204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[年上の“保護者”たる年代の見せた常ならぬ有様と>>86、その不安定さを肥大させていく声に>>96、積木が崩れるように束の間の安堵は崩れていく。 他人の目にはそれがどう映ったのか。知る術もない。
男が気に掛けるのは、見ているのは己の庇護すべき相手だけ。]
プリシラ、来い。
[ぶっきらぼうに言い捨てながら、歩むのは男の方からで。 泣き出しそうな顔を隠すように自分の胸元に押し当てた。
大事にしたい。
庇護欲が、独占欲へと色を変えていってしまう。 そんな気配に危うさを感じながら、それでも手放すことは考えられない。]
(107) 2014/11/17(Mon) 22時頃
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[ほわりと、心が温かくなる。
それが安堵をもたらして]
うん、伝わる……
[なにもかも、全部、ではないけれど。
それでも伝わるからこそ]
そうだね。
いまのところ……伝わっても、問題ない、し。
それに――言葉にならなくても、わかる、から。
…………うん 問題ない
それどころか……心地いい
[わかる の言葉に 言語化出来ない
嬉しさが滲む 心だけは
暖かな春を思わせて]
…………こう言うの はじめて
うん。
そう、だね。
――なんか、安心する。
[保護者といるのとも違う。
そんな安心感。
嬉しさが、嬉しさを呼ぶ気がした]
俺も。
フィリップがいてくれて、よかった……
……春の森 木々の隙間 木漏れ日がさ
ちょうど ラルフみたいで
[少し前 一瞬だけ 冬を思い出す
冷たい風が吹き込んだ そんな気もしたけれど
いまは そんなことがあったことを
忘れるように 重なる思考が暖かい]
ーー俺もだよ
いなかったらーーーを 考えたくない
……俺、そんな、綺麗じゃないよ。
てれる。
[照れる。
そんな、褒められ方したことがないから、そわそわ落ち着かない]
うん。
――、おなじ、だね……
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[酷く苛立つ。 己のテリトリーに踏み込まれた獣のように。 それを鎮めるように深く息を吸い込んで、吐き出した。]
悪い、ほったらかしにしといたのは俺だったな。
[服の裾に触れるプリシラの指が何かを怖がっているようで>>121、落ち着かせるようにいつもの声音を心がける。
ゆるやかに、何かを煮込んだ匂いが鼻をくすぐっていくのだけれど、今はそれよりも優先することがあった。
プリシラの頭を撫で、背をあやすように叩く。 慣れたその手つきは、プリシラがまだずっと幼かったことから繰り返されたもの。]
大丈夫だ。
[言い聞かせながら、ちらりとニコラとディーンへ向ける視線はそっと翳りを帯びていた。]
(133) 2014/11/17(Mon) 23時頃
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[二人とも、男にとっては大切な者ではない。 だから、どれほどその距離が近くとも、ひどく冷静にそのやり取りを眺めていられる。]
プリシラ、気分が悪いなら部屋に戻るか。
[けれど、あの二人の間に生み出された、澱んだ熱はダメだ。 あの毒が、プリシラに染みついてしまう前に。
早く離れなければ。]
(135) 2014/11/17(Mon) 23時頃
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そうかな? でも そんな風に 暖かい
[照れてるらしき気配に
自然と微笑んだ気配が滲んで]
同じ 嬉しいなぁ…………
…………雪 止んで欲しくなくなっちゃう
暖かいのは、フィリップもだと思うけど……
……フィリップのは、小春日和みたい、だと思う。
[普段は冷たくても、きちんと暖かいところがある。
冬の、小春日和のあたたかさ。
微笑む気配に、ほわり、とまたひとつ、温かさを感じた]
うん……雪がやめば、また別々、だし。
――――それは、悲しい、ね
ーーー…………言われたことない
[きょと と驚く気配
側にラルフがいたらまじまじと 見てしまうだろう
暖かく くすぐったい 寝わらに寝返り打って]
ーーせっかく 会えたのに……ね
悲しい し きっと 寂しい だと思う
[邪魔をする男。
‘保護者’ではなくなった男。
ノックスの声にも顔をあげない。
シメオンが立ち去っても、見ようとしない。
こうして果実の樹にしがみ付き、乞うている。
誰に? ―――ニコラに。]
――俺は、そう思うよ。
[驚く気配に、微笑む気配がかえる。
胸の中、暖かいから。
視界のなか、みえたことに、まだ、耐えられる]
うん。
さびしい。
フィリップの、声、聞こえなくなったら。
寂しいし、悲しいね……
ーーーありがとう…………
[ラルフが何を見たのか 耐えているのか
寝藁でうとうとと 心の温かさに包まれ
ゆっくりしていたから知らなくて]
…………一人が 当たり前だったのにね
何も聞こえないのも…………
きっと とても辛い……耐えられる かな?
きっと とても会いたくなる 会えないのに
[力が入っているせいで、肩の骨が服の上からでも見て取れた。
腰に下げたナイフに手が伸びそうになった。
背骨を抜いて、肉と肋骨を削ぎ落として。
ベッドの脚にするのはどうか。
3階にある安物のベッドも、少しはマシになるだろう。髪は束ねて飾りにして――…]
……
[黒く昏く、冷えていくのは瞳と……]
[気づかれなくて悲しいのも、見ていて辛いのも。
いまはまだ、暖かさのおかげで、それほどつらくはない]
……うん。
なにも聞こえなくて、……それが当たり前だった。
耐えられるかな、耐えられないかもしれない。
だって、こんなにあたたかいのに。
それがなくなる、とか、つらいよ……
凍えてしまうね……きっと凍えてしまう
身体が寒いのは……慣れてるつもり……なんだけど
…………ラルフと 一緒にいたい……ーー
許して もらえないかな ……5人で旅する とかさ?
[ラルフの同行者と自分の せんもないこと思う]
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[腕の中で、プリシラが頷くことに>>144ほっとする。 ああ、まだ獣のよからぬ本能に目覚めてはいないのだと。
その瞬間だけはニコラとディーンのことも、ニコラの保護者であり男の幼馴染でもあるノックスのことも綺麗に消し飛んでいた。
憎まれ口なのに、声は固いまま。>>143 男本人の吐息がプリシラを余計に傷つけたことまでは気がつかず、腕の中の養い子を抱く手に少し力がこもった。]
勘弁しろよ。 お前さんがガキじゃなくなったら、俺が余計におっさんになるだろうが。
[冗談めかして、そっとプリシラの背を部屋へと押す。]
(153) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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[ニコラの保護者が>>141その手を取るのを見て、これでどうにか落ち着いてくれるのでは、と期待する。]
(154) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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(早く、その毒のような熱を遠ざけてくれ)
[プリシラから――、否、俺たちから。]
……今までは知らなかったから……
凍えてることにすら気づいてなかったのかもしれない……
――――俺も、フィリップと一緒にいたいよ。
5人で、旅をできたらいいね……
でも、ゆるして、くれるかな……
[心配性な、保護者。
それを思えば、難しいかもしれないと、思う]
旅をしたい理由をいったら……反対に、引き離されそうだ……
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[けれど、その期待さえ裏切る様に。
ディーンの手は未覚醒の仔狼を離そうとしない。>>139 まだ獣の性質に目覚めていない「はず」の仔狼は――保護者の呼びかけを拒否した>>152
小さく、悲嘆の吐息を零す。]
(158) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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あゝ…………
知ってしまったら 気づいてしまったら
ーーーー…………戻れない
駄目 かな…………
…………?
どうして…………?
ただ 一緒にいたい だけだよ??
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[くだらないしきたりだと、女の手を取って逃げ出した。 後から思えば、その時点でもうとっくに、獣の本性は目覚めていたのだ。
誰かに刻む傷など思うはずもない幼い傲慢と罪を、ディーンとニコラに重ね――唾棄した。]
(160) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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うん……
知らなかったころに、戻れない。
フランシス、心配性だから……
俺が先祖がえりだって伝えたりしたら、きっと、……
フィリップと。
仲良くなったから一緒に旅したいって、そう、いって。
許してくれる、かな……
[守ると、言ったのに。
僕は、愛しい子を―――…]
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――お前の本能との心中に、他人を巻き込むな。
[ディーンへ、殊更に強く吐き捨てた。 彼の中でどんな感情の変遷があったのかは知らない。
けれど、自身も保護者たる存在であったディーンが、本能に屈するかのように選んだのは、他人が保護する存在だ。
――それは自らが庇護する者が奪われていく可能性さえも紡ぎ出して。]
(168) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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[早く、 離れなければ。
この場から。]
(171) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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