64 色取月の神隠し
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[からん、からん。 控えめに鈴を鳴らして、指を離す。]
“雷門様”
[膝をつき、呼びかけるようにゆっくりと神の名を刻む。 両手を合わせて瞳を伏せれば、神聖な気に身を融かされるような心持になる。]
(20) 2011/09/13(Tue) 18時半頃
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[日頃から社を訪れる機会が少ないわけではないが、祭りの日は特に、山神への感謝と崇敬の念を捧げるために殊更時間をかける。 そのように教えられたし、祖父亡き後も守ってきた。 明け方に訪れたのも、参拝者の姿のないうちに対話を済ませたかった為だ。]
―――…
[双眸を薄く開いて、最後にもう一度一礼。]
(21) 2011/09/13(Tue) 18時半頃
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[声を失った頃からの決め事があった。 祈りだけは、土の上に残さぬこと。]
“無くたって、伝わる。 よね”
[ほのりとした笑みを残し、娘は社から踵を返す。 気も早く飲みすぎたのであろう、彼方此方に転がる村人衆をぺちりと起こして歩いた。 葉擦れの音、その隙間から微かに聞こえる祭囃子が心地良い。 広場の片隅に座り、*時を待つ*]
(22) 2011/09/13(Tue) 18時半頃
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子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/13(Tue) 19時頃
子守り 日向は、メモを貼った。
2011/09/13(Tue) 19時頃
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うぐ……!
[焼けた雉肉を頬張って、目を白黒。 獣の舌には、その熱さも、人間の好む味付けも、いささか刺激が強かった。 屋台の娘が見ている手前、吐き出すわけにもいかぬまま、辛抱強く噛みしめる]
……ん。むぐ。 ああ、やっと肉の味がわかるようになってきた。 うん。旨いよ。
[食べ終えて、満足げに息をつく。自分の指や唇を、べろべろ舌で舐め取る様は、若い女の姿を取る者としてはあまりに品のない仕草]
これくれた兄さんにも、食べさせてやりたかったねえ。 精もつくだろうに。
[金創の男を思い出し、人混みに目を遣るけれど]
(23) 2011/09/13(Tue) 20時頃
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[やがて、屋台の周りの人々が、思い思いに散った頃。 薬売りの女の姿は、神社の森へと消えてゆく。
まあるい月の昇る夜、鎮守の森のその奥に、ぽかり見上げる狐が*一匹*]
(24) 2011/09/13(Tue) 20時頃
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[一平太についていって、"先生"のもとについたのだが]
え、え……
[いきなり荷物を渡されて>>14、運ぶ羽目になった。 首をかしげながら、先生を見るのだがさも当然というような様子なので、疑問を述べることができず]
……おもい
[非力すぎてちょっとの荷物も重い。 けれど頑張って目的地まで運んだ。]
(25) 2011/09/13(Tue) 20時頃
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[ざわり、風が吹く]
[ざわり、届くのは
同胞たちの、声]
……おや。
聞こえるんだね。
山の神の気が、ちょいと逸れたのかねえ。
[ざわ、ざわ、ざわり]
[狐が夜の森を駆け]
ほら、辰次。……雉だよ。
[樹上へぽいと投げ上げられる、脂の浸みた包みがひとつ]
―前夜―
おっと、あぶねぇ。
[投げられた包みは、勢いづいて木を超えるくらいの高さまで一度跳ね上がった。落ちてきた所を受け止めて]
ありがとな、芙蓉。
ところで、これどうしたんだ?
鳥を捕ってくるなんて珍しい。
[鳥捕りは苦手じゃなかったっけ?と、包みを解いて雉肉を珍しげに眺め、齧りつく。味覚は人のそれと然程変わりがないのか、人好みの味がついていても平気で食らっている]
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[そして先生の家に着いたところで問いかけられて>>15] [自分を指して]
あきのしん。
[一平太を指差して]
いっぺいた。
[君達、と言われたので2人分名前を言った。]
(26) 2011/09/13(Tue) 20時半頃
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貰いもんだよ。
[しばらく樹上を見上げていたが、首が痛くなってきたのでやめた。
声だけを辰次の気配に向ける]
……足に怪我した男を、見なかったかい?
ちょっといい男でさ、でも……
[思い出すのは、男の瞳が孕んでいた闇]
うん、何か、わけありげな、さ。
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―祭り前日・屋台―
あ、はい。 では、私も、志乃、と……。
[志乃>>0:404の申し出に、ゆっくりと頷く]
ゆう、じん……。
[そう言われて気付いた。 家族以外の者に名だけで呼ばれたのは、随分と久し振りだと]
め、迷惑だなんて、とんでもない……。 嬉しい、よ……すごく……。
[そう言って微笑んで見せる。 喜びを見せるのは不慣れだったから、少しぎこちなかったかもしれない]
(27) 2011/09/13(Tue) 20時半頃
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あ、ゆり……さん……?
[躊躇いがちな声>>0:412を聞いたなら、そちらを振り向いて]
あ、ありがとう……。 もしかしたら、今なら神様も、すぐ近くで聞いていらっしゃるのかもね……。
[そう頷きつつも、冗談めかした申し出には首を振って]
う、ううん……。自分で登れる……。 自分で、登りたい、の……。
[最後にそんな、自分の意志を覗かせた]
(28) 2011/09/13(Tue) 20時半頃
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お、男の人って……そうなんだ……?
[仁右衛門>>0:434の言葉を真面目に受け止めて、初めて触れた男の世界に目を丸くする。 が、こちらの表情に気付いたか、向こうの方がおろおろし始めて]
あ……そんな、謝らないで……。 ただ、仁右衛門さんって、その……すごいなぁ、って。
[羨望の眼差しを送った]
(29) 2011/09/13(Tue) 20時半頃
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沙耶は、そうしてしばらく志乃と共に屋台を見つつ、頃合いになれば月見へと向かうだろう。
2011/09/13(Tue) 20時半頃
武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2011/09/13(Tue) 20時半頃
ああ、あいつかぁ。
一応俺と明ん所に挨拶に来たな。
『荒らすつもりはない』って言ってたが。
[ふぃっと手を振ると、油紙はどこかへと消えて]
…多少荒れても、それはそれ。
賑やかな空気で羽目を外しすぎるなんざ、よくあること。
大嵐を起こして祭りを潰しちまうような真似さえしなきゃ、好きに過ごしたらいいさ。もっとも、この地ではそう簡単には起こせないだろうけど。
[聞いているかどうかはわからないが、そう呟いて]
おもかったー
つかれた
もどりそう、がまん
[人前故に、姿が変わりそうなのをじっとこらえている。]
まぁ今は、それより月見だなぁ。
雲一つない、月見日和…ん、日和は昼か…
名月夜?…酒でも掠めてくればよかったかぁ。
[枝の上から、くつろぎすぎている空気が漂っていた*]
あっ、ふえた
[戻りそうなのを我慢してたら、ぽろりと身体から一匹けだまのようなものが分かれ出た。
着物の袖のところに一匹それがいる。]
たつー、ふえたー。
[人には聞こえぬ囁きで、辰次へ報告した。]
挨拶に、かい。
あんたを顔だとでも思ったのかねえ?
[樹下の狐から、苦笑の気配]
ってことは、しばらく居るってわけだ。
……ま、そうだね。あたしらがここに居られなくなるようなことがなきゃ、やかましく言うつもりはないよ。
増えたぁ?
弟か、妹か、どっちだぁ?
[けらけらと、愉快そうに報告を聞き。]
見つからないように、きちんと仕舞っておいてやれよ?
ん……あきのしん、かい?
[ふわふわと伝わってくる、独特の気へ意識を向けた]
どうしたんだい、どこで何やって……?
?
[その気が、増えたような気がする]
何なんだい、あんた……まあいいや、辰次に任せたよ。
わかんない。
[けさらんぱさらん、性別は無い。]
でも、出そう。おとなしくない。
先生のところにいるから、がんばる。
[増えて別の個体となったけだまは、そわそわしている。]
明之進は、右の袖を掴んだ。
2011/09/13(Tue) 21時頃
――辰次、あんたこそ、さあ。
さっき「連れて行く」とか話してたみたいだけど、無茶するんじゃないよ。
あたしらと違って、人間は……あたしらの里に来ちまったら、自分じゃ帰れないって、聞いたよ。
雷門はたぶん、今んとこ村を護ってるはずだ。少なくとも自分がいるうちは、止めるだろうねえ。
[ざわり、風が鳴る。
山の神の気は、未だ社にある*]
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おとなしくない……
[ぽつり、小さく呟いて、掴んだ右の袖を見る。]
ええと、あの 用事が出来たから ちょっと いってくるね。
[一平太と、そして先生に礼をしてから、その場を去った。]
(30) 2011/09/13(Tue) 21時頃
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明之進は、急いで人影のないところまで走る。
2011/09/13(Tue) 21時頃
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―村外れ―
[満月が空の真ん中に浮いた頃、娘は志乃に声を掛け、村外れの方へ向かっていく]
こっちの方にね、大きな岩が置かれたままの場所があって。 村の中心から離れてるし、岩の上に乗れば、月もよく見えるかなって……。
[そうして進んで行った先には、果たして、どっしりと安定した形で置かれている台状の岩があった。 高さは胸の辺りだろうか。 上部は平たく滑らかで、二、三人なら並んで腰かけられそうだ]
(31) 2011/09/13(Tue) 21時頃
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─神社の片隅─
[何も考えず走って、着いたところは神社だった。]
つ、つかれた。
[気を抜いたところで、袖を掴んでいた手が外れ、袖からふわんと飛び出した毛玉。 それはふよふよ飛んでどこかに行った。]
じゃあねー、またねー。
[分かれて別の個体となったけだまが飛んでいく様を見守り、手を振って別れを告げた。]
(32) 2011/09/13(Tue) 21時頃
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武家の娘 沙耶は、メモを貼った。
2011/09/13(Tue) 21時頃
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なにやってんだろう、先生。
[>>13遠くから見えた先生は珍しくも妙に慌てているようで。しかし此方を気付けばその表情は変わったように見えた。]
こんばん、は、ぁぁ―!?
[>>14荷物を持たされて、がくんと体が傾いた。 横を見ると同様に荷物を持つ明之進が。]
そっちは、村の人、ちがぅですよ。 客人、に、失礼、じゃ、ないでs。
[重量感があるのかはたまた非力なのか。 何かをいいたくともまともな喋りは出来なかった。]
(33) 2011/09/13(Tue) 21時頃
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―祭りの日・神社―
[昨日と同じ、屋台の並ぶ端の端。 薬売りの女が、行李を下ろして座り込む。 幟のひとつも出していない、ままごとのような露店にも、人は時折立ち寄っていた]
腹下しには、これがいいね。 そっちのあんたは、ん?髪油は扱ってないんだよ。悪いね。
……昨日、しのにも聞かれたっけねえ。 何か持ってくればよかったねえ。椿がいいんだっけ?
[前日の会話>>0:396を思い出し、少し残念がっている]
(34) 2011/09/13(Tue) 21時頃
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たつー、ひとりだちしたー。
[己から分かれたけだまの事を報告し]
あ、食べちゃだめだよ。
まだおっきくないから。
[この声が聞こえるあやかし達へ、そう伝えた。
まあ、別に伝えなくても美味しくもないケサランパサランを食べる輩はいないだろうが。]
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