256 【突発RP村】胡蝶の夢
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[鳥の為に残した林檎も この吹雪に枝から落ちて凍えているかもしれない。 雪に閉ざされたこの場所で林檎や鳥を案じている場合ではないが。]
心配するだろうな。 迎えに来ようにもこの雪では難しいだろう。 はやく、おさまればいいんだが。
[吹雪について語るふりをして 案じるのはキャサリンが話した事象についても。]
酔ってしまえば眠れるだろう。
[酔わなければ眠れぬかもしれない。 メルヤと話しながら向かう貯蔵庫には 葡萄酒の他にリキュールの類もあったか。]
(17) 2016/11/15(Tue) 01時頃
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[葡萄酒の瓶をメルヤから受け取り]
――…ん。 そういえばそうだったな。
懐かしい、と思う反面、 子供だった頃が重なって不思議な心地だ。
[貯蔵庫に漂う林檎の甘い香りもまた あの日を思い出させる要因になろう。]
メルヤ――…、食堂に行こう。 他に飲みたい者もいるかもしれないから、 少し多めに持っていくか。
[瓶をあと一本余分に持って、彼女を促す。**]
(18) 2016/11/15(Tue) 01時頃
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[しかし、例え外に出れたとして、吹雪の中では運命は同じ。
彼女の咄嗟の行動は悪手だったと言えるだろう。恐怖で声もあげられず、哀れなことだ。]
[若い狼は今は仲間に呼び掛けることも忘れ、無我夢中で肉を貪るばかりだけど。
もし、気付くことが出来たのなら、その気があるのなら。
食事に加わる同胞を退けたりは、しない。*]
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─ 2日目 ─
[ あれから私は、上手く眠ることができませんでした。 うつらうつらと、頭を揺らしながら、 自らの髪を後ろで何時ものように結いましょう。
護身用にと、遠い昔に母に渡された短剣を 胸元に忍ばせて、階下へと足を伸ばしましょうか。 いつも聞こえる、キャシーの声がないことを、 不自然に感じては、辺りを見渡すのでした。]
キャサリン、……キャシー ?
[ どこ?と。]
(19) 2016/11/15(Tue) 01時頃
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[食堂でうつらうつらとしながら暖炉前で座っていると、何かが駆ける音がして、目を覚ます。]
そうか、始めたか。
[静かにそう言って、テーブルの上の水を飲み、食堂を出る。
音と臭いを頼りに、玄関まで行くと、若い狼が修道女を貪り食っていた。
自分は人の姿のまま、その姿を見守る。
自分にはただの修道女だが、この狼にとっては古い知り合いだったか。
そう思いながら、腕を組んで壁に背を預け、その様を見下ろして。]
……ほどほどに、しておけよ。
証拠を残さぬようにな。
[血の匂いに鼻を動かし、ごくりと唾を飲むも、若い狼の獲物を横取りする気にはなれない。
それに、そうだ、ここには“食料”は数日分あるじゃないか。
急ぐことはない、と、そっと食堂に戻った。*]
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— ハーノットの日記・2 —
アイリスが、「きょうだいがほしい」と言ってきた。 俺は妻と顔を見合わせ、笑ったよ。
馬鹿なことをほざくようになったもんだ。 これ以上、うちの食いぶちを増やすような真似を誰がするもんか。 遊ぶ金が底を尽きてるんだ、いい加減にしろ。
きょうだいは作れないとハッキリ言ってやった。 アイリスはしつこく食い下がらないのが、唯一のいいところだ。 良き父として、殴って言うことを聞かせるのは本意じゃあないしな。
(20) 2016/11/15(Tue) 01時頃
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さて、それよりも今は金が無くて困った。 アイリスがどこからか拾ってきて読んでる古い本に、金銭的価値がありゃあ良かったんだが。 売り飛ばしても一銭にもなりゃしないから、本当にあいつは役に立たない。 それでも家を追い出さない俺の優しさに、いい加減応えてくれんものか。
友人の医者に、金の相談を持ちかけてみた。 そしたらちょうどいい、お誂え向きの方法があるんだとよ。
持つべきものは友に限る。 しばらくはまた遊んでられそうだ。
アイリスも、喜んで協力してくれるだろう。
(21) 2016/11/15(Tue) 01時頃
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―二階・個室―
[ローズマリーの眸に映るは、吹雪いてやまぬ麗白の世界。]
……私は、マリー。 ――――ローズマリー・アルヴィエね。
[はぁ、と白い息が硝子を曇らせていく。 指先で曇りの中に、文字を書いた。]
[ rose-mary ]
(22) 2016/11/15(Tue) 01時半頃
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[増えた気配に一度牙を突き立てるのをやめた狼は、顔を上げ男を視界に捉える。]
ーー……
[そして彼を少しの間唸り声を上げて睨みつけていた、同胞だと知っている筈なのに。
この狼は覚醒に至れども沢山の食料と閉じ込められてしまったくらいで理性を失う、とても未熟な獣だった。
やがて、その“匂い”に気付けば再開される残虐な食事。やって来ないのなら分けるつもりはないらしい。
忠告は果たして聞こえていたかどうか。満足がいくまで貪り続け、玄関は飛び散る紅で酷い有り様に変わってしまった。*]
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[ざわりと、鳥肌が立って己を抱く。]
……そうね、そう。 なにも思い出すことなんて、ないはずだわ。
[やわらかな話し方が、似ている。
誰かに、似ている。―――…誰に?]
ああ、また……
(23) 2016/11/15(Tue) 01時半頃
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[俺は男で、林檎が好き。メルヤは女で、林檎が嫌い。 相棒と呼んだ友人とのどうしても同じになれなかった部分が、その二つ。
初めて出会った時、彼女は泣いていたのだったか。 “新しい家族が増えたのよ”そう聞かされてわくわくしていた俺は随分と困惑してしまった。 だって、林檎の何が嫌なのかどうしても分からなくて。彼女がどうして家族になったのか、まだそれも察することが出来ない年で。
必死に語り掛け辛抱強く聞き出そうとするキャサリンと彼女を交互に見るばかりで、ついには自分も泣きそうになったことを覚えている。 目の前の真っ白な皿に乗せられた林檎は、手をつける前に変色してしまった。]
(24) 2016/11/15(Tue) 01時半頃
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― 記憶 ―
[偶像は思案する。 飢饉の日々、民は餓え続けていた。
そのためにした提案は、さして意味をなさなかったけれど。
ひと時を凌いだ、その一件から随分と時は進み、舞台の上。 偶像は言葉を紡いだ]
あら、ごめんなさい、……
[お祭りのように、沢山の人が居て―――…**]
(25) 2016/11/15(Tue) 01時半頃
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[未来の相棒に何もしてやれなかった、少し苦い記憶 林檎の思い出>>0:23はそれともう一つ、妹分が増えてから数年後、あの樹の前で。]
おれ、大きくなったらここを出るの。 そしたらさ、立派になって姉さんのこと迎えにくるよ!
楽しみにして待っててね?
[収穫を手伝う合間、キャサリンと二人きりになった少しの時間。 ぱっと笑いかけ見上げた彼女は、少し困ったように微笑んで『ありがとう。』とだけ言った。 受け入れられない想いに、優しい一言をくれた。
淡い初恋は過ぎ去ったからこそのおふざけ、少なくとも己にとってはそうだった。
けれど彼女はそれをあしらいながら、どう思っていたのだろう?*]
(26) 2016/11/15(Tue) 01時半頃
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[結局切実に望んだ修道院からの解放は叶わなずにまた夜を越して。 けれど、どうしてだろう。今朝は妙にすっきりとした目覚めで。*]
(27) 2016/11/15(Tue) 01時半頃
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あれ……っ、
俺、昨日……。
[声になったのは無意識のこと。
昨夜必死に堪えていた後の記憶は、何処へ?
それでも確かに腹はしっかりと、満たされていた。**]
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[酔いは脳をとろかして、判断を鈍くさせる。 眠りの淵へと、背を押してくれる。]
……不思議な、心地。
[ケヴィンの感覚がわからず、繰り返す。>>18 多めに、と言われれば、リキュールの瓶を一本取り出そうか。]
行きましょうか、……おにーちゃん。
[囁くように昔の呼び名を掘り返したのは、姉の話のせいか。 もしくは、不思議な心地のせいか。 前者ならば、親しい者が傍にいるという事実を己に認識させたかったに違いない。 メルヤ自身にも、何故かはわからず。]
(28) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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[ケヴィンの主張通り、食堂へと足を踏み入れる。]
良かったら、どうぞ。
[リキュールの瓶を揺らし、振る舞う旨を伝える。 テーブルにはまだローズマリーが作った食事が残っていたろう。 冷めてしまったが、酒と共に頂く。 そう多くの量は飲まなかったが、 長い間、ほんの少しずつ酒を喉へと流し込んだ。 相手をしてくれる誰かがいるなら、楽しげな話をせがむ。]
(29) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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[窓の外は、やはりまだ白い。 果樹園の林檎も、白に隠され、見える気配はない。
動くものは、無生物だけだったろう。 鳥も人も、吹雪の中に飛び込むのは、無謀としか思えない。*]
(30) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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— 2日目/早朝 —
[まだ誰も目覚めていないほどの早朝。 日の光もまだ差さない。
窓を揺らす風の音ばかりが聞こえる。 ——それと、他に、私の耳に囁く声。 いや、声というより、音。
身震いしながら、じっとそれを聞いていた。]
(31) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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もし、誰かを食べるのなら。
ほんの少しでいいから、残しておいて。
[就寝前に、そう伝えていた。
その理由は告げなかったけれど、不思議に思われたかな。
私が、彼らの仲間なら、
これくらいのワガママは、聞き入れてくれると信じて。]
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[——やがて、事が終わったのを感じた。 院内に再び静寂が戻ったのを確認してから、部屋を出る。
廊下を歩けば、鉄の錆びたようなにおいが感じられた。 吐き気が込み上げる。 けれど、そのにおいの強まる方向へ、ひたひたと突き進んでいく。
玄関先。 夜明け前の闇の中、散らばる肉片がそこにあった。
それが、“誰”だったのかは、分かっていたから。 見下ろせば反射的に、瞳から生暖かい雫が零れ落ちる。]
(32) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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……ねえ、キャサリン。 あなたが嘘をついたこと、まだ覚えているから。
本当のこと、知ってるよ。 子供はコウノトリが枕元に運んでくるわけじゃない。 人間が子供を作る時は、別の手順が必要なんだよ。
[そう呟いたのは、いつかの意趣返しか。>>1:64 そして、私の中の知識を、ようやく試す時が来た。>>0:200
こんなに凄惨なものを見たせいで、 すごく恐ろしくて悲しいけど、
でも、
今ね、すごく、わくわくが止まらない。]
(33) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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キャサリンの子供、私が作ってあげる。
(34) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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[散らばる肉片を掻き集めて、タオルに包む。 食べ残された、皮も骨も、名前も知らない臓物も。
まるで砂場で綺麗な小石を拾い集めるかのように、拾っては、寄せ集めて。 キャサリンだったものの破片を、腕の中に抱いていく。
——私は、知っているよ。 人間の子供ができるには、男の人と、女の人の、体の一部を、混ぜ合わせて、 捏ねて、捏ねて、捏ね合わせたら、可愛い赤ちゃんが産声を上げるの。
お父さんが、そう教えてくれた。
きょうだいを作るためには、材料を集めて来いって、教えてくれたから。 だから私は、夢にまで見たきょうだいのために頑張るの!]
(35) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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うふ、ふ、ふふ。
[つい、笑いが漏れてしまう。 キャサリンはもういない。悲しいな。悲しいな。 涙は溢れるのに、でも、嬉しいな。 キャサリンのおかげで、私の夢が叶えられるの。
私には烏滸がましい夢だった。 いのちを産むことすらできない、できそこないの土塊が、 はじめて自分の手で家族を作るの。
私にだって、子供が作れるの。
あとひとり。今度は、男の人の肉片を集めなきゃ。]
(36) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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[絶好の機会を恵んでくれた、囁き声の主に感謝をしましょう。
闇の中、目をこらして、もし足跡が残っていたりしたら、それを拭き取って。 毛や、服の切れ端が落ちていたら、残らず拾って。 怪しまれることのないように、証拠を全て隠してしまう。
あの人たちが捕まってしまったら、私の目的も達成できない。 だから私は、私にできることをしなくちゃ。
ねえ、私、役に立ててるかな。 店先で笑うことしかできなかった私だけど、お父さんもお母さんも見直してくれるかなあ?]
(37) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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[後始末が終われば、玄関先に残るは、 辛うじてそれがキャサリンであったと判別できる程度の肉塊のみ。
私がタオルにくるんで腕に抱えた分は、まだ生暖かく、鉄錆臭い。 あんなに朗らかにアップルパイを作っていたお姉さんが、あっというまにこうなっちゃうなんてね。
ふしぎ。 いのちって、ふしぎ。
抜き足差し足、気配を殺して自分の部屋へ戻る。 持ち帰った肉片と、血で汚れた服はベッドの下に隠して、そのまま日が昇るまで眠れないまま過ごしていた。*]
(38) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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[その夜、寝床はいつまで経っても一人分の体温。 頬を紅く染め、瞼もしっかり開ききらないまま、 姉を待つ。
食堂にも、姉は現れず、 料理教室は永遠に訪れなかった。>>1:113 同じく生徒であるローズマリーの一瞬曇った表情を、 思いながら、メルヤは眠りへと落ちる。]**
(39) 2016/11/15(Tue) 02時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2016/11/15(Tue) 02時頃
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— ハーノットの日記・その3 —
アイリスが、またきょうだいを強請ってきた。 あいつめ、店先で妙な話をしてその気になってやがるな。迷惑なことだ。
どうしても五月蝿いから、脅かすつもりで嘘を教え込んでやった。 何もないところから生命が誕生するわけがない。 子供を作るためには、男と女の体の一部を集めて混ぜ合わせろって。
アイリスは俺と妻の実の子じゃねえから、髪の色も目の色も違う。 まるで別の何かを寄せ集めたような見た目をしてる。 だからあいつにとっては、疑いもしなかったんだろうが。
まあ、そんな惨たらしい作り話を本気にしてくれたところで、どうせビビって諦めるだろう。 肉片から赤ん坊が産まれるとか、気色悪いったらありゃしねえ。
(40) 2016/11/15(Tue) 02時半頃
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