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[言い寄ってくる息子は夫との関係を知っていたから余計に抱かれる気もなかった。
夫であった男は、彼女を見ていなかった。見ていたのは、彼女の身体と地位。
若くして嫁いだ彼女にとって、恋愛関係にあった男は片手で足りる。
ただ、どの男も長くは持たなかった。
彼女が、彼らで満足することはなく、仕方なく演じていたのを気づかれ、または飽いてしまったから。
彼女に「調教」を施したのは彼女の父親だった。だから今も、父親を嫌悪している。
けれども良い父親だったことも記憶に残っていて、それは僅かな思慕となった]
[施された「調教」。それは淑女のように生娘のように振舞いながらも身体は熟れて、また身体を開く相手を選ばない。
男を満たすことは出来ても、自身は満たされず、篭った熱が外に発されることはない。
父親以外には。
だから、今度も同じように満たされることを望んで、けれど半分あきらめて、抱かれた。
イアンのそれは、彼女の中で熱く脈打っていて、それだけでもどうにかなってしまいそうだった。
――満たされたい。
願いは、細い糸を手繰り、結ばれようとしていて]
【人】 良家の息子 ルーカス― 客席 ― (71) 2010/04/10(Sat) 22時頃 |
― 回想軸/道化の部屋 ―
[女性器へのピアッシングは、初めの1回と合わせて3回行われた。
女があげる悲痛な叫び声は、まるで鈴の音のように儚く透明に、幾度も道化の部屋に木霊し、やがて消えた。]
『良く頑張ったね』
[3つ目が終わり、ルーカスは一度身を起こした。
呆けたような女の、眦に滲んでいた雫を、まるで優しい人のように、教師が生徒を褒めるような言葉を紡ぎながら拭う。]
『褒美に、今は此方に開けるのは勘弁してあげよう』
[涙に濡れた指先は、女の乱れた着物の上の合わせ目から乳房の先端に触れ、『今は止めておくという場所』を示す。そのままくにくにと乳首を押しつぶし、摘み上げ、芯を持ったところで指を離す。そこが立ち上がれば、着物のに擦れてむず痒い思いもするかもしれない。
――そのような行為が行われている間も、脚を閉じれば、針先が太腿を刺激するのは明らか。傷をつけたら……と脅した言葉を、まだ志乃が覚えていれば、脚を閉じることは、まだ叶わない。
例え、閉じかけることがあれば、裡に埋められ針で外に出ることを止められたローターの違和感が女を襲うことになる。
ルーカスは台の傍により、今度は女の小指ほどの大きさがある3つの金のリングを取りだす。その内の1つには小さな鈴が付いていた。
男は戯れに、それをチリリと鳴らした。]
【人】 良家の息子 ルーカス― 客席 ― (77) 2010/04/10(Sat) 22時半頃 |
― 現在軸/客席 ―
[姉の事情を、弟は知っているのかいないのか。
常と変らぬ態で迎え入れ]
いかがでしたか?
[何食わぬ顔で、奴隷の塩梅を聴く。
そして、少女へ向ける言葉に]
買いあげる気があるなら、気をつけた方がよろしいかもですよ。
家乗っ取りなど、可愛い顔の下で思っているかもしれません。
[本気か冗談か、喉を鳴らしながら忠告ともつかない言の葉を囁いた。]
[男が座るツィーへと向けて]
おめでとう、といっていいのかしら?
本当に、よく躾けられてるのね、貴女。
[どれほどで落札されたのかは知らない。
微笑を向けてから、又舞台を見る]
【人】 良家の息子 ルーカス― 客席 ― (81) 2010/04/10(Sat) 23時頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス例えば、世の中には爵位を金で買う人間もいる。 (82) 2010/04/10(Sat) 23時頃 |
[いかがかと聞かれると、扇子の下、少しだけ口元を引き締めた]
それは、後で教えるわ。
でも、そうね。男奴隷としては、どうして奴隷になったのかしらと思うくらいよ。
連れてこられたみたいだから、仕方ないわね。
[ほう、と息を漏らす。それは少し熱を帯びていた]
― 現在軸/客席 ―
[志乃は、金目の青年が他の女に犯される(といった表現がこの場合は正しいだろう)様を、きちんと見ていただろうか。
髪に絡めていた手は、少し前に離していたが、見ていないようであれば、再度絡める。見ているようなら、ただ灰青を細めるのみ。]
その言い方ですと、悪くは無かったのでしょうかね?
[ヴェスパタインの下でツィーと名乗っていた女が鳴く音をBGMに、姉の言葉に微笑んで見せる。姉の漏らした吐息は、甘く熱を帯びている風に感じ、微かにルーカスは身じろいだ。]
【人】 良家の息子 ルーカス― 客席 ― (89) 2010/04/10(Sat) 23時半頃 |
[男の、椅子を弄る手は淫靡な水音を立て続ける。
その白い腿をつたう透明な液体を指で掬い、赤い舌で舐ぶる。
彼女の足や腕が痺れ震えでもすれば、パシリ、と音を立てて尻が叩かれた。
高い音が客席に響き渡る。]
【人】 良家の息子 ルーカス― 客席 ― (107) 2010/04/11(Sun) 01時頃 |
ツィー。
ツィーか。
[女に告げられた言葉。
教科書通りのような其れに、男は手遊びの手を緩めずに言葉を返す。
ぐらりと少しでも揺れれば、また、ぴしゃりと叩くと、白い尻に手の痕が残る。
ぐへへ、と下卑た笑い声は、ヨアヒムのもの。]
数字みたいな名前だね。
…薔薇の香りは、何か与え続ける必要があるのかな?
[ネイサンに血統書を貰わないと、等と思いながら]
― 回想軸/道化の部屋 ―
[開かれた漆黒が、右に左にと鳴る鈴のように動くのは、
女が左右に首を振るから。]
『針からつけ変えないと、歩けないからね?』
[左右に振る意味を、おそらく正しく理解しながら、
有無を言わさない笑みで、再度、男は女の股の間に跪く。]
――…つぷっ
[3つの針の内、陰核に近い針を、わざとゆっくりとした速度で抜く。
鈴のついた輪の繋ぎ目を開け、ぐっと開いた穴に押し込む。
ぐり、ぐりっと少し傷を抉るような形になるのは、2枚の花弁に通そうとすればこそ。]
――…ちりん
[カチリと繋ぎ目を合わせば、鈴が鳴る。
同じような手順で、2つ目、3つ目と鈴はついていないリングを女性器につけた。2つ目、まん中に当たるリングは繋ぎ目が特殊な作りになっていて、単純に引けば外れるというものではなかった。]
『一先ずは、これで逃げ出そうという気は起きないだろう?』
[脱脂綿に消毒液を含ませながら、ルーカスは満足げに微笑んだ。
3つのリングが繋ぎとめる大小の陰唇。その奥にはローター。
3点でローターを支える形であるので、無理な動きをすれば、陰唇をリングが裂くということになる。]
『屋敷に帰ったら、また別のことがあるけれど』
[さわりと黒く生える陰毛を撫であげる。
そこを剃りあげて、タトゥーを入れるのは、女の国の裏の者が、自分の女に刺青で名を刻み、浮気を許さないのと似ているかもしれない。
ルーカスの場合は、銘を刻むことでカンバスを逃がさないという意味合いになるが……。
――専用の消毒液を含ませた脱脂綿で、女の陰唇を消毒し始めたその時。
ええ、構いませんよ。
[No.4への対応に、是と答える声音は愉しげですらあった。]
『さて、早く客席に戻らないと、
金目の彼がどうなるか判りませんね……。』
[わざと女の不安を煽るように呟き、道化から貰った鍵で枷を解く。
下着はつけさせぬまま、乱れた着物を形ばかり整えさせた。
そして、早くと謂いながらも、破瓜の血にまみれた顔と、ステッキを取りに部屋に向かう足取りは、志乃の下半身を慮るわけでもないだろうにゆっくりと。
結局、客席へと戻ったのは、No.4がヴェスパタインに随分と躾けられた後のことだった**]
― 回想軸/了 ―
乳と果実と薔薇水。
――イイね。
[つい、と叩いて赤くなった尻を撫でる。
そのまま指でつねりあげて]
それでこの香りなのかな。
此れはなかなか気にいったなァ。
[忘れられない、という言葉に、涙の零れる目で見詰めて。
泣かないで欲しいといわれるとただ、きつくその身を寄せて、間近でその顔を見る。
愛しているという言葉。
言われるたびに裡で身体が反応する。中にある熱を奥へ奥へと吸い込んでいく。
唇を何度も重ねて、肌のぶつかる音と、それに答えるような喘ぎが部屋に響いた]
あ、ぁぁ、――ええ。
来て? 奥まで貫いて。
貴方で一杯にして。
全部、受け止めたいの。
[掠れた声で願う。
激しさを増す律動が、幾度も重ねられる抽送が、女の身体をそこへと導いていく。
直に触れる熱は硬く、女の裡を容易に奥へと幾度も突きたてた。
そのたびに、又一粒涙がこぼれていく]
イアン、イ、……。
――ええ。
あい、してるわ。
だから、
[一緒に。
昇り詰める裡と心。イアンへと縋り付く様に腕を絡め、抱きしめる。全て触れていたいというように。
やがて、彼女の中、子宮の奥に熱い熱い白が放出されると、彼女の視界もまた白く霞んでいく]
[駆け抜けていく衝動。
すぐには寝台の上を動かずに、震える身体から息が漏れた]
……ああ。
私。
[イアンの体を抱き寄せ、まだぼうとする頭でその肌を見詰めた]
イアン、ありがとう。
[告げる礼の言葉。撫でる掌へと身を寄せた。
行かなくては。
そう思うのに、今はまだ離れがたく。
何より達した直後というのもあって、ぼんやりとイアンの首筋を撫でる]
貴方は、ここにいらして。
連れて行ってもいいけど、今の私には貴方を止められないもの。
だから、ここに。
[そう告げて身体を起こした。裡から奥から下がってくる吐き出された熱が、ぞくりとして瞬間吐息を漏らす]
シャワーを、浴びていくわ。
いつまでも、客席を留守にしてはならないもの
[イアンの肩と頭を一度撫ぜて、女は寝台から立ち上がる。
内股から白が伝うまま、シャワー室へと向かった。
ガラスの壁は曇るようになっていて、彼女が中に入ってからもスイッチを入れて曇らせる]
[震える身体から汗と体液を流し去っていく。
夢のような心地。
幾度も溜息のように息を吐き出して、湯に打たれながら身を抱きしめた。
時間をかけて身体を洗うとバスローブを纏い、隣の部屋へ。
身支度を整えたところで、後ろからイアンの声が届いた]
元々、二人買うつもりだったもの。
でも、いえ、ええ、カルヴィナなら。
別の用途で欲しいと思うわ。
あの子が、望むのとは離れているでしょうけど。
[イアンへと振り返り、その問いに答える。
ただの「女」になろうとする顔を無理に引き上げた]
最初は。
貴方と女奴隷を絡ませるつもりだったのよ。
貴方だけではないかもしれないけど。でも今は。
[追い縋ってきたイアンの濡れた髪に触れた]
二度目は、私を満足させてくれたらと言ったわ。
満足しすぎて、貴方に他の誰も抱かせたくなくなったみたい。
[微笑を向ける。
それは腕の中で見せた笑みではなく、それ以前のものと同じ。
仮面が剥がれるのは、腕の中だけでいいと、振舞う]
カルヴィナを買えたら。父が私にしたのと同じように、あの子を育てて見たいと思ったわ。
でも、私とは違って誰でも満足できるようにね。
買ったら気が変わってしまうかも知れないけど。
[彼女の中に確かに心境の変化は訪れている。
女の奴隷をどうするのか。
今はもう明確な答えが出せなくなっていた。
彼がいれば全て事足りるのだから]
貴方は私のものだけど。
――貴方のグロリアは、貴方の腕の中に、いるわ。
私はまだ、私を捨てられないの。
だから、まだ。
[待って、と言いたかった言葉は口の中に留めた]
[イアンの手も髪への口付けも、拒むことはしない。
微笑を一つ残して、そして、扉の向こうへと歩いていく。
寝室に残るイアンの言葉は、聞こえない]
【人】 良家の息子 ルーカス― 客席→舞台 ― (126) 2010/04/11(Sun) 14時頃 |
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