5 おんがくのくにのふしぎなおはなし
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[ばさりと翼をはためかせ、しばらく後を追えば、飛ぶのに疲れたのか地に伏せる蝙蝠の娘の姿。 驚かさないように傍らに静かに降りたち]
……ギリアンの声は身体と同じく、でっかいかなぁ。 まぁ、アイリスが驚くのも無理はないさぁ。 [俺っちもびびったしね――そう言って、笑いかけた]
(128) 2010/03/24(Wed) 00時頃
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理髪師 ザックは、受付 アイリスの思わぬ素早さに驚いたのか、台詞を噛んだ。
2010/03/24(Wed) 00時頃
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ん? 血かい。 ……あぁ、そっか。結構いっぱい血ぃ出てたもんなぁ。そりゃあ動転もするさぁ。
[血を舐めたいと――という娘の口から紡がれた言葉は耳聡い烏の男には聞こえたが、聞こえなかった振りをして]
落ち着くまで少し休むといいさぁ。
(133) 2010/03/24(Wed) 00時半頃
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[しゃりしゃりしゃりしゃり]
[リンゴをもりもり食べつつ]
この分だとおれはベビーシッター濃厚だなあ
2人が無事ヨアヒム様の願いをかなえられたら、おれに頭のよくなるリンゴを届けてくれると嬉しいんだ
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……まぁ、あれだぁね。 人それぞれ、いろいろ悩みもあらぁな。
[蝙蝠の娘の隣に腰を下ろす。 しばし考えて、それから口を開く]
俺っちはさぁ、実は結構我慢が聞かない性質でねぇ。 素敵なお宝を見ると、どうしても欲しくなっちまって、 ガキの頃は、お宝をくすねようとして、よくボスに怒られたもんさぁ。 でね、うちのボスがまた、美人の癖におっかねぇ人でさぁ。 普段はだんまりのくせに、起こるとすぐに鉄拳が飛んできてねぇ。
[思い出してくすくすと笑う]
(151) 2010/03/24(Wed) 01時頃
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まぁ、そうやって、俺っちは身体に教え込まれてようやく我慢を覚えたってぇわけ。 ……少なくとも、自分からどうこうしようなんて思わなかったなぁ。
お前さんは頑張っていろいろ我慢してて、偉いよなぁ。 この旅だって、自分の決意なわけだろ。
お前さんは強い心を持った、立派なやつさぁ。 それだけは言っておきたくてね。 [そう言ってから、どうにも上手くないなぁ――と頭を掻いた]
(156) 2010/03/24(Wed) 01時頃
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アイリスのお友達は子供の頃から一人でずうっと、我慢してたんだろねぇ。俺っちみたいに殴られて、ようやく我慢を覚えたわけじゃあないだろ? ……だったら、本人がどう思おうが、俺っちは立派だって思うがねぇ。 まぁ、大人として一人前の姿をみせなきゃならねぇってのは、分かるさぁ。 俺っちだって、子烏どもの前じゃあ精一杯胸張って、いっちょまえの振りしてるしなぁ……。
……でもなぁ、そういう強がりは必要だけどさぁ、友達が離れないようにって無理して強がって、それで却って独りになるってぇのは、何だか矛盾してないかい?
(173) 2010/03/24(Wed) 02時頃
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もし独りになって、寂しくて、誰かの手を捕まえたいのなら、素直にそうするといいさぁ。 誰もお荷物だなんてぇ、思わないさぁ。
旅の仲間とは言っても、知り合って日の浅い俺っちじゃあ頼りにゃならんだろうけど。 愚痴くらいはいつだって聞くさぁ。 ……それでも、どうしても我慢できなくなったら、
[言いかけて、首を振り]
まぁ、そういうことさぁ。
[と、恥ずかしそうに謝る蝙蝠の娘に頷いてみせた]
(176) 2010/03/24(Wed) 02時頃
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鏡の力はものすごいんだな
ヨアヒム様も何か、鏡に対抗するスペシャルアイテムを用意してくれればいいのに、
まあ、リンゴのおかげで、何か、いつもよりも舌がまわってる気がするんだな
[しゃりしゃりしゃりしゃり]
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あぁ、いくらだって、気の済むまで付き合うさぁ。
[「また、お話」を、という蝙蝠の娘に頷いて。 スタッカートの町が見えたという言葉には] ん? どうやらそのようだねぇ。 戻って報告しようかぁ。
[飛び立とうとして、思い出したようにポケットから鏡を取り出して]
これなぁ、軍馬の旦那からの頂きもんなんだがねぇ……。 俺っちみたいなむさいのが持ってても仕方ないんだよなぁ。 ……お前さんに、やるさぁ。
(184) 2010/03/24(Wed) 02時半頃
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[蝙蝠の娘が断っても無理やりに押付けて] 旦那が言うには、その人が信用に足るか分かる、ありがたい鏡らしいんよ。
アイリスのお友達にそれを渡してあげるといいさぁ。 渡す渡さないはともかく、お守りくらいにゃあなるさぁ。 [そう言って、黒い翼はばさりと羽ばたき、一行の元へと戻った]
(185) 2010/03/24(Wed) 02時半頃
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[ばさりばさりと猫の王子の元に降り立てば、熊の大男を囲んで何やら深刻な話をしているようで]
え、と……。 スタッカートの町が見えたんで報告に上がりましたが……。
[その場の面々の顔を見回して]
……俺っちは外した方が良さそうですねぇ。
[そう言って、再び飛び上がろうとする]
(194) 2010/03/24(Wed) 03時頃
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だわあっ!?
[勢い良く飛び上がろうとしたところを猫の王子に襟首を掴まれ、無様に地面に転倒する]
げほっ……で、殿下、ひどいじゃあ ごほっ……ないですかい。
[首が絞まって咽こんで、烏の男は涙目で]
……ん、飛べないことはぁ、ないけどさぁ。
[息も絶え絶えに熊の大男の問いに答え、支えられる豹の騎士を見て]
姐さんに何かあったのかい?
[まさか、あの程度の出血で貧血になる訳もないだろう。 真面目な表情になり尋ねる]
(199) 2010/03/24(Wed) 03時頃
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えーっと
強そうな、人を、襲えばいいのかな
強そうな、人ー
強そうな、人ー
こ、この人が一番、自信満々で強そうなんだな
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>>200 [おぉい、おい。何て適当なことを――と思うが口には出さず]
姐さんはこれ以上、きれいになる必要はないでしょうに。 ご婦人の考えることは分かりませんなぁ。
[つまり、詳細は聞くなということだろう。軍馬の騎士に答えて]
つまり、姐さんを一足先に宿にお連れすりゃあ、よろしいんですね。
(205) 2010/03/24(Wed) 03時半頃
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[そして、熊の大男を見て]
あぁ、引き受けるさぁ。 お前さんがそんな不安そうな顔してたら、姐さんが目ぇ覚ましたときにびっくりするさぁ。 ……鏡を割っちまったこと気にしてんならぁ、後で新しい鏡を見繕ってぇやるから、姐さんにプレゼントするといいさぁ。それで全て元通り。
[な?と熊の大男の肩を叩く。 そうして、豹の騎士を抱えて、スタッカートの町へ向かう。 途中、蝙蝠の娘のところに立ち寄り、同行するかそのまま待つかを尋ねるだろう]
(206) 2010/03/24(Wed) 03時半頃
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――スタッカートの町――
[スタッカートの町に着けば、町の雰囲気に何となく剣呑なものを感じながらも、豹の騎士を宿へと連れて行くだろう。 もし、蝙蝠の娘が同行しているなら、豹の騎士の看病を頼むかもしれない]
……やぁれ、やれ。 何があったか知らないが、吊るし上げかい。可哀想になぁ。
[熊の大男と猫の王子達の様子を思い出す。 そうして鏡の顛末など知ることのない烏の男は、誰にともなく呟いた**]
(208) 2010/03/24(Wed) 04時頃
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砂時計は、おれが持ってると子守道具になるかもしれないな。
それだとヨアヒム様が困るだろうから、ここに置いていくな
何かぐずでいろいろ迷惑かけたな
2人とも、願いがかなうといいな
理髪師 ザックは、メモを貼った。
2010/03/24(Wed) 04時頃
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