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『褒美に、今は此方に開けるのは勘弁してあげよう』
[涙に濡れた指先は、女の乱れた着物の上の合わせ目から乳房の先端に触れ、『今は止めておくという場所』を示す。そのままくにくにと乳首を押しつぶし、摘み上げ、芯を持ったところで指を離す。そこが立ち上がれば、着物のに擦れてむず痒い思いもするかもしれない。
――そのような行為が行われている間も、脚を閉じれば、針先が太腿を刺激するのは明らか。傷をつけたら……と脅した言葉を、まだ志乃が覚えていれば、脚を閉じることは、まだ叶わない。
例え、閉じかけることがあれば、裡に埋められ針で外に出ることを止められたローターの違和感が女を襲うことになる。
ルーカスは台の傍により、今度は女の小指ほどの大きさがある3つの金のリングを取りだす。その内の1つには小さな鈴が付いていた。
男は戯れに、それをチリリと鳴らした。]
― 現在軸/客席 ―
[姉の事情を、弟は知っているのかいないのか。
常と変らぬ態で迎え入れ]
いかがでしたか?
[何食わぬ顔で、奴隷の塩梅を聴く。
そして、少女へ向ける言葉に]
買いあげる気があるなら、気をつけた方がよろしいかもですよ。
家乗っ取りなど、可愛い顔の下で思っているかもしれません。
[本気か冗談か、喉を鳴らしながら忠告ともつかない言の葉を囁いた。]
[男が座るツィーへと向けて]
おめでとう、といっていいのかしら?
本当に、よく躾けられてるのね、貴女。
[どれほどで落札されたのかは知らない。
微笑を向けてから、又舞台を見る]
[いかがかと聞かれると、扇子の下、少しだけ口元を引き締めた]
それは、後で教えるわ。
でも、そうね。男奴隷としては、どうして奴隷になったのかしらと思うくらいよ。
連れてこられたみたいだから、仕方ないわね。
[ほう、と息を漏らす。それは少し熱を帯びていた]
― 現在軸/客席 ―
[志乃は、金目の青年が他の女に犯される(といった表現がこの場合は正しいだろう)様を、きちんと見ていただろうか。
髪に絡めていた手は、少し前に離していたが、見ていないようであれば、再度絡める。見ているようなら、ただ灰青を細めるのみ。]
その言い方ですと、悪くは無かったのでしょうかね?
[ヴェスパタインの下でツィーと名乗っていた女が鳴く音をBGMに、姉の言葉に微笑んで見せる。姉の漏らした吐息は、甘く熱を帯びている風に感じ、微かにルーカスは身じろいだ。]
[男の、椅子を弄る手は淫靡な水音を立て続ける。
その白い腿をつたう透明な液体を指で掬い、赤い舌で舐ぶる。
彼女の足や腕が痺れ震えでもすれば、パシリ、と音を立てて尻が叩かれた。
高い音が客席に響き渡る。]
ツィー。
ツィーか。
[女に告げられた言葉。
教科書通りのような其れに、男は手遊びの手を緩めずに言葉を返す。
ぐらりと少しでも揺れれば、また、ぴしゃりと叩くと、白い尻に手の痕が残る。
ぐへへ、と下卑た笑い声は、ヨアヒムのもの。]
数字みたいな名前だね。
…薔薇の香りは、何か与え続ける必要があるのかな?
[ネイサンに血統書を貰わないと、等と思いながら]
― 回想軸/道化の部屋 ―
[開かれた漆黒が、右に左にと鳴る鈴のように動くのは、
女が左右に首を振るから。]
『針からつけ変えないと、歩けないからね?』
[左右に振る意味を、おそらく正しく理解しながら、
有無を言わさない笑みで、再度、男は女の股の間に跪く。]
――…つぷっ
[3つの針の内、陰核に近い針を、わざとゆっくりとした速度で抜く。
鈴のついた輪の繋ぎ目を開け、ぐっと開いた穴に押し込む。
ぐり、ぐりっと少し傷を抉るような形になるのは、2枚の花弁に通そうとすればこそ。]
――…ちりん
[カチリと繋ぎ目を合わせば、鈴が鳴る。
同じような手順で、2つ目、3つ目と鈴はついていないリングを女性器につけた。2つ目、まん中に当たるリングは繋ぎ目が特殊な作りになっていて、単純に引けば外れるというものではなかった。]
『一先ずは、これで逃げ出そうという気は起きないだろう?』
[脱脂綿に消毒液を含ませながら、ルーカスは満足げに微笑んだ。
3つのリングが繋ぎとめる大小の陰唇。その奥にはローター。
3点でローターを支える形であるので、無理な動きをすれば、陰唇をリングが裂くということになる。]
『屋敷に帰ったら、また別のことがあるけれど』
[さわりと黒く生える陰毛を撫であげる。
そこを剃りあげて、タトゥーを入れるのは、女の国の裏の者が、自分の女に刺青で名を刻み、浮気を許さないのと似ているかもしれない。
ルーカスの場合は、銘を刻むことでカンバスを逃がさないという意味合いになるが……。
――専用の消毒液を含ませた脱脂綿で、女の陰唇を消毒し始めたその時。
ええ、構いませんよ。
[No.4への対応に、是と答える声音は愉しげですらあった。]
『さて、早く客席に戻らないと、
金目の彼がどうなるか判りませんね……。』
[わざと女の不安を煽るように呟き、道化から貰った鍵で枷を解く。
下着はつけさせぬまま、乱れた着物を形ばかり整えさせた。
そして、早くと謂いながらも、破瓜の血にまみれた顔と、ステッキを取りに部屋に向かう足取りは、志乃の下半身を慮るわけでもないだろうにゆっくりと。
結局、客席へと戻ったのは、No.4がヴェスパタインに随分と躾けられた後のことだった**]
― 回想軸/了 ―
乳と果実と薔薇水。
――イイね。
[つい、と叩いて赤くなった尻を撫でる。
そのまま指でつねりあげて]
それでこの香りなのかな。
此れはなかなか気にいったなァ。
[忘れられない、という言葉に、涙の零れる目で見詰めて。
泣かないで欲しいといわれるとただ、きつくその身を寄せて、間近でその顔を見る。
愛しているという言葉。
言われるたびに裡で身体が反応する。中にある熱を奥へ奥へと吸い込んでいく。
唇を何度も重ねて、肌のぶつかる音と、それに答えるような喘ぎが部屋に響いた]
あ、ぁぁ、――ええ。
来て? 奥まで貫いて。
貴方で一杯にして。
全部、受け止めたいの。
[掠れた声で願う。
激しさを増す律動が、幾度も重ねられる抽送が、女の身体をそこへと導いていく。
直に触れる熱は硬く、女の裡を容易に奥へと幾度も突きたてた。
そのたびに、又一粒涙がこぼれていく]
イアン、イ、……。
――ええ。
あい、してるわ。
だから、
[一緒に。
昇り詰める裡と心。イアンへと縋り付く様に腕を絡め、抱きしめる。全て触れていたいというように。
やがて、彼女の中、子宮の奥に熱い熱い白が放出されると、彼女の視界もまた白く霞んでいく]
[駆け抜けていく衝動。
すぐには寝台の上を動かずに、震える身体から息が漏れた]
……ああ。
私。
[イアンの体を抱き寄せ、まだぼうとする頭でその肌を見詰めた]
イアン、ありがとう。
[告げる礼の言葉。撫でる掌へと身を寄せた。
行かなくては。
そう思うのに、今はまだ離れがたく。
何より達した直後というのもあって、ぼんやりとイアンの首筋を撫でる]
貴方は、ここにいらして。
連れて行ってもいいけど、今の私には貴方を止められないもの。
だから、ここに。
[そう告げて身体を起こした。裡から奥から下がってくる吐き出された熱が、ぞくりとして瞬間吐息を漏らす]
シャワーを、浴びていくわ。
いつまでも、客席を留守にしてはならないもの
[イアンの肩と頭を一度撫ぜて、女は寝台から立ち上がる。
内股から白が伝うまま、シャワー室へと向かった。
ガラスの壁は曇るようになっていて、彼女が中に入ってからもスイッチを入れて曇らせる]
[震える身体から汗と体液を流し去っていく。
夢のような心地。
幾度も溜息のように息を吐き出して、湯に打たれながら身を抱きしめた。
時間をかけて身体を洗うとバスローブを纏い、隣の部屋へ。
身支度を整えたところで、後ろからイアンの声が届いた]
元々、二人買うつもりだったもの。
でも、いえ、ええ、カルヴィナなら。
別の用途で欲しいと思うわ。
あの子が、望むのとは離れているでしょうけど。
[イアンへと振り返り、その問いに答える。
ただの「女」になろうとする顔を無理に引き上げた]
最初は。
貴方と女奴隷を絡ませるつもりだったのよ。
貴方だけではないかもしれないけど。でも今は。
[追い縋ってきたイアンの濡れた髪に触れた]
二度目は、私を満足させてくれたらと言ったわ。
満足しすぎて、貴方に他の誰も抱かせたくなくなったみたい。
[微笑を向ける。
それは腕の中で見せた笑みではなく、それ以前のものと同じ。
仮面が剥がれるのは、腕の中だけでいいと、振舞う]
カルヴィナを買えたら。父が私にしたのと同じように、あの子を育てて見たいと思ったわ。
でも、私とは違って誰でも満足できるようにね。
買ったら気が変わってしまうかも知れないけど。
[彼女の中に確かに心境の変化は訪れている。
女の奴隷をどうするのか。
今はもう明確な答えが出せなくなっていた。
彼がいれば全て事足りるのだから]
貴方は私のものだけど。
――貴方のグロリアは、貴方の腕の中に、いるわ。
私はまだ、私を捨てられないの。
だから、まだ。
[待って、と言いたかった言葉は口の中に留めた]
[イアンの手も髪への口付けも、拒むことはしない。
微笑を一つ残して、そして、扉の向こうへと歩いていく。
寝室に残るイアンの言葉は、聞こえない]
― 客席 ―
[志乃の息を呑む音に、その表情にルーカスは満足そうな微笑を浮かべる。]
『とめてきてほしいかい?』
[問いかけでありながら、それは問いかけではない。
手の内にあった遠隔用ローターのスイッチを押す。
振動は緩やかなもの。]
『君が逃げ出さない為の保険だ。
私がいない間に、ヴェスパタイン殿にお願いすると良い。』
[まるで飴と鞭。
白絹を嵌めた指先が、揺れる黒髪を一度撫でる。
絡めた一筋を、尾が引くように離しながら、ルーカスは舞台へと向かうのだった。]
― 客席 ―
[ルーカスは客席に戻ると、ヴェスパタインと姉、道化に告げる。]
……No.4に500pt一先ずかけておきます。
[その言葉を聴いて、志乃はどのような反応を示しただろうか。
No.4は既に3回、4回か?短時間でイっている。
棒としても、そろそろ役立つのは難しくなってきただろうと、ルーカスは思ったようだ**]
/*
本日夜来るのが遅くなるかもなので、先に入札だけしておきます。
ん、No,4ね。
[男はルーカスの言葉に頷いて。
どうしようかな、と顎を撫で――志乃を見て、眼を眇める。]
[椅子の尻へ這わせた手は、中を掻きまわしぷっくり尖った芽を摘まみ爪を立てる。
震える手へと裸足の足を下ろし、ぐり、と踵で踏みにじった。
No,4の男がイくまで、随分と時間がかかっている。
足を組み換えると、体重の位置が変わり、椅子たる女にまた負担を増やす。]
[客席をずっと見ていた顔をルーカスに向け、そしてネイサンに向ける]
No.4が、本当にお気に入りね? ルカ。
私も、そろそろ彼女に入れようかしら?
No.2に、500。
奴隷が違えば点数が同じでもいいのでしょう?
駄目というなら、上乗せする準備はあるけれど。
[始めに考えていたのは絡ませるためのつがい。
でも今は、「見て」愉しむための奴隷は要らなくなっていたから。
少女の痴態を見てもやはり奴隷として望む使い道は変わらない。むしろ逆に、早く買い取って望むように躾けたいと言う気持ちが強かった。
嫌悪の対象とはいえ、そこは血を引いた部分なのだろう。弟と同じように]
同じ奴隷でなければ、同点でも構いませんよ。
今日はふたつ落札されますかネ……。
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