56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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[ふと、聞こえた彼女らしくない囁きに、顔を顰める。]
…誰のせいでも、ねーよ。
[その囁きは、自分で少し、吐き気がした。
“ベネットが死んだのは、誰のせいだ”
―――、考えるのが怖かった。
それは、オスカーへの囁きではなく、
自分自身への慰めかもしれないと。]
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[副団長である彼が聞いていないとなれば、自騎士団の誰かが捕らえたのではないだろう。]
ああ、可能性を考えても二人は戻ってこない。 そういうことを考えるのは参謀殿の仕事だしな。
[必要ならば、砦内にも兵を配置しなければならないだろうが、此処で話したところで意味はないだろう。]
弓隊は参謀殿の作戦通り、中長距離からの射撃だったからな。 負傷者は数十名。いずれも直ぐに治療に向かわせている。 死者は……何人かいたが、体制を整えれば問題ない。
[簡潔に報告をする。]
(66) 2011/07/02(Sat) 22時半頃
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[彼からの囁きには、無言でかぶりを振って。]
…俺は、やることがある。
お前は休んでろ。
[ベネットの事で、受けている精神的ダメージは大きかろうと。]
…俺が、守ってやればよかったんだ。
[自分を慕ってくれた彼の顔を思い浮かべて。
か細過ぎる程の鳴き声は、向こうには届かないだろう。]
[やることがある、と言われて何を思ったか]
なあ、お前、俺の傍に仕えるのが役目だったよな。
……何かあったら、タダじゃ済まねーぞ。
[それは、遠まわしの心配で。]
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あんたたちが前線で戦ってくれているから、こっちの被害は少なかったんだ。 頼りにしてるしな。
[弓は近接には弱い。 ごり押しで迫られたらとてもじゃないが、被害はもっとあっただろう。]
つーか、副団長。 冗談言う時くらい笑えよ……冗談が冗談に聞こえないって。
な、お前もそう思うよな。 うちの副団長様は、固すぎるって。
[重くなった空気を払う為の冗談だと思い、肩を落とし。 バーナードへ同意を求めるようにそう言った。]
(72) 2011/07/02(Sat) 23時頃
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俺がいないと不安か?
[俺は大丈夫だと安心させる様な声音で。]
こう見えても、…寂しがりなんだよ。
[どこか余裕を持った声色に、
冗談なのか本気なのか取れないような言葉を。]
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[にやりとバーナード>>74へ返し。]
はいはい。 敬語ね、敬語。分かってますよー。
てか、俺があんたみたいになったら、少しは柔らかくなってくれんのか?
[いつものように睨まれても>>75、気にしていない素振りで頭を掻く。 返事をしたものの、敬語で話すことすらしない。]
そう思うんだったら、そうならないようにしてくれ。
[そう軽口を叩いて副団長の顔を見れば、予想しなかった笑みに固まった。]
(78) 2011/07/02(Sat) 23時頃
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命令なら行ってやらん事も無いぞ。
[男に返す声音は、何時も通りの淡々としたもの。]
…俺が捕まえた捕虜が、脱走した。
フィリップと、神父がそいつに殺された。
お前も気をつけろ。
[いくら剣の腕が良くても、人を殺す技術に特化した人間を相手にする事は難しいだろう。]
へえ、んじゃいつでも命令される準備しとくんだな。
[いつも通りの彼女の返答に、
自分も少しだけ、いつもの調子を取り戻して。]
誰にモノ言ってんだ。
…見つけたら、殺す。
[睨みを効かせた瞳は、赤。]
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[笑顔が似合わない人間が居るのかと、ぎくしゃくと笑みを返す。]
そうしてくれ。
[いつもどおりの表情に戻ったヴェスパタイン>>81に息を吐き、後は黙って後を着いて行く。]
(86) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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[参謀の許へと着けば、バーナバスを促すようにして砦のことを報告した。 それは既に届いていたようだった>>76が、彼女も捕虜の存在を知らなかったらしい。
その後、副隊長に倣い弓兵隊の報告をする。>>79]
あいつが、居なかったのか?
[続いた報告――敵のクリストファーが居なかったと知り、すっと目を細める。]
(90) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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お前には、無駄な危険を犯してほしくは無いのだが。
[殺気を漂わせるような囁きに、ゆったりとした口調で返して。]
…俺が殺るから。
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[砦に一隊を配すと言う。>>84 後ろが気になって戦えなくなるよりは、それが良いのだろう。]
弓は狭いところではかえって危険だ。 下手したら味方が怪我をするだろうな。
[逃げた捕虜が一人であるなら、隠れながら動いているのだろう。 障害物の陰になってしまえば、狙ったところでまず中らない。
しかし、弓兵は遠くの敵を狙う為目は良い者が多かった。]
おい、お前さ。 例えば砦の中の絵を描くとき、どこを選ぶ?
[砦の内部を見張ることは殆どない。 たまに絵を描いているバーナードなら、中を見渡すのに丁度良い場所を知っているかと思い聞いてみた。]
(95) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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ヤニクは、ヴェスパタインの声>>97に、咄嗟に顔を向けた。
2011/07/03(Sun) 00時頃
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[バーナードの言う場所>>102を確認しつつ、その場所に視力の良い者を配そうと提案しようとした時。 ヴェスパタインの鋭い声>>97が聞こえ、顔を向けた。
副隊長の、緑の甲冑に突き刺さった矢。 矢の飛んできた方へ視線を向けながら、素早く副団長の傍へ寄る。]
俺が良いというまで伏せていろ! 絶対に動くな!
[非戦闘員である二人に向かって声をあげた。 敵が何名隠れているか分からない状況で、他の二人を守ることは難しいと判断し、牽制の為に愛用の弓で矢が飛んできたであろう方向へ矢を放つ。]
(105) 2011/07/03(Sun) 00時半頃
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…なら任せたぜ。
[言って、今しがた公女から聞いた話を思いだし]
…どうも、姫様にも手ェ出してたらしいな。
領主護衛だって聞いたけど?
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[敵が逃げる気配がする。 副団長の体を抱えようとすれば、その手を握られた。>>109]
おい、副隊長! しっかりしろ!傷は浅いぞ!
[しかし、それが気休めであることは分かっている。 正確に左胸を貫かれた彼の体は、今命が零れようとしていた。]
(112) 2011/07/03(Sun) 00時半頃
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領主護衛?
[イアンの言葉に眉をしかめて。]
…っ。
[領主護衛を勤める程の男ならば、かなり手強い相手だという事が予測されて。
それにしても、何故領主護衛があんな場所に居たのか。]
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出来るかよ!!馬鹿野郎!!!
[真っ直ぐに見つめてくるその瞳を睨み返して叫んだ。]
(113) 2011/07/03(Sun) 00時半頃
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