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[酷く哀愁を漂わせた目で、柔らかな彼女の首筋へ*]
かたてが空いているな
[ひょいと近付いて、伶留の触れているとは逆の首筋に口付けようか。
抵抗はされまいという気軽な予想と共に]
[うつろなまなこ。
欲求に抗えぬ男の葛藤が見て取れれば、刹那握っていた手は緩む
それは喪った何かへ向けられたもの?
私がそれを知るよしはないが、ただ、]
安心してください
月も隠れてしまったのです、誰も見てなどいませんよ
[先ほどまでと異なる声音で薄く笑いささやけば、
幼子を、或いは自分の男をあやすように額に触れて、髪の流れとともに撫でた
撫で終わりに、ぴょんと結わえた前髪が跳ねたのはご愛嬌
もし。もしかしたら。
お見かけしたことがあって?なんて。
それはそれこそ他愛のない妄想だろうと、捨て置いたのだったかしら]
[ぷつり。
桃にナイフを入れるような音とともに私は小さく嬌声をあげて。
もう片手でキヨちゃんの掌を握りながら、ひしと味われる*]
[安心して飲める、だなんて感想聞いたら面食らっちゃうよ。そこなの??って。
まー。でもそうだよねー。ヒトってすぐ冷たくなっちゃうから。
おじさんはむしろ、どれだけ飲んでいいか悩むところだよ。
なにしろ、ダンピールから吸うのは初めてだからさ。]
ホント?良かった?
やー。マズいとか言われたらどうしようって思ってたんだよね。
そういうキミもなかなかだったよ。
ごちそうさん。
[ぺろん、と彼の腕を犬みたいに舐めてみる。
首筋を舐められる二のは、くすぐったい笑いを立てて]
なあに?まだ足りない?
あんまりハマり過ぎると、後が大変よ。
それに、滅多にない機会だしさ。
他の吸血鬼も味見するチャンスを、逃す手はないよお?
[なーんて若人をけしかけていたら、濃く深い気配がむっちゃ軽やかに近づいてきてた。]
[誰も見ていない。そうか、誰も、「昔の女」も、もういない。
喉に新たな血流を生み出して。こくりこくり。
━━吸血鬼も生きている味がするなんて、知らなかった。]
[天へ跳ねた前髪と、彼女の声が交わる。
「他愛のない妄想」を男がする程度には、その共鳴は懐かしい。]
[いなくなるからこそ。
いなくならない耳鳴りがいる。]
[手を健気に結んでいるであろう、人間の子に目を向ける。
彼女たちに、覚悟があるのか、なんて。陳腐な話だ。]
おお。
[実に気軽に口づけられて、思わず声が出る。
そりゃあ抵抗はしませんけどね。
あなたの接吻が麻薬並みにヤバいのは、ちったあ自覚してもらえませんかね。溺れちゃうんだって。]
その台詞は、こうして欲しいってお誘いかなあ。
[空いてた片手で細い腰を引き寄せてみようか。
強く抱いても、きっとしなやかに撓んでくれるはず。
髪の毛を一筋、舌に絡め取って口にいれてみよう。]
ほら、レイルクンもチャンスじゃない?
今のうちにおねだりしたら、くれるかもよ?
[先ほどよりはずいぶんと蕩けた顔で、若いのを焚きつけてみる。
ああ。頭がふんわりぼうっとする。
このまま灰になっちゃうのも、悪くはないよね。
恍惚。]
[吸い上げられて、無い記憶が引き出されてしまったのか。
それともその牙から彼の記憶が注ぎ込まれてしまったのか。
どちらにしても不思議な気のする共鳴は、身体の甘い痺れとなって、吐く息に熱を加えていく。
ただ、はっきりとしていたのは。
私のたましいは彼の国なはなく、此方の国にあったのだということ
だってほら、奪われるのさえ心地いい
繋いだ手から、ひとである彼女へも、
吸われた私が快楽を憶えるリズムが悟られてしまうかもしれない
素面ならひどく恥ずかしかったことだろう]
ぁふ……
……くらくらしますね
[ 火照った頬を擦り寄せて、さざ波のように笑った。
そのままそこにある彼の首筋を軽く舐めた。味はしない。
置壱がちょうど目線の先にあるキヨちゃんに目を向けているのに気づいたのはその後で]
……我々と同じになる?
……なりましょう?
[控えめな牙を、ちらと見せた]
[生き血を吸うって殆ど経験なくってさ。
前回飲んだのが初めてで
飲んだあとめっちゃ怖かったの、まだ覚えてんだよね。
飲みすぎで殺しちゃってないかって。
だからどうしてもニンゲンから頂こうとすると
早めに辞めちゃう。
そういや、吸血鬼の血を飲み続けたらさ。
俺、そのうち吸血鬼の血の方が濃くなるのかな。
血の半分を入れ替えるって結構大変そうだけど。]
うん、予想以上に美味しかった
三星さんがこんな宴開くくらいだからさ
不味くはないんだろうとは思ってたけど
どーいたしまして
あ、俺も ご馳走様でした
[腕舐められんのもちょっと擽ったいよ。
そのせいで漏れた息は今舐めた首筋に掛かった。]
んー、だってホント美味しかったからさ………
でも、そうだよね
後々大変そうだよねぇ
ん、そうだね
美味しいのがフランクだけなのかそうじゃないのか…
あ、三星さん
[他にも気軽に飲ませてくれそうな人はいたかと
記憶探る前に宴のホストが来た。
相変わらずの美女顔に……なんか見たことない衣装!
アニメは見てたけどグッズまではチェックしてなかったから
それが限定衣装だなんてことまでは気付けない。
気づいてたらもう大興奮だよ!]
三星さんがフランク飲むなら
俺は三星さん飲んでみたいなー?
[フランクに唆されるまま。
だって他の味も知りたいし。
言いながら艶かしく見える鎖骨に口付ける。
その少し下には
舌なめずりしたくなるような赤い液体が流れてるはず。**]
……いーですよ?
オレ、ユミさんが呼んでくれるなら。
[――あんな眼差し
お風呂のときも似たようなこと言ったけれど、もう一度、本気ですよと込めて返す。なんとなく照れくさくて一度瞳を伏せたけれども、それは少しの間だけ]
ハジメテだなんて光栄だなあ。
[あのお兄さん曰く、作法があるものじゃないらしい
でもユミさんは、こちらへ眼差しを遣りながらはだけて見せたし
今はフランクと言うのか
[引き寄せられれば、爪先は摺り足のステップを踏む。
柔らかく体重を預けてしまえば、この身を支える腕の力強さはなかなかに具合がいい]
で、混血の血はどうだった
……言葉は要らないか、その顔だ
[黒絹の一房を含んだ唇を追って顎を開かせる。
牙に残る残滓の分け前を強請って舌を挿し入れた]
[目、逸らせるはずもない
どこか――もの悲しい?彼の眼差しと
[晴海はあの人の過去を知らず、過ごした日々も全く別で。
牙を立てられる、立てるということに、哀愁を抱きはしない]
――ユミさんは、どこが好みです?
[やはり首筋だろうか。襟元に紅色を滲ませながら、あの人を舐めていたように。
たれの先端が床を這う今となっては、鎖骨が露わになるまで襟元を引くのだって容易くて、繋いだ手はそのままに、淡く血管の浮かぶ肌を晒してみせる]
[笑いかける眼差しを、少し熱に浮かされたかのように細めて]*
初めて同士、ね?
[キヨちゃんの無垢な肌がさらされて。
はにかむように肩をすくめ、ゆるりと唇を近づける。
今度は先ほどと逆に片手は置壱の側に残されたまま。
滑らかにすべらせ、とくとくという心音を聴きながら、柔く突き立てた。
遠慮がちなのはそれがはじめての感覚なせい。
つと漏れ出た生暖かい果汁に舌が触れれば、]
……ふふ、おいしい
まるで、糖蜜みたいよ
[最初は子が吸うようにちうちうと。
やがて喉を鳴らして、彼女の海を吸い上げていった]
[好みを問われてそこを選んだのは、
やはり直接的に味わえるからにほかならない
せっかくはじめてどうしなのに、
手首や指先からなんてそれは吸血鬼世界ではニッチすぎるというもの
ぺろぺろと一度舐めとってから]
どう?
私のも吸ってみる?
……もう、きっと仲間だから
[意識を響かせてキヨちゃんの頬に触れる。
もう英語など使わなくても意思の疎通はできるにちがいないと踏んで]
うーん、まぁいいともー
[鎖骨の薄い皮に触れる感覚
しかし伶留、早速ワルい遊びにはまったかい
なかでもこのような黴の生えたような血ばかり暴飲すると、悪酔いに溺れてしまうよ?
[よしよし、と
さり気ないセットに気合いを入れていそうな髪をなでる]
奈落に堕ちるような心地に、次の日はてしなく後悔するまでが人生経験かね
……ご両親にお叱りを受けそうだな
そこからでもいいけれど
跪く趣向が、イヤでないなら ――
[ガウンの裾を片手で引いた。内腿には物騒めいた苦無が仕込まれているが小道具なのでそう危なくはない。
今は少し血圧が下がっているから、折角なら太い血管からという思考は言葉に載せず]
今はね。
昨日まではペトルだったけど。
名刺、いる?
[本日三枚目の名刺など取り出しても胸の谷間に差してみる。
そうそう。これがやりたかったの。]
んん?
ご自分で直接試せばいいのに。
そうだなあ。
爽やかにして軽やか、
旨味と甘味が奇蹟の結合ってとこ ……ン。
[押し込まれた舌に口を塞がれて、柔らかな侵略者に咥内を蹂躙される。
それならと、牙の残り香を舐め取って去ろうとする舌を吸い、牙の先で極々軽く引っかけた。
じわり滲む古酒の豊穣が唾液とも混ざり合って、味覚を支配する。]
[素直で強欲な若人は、唆したままにオネダリし始めた。
いいね。ファーストブラッドじゃなかったのは残念だけれども、旧いお仲間の血に触れてみるのは悪くない。
そうそう。人生経験ってやつ。
引かれたガウンの間から肌が覗けば、こちらが生唾呑み込む羽目になる。
刺激的だね。]
いいなあ。
おじさんなら、這いつくばってオネダリしてみてもいいよお?
[足首、とかね。]
[混じった記憶がほどけていく。
どちらの国の血の味も香も遠く知っている。
もっとも。少なくとも片方は、人間の時に味わったもので、あるはずだが。当時は「奪う」側にいた、血の味だ。]
━━ゴチソウサマ。
[情事を済ませれば、口許を拭って。
自らのいのちを、友のそれで補わんとする彼女のことを、よもや止めることなど、するはずもなく。]
[生娘達の「営み」が双眸に映る。
それは、穢れ(口許はともかく)のない、さぞ耽美な一時であろうが、
男は初めてブラックコーヒーを飲んだ少年のような顔をしていたであろう。]
━━彼女らと私、何がこんなにも、違う?
[
では、我々はいったい何者だと言うのか。
時を越えた先に何があったと言うのか。]
[繋がった恒久の糸の端っこに、ぷつりと切って落とされそうな男があった**]
ペトル?それならリーの方が好きな名だな
顔と合ってないあたりが良い
[名刺?それ靴べらかい、などと言いながら。
彼ら2人の交流具合を味見しただけ、のはずが]
んん
[ぢりぢり走る熱に、絡む舌。
不意に熱烈な恋人同士のような様を擬態する深い接吻。緩慢に眉を寄せた。
ついと引いた糸はごくごく薄い梅色]
…味がよくわかんなくなったではないか
おじさんが地べたに這い蹲るなら、その構図は記念に写真撮っておかねば
[シチュ萌え?というのか?]
三星の容姿を褒めるのは実に結構だけど、
お前さんは、私の姿が同じくらいおじさんでもそうなのかね
そんな写真、撮っても面白くないよー?
引き延ばして飾られたりしたら、恥ずかしくて表歩けなくなるなあ。
[なーんていう口はにやけてる。
はなはだ真剣みが足りない。]
なーにをおっしゃいますか、レナード老。
この前会った時は、今にも枯れそうなじいさんだったでしょ?
あんときだって、足の親指にちゅーしたもの。
[いつかのことを引き合いに出して、博愛を主張する。
あの時の口づけは、どちらかといえば敬意を示すごあいさつだったけれど。でもやっぱり、ちろちろ舐めた覚えもあるけれど。]
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