193 古参がゆるゆるRPする村
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[それは機械の端末を介さない紅い思念。]
――今から帰るよ、
[彼女が待ってくれていると期待をしている、
ミルフィが問うた意味に答えるならば、
それが自分の希望だった。]
そこに帰るよ、聴こえる?
待ってて、
[大切に、大切に名前を呼ぶ]
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―そして時が経ち、再び夢の中―
[そこは赤い花咲く空間だった。 懐かしい声で名を呼ばれ、振り向く]
父さん?
[酒の臭いのしない、優しい父の姿がそこにあった。 そして、その傍らによりそう若い女が一人。 初めてみる顔なのに、なぜか懐かしい。 お前の母なのだ、と父は言う]
ほんとうに?
[ほんとうだ、と父は微笑む。 『いい女だろう?』と付け加えて]
(72) azubu 2014/09/22(Mon) 01時半頃
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ごめんなさい。
[真っ先にでた言葉は詫びだった。 自分の命と引き換えに子を産んだ母への。 子と引き換えに愛する女を失った父への。
母は少し困ったような顔をする。 父は少し悔しそうな顔をした。
そして、違うのだ、と父は言う。 お前は望まれて生まれてきたのだと]
(73) azubu 2014/09/22(Mon) 01時半頃
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[詫びるのは俺の方だ、と父は言う。 息子に散々心配をかけ、させなくてもいい苦労をさせた、と。そして、父を置いていった事はなにも気にしなくていい、と]
どうして、それを?
[ずっと気にしていた事だった。 父さん、可愛い天使さんに叱られたの、と母が言う]
もしかして、メアリーに会った? 栗色の髪で、こんな、赤い花を挿した女の子。
[母はにっこりと、父は気まずそうに、微笑む。 伝言は伝わっていたらしい]
(74) azubu 2014/09/22(Mon) 01時半頃
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――ありがとう。 [天を見上げ、そして父母を見つめ、言った]
(75) azubu 2014/09/22(Mon) 01時半頃
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[それからしばらく親子で過ごす時を得た。 けれど、それも終わりの時が来た。
遠くの方で妻の声がする。 呼ばれているわ、と母が言う]
もう、いかなきゃ。
[父母は頷く。 泣かすなよ、と父が言う]
わかってるよ。 ――じゃあ。
[頷き返すと世界は白く光って、それから消えた*]
(76) azubu 2014/09/22(Mon) 01時半頃
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―ブラック家―
『――ロ、クロッ!』
[妻の声で目を覚ます、いつもの朝。 いつまでも起きない、だの、昨日脱いだ靴下がほったらかし、だの、流れてくる小言を笑顔で聞く]
なぁ。 お前もクロ、だろ?
[姓を元にした愛称は、同じ姓になっても変えにくいものらしい。いつものやりとり]
(77) azubu 2014/09/22(Mon) 01時半頃
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――なぁ。
[妻が振り向く。 忙しいのだ、と頬を膨らませながら。 その頬をつまみながら、いつもと違う事を言う]
*愛してる*
(78) azubu 2014/09/22(Mon) 01時半頃
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