“家畜”という言葉の意味を知る]
[手が強く握り返される。
彼の中で曖昧なままにしておけなくなった問いに、
いくつか瞬きをして、眼鏡の目を見上げた。]
……ううん。
[直円の掌は、広くてしっかりとしている。]
[女には手を出すなと厳命が下っていた。
雛は殺すなと命令が下っていた。
自分と同じ人間で。
自分より遥かに子供で。
自分より薄汚れた存在なのに。
始祖のお気に入りの肩を掴んだ家畜の瞳は
酷くぎらついていた]
お前、どんな方法で化け物に取り入ったんだ。
あ、……、
[ 少し遅れて返事があった。
どうしてか深く頭など下げられて、酷く困惑する。
しかもなんだか早口で、怯えているらしかった]
み、水でございますか……。
[『水』と言う単語に瞳は定まらず、右往左往するが。
意を決したように、首に巻いたスカーフをするりと外す]
どうかどうか…ほんの少しだけ…ほんの少しだけにして下さい…お願いしますお願いしますお願いします。
[ガタガタと震え、何かを乞いながらそれでも首筋を差し出す姿。
よく調教された家畜にとって、喉を潤す水とは他ならぬ
家畜自身の血液しかなかった]
そう……か…。
[明之進の答えに、眼鏡の奥の瞳がやや綻んだ。
軽く彼の頭を撫でてやった。]
今は油断はならぬまでも、事態が逼迫しているということは
ないやもしれん。事実、僕らの待遇は不当に良きものだ。
明之進くん、熱があるのであれば、障ることもあろう。
ゆるりとご自愛なされよ。
………あぁ。
どうも僕たちは悪くはされていないようだよ。
安心はできないけど、熱があるなら少し休んでいるくらいなら
大丈夫……のような気がするよ。
[ふ、と口の端も綻ばせながら言い直した。]
え……ぁ……
[「取り入った」という言葉にとっさに返せず、
暫くは口を魚のようにぱくぱくさせるのみ。
やっと我に返って、つかまれた手から逃げるように体をひねり]
取り入ったって…どういう……ってか、はなせよ!
約束だっていってだけだろ!
[瞳の様子が緩んだのを見て取ると、
頭を撫でられるのをおとなしく受け入れる。
続く話に一度は首を傾げたものの、
言い直された二度目に、こくりと頷いた。]
うん……
[再び、そっと寝台に座る。
熱い手で巾着と手鏡を包み持って目を閉じた。
これで休んでいるつもりなのだ。
横になると背中が痛む気がしていた]
[思えば、最近では「わかりやすく語ってやる」という作業自体
していなかった気もする。少し衒学的に過ぎたきらいがある。]
お兄さんたちに任せたまえよ。
(……処遇に関して、交渉の余地はありやなしや。)
[顎に手を当てて考え込む。]
― 始祖の城 ―
……ぁ、…おはよ――、
[僕は目を開けて最初に見えた誰かに挨拶をする。
だって起きたんだから挨拶しないと。おはようって。
――あれ、そもそも僕、いつ眠ったんだっけ。
眠ったならみんなにおやすみって挨拶したしされたはずなのに、
誰かの泣き叫んでるみたいな声だけがかすかに耳に残っていて]
あ、………っ!
[慌ててぎゅっと目を閉じて手で目隠しまでしたのに、
目の前に次々と怖かった光景が映し出される。
皆と一緒に逃げるつもりだったのに、逃げられなかった僕が味わった光景。
あれは遊びなんかじゃなかった。遊びなんかじゃ……
涼にーさんにも明にーさんにも、アヤにも。
遊びじゃなくって本気でああ言われるなんて思いもしなかったのに]
約束? 化け物相手に?
自分達だけ上手い事取り入りやがって。
どうせ誰か仲間でも差し出したんだろう。
俺の命だけは助けて下さいって。
卑怯者が!! 恥を知れ!
[まるで家畜自身の体験の様に決めつけ、罵る家畜は
既に正気を半分失いかけていたのかもしれない]
ただのガキの癖に!
[誰の気配も感じなくても監視の目は付いている。
命の危機があれば吸血鬼達は動くだろうが、それまでは
自分達も感じている苛立ちをぶつける様に。
雛が逃げ出せば家畜が追うのは止めるだろうが、
それまでは好奇の目で家畜と雛を見ているだろう*]
[任せたまえ、と告げる声は頼もしく思えた。
それを信じて、じっとして体を休める。]
[次に目を覚ましたのはリカルダだった。
珍しく(自分なりに)ぱっと顔を上げてそちらを見る。
彼女について、最後に見たのは背後に迫る危機だったから]
リッキィ……大丈夫?
[急いだつもりで、彼女のベッドに行こうとした]
卑怯って…ちが…
[自分だけ。その言葉にはっとする。
自分は連れて行ってくれと言ったのだ。
自分は殺されないとどこか思っていて、
他の子供たちの生死間で考えられなかったのも事実で]
……そんなこと、ないし。
俺、友達を…助けたくて…
[腕を引き離そうとつかみ返したけれど、
その言葉にうなだれるだけ
さげすまれるような目に、我慢していた悔し涙が滲んだ・けれど]
じゃー、そのガキに何しようってのさ、
いい大人のくせに。
悔しかったらアンタも取り入ったらいいじゃんか。
[始祖の前を塞ぐ者はいない。
その横に並ぶ者も。
僅かに下がって付いて来るのはホリーくらいだった。
自然に生まれた暗黙のそれは力の差でもあった]
年齢も手ごろだ。
戦士として育ててもいいだろう。
彼らの手で、嘗て彼らを助けようとした守護部隊の
息の根を止めさせるのも面白そうだ。
[その守護部隊に雛達の生き残りが1羽でも混じっていれば
もっと楽しいのだが、と付け足したが。
それが現実になると知るのはもう少し先]
ハッ、化け物のお気に入りとやらのおともだちかよ。
そのおともだちを助ける為に誰を売ったんだ!?
親か?教師か?嫌いな奴か?
[子供相手にムキになっている事を突かれて更に逆上する]
俺はな! 俺達人間はな!
てめえみたいな悪魔とは違うんだよ!!
[怒りに任せ、家畜は首を締めようと手を伸ばした]
確かにそうですわね。
まともに戦えるのが、私とお父様だけですもの。
[そんな事を言いながら。
守護部隊に雛の生き残りが居ればと言う言葉には頷いていた。
自分に最後まで刃向かおうとしたサミュエルと言う雛。
彼が育っていればさぞ良い戦力になるだろうと。
口には出さないがそう考えていた。]
楽しみですわ。
…………明にーさん?
[とっても知ってる声が聞こえたけど、僕はまだ目を開けられないでいる。
僕が思い浮かべた光景の中には明にーさんが僕らを庇って切り裂かれたところも含まれてる。
もし明にーさんがあの時のまま、赤いままだったら……?]
[答える前に首に手が伸びて来た時、今まであげなかった悲鳴があがる。
…昔、父親にされたことだ。一瞬それがフラッシュバックしたからだ]
「お前が殺したんじゃないのか。自分だけ逃げやがって!」
売ってなん、か……
[絞められて、息苦しさに涙が溢れてくる。「悪魔」「人間」
どっちがどっちで、どこが違うんだろう]
うる、せぇ!ただの人間のくせに!
俺に手ぇだして、あいつに殺されてもしらねぇぞ!
[恐怖感になりふり構っていられない。
逃げられるなら…生きるならなんでも利用する。
暴れしながら口にした言葉に僅か顔を青ざめさせたけれど]
――リッキィ。
[枕元につくと、己を呼ぶ声がした。
長く吐く息が零れた。
閉じた瞼の奥で、瞳が微かに揺らぐのをつぶさに見入る]
……僕たち、「生きている」って。
[直円の言葉を繰り返して伝える。]
リッキィ、大丈夫?
痛い、ところはある……?
[雛鳥の過去や心など関係なかった。
関係あるのは、彼が始祖のお気に入りだと言う事]
くそがっっ………。
[上げた悲鳴が合図だった。
煩い口を黙らせようと、首を絞める手に込めた力が…抜ける。
雛鳥の眼前で、家畜の首が真後ろに折れた]
『立場を弁えろと言った筈だ』
[監視していた吸血鬼の忠告を聞く筈の家畜の命はもう無い。
雛鳥が口にした通り、報いを受けたのだ]
『…………』
[監視の吸血鬼は雛鳥に怪我が無いのを確認すると
忌々しげな色を隠しもせず、一礼して下がっていった。
そしてまた静寂だけが廊下を支配するのだった]
―始祖の城・雛鳥達に与えられた巣箱の中、で―
[零瑠の両の瞼は降り、未だ眠りに着いたまま。
日頃は左を下に、心臓を庇う様にして寝ているのに。
今は仰向けになり、胡桃色の睫毛が天井を向く。
顔や髪は綺麗に拭われ、血を被った跡など耳の内側にすら残されて居なかった。服も新しいものに変えられているのは、些細な事で意識を手離させない為であろう。
紅が良く映えるよう、それは真白な服。*]
早速愚か者が出た様だな。
[静寂が支配する城では悲鳴がよく響く。
覚えたての囀りが聴こえて冷笑を浮かべた。
贈るのは雛鳥を鳴かせた相手。
監視は付けてあるので何も心配する事は無い]
雛鳥達は全員お目覚めか。
[囀りが聴こえても、方向を変える事も足を止める事も無い。
雛鳥達の仮初の寝床へと辿り着くと中の気配を探る]
ひっ…!
[首が真後ろに折れた瞬間を見てしまった。
ありえない方向に曲がった首がそのまま元に戻らない。
手は放されて床に落ちた。
静かな言葉を落とす吸血鬼の眼は冷たくて何も返せなかった]
う、ぅ……うわぁああああああ!!!!
[あの血まみれの現場よりもある意味衝撃的な場面だった。
人とはこんなに静かにあっけなく死ぬのだと
静寂を破るような大声で叫んだ後、
自分は今来た道を情けないほどみっともない姿で逃げ戻った
タイミング的にあの金髪が来るちょっと前のこと]
死ぬ…殺される…殺される殺される殺される……
[何をきかれても、これだけしか言葉にできなかった]
y
僕たち……、生きてる?
生きて、 〜〜〜っ。
[僕は近くまでやってきた明にーさんに手を伸ばそうとする。痛くなって途中で止まるまで。
手さぐりするように手の指だけ動かしたら何かに触れたかな]
明にーさん、良かった……。生きてて、よかった。
[僕のふたつの眼には明にーさんの顔がしっかりと映ってる。泣いて視界がぐしゃぐしゃになっても、にーさんをちゃんと見たって事実はかわらない。
よかった]
僕は、だいじょうぶ。それよりにーさん、起きてて……いいの?
みんなは、………アヤは!?
[せめて涙拭いてから訊いた方がよかったかな。でももう遅い]
その様ですわね。
[トルドヴィンの声に頷く。
囀りは彼女の耳にも届いていたのだった。
監視役の吸血鬼に何が起こったのかと聞けば、家畜が雛鳥に手を出そうとしたと聞いて笑みを見せた。
監視役も、短気を起こせば同じようになると優しげに告げる。
その言葉に監視役の中には嫌な顔を見せた者も居たようだった。]
[リッキィは痛そうな顔をする。
動いている指に、そっと手を添えて握った。
こちらの手はまだ熱いままだが、彼女はどうだろう。
泣き出してくちゃくちゃになってしまうから、
少し迷って、着物の袖で拭ってみるものの、
続いた問いには答えられない。]
――――あ……絢矢、は
[解らない、と、唇が戦慄いた。]
……ごめん、なさい。
[その沈黙を破ったのは、理依が駆け戻ったこと。
何事かと視線を向けると、出て行った時とは真逆の
凍りついた蒼白の顔になって見える。]
理依君……
[そちらへ体が傾きかけて、リカルダを振り返る。
しばし二人の間で視線を彷徨わせて、
少女の指を、きゅっと握った。]
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