25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[居住まいを正す小さな花へと笑みをむける。 そして琵琶の主へと頭を下げた]
すばらしい琵琶の音でございますね。 楽に興味のない私にも、美しく響く。 花主だと聞いて、残念に思いますよ。
私は乾法泉と申します。 先達て窓から見ておられたでしょう。 何か気を引くものでもありましたか。
此方の花は?
[笑みを見せる花へと視線を向ける]
(124) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[舞台の演者にも、演目が終わると小さく手をたたいた。 舞も笛も、見るものが見ればよい出来なのだろう。
琵琶のほうが気にかかるのは、馴染む音だからか]
無礼などありません。 私はただの坊主でございますから。
父が、世話になっているようですね。 無礼をしてなければ良いのですが。 良い歳をして勝手が過ぎる。
[頭を軽く振った]
(129) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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迦陵頻伽……。その名に負けぬだけの、歌を期待してよろしいのかな。小さき花よ。 この3日の間に、聴かせていただけるとありがたい。
[花は知らずともその名を知らぬわけもなく。 笑みを向けられると少しだけ目元を緩める。
聞こえてきた謝罪の言葉に一度そちらを向いて。 頭を下げる様子にほう、と息をついた]
(135) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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[琵琶をなでる指先に目を留める。 父とは違う、そう思っていてもその仕草は目を引いた]
老いたなどと、おっしゃいますな。 まだ充分に。
許されるのでしたら、とは思いますが。 花主が、花主をいただくわけには行かないのでしょ。
何より、私はここの作法もあまり存じませんから。 若輩者は此方のほうです。
(137) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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[さて、餌食に喰らわれたは、虎の親か虎の子か…。]
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少々我がお強いようですね。あの花は。 面白い、とは思いますが、果たしてどんな芸を見せるのか。 楽のようですが。
[花主の言葉に頷いて。 迦陵へと目を向ける]
名のために歌うものでなくとも、その名には意味がある。 私には。
とはいえ、貴方に出来るのは花として歌うことだけですが。 その名は誰かが呉れたのでしょう? ならば、それだけのものを見出したのだと思います。
(147) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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養父、ああ。 それはそうだ。
[苦笑。 囁かれる言葉に手を頬へと伸ばす]
さて一夜の夢とはいかほどのものでしょう。 夢というからには覚めなくては困る。 囚われぬよう、お願いしたいものですが。
(149) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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[霞の言葉にふと思い出す。
虎の主を食った時には、花は食われた男のそばには居らず。
ただ、つまらぬ食事であったことしか覚えていない。
味はまあ、それなりでもあったが]
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[頬へと触れた掌はその肌へ吸い付くように。 唇が触れると微かに指でなぞる]
では、人のいぬ場所で。 夢など見ぬ私に、それを見せて貰えるというのですから。
[囁きには、囁きで答える。艶めいた唇の動きに口元は弧を描く。 細い目の奥、鳶色はやや色を帯びて]
(158) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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ええ、私には、御仏の道にいるものには、その名は知られた名でございますから。
[迦陵の言葉にそう返す。 礼にはただ頷いて、辞する様子を見送った]
ああ。騒がしい花ですね。 見ておきますから、存分に見せると良い。 自信がおありのようですから、期待しておきますよ。
[舞台に上がる月瀬と名乗った花へと視線を向けた。 また舞う、というイアンの言葉も聞こえて、舞台の上の演目を*待つ*]
(161) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 04時半頃
[途中、すごい眼つきで退席したロビンに向けられる感想。ちいさく、なるほど、と呟いた。]
確かにあの物言いは特殊だな。
花なのに、あそこまで花らしからぬのも不自然といえば不自然だ。
折りあらば、話してみるかね。
[顔で逃げられなきゃな、と付け加えつつ…。]
花、らしからぬか。
[花のありよう、あるべき姿も人それぞれ
深く追求するでなく、ふぅん、とかえし]
ああ、彼の言の意図が黒かどうか
お互い確認しよう
……なんだ、顔に傷でもおありで?
[顔に傷、と言われて噴いた。
そうだったと、こいつは眼を隠してやがる。]
ああ、それはもう酷い傷だ。顔全体がひしゃげてやがる。この世のものとは思えんぞ。
ほれ、見たくなったか?
[下品な笑い声]
それは、まことなら下手な花より
人の記憶にも残ろうぞ。
……そうだな、まことかどうか確かめてやろうか?
[まるで子供に良い子にしろと脅す風だ。
なれば、此方もからかう様に
売り言葉に買い言葉を花で笑いながら返して]
それとも、触れて見聞でもしようか?
その傷が何処まで刷衛殿を覆うものか
さすがの花だな。
ならば確かめてみるがいい。
見ずに我の醜さがわかるほどなら、
俺はこの顔をなお、愛おしく思うことにしよう。
[こいつは面白いといった口調で。]
まぁ、潜入で助けがいれば呼べ。
わかっているだろうが、力もそれなりにあるぞ?
まずは刀か。
ではのちにな。**
己の醜さを愛でるか?
なかなか面白い趣向よ。
触れてつまらぬ顔ならどうしてくれようか
[こちらもクスクスと愉快気に哂い零す]
……私を運べるほどにははわかっている。
研ぐに慣れても、切るに慣れぬなら逆に呼べ。
獣狩の舞なら幾度も舞った。
[主の好んだ武舞の動作は、
時に太刀を、時に鉾を獣の血で赤く染め上げた]
退屈な宴はもう座した、適慮向かう
[舞台の上にいた時、興が乗ったのは本当だが
こうして狩に思いをはせればそれは色褪せて
包帯の奥、紅が更なる朱をと*瞬いた*]
つがいで飼うのが無理ならば、共に血肉となってもらうも一興か。
それならば、彼岸でも共にあれようて。
主にはぐれた花の如く、迷い出る事もなかろう。
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―大広間―
[卓に着き、舞台の上で広げられるカンバス]
ほう、絵を描くのか。 楽や舞が主流だと思っていたが、これは珍しい。
[少なくとも、直接視線へと訴えるそれは珍しく映った。 描かれていく様も、途中から混じる笛の音も、その空間に色を添えていく]
――…。
[卓の下、添えられる指。 絡めてくるその動きに視線を向ける。
浮かべた笑みは艶を持って映った]
(234) 2010/08/03(Tue) 12時半頃
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[父とは違う。それは花には溺れぬという自負。 花は愛でるもの、掌の上で。
絡めた指先を遊ばせる。 しな垂れてかかる髪に、片方の手を寄せた。
舞台の上、蝶が舞う。 花の芸に目を奪われる。
舞台の上が静まると、自然笑みを浮かべた]
これは、すばらしい。 一つではまだ足りぬ。それを補い合うのも花。 一つで事足りれば、それが一番なのかもしれませんが、重なればより美しく感じるもの。
(236) 2010/08/03(Tue) 12時半頃
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[して、笛と蝶の二人が名乗りを上げる。 その様子に少し目を細めた。
笑う霞の声に、こくりと頷いて]
普段の花祭を知りませんが、花同士仲がよいのは普通ではないと。 ともに手に出来ればよいのでしょうが。 そうは行かぬか。
[この花主が手に入らぬように]
舞台も掃けた。行きませぬか。
[こそりと、霞の耳元に囁く]
(238) 2010/08/03(Tue) 12時半頃
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この手を離れて行くならば
たれかの元へたどり着く前に
そう、いっそその翼を手折り――縊り殺してしまえばいい
[少年の自覚は無きままに
浮かぶほの暗い朱]
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[頷きを待って席を立つ。握った手を緩く絡めて残る顔えへと頭を下げる]
積もる話もありますから、これにて失礼いたしましょう。
[大広間を後に、誘うのは自身の部屋。 供の坊主は帰らせたので今は一人。
さてどのように啼かせてみよう。そう思い、霞の髪へと指を*滑らせた*]
(241) 2010/08/03(Tue) 13時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 13時頃
[遺しておきたいものと
食らってしまいたいものと
己の感覚にとってそれらは違うもの]
…傍に置くに値しないなら、ただ食えばよいまでの事。
[そうして、生きているのだから]
[屋敷の構造を把握しながら
通信を介し、雇い主であるセンターに
極秘裏で屋敷の封鎖と
豚狼を捕らえる手はずを整えていく。]
――シュレーゲルは今は宴で最後の愉しみといったところだ
彼を狩るのも任せてもらおうか?
……わかってる、情報を吐くのなら殺さぬよう自重する
[打ち合わせる間、聞こえる声は愉しげに
さて、今度の狩りでは幾つの獣を狩れるのか*]
ん?
仕事熱心だな。
ああ、ヘマをしないのならやってくれ。
[そして、少し間をおいて]
そうだ。殺すなよ。
……何故……?
人に害なす獣、殺すのが当然であろう?
害をなして殺されぬなど……
[聞こえた声に返すのは心底わからぬと言う声]
獣を殺さねば、獣に殺された人々の無念は晴らせん
[低く告げる声は*暗い*]
なるほどな。
言いたいことはわからんでもない。
お前はお前だしな。
[暗い声に少し、声はまっとうになる。]
じゃあ、言い直そう。
殺されるな。
身体だけじゃない、心もな。
[そして、しばし沈黙したあと]
とっておきを貸してやるから。
[そう告げた。*]
…肉を。
[食らいたいと願う。
あのように追い立てられては、たまらない]
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