82 謝肉祭の聖なる贄
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[屈む銀灰 流れ落つ その長髪の 隙間から 赤の舌がちらりと見ゆる どちらのものか 判別つかぬよな 色のある 白贄の声があるのなら それを後ろに聞きながら 焦げ色 大神からは離せない >>16唇に 浮かぶ艶ある 笑みに息飲んで 一拍遅れた礼返す]
[そうしてそと茶の神みるか>>3:100]
(19) 2012/03/18(Sun) 12時頃
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[名を呼ばれた時、娘はどうしただろうか。 恐れを感じたか、それとも。
娘が応えれば、差し招いて恋人にするように手を取り、少し離れた場所へと誘う。 たとえ怯え竦んでも……結果は同じ。 優しく、しかし強引に抱き取り、連れて行くだけだ。
終始浮かべた笑みは婉麗、しかし瞳に揺蕩うは重く輝く熱。 以前の心をも冷たく貫く眼差しと似て非なり、熱い思念の舌で娘の肉も心も嘗め尽くさんとするように。]
(20) 2012/03/18(Sun) 14時頃
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[離れた、と言っても祭壇の縁のほう、贄が喰われる時に登る架台の程近く。 そこに行けば、生きながら貪られた長髪の贄――ヨーランダのもはや残骸となった躯は厭でも目に入る。
祭壇の周囲に飾り付けられた幕を引き毟って敷くと、銀灰の大神は黒衣の裾を捌いて腰掛けた。 膝の上に座れと、娘に無言で促す。*]
(21) 2012/03/18(Sun) 14時半頃
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>>18
[濃厚な香りを纏い近づく銀灰色の主から名を呼ばれ。]
……はい。
[と返し、面を上げて主を見つめた。 潤む瞳に映るのは、妖艶さを増した主。]
(22) 2012/03/18(Sun) 18時頃
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>>20
[すでにこの身は主のもの。 そう心に決めている以上、拒む理由などなく。
手を取られ、誘われるがままに進む。
途中、足元が覚束なくなり歩みが鈍れば。 怯んだと思われたか、抱き上げられ連れていかれる。
蠱惑的な笑みと眼差しは胸中の炎を煽る風のよう。]
(23) 2012/03/18(Sun) 18時半頃
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>>21
[辿り着いたのは一際血の香る贄が登る架台のそば。 祭壇の幕を敷き、そこに腰を下ろした銀灰色の主は。 膝の上に座れと無言で命じる。
先ほどまで、雷雲色の大神様が喰らっていた贄。 長髪の青年の残骸がわずかにあったか。 それが視界をかすめるが。 突き動かされるように主の膝に座った。**]
(24) 2012/03/18(Sun) 19時頃
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[残る贄は2人。それぞれ、銀灰と茶の同胞のところにいる。
贄を椅子にする事はできないので、視線は手空きの白金へと向けられた]
白金の。膝を借りても良いか?
[彼我の体格差を考えれば、普通は逆なのだろうが。
地や木に直接座る事を好まぬ性質故に、そんな提案をしてみる]
執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/18(Sun) 19時半頃
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>>24 [娘の背に腕回し支え、壇上の骸を目で示す。]
あれが、これから汝に訪れる未来だ。 初日の贄のように、すぐさま殺してもらえる幸運は、汝には与えられない。 犯されつつ、生きながら喰われる――すぐさま殺して欲しいと希うほど痛苦に見舞われながら、な。
[笑み貼り付けたまま、耳朶に唇寄せ、やさしい声音で囁く。]
(25) 2012/03/18(Sun) 20時頃
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汝が味わうは、あれよりも惨い仕打ちかも知れぬ。
[娘が目を逸らすなら娘の顎に手を添え、骸の無残な有様を直視させ。 逃さぬよう腕の中に捕らえ、背を撫でてあやす。]
今一度、改めて問おう。 汝は我に喰われたいか。 それとも、苦痛無き死を選ぶか?
(26) 2012/03/18(Sun) 20時頃
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[娘の耳に注がれる囁きは、蜜。 甘く滴る毒の蜜。
そして、口を噤み腕の罠籠に捕らえた娘の答えを待った。]
(27) 2012/03/18(Sun) 20時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/03/18(Sun) 21時半頃
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[囁きを受けた白金の耳が、ぴんと張る。 傍らに娘も黒壇の主も居ない小さな神は、少し瞬いた後、 すっくと立ち上がって、チャコールグレーの主の側に向かった。 そしてその場に、座そうとして]
っ、い゛、だ ………
[小さく呻いて、思わず軽く腰をさすりつつ……。 白金は、丁度膝枕をする形に、地に腰を下ろしたのだった。]
(28) 2012/03/18(Sun) 21時半頃
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…………いい、けど。おじーさま。
[膝枕する自体は、この神にとって別に恥ずかしくもなく他愛ないことだったが。
先程まで「される」側だったためか、妙にきょとりとしてしまって、間の空いた返答になってしまっていた。]
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………大丈夫か?
[白金の呻く様子に、目を細めて微かに首を傾げる。 傍らに屈み込んで、腰を撫でてみようかと]
(29) 2012/03/18(Sun) 21時半頃
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辛いようならば、精気を分けるか?
[白金に顔を近づけ、笑みを浮かべて問いかける。
拒否されなければ、その唇を軽く舐めてみようかと。
十分な精気を取り込んだ今なら、こちらが白金から吸い取りすぎる事もないだろう]
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あ、う、……うー。
[膝枕の態のまま、白金はグレーの主に、緩く首を振った。]
ううん、平気、へーき……。 おじーさんに心配されるほど、僕年寄じゃないしー…。
それよりー、いーの?おじーさん。 ……お腹いっぱいで疲れてたりしてない?
[若返った姿見てもなおじじい呼ばわりしてしまいながら、 ぱんぱんとわざとらしく己の膝を叩いてみせた。]
(30) 2012/03/18(Sun) 22時頃
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[この白金が五年前を境に、人里から姿を消していた訳。 それは祭りの折に酔っ払いを仕出かしてからだった訳だが……。
祭りの後、北方のねぐらで寝込んでいた白金は、 それは凄まじく無残な状態になっていた。 身体には喰らわれた痕が幾つもあり、骨やら臓物やらはむき出しに。 秘所も痛めつけられ、腰もほぼ砕けた状態。 その意識さえも、甘い毒に侵されたように朦朧としていた。
その時の傷は、今でも完治はしていない。 なんとか取り繕った毛並みや衣に隠れ、外からは見えないだろうが。 故にこうして、今でも時に身体が疼くことがあった。]
(31) 2012/03/18(Sun) 22時頃
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[重ねあう唇は愛の交歓のような優しいものではなく、互いに貪り合うだけのもの。
啜られた血に汚れた唇を舐めとり、侵入し口腔をまさぐってくる舌を捕らえ吸い付けば、互いの牙の形すらなぞりあう形になるか。
その鋭さに滲む赤が、互いの間で溶け合ったものに染みとおり、抱き寄せた腕からゆるりと力が抜ける。]
…けっ、喰らい尽くす気も無いくせに。
[ほどけるように離れた相手に、恍惚醒めやらぬままに返すは悪態。
このような腐れ縁のままの関係が案外心地良くはあった。
均衡崩れるならば食い殺されるも本望と思うのだろうけれど…]
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[あの時、いっそ死なせてと声も無く懇願しながらも 大神の身ゆえに死にきれなかった苦悶。 その感覚は今でもはっきりと覚えているが、 今、銀灰に問われる娘に、白金からそれが告げられることはない。]
(32) 2012/03/18(Sun) 22時頃
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そうか。 いや、満腹ではあるが疲れる程ではないな。
[年寄り扱いには、眉がピクリと跳ねる。 精気や力は十二分に回復した実感はあるが、未だ外見までは回復しきっていないのだろうか、と微かに首を傾げた。
膝を叩いて見せる白金には、相手の勘違いに気付いていないのか、気付かないフリをしているのか。 その足の上に腰を下ろした]
だが、折角だから借りるとしよう。
(33) 2012/03/18(Sun) 22時頃
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…………… ………ちょっと、まって。
[大分考えた後、白金は小さな声で答えた。
口内にはまだ少し、あのアクアマリンの主の血の味が残っている。
精気を取られる恐れはなくとも、紅色を移すことは本意ではなく……。
近づいてきた笑みから、僅かに顔を逸らしていた。]
エリアスは、未だに、村はずれに残してきた喰い残しの贄を思う。
2012/03/18(Sun) 22時頃
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[するりと指の間からすり抜けていく銀灰の髪。 未だ酔い醒めやらぬまま陶然としていれば、触れたいと願うは赤銅色の指か。
乾きかけの血と、汗の匂いがした。]
美しい、ねぇ…
[喰らう時の獣も、喰らわれる時の人も、 その真紅の色は美しいと思う。
喰らわれる側の人の身にも、喰らう側の獣の身にも、赤い色は同様に流れている。 張りのあるその赤銅の上に玉の汗と赤い飛沫が散るもまた美し。 癒えきらぬ傷口をたどる指先。 その甘やかな痛みに、ハと小さく息を吐いた。
巻かれた黒布の上から、そっと傷口を押さえる。
名残り惜しげに離れる指先を捉えて噛み千切ってしまえたら、どんなにか滋味深かろう。]
(34) 2012/03/18(Sun) 22時頃
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食欲が満たされれば……次は別の欲が湧くものだろう?
[喰う際に犯しはしたが、その程度ではまだ足りなかったようだ。
膝に座り、顔がさらに近づいて。
けれど、待ってーーと制止されれば、肩を竦めた]
昨夜の贄はそれほどに美味だったか?
あの白い贄の肝も喰いに来なかったな。
[年若い同胞が肝を特に好む事は知っているので、先ほど喰らっていた間も、同胞たちが喰いにきた場合に備えて肝は最後の方まで残していたのだが。
片膝を立て、そこに肘をついて白金の様子を眺める]
執事 ハワードは、メモを貼った。
2012/03/18(Sun) 22時半頃
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[>>33眉が撥ねた、と気づいて、はっと首を振った。]
あ、ううん。別に、その。 なんか、若返ったなーって思ったけど……つ、ついその。
……疲れてない、なら、良かったけど。
[年寄り扱いのことは途中で言い淀んだまま、そのままにして。 「疲れて」という言葉は、先程贄なる娘と話していたことが頭に残っていた故か。 少しだけ息ついて。 ぼんやりと、口の中舐めて――その時に、グレーの主の行動に気づいた。]
(35) 2012/03/18(Sun) 22時半頃
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きゃんっ!!
う、ぐぅ……。
[大きな大神の重み掛かり、甲高く情けなく吠え、呻いた。 『椅子』のこと思えば、この膝も座り込まれるものだろうと予想できただろうに。 ついさっきまで自分が膝枕の恩恵にあずかっていた所為で、此度もそうだと、思い込んでいた。]
(36) 2012/03/18(Sun) 22時半頃
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[傷口覆った 黒布を 更に覆う 掌に]
美しいのです 到底 人が辿りつけようもないところにある、その存在が
[指につくは 神の赤 それに目落とし 唇触れた 大神の血をいれるは 何意味するか 知らぬでも 知っていても そうすることの 誘惑に 逆らう術を持たぬよう]
下らぬことを伺っても、よいでしょうか 大神様 贄とは、大神さまにとって、なんでしょう 用意される飯でしょうか 人間の、畏敬の念でしょうか
(37) 2012/03/18(Sun) 22時半頃
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[己が膝に座ったことで、白金が吠え呻く声を聴けば。 フフッと笑いが溢れる。
そもそも、座る事も厭う程に土や木やそれらの加工品に触れる事を敬遠する雷雲色の大神が、そこに横になって頭だけを同胞の膝の上にーーなど出来る筈もない。
片手に持ったままの杯を傾け。 もう片方の手では、白金の頭か頬でも撫でようかと]
(38) 2012/03/18(Sun) 22時半頃
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生憎、僕にはそーいう欲はそんなにありませんので。
[肩竦められてもしれっとした態度で、未だ顔を少しだけ背ける。
けれどぺろりと一舐めした口内は、もう塩辛くも苦くもなくて。
ま、してもいっかな、と内心でだけ呟いていた。
その後の問いには、また暫し、押し黙ってから]
なんか、そんな食べたい気分じゃなかった。
っていうかあのコは、おじーさまの大のお気に入りだったんでしょう。
……おじーさまが全部食べるのが本望だったんじゃないの?
あのコは、美味しかった訳じゃない。
ただ。
……………………嬉しかった。
[素直に、零した。]
病人 エリアスは、メモを貼った。
2012/03/18(Sun) 23時頃
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[その言葉には、世辞ではないものを感じて。 焦げ茶の強き眼差しを興味深げに覗き込む。]
贄とは、か…。
[問われ、ふむと思索に沈むよう。]
それなりに長き時を生きてきた俺にも、どのような由来なのかは知らぬ。 だが、喰われるために生き、己を磨いて此処へ来る者たちのなかに稀に見かける輝きは、実に五臓六腑に染み渡る程に旨い。 それに出会いたくて俺は、毎年来るのだろうな…。
[指に口付けるその様子を見つめ、引き寄せる。 あの時の抜け駆けの傷は、未だに癒えずそこにあるだろうか。]
(39) 2012/03/18(Sun) 23時頃
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