22 共犯者
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「それは神のみが知るところ。 巡礼者の全てが神の元に召されるわけではないからね」
[無理と言うホリーにナタリアが向けたのは 否定でも肯定でもなく望みを繋ぐ言葉]
「――嗚呼、待っているからね」
[年老いた祖母の言葉に娘はふとホリーを見遣る。 昨日見た彼女とは違う。 何時も通りのように見える彼女]
ホリー、夜にはまた巡礼があるだろうから…… 休める時に休んでおかなきゃ…… オスカーが……ううん、私も、だけど 心配してしまうよ……
[娘は案じるように声を掛けた]
(92) 2010/08/02(Mon) 21時頃
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長老の孫 マーゴは、記者 イアンはまた巡礼についてくるのかな、とふと考える。
2010/08/02(Mon) 21時頃
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――…お疲れさま。 うん、ありがとう。
[ホリーに仄かな笑みを返して祖母と二人で彼女を見送る。 ひらひらと振っていた手を下ろせばふ、と吐息を零した。 彼女が長老達の家を巡ったのであれば ヴァンルナール家にも行ったのだろうか。 思案するように柳眉を寄せればぽんと祖母に肩を叩かれる]
……何でもないの。 心配しないで……。
[祖母を安堵させようと微笑んで]
少し気になる事があるから……
[出掛けてくる、と言葉を残して娘は家を出た]
(107) 2010/08/02(Mon) 22時半頃
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[ 同胞がノックスと決闘まがいの仕留めたことは、映像こそ見えないものの、声とイメージから大体のことは読み取れた。]
……無茶をする。
[ 咎めるような声音ではないが、平坦ながらもそれなりに同胞を案じている響きが混じっている。]
安心しろ。
祝福されしノックス・ブラウン。
お前の家族は、我らが護るだろう。
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― 広場 ―
[ヴァンルナール家に向かおうとしていた娘は 気づけば広場に足を向けていた。 心の中に未だ迷いがあったから寄り道をしてしまった。 広場では年配の者が集まり何か話している。 娘はそろと近付いて]
何のお話をしているのですか?
[こと、と首を傾げてみせる。 そうすればノックスの頭部が森で見つかった事が聞けた]
――…嗚呼、ノックスが……。
[柳眉を顰め物憂げに眼差しを伏せる。 頭部のみ、それはソフィアの最期を彷彿させた]
(115) 2010/08/02(Mon) 23時頃
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[ふ…、と不敵な嗤いを返す。
同胞から不意にかけられた自分を案ずる囁きに驚いたのか、声色には嬉しさが薄らと混じっているようだ。]
─夜の森─
[ 巡礼たちの列を追って移動しているために、同胞とはそれなりに距離がある。]
このまま現場不在証明(アリバイ)という奴を作っておく。
そこに行けるのはかなり後になるだろう。
[ 淡々と声が伝える。]
ああ、そうしてくれ。
俺もそれが良いと思う。
アンタ自身の安全も重要だからな。
首だけ、例の聖地へ安置しておこう。
好きにやるといいさ。
[「血」の強さはヴェスパタインの方が格上だ。初めての邂逅で、彼は本能的にこの銀の同胞の力を理解していたのであった。]
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― 広場 ―
[村長夫人のあの言葉は『御使い』には届かなかった。 そんな事を思う娘の貌は翳りを帯びていた。 あの言葉に反発していたのは、誰――? 誰かの姿がすぐに浮かんだけれどふるふると首を振るう]
――……、……。
[腿に嵌まるガーターベルトには守り刀が納まっているのは いつもの事――なれど、其れを使う気などは余り無い。 ラトルの血筋を守る為に銀の其れをお守り代わりに持っているだけ]
話さなきゃ、いけない、けど……
[ぽつ、と呟くのだけど、迷うように眼差しが揺れる]
(136) 2010/08/02(Mon) 23時半頃
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[ 既にイアンに接触した事はおくびにも出さない。
素知らぬふりで警告を伝える。]
気をつけろ。
村長の妻を殺したことで、注目を浴びている。
無理はするなよ。
先代様、始まったぜ。
アンタは「人の子を信じろ」と言ったが…。
この村の有様を見たら、始めざるを得なかった。
アイツも俺も、人の子らに怒りを示すしかないんだよ。
おう、ありがとよ。
[ヴェスパタインが自分の身を案じてくれる事に素直に感謝する。
しかし、しばしの沈黙の後、儀式の後感じた違和感を同胞に伝えた。]
一瞬だが、ラトルの力を感じた。
もしかしたら、「視られた」かもしれねえ。
…ヘッ、なかなか簡単にいかねえもんだなァ。
[脳裏には以前「視る者」に告発され、人の子によって屠られた隻眼の古き同胞らの姿が浮かんでいた。]
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― 広場→墓地 ― [迷う娘が耳にするのは小母様方の噂話。 村長夫人を生贄としたヘクターが墓地にいる、と。 そんな言葉が聞こえてきて娘は柳眉を顰めた]
――…それは何時の話、ですか?
[話していた年配の女に問い掛ける。 少し前よ、などと言われて娘はぺこりと頭を下げた]
ありがとうございます。 私、ヘクターに話さなきゃいけない事があるの。
[言葉にすれば少しだけふっきれたようで 駆け出した娘の眸はまっすぐ前だけを見詰めていた。 墓所に辿りつけば其処には大きな影>>144がある]
ヘクター、……。
[名を呼んで彼の傍へと歩み寄る]
(153) 2010/08/03(Tue) 00時頃
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ラトルの力。ラトルの血筋……
[ 同胞の言葉を反芻する。]
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― 墓地 ―
[ヘクター>>159はいつもと変わらないように見える。 彼の家の墓へと眼差しを向けて祈る仕草。 それからヘクターへと向き直り、じ、と見詰める]
ご先祖様を大事にしているのね。 ヘクターも怖いこと、あるの……?
[ことりと首を傾げて。 如何したと問われれば困ったような顔をして]
ヘクターはヘクターよね。 ヴァンルナール家の子息で…… 優しくて、でも、頼りになって……
[確かめる為に紡いだはずの言葉。 話すべきは其処からではないとわかっていた。 けれど、説明することが難しくて上手く言葉に出来ないらしい]
(164) 2010/08/03(Tue) 00時半頃
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長老の孫 マーゴは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
長老の孫 マーゴは、双生児 オスカーに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
長老の孫 マーゴは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/08/03(Tue) 00時半頃
[ラトルの娘が近づいてくる。
やはり、俺を「視た」のだろうか。
一瞬だが、心臓が締めつけられたような気がした。]
まだ、月が昇ってねえ。
こんな人の目の付く所で、この娘を消す訳にもいかない。
先代様…立ち向かう力を。
[土中に眠る、かつての御使い様である老狼に、そう呟いた。]
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――…怖いから、引き金を引いた? ヴァンルナールの当主に言われて…… 儀式を遂行するために、仕方なく……?
[そうであって欲しいという思いが言葉になる]
………求婚したら、受けて呉れるの?
[ことりと首を傾げるけれど 恋い焦がれるような感情を娘はまだ知らずにいた]
褒めたつもりはないのだけど。 だって、私はヘクターの事、頼りにしてるもの。
[話してみればやはりいつもと変わらない]
――…ね、少しだけ屈んで。
[両の手を伸ばして抱擁をねだるようなそんな仕草を見せた]
(177) 2010/08/03(Tue) 00時半頃
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このまま誰も通らなければ……。
奥の茂みに投げ込んで、第二の生贄にするのもアリか?
[相手の真意が読めないまま、慎重に応対していた。
アイツが見たらなんと思うだろうか。
…まあ冷たく嗤われるだけかもしれんよな。]
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[動揺するヘクター>>186の様子が何だか可愛くて 少しだけ愉しそうな笑みが浮かんだ]
ヘクターは私が昔から知ってるヘクターなんでしょう? それなら、良いよ。 ヘクターのこと、好き、だから。
[頼りになる兄のような存在。 そんな彼に対する思いは憧れにも似たもの]
あなたのこと、識りたい。 識って支えになりたいと、思う。
[ポツと紡いで彼の肩に華奢な腕を絡めた。 ぎゅっと抱きしめ肌を重ねれば識れる血脈]
(194) 2010/08/03(Tue) 01時頃
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[肌が触れた瞬間、ラトルの娘の中から湧きあがる強烈な力を感じた。]
しまっ―――!!
[何やってんだ俺は!
あの娘の雰囲気に呑まれたか、
完全に視られてしまったかもしれない。]
……いや、あの娘は俺を信用している?
[ラトルの血を我らの味方にできるなら、これ以上に心強い事は無いだろう。]
ああ、そうさ、
俺は、変わんねえよ。
変わっちまったのは、お前たちの方だ。
[この少女に俺を告発する力はあるだろうか。
なんとか制御できるといいんだがな。]
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[やはりヘクター>>202の中に異質な、人以外の気配を感じてしまう。 優しい抱擁に甘えるように擦りより]
変わらない、なら、ヘクターは『御使い』様じゃ、ない? そう、だったら、こんな事をして、怒られてしまうのかな。
[仮令そうであろうと態度が変わるわけではないけれど 確かめるように問い掛けて]
――…ヴァンルナール家が儀式を守ろうとするように ラトル家にも別の役割があるの。 血脈を辿り血に異質が混ざっていないかを識る力を有し 『御使い』様を探すことが出来る、はず、だったんだけど。
[抱き付いたまま囁きかけるのは怖がらぬ証か]
ヘクターからは私とは違う気配が混じってる。 支えたいという想いは変わらないけど……
[どうして、という疑問が強くあった]
(206) 2010/08/03(Tue) 01時半頃
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すんなり信じて呉れるとは思わなかった。
[顔を上げてヘクター>>208と視線をまじえれば 距離のなさに何だか恥ずかしくなってしまう。 白い肌にほのかな朱が混じった]
――…最も近い、血筋?
[少しだけ首を傾げて問う仕草。 自らの鼓動が何だかいつもより速い気がしたけれど その理由は未だ理解出来ない]
『御使い』様との契約をしたのがヴァンルナール家…… 交流があったからヘクターの中に『御使い』様の血の気配が 残っていたのね……。 ねぇ……、それなら……『御使い』様を見つけて…… 契約を変える事って出来ない、かな。 もう、誰かが死ぬのを見るのは、イヤなの。
[契約を守る血筋の者に腕を絡めたまま真摯な眼差しを向けた]
(213) 2010/08/03(Tue) 02時頃
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御使い様が居るって私は思っているけれど 其れはラトルの口伝と力があったから……。 ずっと、生贄を求められなかったから忘れられてしまったのかな。
[信心深くあり御使いの存在を疑わぬのは長老達くらい。 ヘクター>>211の示す墓石を見れば獣の紋が目に留まり]
――…おおかみ?
[ふっと浮かんだのはその形からか それともホリーの言葉があったからか]
ヘクターになら食べられてもいいけど痛くしないでね。
[くすりと笑みをかわす]
そういえば、ピッパが言ってた。 男は狼だから気をつけなさい、って。
[警戒心の薄い娘にその助言を理解できているかは怪しかった]
(216) 2010/08/03(Tue) 02時頃
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[引き金を引いたあの時の事>>212を言われれば 少しだけ困ったような貌をして]
おじいさまの命令なら…… 逆らえないものね。
[当主の言葉は絶対のような家だと感じていたから ぎゅっと一度ヘクターの身体を抱きしめて 慰めるようにその背を撫でた]
でも、ヘクターは後悔しているのでしょう? あの時つらそうな顔してたもの。 あなたにあんな顔、もうさせたくないよ。
[少しだけ腕を緩めて漆黒が彼の双眸を見詰める**]
(217) 2010/08/03(Tue) 02時半頃
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[ なるべく生贄たちの前に姿を見せ、ノックスを襲う時間がないことを印象付ける。
そんなことをしつつ、彼がノックスが襲われた場所に辿り着いたのは、どれほど経ってからだろうか。明け方近くなってからだろうか。
屍の傍らに跪き、泉に口をつけるように傷口に溜まった血を啜る。
冷えて固まりつつあるそれは、まだ命のある獲物から熱い血潮を貪る時のような酩酊は生まなかったが、彼にひとつのことを伝えてくれた。
すなわち、]
これは血族か。
[ 同属の血統に連なる人間。人狼の末裔。
いずれかの同属が、かつてこの村の人間と交わったのだろう。その血がノックスの上にはっきりと現れていた。
しかし、今はただの屍骸に過ぎず、これはただの肉だ。]
[ 通常彼は時間が経って冷たくなった死肉は食べないが、彼のためにと残してくれた同胞のために少量を摂った。
屍の匂いが残らぬよう、気をつけて身仕舞をし、その場を後にした。
聖樹の下に残されたノックスの遺体はやがて虫達によって大地に還るだろう。
それを妨げる、無粋な人間たちが森に分け入って来ない限りは。*]
[ 音声に拠らない会話は、言葉よりも多くの情報を的確に素早く伝達してくれるが、相手が心を鎧い言語以外のイメージを送らなかった場合や、伝えたいイメージを絞らず雑多な感情をそのまま流した場合はその限りではない。
だから、彼に伝わったのは、同胞の焦りの感情だけであった。]
どうした?
何かあったか。
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― ラトル家書斎 / NPC:ナタリア ―
[空が赤く染まる頃>>227。 ナタリアは机に向かい書き物をしていた。 其の中には孫娘が語った村長夫人の言葉>>486も記されている。 ペンを置いたナタリアが溜息混じりの吐息を零した]
アルフレッドの件は事故と思っていたが…… パピヨンの言葉に偽りがないなら調査が必要だろうね。
[儀式の間はその余裕はないだろう。 今、調査の為に人手を割くことは難しい]
事が済めばアレクサンデル家に委ねようかね。 ヴァンルナール家の助力もあれば何時の日か真実が……
[大きな窓から射し込む夕日にナタリアは細い目を一層細くする。 事故として処理された夫婦があったことをナタリアは知っていた。 娘夫婦の死は崖からの転落とされたがその真実は闇に包まれた儘。 娘夫婦と村長夫婦を重ね、老婆は深い溜息を吐いた**]
(239) 2010/08/03(Tue) 17時半頃
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