276 ─五月、薔薇の木の下で。
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[ 背徳の夜が終われば、倫理の朝が来るだろう。 黒色は、暖かさを手に入れるだろう。 ]*
(54) clade 2018/05/24(Thu) 20時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
clade 2018/05/24(Thu) 20時半頃
── それから ──
悪くは、無いんだろうね。
[間違いとは思えなかったので、肯定はした。
ヴェルツを巻き込んだ者と認識していなかった
しかし、一人だけが違ったのも事実。
ならば、彼の殴りたい相手かもしれない。
でもそれを身代わりたかった。
ここからは見えない顔、しかし伝わるもの
引かれたような気がして頬を掻く
必死に喋りすぎて、つい。
理解されたのなら状況への悪い影響は無いと、思う。]
ケヴィンか……、
君はロビン君に何処で会った?
ケヴィンの居場所に心当たりは無いかな?
[運ぶのは厳しいなと思った。
体格的にも、居場所を知らないことでも。
自分は机に齧り付いてばかりだ。
しかし出来ないことでも無いだろう
きっと覗いた先にいた後輩であろう、彼よりは。
問いには返ってきたかどうか、まだ動いてはいない。]*
[ おちる。
瞼を閉じる俺を、清らかな青い世界は拒絶するだろう。
悪魔に憑かれていた俺を受け入れることはない。
夜の夢の中に紛れ込むことは、出来ないけれど。
薄れる意識のなかで。
やわらかな、言葉が降る()。
キラ、キラ、キラ。
まるで《あの時》の木漏れ日みたいだ。 ]
[ ここからの全て押し付けて、眠ってしまうこと。
そんなことが正しいだなんて、もちろん思ってやしないけど。
目が覚めていっちゃんを見つけたら。
同じ言葉を、返そうと思う──── ]**
お休み。
君の思う人の傍ならば、きっとよく眠れる。
君があいつが原因だと言うのなら
もう本人が眠っている。だから、夜は終わるよ。
[それは最初の対話からは大分あとの声。
何かしていれば、そろそろ落ち着いた頃合い。
納得がいかない様子が返らなければ
無言でも、声が聞こえても、音は途切れて終わり。]
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[それからさて、どうなったか。 新しい繋がりの子が落ち着いた様子のまま、 もう放っておいて大丈夫だと考えることが出来たら。 そうなるまでは必ず待って、 相変わらず起きる様子のない男に、肩を貸し。
やはり重たい、ケヴィンまでは無理だろうと考えながら。 一歩、一歩と。重い足取りで。]
(73) clade 2018/05/25(Fri) 00時頃
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[本人の部屋の前まで運び、ドアに凭れさせた。 自分の部屋から持ってきた毛布を掛けて、 暫くの間、見守っていた。 きっと、他の全員が眠るくらいの時間。]
俺も好きだよ。
[囁いて、名残惜しく部屋に戻った。 次の日にはきっと、この夜の面影のない。 いつもの姿の俺がいる。
この人の前、以外では。]*
(74) clade 2018/05/25(Fri) 00時半頃
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── 訪れた朝 ──
[吐き気と、視界が点滅するような感覚。 寝台の白いリネンが、酷く穢れて見えた錯覚。
死んでしまいたい、それが最初に思ったこと。]
(75) clade 2018/05/25(Fri) 00時半頃
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[押し寄せる記憶の波、その多くが、暗い
知られたくないから偽っていた 見られたくないから隠していた 薔薇の香りが周囲からも自分からも去った今 後悔と自身への嫌悪は、夜の中よりもずっと強い 誰かへの行動言動ばかりではなく、 ひとりで情欲に震えた時間までもが。 勝手にあの男の声に煽られて、ああ
あまりにも、あまりにも。 何か一つ、決まったことだけなら良かった。 幾つもの罪が責め立ててくる。 もう理性を遠のかせる匂いは、無い それがどれだけ辛いことか。]
(76) clade 2018/05/25(Fri) 00時半頃
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[ それでも衝動的行動はしないのは 腕の中で降った声 夜明けの為に結ばれた約束。
「イアン」と 親にも呼ばれなくなった名前が響き 全て受け入れるような言葉を貰ったから。 ]
(77) clade 2018/05/25(Fri) 00時半頃
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ヴェルツ、 …………
[小さな声は、仮に同室者が戻ってきていても届かないもの。
やはり、あいしていた。 自分のしたことは倫理的に、彼を求める資格が無いものだとしても。]
(78) clade 2018/05/25(Fri) 00時半頃
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………… 俺は、
[でも今は、動けない。暫くは、ここにいさせてほしい。 色の変わった空を眺めていた瞳は閉じ、世界に蓋を下ろした。]*
(79) clade 2018/05/25(Fri) 00時半頃
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[ ふと、気付く。
自分から、慣れない《人》の匂いがすることに。
慣れすぎた花の匂いが薄まっていることに。
もう、どこからともなく花弁が落ちることはない()。
種が芽吹き、この体に根を張ったからだろう。
だから、もうこの声だって─── ]**
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── 再び、現へ:自室 ──
[木漏れ日は何処にも無い。 あるのは、自分がしたことの記憶と 疼き他者を求めていた相変わらず穢い身体。 だが、不意に聞こえたのは 香りに乗って届かない、ざわめきにも含まれない ドア越しに、指が鳴らす硬質な音と共に>>86 朝を告げる想い人の声 ……いい加減起きようと、そう思えた。]
ちょっとだけ、待っていて。
[一枚の板を通して向かい合い、小さく一言。 この格好では明るい世界には出れない。全てを受け入れなければ。]
(87) clade 2018/05/25(Fri) 11時半頃
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[染み付いたものが、手を動かす。 私服に着替えて、髪が整えられて。 けれど泣いた名残、消えない傷。戻りきらない姿。 部屋に置かれた小さい鏡には 「僕」でも「俺」でもない誰かが見える。 そして、魚でもない。]
[ヴェルツを薔薇だと想う一方 何も語らず咲き誇るそれを、嫌っていた矛盾。 彼から漂う香りだけは花のものでも愛しかった理由。 やはり、あの男も薔薇などでは無かった。 たった一人の人間がそこにいた。
ヴェルツという名の薔薇は存在しない。]
(88) clade 2018/05/25(Fri) 11時半頃
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…………やあ。珍しいね。
[なんて、ドアを開いた先にいた君へと まるでいつもどおりみたいに笑いかける。
でも、何も気づいていないわけじゃない。 君から会いに来るなんて初めてで、 それは悪いこと以外も夢に消えなかったということ。
約束を、覚えている。 しかし貸した毛布が差し出されるのならば、受け取るし 一度は部屋に引っ込むだろう。]
(89) clade 2018/05/25(Fri) 11時半頃
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…………あれ、
[切り出そうとした時 不思議そうな声がぽつりと、落ちる。]
(90) clade 2018/05/25(Fri) 11時半頃
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今日はあまり匂いがしないな
…………でも、今のほうがいいね。
[当人もきっと気づいているのだろう。
俺は、その匂いを好んでいた。
だけど今のほうが《人》らしくて。
赤く咲かない声は、嬉しげに君に向く。]
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生徒会室の見学にでも行く? それとも、草毟りのお誘いだったかな。
[そして、穏やかな物腰の生徒会長の顔のまま 秘密の話をする場所を提案した。]*
(91) clade 2018/05/25(Fri) 11時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
clade 2018/05/25(Fri) 11時半頃
───、────。
[ はくはくと唇を動かしたけれど。
薔薇の香りも掠れたように、声も、また。 ]
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[逡巡するように揺れる様に>>97に瞬きが数度。 こんな彼は見たことがなくて そのせいなのか、その瞳も何か違って見えるような。
俺は何もかも覚えていて、そのつもりで。 夜に幾度もそうしたように、意識せず ────違う音を漏らしていた。>>98]
(101) clade 2018/05/25(Fri) 18時頃
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え?
[だから、最初は何のことだか分からないという顔で その唇の動き>>*22を見て声を聞く>>99
少し間を置いて、再び。]
(102) clade 2018/05/25(Fri) 18時頃
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…………。
[もう一度行ってみれば、
────真似をするように空虚な動き
目を丸くし、下がり眉で笑った。]
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こっちも同じみたいだ。
[何故だろう、一瞬だけ出たのは。 少しの意識もせず、自然に行っていた。
夢の名残、自分が最後だったから はたまた満たされないまま終わったからなのか 或いは────あれは確かにあったことと、示す為か。 何にしろ一時の不思議は彼にのみ届いたのだろう。 もう俺からは残り香すら漂わない。]
……きっと、もう必要無いんだ。
[自分にも、君にも。それでいいんだと思った。]
(103) clade 2018/05/25(Fri) 18時頃
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── 生徒会室 ──
[相手の選択>>100に頷き、二人で歩き出した。 珍しいのは、そんなことを言う自分も同じ 談話室の住民は、たまに動いても中庭で。 誰かを自ら領域に呼ぶことはしない。
生徒たちの部屋が立ち並ぶ廊下からは離れた一室。
目につくのは黒板、合わされた横長の机二つ あとは使い込まれた幾つかの椅子に 書類だとか、黒板に記されたものだとか 活動の痕跡を除けば、あとは他の部室とそう変わらない。 遮るものの無い窓からは、明けた空がよく見えた。]
(104) clade 2018/05/25(Fri) 18時頃
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寛げる場所じゃなくて、ごめんね。
[こちらが先に入り、鍵の音に振り返って一言。
椅子を引いて、座るように促し 腰を下ろすのも、口を開くのも相手より後に。 約束の話を切り出してくれるのを、待つつもり。
その中で少し視線が彷徨った理由が 晒した姿を覚えているからなのは、秘密だ。]*
(105) clade 2018/05/25(Fri) 18時頃
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[相手は促した椅子を通り過ぎ>>106 傷だらけの腕でこの手を取る 二人は立ったまま、向き合った。 それは想定とは違う行動だったけれど、 俺はそうされることが得意ではないのだけれど。 全てが終わったと実感させられる、そんな安堵を覚えた。]
いいんだ。 むしろ、君が眠れて安心していたくらいさ。
[追い掛けられた視線>>107は落ち着かなくさせたが 話の内容を思えば、羞恥は鎮まってゆく。 なぞる感触に緩やかに目を細め、素直な返事を その指と言葉を静かに受け入れていた。 約束は果たされる、君を枯らさないものはなんだろう。]
(150) clade 2018/05/26(Sat) 00時半頃
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あっ
[腕を引かれ、小さく声を漏らせばもう体温は傍にあった 照れを隠すように無意味に小さな音で笑う。 ……拒むなんて、考えもしなかった。
呪いが去って、香りが薄まって、 それでも消えないものが、鼓動を早める。 手に入れる為に朝を望んだその答えは────]
(151) clade 2018/05/26(Sat) 00時半頃
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……ヴェリーには、俺が必要?
[理解出来ていないような声 その先の言葉も、中々出ない。
少しづつ、少しづつ実感が沸いてくるようだ 落ちた囁きが>>108留めのように響き息を呑む。
望んでいた答えが、彼を生かすものが ────自分だったなんて。 これこそ夢なんじゃないだろうか?]
(152) clade 2018/05/26(Sat) 00時半頃
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