60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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……嫌、だ……っ 何も、もう、何も要らない、何も要らないッ
何も望まない、もう、もう、……一人に、……――――――ッ!!
[逃れようと、後ずさる足が縺れる。 倒れこむように、壁に背を預けるように座り込むと、声にならない叫び声を上げる。
嫌だ嫌だ、と、駄々をこねる、幼い子供の泣き声に、似ていた。]
(126) 2011/08/09(Tue) 20時頃
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[何も望むべきではなかったのに。 救いなんて求めてはいけなかったのに。
自分を信じて、自分を友人と思ってくれていた彼の優しさに。
甘えて、溺れて。]
[もしかしたら、まだ、戻れるのかもしれない、なんて。]
[抱いてしまったのは、そんな、希望。]
(127) 2011/08/09(Tue) 20時頃
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ちょ、なんてこと云うんですかっ。
あれ?先輩想いが通じたんですか?良かったですね。
[聴こえた声に、びくっとなって返す。
好きなもの同士で……という認識しかないので、
取り込み中って、どうこういいながらそういうことだったのかと、勝手に納得していたのだけれど。]
―――……っ
[突然、意識をどこかに持って行かれるような
そんな感覚を覚え、悲鳴を噛み殺したような音を相手に伝えた。]
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……っ!
[テオドールの声に、びくりと身を強張らせる。 浮かぶ怯えを、戸惑いを、隠そうとしないで。
縋る様に揺らぐ青磁の瞳を、そろりと上げて。]
もう、……求めては……いけないんだ…… 僕は……、僕は、……ぁ……
[震える指先を伸ばす。
黒薔薇の茨の絡んだ心は、近付く者を傷つける。 そうして、傷付けた事にまた後悔して。
結末はわかっているのに、見えているのに、縋るような指先は、その手に伸びる。]
……――――たす、けて。
[後悔と罪の海の中、空気を求めて、喘ぐように。]
(135) 2011/08/09(Tue) 21時頃
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えっ、何、今の声に出てた…!?
[うっかり、あほなカミングアウトをしてしまったことに気づいてうろたえた声。想いが通じた…には、何とも言えず、沈黙を守っていたが。
悲鳴を飲み込むような音が聞こえた気がして、]
……オリオル君?
ルーカスは、テッドの掌に、指先が触れるのを、感じた。
2011/08/09(Tue) 21時頃
ルーカスは、ヤニクの呟きの意味を、考える余裕もなくて。
2011/08/09(Tue) 21時頃
[薔薇の香りに誘われるまま、身に溜る熱を発散させようとルーカスを誘う。
嗚呼、でも……―――]
やっぱ、好きな人と……が、いい な。
[とぎれとぎれ、薔薇の香りに惑わされながら、声を返した。]
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[一度薔薇の精に触れた体は、いとも容易く甘い幻に縋る。
誰でも良いから、忘れさせて欲しい、と。 一時で良いから、逃れさせて欲しい、と。
伸ばした指先。 其れを握りこむ、掌の暖かさに。]
……ぁ
[うっとりと、柔らかく、笑む。 幸せそうに、笑う。
黒薔薇の痛みから逃れられるわけではないのに。 唯、麻痺させているだけなのに。]
[深い、深い、後悔の海の中。
ヤニクの声>>141は、水に阻まれ、届かない。]
(145) 2011/08/09(Tue) 21時半頃
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――――……
[テッドの呟きに、返せる言葉はしばらく見つからず。]
……そうだね〜。
普通、そうだよね〜……
[それだけを呟いた。
彼が、想い人とは違う者と何をしようとしているのか…
そこまでは、察せられなくて。]
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……ん、
[瞼を閉じるその頬に手を添えて、握った手を引くように屈ませると、唇をそっと重ねる。 触れるだけの口付けを、繰り返す。]
………
[幸せそうに笑みながら、愛おしげに寄せる唇。 空虚な青磁は、過去を重ね見て。
壁に手をつき、ふらつきながらも立ち上がると、その手を引いて再び、自分の部屋の扉を開く。
ジョージとの行為で乱れたままのシーツに、そっとテオドールの身を横たえた。]
(149) 2011/08/09(Tue) 21時半頃
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でも、誰かの役に立てるなら……―――
[ゆらゆらと波間を漂うような声音で囁く。]
それは、それで、いいのかもしれないですね。
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[行為の前の常套句を、口にしないのは恐らく、初めてだろう。
初めて男を知ったのは、まだ、妹も生きている頃。 少し名の知れた家の出身という、それだけで上級生に目をつけられた、それだけだった。 自分の身を守るための、二つの条件。 それを考えつく前は、一方的な暴力にも近い、相手を満たす為だけの行為ばかりだったから。]
…… ―――
[耳元で、掠れた息で囁く名前。 声にはならない其れは、その耳朶を擽っていく。
シャツ越しに、その身体を優しく、優しく撫でていく。 明らかな違いにも気付けない程に、溺れていて。]
大丈夫、……大丈夫、だ
[その琥珀色を見つめ返し、また、口付けを落とす。 頬に触れる指先の感触に、壊れた笑みを浮かべて。]
(156) 2011/08/09(Tue) 22時頃
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[重ねた唇を薄く開き、相手の唇をつ、と覗かせた舌先でなぞる。 そっと目を伏せ、口付けに酔う様に。 零れる吐息は熱く、小さく震えて。]
ん……ん、っ……
[僅か残る理性は、目の前の相手が“彼女”ではない、と叫んでいて。 薔薇に酔い、壊れた心は、それでも構わない、と嗤い返す。]
……オリオル
[行為中は決して口にしなかった、腕の中の相手の名を小さく呼ぶ。]
僕を、……軽蔑してくれて、構わない、から……
[だから、其の姿に、あの面影を重ね見る事を許して欲しい、と。 其の、祈るような言葉を最後に、理性は、灼き切れる。]
(164) 2011/08/09(Tue) 22時半頃
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[ゆらめくようなテッドの言葉には、何も返せなかった。
先程、後輩に自分の役に立ってもらったばかりだ。
誰かを求めたくなる心が、わかってしまったから]
……誰でもいいんだ。
[恋のふりだと気づいてしまった少年は、寂しそうに一言だけを。]
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[笑みを浮かべる唇の間を割って入る様に、強引に舌を捻じ込む。 相手が応じるようならば、ゆるゆると、舌と舌とを絡めて。
シャツ越しに薄い胸板を撫でていた指先が、裾からその下へ滑る様に入りこみ、その肌に直に触れた。 たくし上げていく様に、指は上へ向かい、胸の中心の突起に触れる。 其れを二本の指で抓み、転がすように、弄んだ。]
……僕の、……望みは―――
[独り言のように呟く其の先は、声には出さず、胸の奥に仕舞い込んで。]
君は別に……何も、気にしなくていい。 素のままでいてくれれば、其れで、構わない……
[これ以上、彼に望んでしまっては。 本当に、何かが、終わってしまうような気がして。]
(179) 2011/08/09(Tue) 23時半頃
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うん……?
[ノックスの返事は聴こえないけれど。
その代わり、先程すれ違った後輩の声が聴こえ、
小さく問いかけるように返す。
ああ、そう言えば、ボトルシップ見せるって言ったっけ。
そんな約束を微か思い出しながら。]
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[拙い動きを導く様に、舌を絡めていく。 少しでも、快感を引き出せるように、ゆっくりと、時間をかけて。]
僕が、許せない……。 ……其れは、……其れだけは、嫌だ、から…… [唇を離し、唾液に濡れた口元を袖で拭う。 胸元から再び手は下り、下腹部を擽る様に撫でる。
ベルトに手をかけ、慣れた風にそれをするりと外して。 下をはぎ取り、露出させた内腿に、指を這わせた。]
(189) 2011/08/09(Tue) 23時半頃
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ザック先輩じゃなくても、良かったんだ……。
[気づいたから哀しくて。
金属製の小さな飛行機や、瓶の中に閉じ込められた船や、見せ合ってはしゃいだのがとてもとても昔に思えた。]
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[触れるか触れぬかの間を辿る様に、指先は内腿を滑る様に撫でていく。 僅か隙間が開くのを見れば、膝を割る様にして、自分の体を其処に捻じ込み、足を大きく開かせて。 指で辿った跡を舌先でなぞろうと、唇を近付ける。]
……っ、は……
[内腿から、其の熱の中心へ、舌は伸びる。 ちゅ、と、小さく音を立て、その先端に口付ける。
指先は後孔にそっと触れ。 爪の先、傷のつかぬほどの力で、その縁を引っ掻いた。]
(202) 2011/08/10(Wed) 00時頃
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