43 朱隠し
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[ひとによく似たアヤカシである男は、藤之助に捨てられた人の子を助けたこともあっただろうか]
――… 今度は。
[どうなるだろうか、
その答えは誰に問うわけでなく、風に流れていく]
楽士 ウトは、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 02時頃
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― 屋根の上 ―
[りん、と鈴の音が鳴る。 ふわりと降り立つのは、細工の蝶が舞う屋根の上]
おお、久しいな。華月斎。 誰ぞ、面白き者でも見つけたか?
[狐の面を外すと、 幼さを残す素顔を覗かせながら、赤い瞳をにぃと細めた]
(141) 2011/02/14(Mon) 02時頃
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[「アヤカシに会った」という明之進の言葉は、定吉の心をざわつかせるのに充分だった。
りん……とどこかで、鈴の音が鳴った気すらする。
…心の中のざわめきを、無理矢理に押さえつけて]
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[周りを舞う蝶へと指先を向ける。 その内の一羽が其処へと止まれば、嬉しそうににぃとその唇は弧を描いた]
それなりに? あの中に居るんだな、よし当てて見せるから待ってろ。
[どれどれ、と華月斎の背中越しに覗きこんだ所で、 あれをと、指し示す指]
藤じゃないか。 あいつも祭りを楽しんでおる様じゃな。
[人の子と共に在るのを見て、くつくつとアヤカシは笑う]
(146) 2011/02/14(Mon) 02時半頃
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どうするって……どうしてくれようか?
[にぃっと笑う貌は、酷く残酷な色を帯びていた。 降りろと文句を謂われれば、天邪鬼なアヤカシはいーやーじゃーと逆にしがみつくだろう]
俺と藤が…? ぜんっぜん似とらんと思うが。時々そなたは不思議な事を謂うのう。
[まるで新しいおもちゃを得た子供の様相で、撫でる手を取り、 その指先をぺろりと舐めた]
(151) 2011/02/14(Mon) 02時半頃
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困らせたりなどせぬ。 ただ、遊ぶだけだ。
長く時を生きると、時折思うのだ。 この孤独を癒す何かが欲しいと。
[ちらりと、赫は下で談笑し合う人の子たちへと向けられる。 言外にそれが人の子との触れ合いだと謂わんばかりに]
あまり面白いことばかりを謂うから、 面白い味でもせぬかと思ってな。 しかし……そなた意外と初心よの。
(158) 2011/02/14(Mon) 03時頃
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何故じゃ? お前も俺も、別に困らんであろう?
[華月斎の言う”困る”の意味が判らずに、緩く傾げる首。 アヤカシの中に巣食う孤独。 それは幾ら人の子を浚っても、 また幾ら人の子を喰らっても、癒える事はなく]
――…たとえ、浚っても。 皆俺を置いて死んでいく。
[ぽつりと呟く聲には、寂しさが滲む]
(162) 2011/02/14(Mon) 03時半頃
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[ばつが悪そうに視線を外す華月斎へと、 狐の面を被り直して向き直り]
味はせぬが、そなたの其の初心な反応は、 中々に面白かった。
……伽をさせても、同じなのか興味はあるな。
(164) 2011/02/14(Mon) 03時半頃
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[名を呼ぶ同胞に、つんとそっぽを向く。 ひらり舞う蝶は、その指先に留まらせて。 大切にもう片方の手で包むだろう]
……慰めなど要らぬ。 もう慣れておる。……それに今は祭の時期だしな。
(167) 2011/02/14(Mon) 04時頃
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[狐の面の下の表情は、誰にもうかがい知ること等出来ない。 声だけは楽しげに、くつくつと笑っているけれども]
なんじゃ素っ頓狂な声を出して。 初めてという訳ではないじゃろう?
[伸ばした指先は、華月斎の唇を舐めるように掠めて]
なんて、冗談じゃ。 ほんに初心な奴よ。
[愉快愉快、と。高らかに笑う]
(170) 2011/02/14(Mon) 04時頃
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