56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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― 自室 ―
>>73はぁ、はぁ…ありがとう… さ、始めるんだよ。
[危篤に近い体とは思えない手際の良さで準備をする。
立て掛けられたのは見張り台に居たときに下書きし、その晩に筆を進めていた、戦場となった砦先の平原だった。]
(74) 2011/07/03(Sun) 23時頃
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いきなり何だ?
[医務室へと向かうさなか、突然問われた内容に首を傾げて。]
何をしていたいかはわからんが。
最後まで主と共にありたいとは思う。
[さらりと言い放つ。]
…俺と一緒に居てくれんの?
そりゃ、寂しくなくて良いや。
[少しだけ、顔が緩む。
医務室をもう抜け出したということは、
彼女に伝えないままで。]
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[描きかけのそれは、澄みわたる空と碧に萌える平原、深緑の清々しいの様。]
>>75…こんな年になってもね、騎士団に入りたかったんですよ。
[イアンの質問に応えるように、言葉を出していく。
キャンパスでは、その澄みわたる空を少しずつ澱ませていく。]
だからね、こんな年でも、どんな形でもあれ、騎士団に関われるのは嬉しかったんですよ。
(77) 2011/07/03(Sun) 23時半頃
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>>80イアン殿の言う通りですよ。
現実は……町での華やかな物とは違う、血と死が入り乱れた。親しき仲間が死んでいった。
[深緑の森はより重厚に、互いの心算が交錯するように。]
でも、その様を見ても、やっぱり変わらないんですよ。
(82) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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[先程は返事がくることがないということすら忘れていた。
先程遺体に会ってきたことを忘れるくらい動揺していたのだが。
公女の言葉に思い出したのは、ムパムピスが最後に掛けてきた言葉。]
……この戦。
両軍どちらかが……お心は二つに裂けて……?
[砦の外に出てきた公女。
そして神父が言っていた言葉。
何か噛み合いそうだが、考えが纏まらない。]
お前に忠誠を誓うと約束したはずだが。
[言いつつも、左手の痛みに僅かに眉を顰めた。
向こうにはわからない事だろうが。
剣や馬の手綱は誤魔化しつつも片手で扱うしかなさそうだな、とぼんやり思った。]
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戦の現実を見てね、最初はすくみました。
でも気づけたです、不謹慎かもしれませんがね、初めて騎士と肩を並べられた、なんて、思うんですよ。
[平原は碧から少しずつ、踏み荒らされ荒地化された色を交えていく。]
この絵はね…それでも―ぐぶっ!
[込み上げる何か。 せりあがる、恐らくは血だろう。]
(85) 2011/07/04(Mon) 00時頃
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おい、お前何処にいる。
[その声は、若干不機嫌そうに。]
[忠誠を誓ったはずだ、との答えに
さらに顔は緩んでいたけれど。
不機嫌そうな声が聞こえれば]
…見つけるのも、お前の役目なんじゃねーの?
[意地悪そうに言ってみた。]
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>>88違い…ますよ。
この絵は、肖像とかじゃなくて。
そんな本当の騎士の戦いを、生き様を、後世に…残したかったです。
[最後に、荒地を交えた草原に紅を混じらせていく。]
それが、変わらぬ心と、騎士団に従軍し貢献できた…と思う、証にした、い、んで。
[絵筆で描いているのか自分の手で描いているのか、絵の具か血かもうわからない。
ひたすらに。]
(90) 2011/07/04(Mon) 00時半頃
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バーナバスは、何度か吐いている血は手についたまま。
2011/07/04(Mon) 00時半頃
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[最後の紅混じりの一筆を入れると、その手を落とした。]
――これ、残せるなら残して、無理そうなら、埋めてください。
[顔を上げた。 見届けてくれたイアンに最期の言葉を言いたくて。]
見届けてくれて、あり―**
(94) 2011/07/04(Mon) 00時半頃
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