25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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…では、よろしく頼む。
[告げて、しばし男は微睡みに消える*]
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−深夜大広間−
…構わん。何か気になることでもあるならそちらへ行くといい。 取り敢えず事が事だ、私は一度部屋へ引き上げる。 高嶺、お前はどうする?
[夜光の望むにまかせながら己は席を立ち、高嶺に尋ねる。 一緒に戻ったのであれば、途中幾らか話もしただろう*]
(159) 2010/08/07(Sat) 13時頃
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[人の心と言うのは、まこと制御の難しいもの]
[特に青年は、芸に生き、聖職者の元で育ち
媚さえ売らず、あまりに歪みを知らない
刷衛が当然と思うことも、思わず
聞かされた情報に素直にうなづいた]
[霞が旧知であった事も災いしているのだろう]
[人は信じたいものを信じやすく出来ているから]
…どうやら、外堀はかなり埋められております。
あの新参め…情に流されかなりの無茶を……
[そっと、耳に入った話を伝える。既に嫌疑は四名へと。]
いやだ、聞こえない……っ!
俺は狂ってなぞない………っ!!
狂ってなぞ……
[己に言い聞かせるように、何度も何度も呟く
認めたら、もう、立ち上がれない。
そんな予感がしたから]
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 17時半頃
何を魘されておる?
[あきらかに様子がおかしい。
仏間から立ち上がる。]
どこにおる。
[一応訊くが……。]
…………っ!!
やめ…やだ……いやだっ
聞こえない、聞こえないっ!!
狂わない、狂えない……いやだ、いやだ……
[やはりおかしい、放っておくわけにはいかない。]
お前は狂わんよ。
お前は狂わない。
[幻聴が語りかける][幻聴が騙りかける]
[頷けば聞こえたと認めることになる]
[頷かなければ狂ってしまうのか?]
………ぁ……っ……
[欠片の理性が選べず頭を抱え込む]
[やはり混乱した様子しか窺えない。
どうしたものかと考える。]
――……
[幻聴が収まる][小さく息を吐く]
[震える身体をなだめる様に敷布の中
己の両肩を抱いて。ただ願う。狂わぬように]
[それとも、狂ってしまったほうが楽、なのだろうか?]
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−現在・居室→A棟へ移動中−
[浅い眠りから醒め、気だるげに寝台から体を起こす。 朝方、鵠の方が届く前に高嶺に尋ねられたことに、 恐らくではあるけれどと、天満月が己の毛髪を回収していったのではないかと告げた。 正確には間違いないと思っているがここで確定することはしない。 そのまま消えていった背中に問いかけたいことはあったけれど]
…そう簡単に、死んでやるわけにはいかない。
[男は寝台の上で低く呟いた。 だが、あの男は自分に不利益しか与えない気もする]
(どうにかしなくては)
[身支度を済ませ、部屋を出る。 行きたいと考える場所は三ヶ所あったが、 取り敢えずはまず一か所を尋ねてみることにする。 そうして、男の足は一番情報を持っているだろう花の床へ向かうことにした]
(208) 2010/08/07(Sat) 18時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 18時半頃
[また聞こえて、身体が緩く震える]
[が、その声は今までと違って。
舞うようにつげる][自分に舞うように告げるのは……]
はい、チャールズ……仰せのままに
[そう言うと、青年は穏やかに笑って]
本屋 ベネットは、記者 イアンの部屋の場所を、侍従を捕まえて確認したあと尋ねてその扉を叩いた。
2010/08/07(Sat) 18時半頃
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−A棟・イアンの部屋前−
[扉を叩く。 いなければ、先に別の場所へと向かうことにする]
…いるか。私だ。
[一度声をかけてみて、反応がなければ念のためにもう一度叩く]
(209) 2010/08/07(Sat) 18時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/07(Sat) 18時半頃
――……
[ともかく、落ち着いたみたいなので、そのまま黙っておいた。]
申し訳ございません。ただいま本郷と言う
花主が俺の部屋を訪ねてきまして……
終わり次第舞いますね。大広間でよろしいでしょうか?
[心から嬉しそうにそう告げて
ああ、本郷には勿論断らなければと、
ただ、あれはこの件終わってからかとか
取りとめもなく考えつつ零す
通信と思っていない青年は
通信を切る音にも気付けなかった]
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邪魔する。
[新しい白い着物と包帯姿。 小さく息を吐き出して]
……事の次第を、聞きたい。 お前が一番詳しいのだろう?
[相手の反応を待つことなく、男は切りだす。 そのついでに、とばかり尋ねる]
まるで、白い着物だと死に装束のようだな。
[縁起でもない言葉を、男は平気で口にした]
(214) 2010/08/07(Sat) 19時頃
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−イアン私室− [己の部屋へ来て驚いていた理由は、部屋に入ると何となくわかった。 とても、とは言わないが主の部屋に比べれば質素に見える。 椅子をすすめられたので座ったが、彼が据わる椅子がない]
…ああ、一応。 ロビンと乾、それから…鵠。
[余りいい選ばれ方ではなかったと聞く。 あれほどまでには花として巣立つことを 切望していた鳥を思い出せば溜息しか出なかった]
着替え中?何だ、出かける前だったのか。 邪魔をして悪かったな。なるべく手間は掛けないようにする。
(218) 2010/08/07(Sat) 19時頃
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[花の礼儀を気にする男ではない。 そんな事よりも自分のまずすべきことは事の顛末を知ることである]
獣……?初めて聞く。 …では、随分と孤独な獣であったのだな。
[重い溜息は静かに落ちる。 先日己の部屋で呟いていた一言をぼんやりと思い出した。 今、彼は幸せなのだろうか。 望みを描いていたあの咲いたばかりの人食い花は]
舞の所望?こんな時に呑気な奴がいるものだな。 …幾ら私でも、流石にそんな流暢な事を言っている場合では ないということぐらい言えるというのに。
(221) 2010/08/07(Sat) 19時半頃
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ああ、伝わってきていないな。 もしかしたら私が情報を聞きもらしただけかも知れん。 …それも、聞いたような、聞いていないような…。
……まるで、私一人情報が与えられず 意図的に縊り殺されるへの展望しか見えない状況だな。
[ぱちん。小さく音が一つ鳴る。 憂鬱だ、というような顔を男はしたのだが、 イアンの言葉に瞳を丸くする]
…主?どういうことだ。お前…。
[がたん、と椅子の響く音がした。 思わず、間近へと足を向けてその胸倉をつかむ]
どういうことだ。お前の主は、狼に殺されたのではなかったのか。 …お前、一体誰を主だと錯覚している!
[あれほどに己との契約を拒む彼が、そう簡単に他の主を選んだとは思えなかった]
(225) 2010/08/07(Sat) 19時半頃
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いや、構わん。 私も幾らか注意力が散漫しているのかもしれない。 刷衛がお前と同じセンターの人間だと知ったのもつい先達てだ。
[息を吐き出し首を横に振るが、襟首を掴んだ手は話さない]
じゃあ、何故だ。何故今死んだ人間の声が聞こえる。 それは本当にお前の主なのか。 …お前の知っている主は、困っている者や混乱の状況を放り出して 己の為に舞をと願うような、そんな人間なのか!
私はお前の主がどんな人間かは知らん。 だがな、少なくともお前が敵を獲るために死んでもいいと 願うほどには優れた人物なのだろう? …そんなに主の声が聞きたいのなら、聞かせてやる。
何もできないまま幻想と共に死んで、主に詫びの一つでも入れて来い!
[胸倉を掴んでいた手を先日己が絡めた首筋へと感情に任せるまま伸ばした]
(230) 2010/08/07(Sat) 20時頃
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だから、それが偽りだと何故気付かない! お前…ッ
[そこで気がついた。 白い包帯に、何かが滲んでいる。 其の耳は、と尋ねる前に、油断が己の手元を緩め、 体はテーブルへと突き飛ばされる。 鈍い音と、体に走る重い衝撃に息が詰まった]
……ッ…お、前……その、包帯…
[鳩尾に沈む痛みに深く息を吸い込めないまま、問う]
(235) 2010/08/07(Sat) 20時半頃
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[は、と大きく息を吸い込んだ。 ぶつけ方が悪かったのだと解る鳩尾の絞られるような苦しさを堪えながら 鉄色は白布の下から覗く赤を見る。 白い包帯に滲んだ血の色。耳の下、掻き毟ったような傷]
…其の傷は、何なんだ。 左耳の、その、傷は。
[暴れている間にうつったのだろう。 白い着物にも包帯にも、僅かではあるけれど己の視界には映って見える]
(237) 2010/08/07(Sat) 20時半頃
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解らない…? 傷を見せてみろ。ああ、今は、手出ししない。 隠し持っているものも、扇だけだ。
[懐に仕舞っていた扇をテーブルに置くと 両手を軽く上げて何も持っていないことを示してから近づく。 近づけば近づくほど、その傷は痛ましく見えた]
…引っ掻き傷か。自分でやったのか。 蚯蚓腫れになっているものは、まだ幾らかましだな。
[途中まで歩み寄ってから、男は一つ息を付く]
私に、殺せと言ったお前が 死をそんなに恐れる姿というのは
[溜息をつく]
…何故だろうな。何処か、寂しく思う。
(242) 2010/08/07(Sat) 20時半頃
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[黒い上着をもテーブルの上に置くと太刀を恐れることなく近づき、 腰かけたイアンにゆっくりと近づくと傷の見聞をする。 明らかに引っ掻き傷、蚯蚓腫れ。呆れたように溜息が出た]
…これだけ派手にやっておいて記憶にないとは、まったく。
[血の匂いに、眩暈がする。 昨日は喰らうことを選ばなかったので、酷く餓えていた。 緩く頭を横にふって堪えると薬箱のようなものはないのかと尋ねる]
それが、お前の答えか。
[傷口を見ていた指先をそっと自分のほうへと引き寄せる]
そう、か。 其れがお前の答えなら、……私は、花主を廃業することにする。
…迷惑をかけたな。すまなかった。
[そう告げて、男は花から一歩距離を置いた]
(248) 2010/08/07(Sat) 21時頃
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まったく…都合が悪い事は忘れるなんて子供じみたことを。
[荷物の中、と聞けば断りを入れてから荷物を探る。 水でぬらした手拭いで軽く傷口を吹き、薬を塗り付け 其処に綿紗を当てて包帯で止めてテープで止める。 男が離れたのは、その一通りの作業を終えてからだった]
獅蓮を失って、五年経って。漸く欲しいと思えた。
でもそれがお前の答えなら私は───僕は、これ以上お前を望まない。 きっとこの先、今以上花として迎えたいと思う者もいないだろう。 だから。花主を辞める。
…だから、さよならだ。
[首を傾げるイアンの頭を一つ撫ぜて テーブルに置いたものを手にし、袖に腕を通せば今まで通り。 そして靴は扉へ向かおうと踵を返した]
(254) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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…花(お前)がそうだと思うなら、それでいい。
[手を引きもどし、ただそう伝えた。 舞をと、引きとめる言葉に一度足が止まる。 けれど、背を向けたまま男は伝えた]
いや、折角だが止めておく。 変な未練を覚えてしまえば、この部屋から出られなくなるし それに、花が主のものであるのなら、その舞は主の為だけに捧げるがよかろう
私が次にお前に会うときは───きっとお前が、真理を得た時だけだ。
[では、と告げて足音は遠ざかり、扉を開いた。 扇の音は一度も鳴らない。
ただ、扉が閉まる音だけがきっと、そこにあった]
(259) 2010/08/07(Sat) 22時頃
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−A棟廊下→B棟・朧の部屋前−
……。
[扉の閉まる音が背中にある。 しばしその場所に立ちつくすと緩く頭を横に振ってから歩きだす。 今はあの美しい色切子の廊下を通る気分にはなれなかったので 本邸の中を軽く迂回してから己たちの居住のある棟へと向かう。 侍従に位置を聞いてから、その扉を軽く叩いた]
居るか。
[それは問いかけというには簡素で、名も名乗らない短い声]
(264) 2010/08/07(Sat) 22時頃
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