3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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ああ、あの子
サイモンくんに 希望の色を教えて
そして 絶望させた あの子
『い た い?』
[問われて これは いたいの か わからない。
未練 も 後悔 も あったけれど。
わからない。]
『そうなのかな。』
『わからないや、ただ。』
『送りたい子 居なくなっちゃった。』
[もう 最後の 望みも ―― 。]
――そう、それは さみしい ね……
[ 背後の影より白い腕が ]
[ 闇色の少年の肩をそっと抱いて ]
(いない)
(いない) (もう、いない)
――…、 いない?
[届く声に、ぽつりと呟く。
ジェレミーは、ピッパと一緒に行ってしまったという。
分かる。
分かってしまう。
賑やかな声がいない。
気難しげな声がいない。
――が、 いない。]
…、―― ……何処へ。
[少しだけ遠い声で*呟く*]
『…… ん。』
あり がと。
[それは 小さな もう微かに残った 自身の*声*]
[ 囁きは あえかに ] [ 腕と共に とけ消えた]
バーナバスさん。
このビー玉、あなたが持っていてください。
もし誰かにビー玉を見せろ、といわれたら。
代わりにこれを――…
[手をとって、握らせる。
その毛深さには少し驚いたかもしれない。]
――忘れないで、下さいね。
大事なこと、ですから。
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―屋上―
[もう、涙も出てこなかった。 もしかしたら流れているかもしれないが、 その感覚が分からない。]
…………寒い。
[蹲って肩を抱くその両の腕の温度は同じ。 腕だけでなく、全身が冷え切って。 気を抜けばこのまま此処で動けなくなってしまいそう]
(47) 2010/03/05(Fri) 08時半頃
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[届いたメールはが伝えるのは、 居なくなった人に聞いた言葉を補強するもので。 まだ起き上がることは出来ず、地に伏して返事を返す。]
「to:キャロライナ title:了解と連絡
アトラナート先生と、ドナルドが大丈夫なんだね。 分かった、教えてくれてありがとう。 直接本人に尋ねても答えてくれるかな。
それから色々話すのが遅くなっちゃったけど、 ラルフは、もう居ないんだ。」
[神経が途切れてしまったかと思うほど指は言う事を聞かず、 送信のボタンを押し込むのもかなりの力を要した]
(48) 2010/03/05(Fri) 08時半頃
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―屋上―
急が、ないと、もう時間が……
[力の入らない腕で床を押して、 膝を起こしてゆっくりと伸ばす。 何度か滑って打ち付けられ、やっと立ち上がると]
……用務員室に、え? これ、チャイム、だよね。
[懐かしい音が聞こえてきた。 仰いだ空は明るい色で]
終わった、の?
[日差しも暖かなはずなのにどうしてまだ寒いのだろう。]
(50) 2010/03/05(Fri) 09時頃
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―屋上→3−A前―
[階段を下り、 廊下や教室で目にするのは嫌悪感を催す異形ではなく]
『先輩、おはようございます』
[笑顔で挨拶をしてくる一年生だったり]
『おはようー、 夜更かしでもしたの?なんか顔色悪いよ』
[保健室を進めてくる見知らぬ同学年]
あ、んっと、まあちょっと風邪気味、で。
[当たり前のように話しかけられて反射的にそう返すが、 自分とは制服も違う相手に覚えはなく。]
(52) 2010/03/05(Fri) 09時頃
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うう
[しばらくぼんやりしていた。
急に頭がやっぱり鉛のようになってた。
手にもらったビー玉はポケットにいれる。
元あったのとかちん、とそれはぶつかった。**]
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―3−A前―
……あれ、なんか教室が
[A組、B組、その次は……]
ねえ、なんでC組の教室がなくなってるの?
[立ち並ぶ部屋に少しの違和感]
『C組ぃ?何何、校舎改築でもすんの? ……え、B組の隣? よーく見てよ、あれの何所にCなんて書いてあるの。』
[実習室と書かれた札は、昨日今日つけられた様子も見えず]
『春だからって寝ぼけすぎ、 そんなんじゃ卒業式寝坊しても知らないよ』
[ころころと笑う誰かに、帰って来てなどいないと思い知る**]
(55) 2010/03/05(Fri) 09時頃
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ケイトが
いる。
いきてる。
[それは、適切な表現ではないかもしれないが]
ケイトが?
って生きてる?
[うまく飲み込めない。]
……――此処は… 多分、
ケイトが 居た「過去」 だ
[受け入れられる、受け入れようとするのは。
侵食されて、在った筈の常識が蝕まれているせいか。]
…外、でたら 分かる。
制服が…違う。
過去 だと?
[窓から外の風景を見る。制服が
違う。]
『あれ、空。』
『ああ、 そうなの。』
[過去。納得する。
戻れたわけじゃない、この身体が 闇 に変わって居るのは変わらない。]
『北棟 二階建てだったんだ。』
[図書室に居た筈なのに いつの間にか 外 の 畑。]
[体の変化は 浸食は そのまま]
――… 3-Cの教室も、ない。
…、二階建て…
…全然、違うな…
…俺、…ケイトとクラスメイト、みたいだ。
…「せんせ」見つかる、だろうか。
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