162 絶望と後悔と懺悔と
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[既に多くを失いすぎて満足な圧を持たない動脈から、 それでも鼓動に合わせて 鮮血の細い川がぴゅうっと噴き出す。
急速に体温が喪われてゆき、 感じるのは寒さ。
ぼんやりと霞む意識の中で、 伸ばした腕を明之進の首に絡ませ、 次第に吹き上げる脈動さえ弱くなる首筋へと 引き寄せたのが最後の記憶。]
(58) 2014/02/23(Sun) 00時半頃
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[何かを口にしようと、微かに唇が震え──]
(59) 2014/02/23(Sun) 00時半頃
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[────それきり、絢矢の心臓は鼓動を止めた。**]
(60) 2014/02/23(Sun) 00時半頃
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─ 夢 ─
[冷たい手。 冷たい微笑。
しみ一つない母の手に手を添えられて 振り下ろす黒塗りの刃が母の膚を抉る。
細い頚から吹き上がる血は冬の小川のように冷たいのに 血潮に濡れて紅く染まった幼い少女は、
──菖蒲は、引き攣るように笑っていた。]
(64) 2014/02/23(Sun) 00時半頃
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― 変わらぬ常磐の ―
[主が齎す痛みは、悦びに繋がっていた。
――けれど、この痛みは嫌だと全身が拒む。
届いた時にはもう遅い。
積み重なるのは、『父』と呼んだ者を喪う罪か。
そんなこと……。
零瑠はふるふると頭を振る。]
そんなこと、言わないで……。
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─ 夢の現 ─
『おまえが男だったら良かったのに』
[鮮やかな紅の引かれた唇に美しい弧を描き、 手入れの行き届いた指で童女の髪を撫でながら、 母は口癖のように言っていた。
傍にいるのに、 笑っていてくれるのに、 童女はいつも突き放されるような寂しさを感じていた。]
『おまえを産んだから、 わたしはもう仔を産めないのよ──あや』
[嫋やかな手と玲瓏な声音で 日毎甘やかな毒を塗り重ねられた童女は 知らぬ間に、母の言葉に縛られる。]
(68) 2014/02/23(Sun) 01時頃
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[童女にとって、 母の悲哀のすべてが己のせいで 母の悲憤のすべても己のせいだった。
何よりの罪は──、
母の産道を傷付けて、産まれ落ちたこと。]
(69) 2014/02/23(Sun) 01時頃
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[父は母より忌憚なく接してくれたけれど 常磐緑の瞳がいつもどこか遠くを見ていたことも 敏感な幼子は感じ取っていた。
視線の先に、見たことのない『兄』を見て、 羨望と憧憬を、小さな胸いっぱいに詰める日々。]
(70) 2014/02/23(Sun) 01時頃
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[父も母も己の元から去ってゆき、 一人残された広い屋敷で 己の罪を悔いて泣き暮らす日々の終わりに──。
母のくれた紅の海は、 菖蒲が罪に染まる前──、 母の胎内で浸かっていた羊水のような匂いがした。*]
(72) 2014/02/23(Sun) 01時半頃
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[どれ程 抱き締めても。
どれ程 流れる血を止めようとしても。
命が零れ落ちるのを、止められない。
此こそが絶望か。後悔か。]
ごめ、 ん……な、さい、俺……
俺が、もっと、はやく… はや、く
[懺悔を繰り返しても、
時は逆巻きはしない。
失われていく温度。]
目を、あけ……おね、
呼んで、くださ……また、
ねぇ、俺の名を……
[寄せた主の頬に涙雨が垂れる。
口許、微笑みを見出だし。
まるで救われたように…
赦されたように……思えてしまう。
微笑み返そうと努めて目を細める度に
静かに、雨が。**]
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─ 孤児院の記憶 ─
[あや、という音しか持たなかった少女に 零瑠がくれたのは 意味と──切欠、だった。
それまで、少し距離のあった年上の少女と 共通の、仲間めいた意識が芽生え たくさん遊び、たくさんはしゃぎまわった。
キラキラと煌めいた、在りし日の記憶。]
(77) 2014/02/23(Sun) 02時頃
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[少女は零瑠が教える習字の時間が 割と、いや、とても好きだった。
字を書くことよりも 字を覚えることよりも 零瑠が書いた字を眺めている方が楽しかった。
四歳より以前の記憶のない少女には その理由はわからなかったけれど 零瑠が書いた字を見ると、 時々泣きそうなくらい切なくて──
とても、嬉しくなる時があった。]
(78) 2014/02/23(Sun) 02時頃
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[桜の花びらの舞い込む部屋の 障子に残された拙い画──。
兄の、『常磐』に描かれた少女は 誰からも愛される 純真で無垢な笑みを浮かべていた。
孤児院で、保護された少女が目を覚まし 霧のような少年の手をとって 最初に浮かべた赤子のような幼い笑みは 障子に描かれた『菖蒲』とよく似ていた──。*]
(80) 2014/02/23(Sun) 02時頃
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─ 『常磐』 ─
[繰り返し囁かれる母の毒は 童女から、純真さと笑顔を徐々に奪う。 いつしか童女の笑みは 遠慮がちでぎこちないものへと変化して行った。
父の膝で兄に会いたいと希(こいねが)った、 真っ直ぐに笑うことをしなくなった童女は 父が兄を探しにゆくと言った時、 確かな期待と喜びで父を送り出した。
父と、父の先妻の愛を受けた『兄』なら。
望まれなかった『妹』にも 溢れるような愛情をくれるかもしれない──、と。]
(84) 2014/02/23(Sun) 03時頃
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[この場から立ち去らなければならない。
ふと、周の、身を切るような声が聴こえない事に周囲を見渡した。
主の呪が解けた周は。
主を殺すと此方に向かっていたであろう彼の姿を探す。]
……
[彼に甘えて、苦しめて。必要だからと『鬼』にして。
一緒に来てくれなんて手を伸ばしても。
きっと振り払われてしまうだろう。
断られてしまうだろう。]
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[屋敷の外の危険を承知で 童女が抱いた利己的な願いは父を殺め、 『常磐』の名をも、少女は罪で穢した。
漆黒の二刀が兄──『常磐』は最後に、 罪の根幹たる少女の命を断ち、贖いを終えた。
最期に絢矢が、 ──菖蒲が口にしようとしたのは、
父と、母と、 結局会うことのなかった兄への───**]
(85) 2014/02/23(Sun) 03時頃
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