146 【突発恋愛RP村】 To you whom I love
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―― 回想・高校生の頃 ――
[自分は恵まれた家庭に育ったと思う。
両親は健在で兄弟もいる。
高校時代の反抗期も、まあ当たり前のこと。
だけれど両親が過保護な余り事態が少し困ったことになったのは、今では人には話さない昔の話。]
ひっぐ
[ぐい、と腕を引っ張られる。
痛い。痛いけど父親の力は強かった。]
ってってば!!やめてよ!!まじでうざい!!
[高校生の頃、ほんの一時期だけ、勉強がものすごく嫌になり、
高校の友人関係のトラブルも相俟って、
不登校になったことがある。]
[不登校は病気だというのは一理あるが
自分には当てはまらない。
もちろん場合によっては心の病気が原因しており
両親もネットでそんな情報を仕入れたからこそ
自分を心配したんだろうってことは、後から解った。]
やだ!!やだ!!
あたし病気なんかじゃない!!!
[朝に寝て夕方に起きて深夜にネットでアニメを見て、
そんな生活を繰り返していたある日、
昼間に親に起こされて、そのまま引きずられるように
精神的な病気を専門とした、病院に連れて行かれた。]
なんで!もうやだ!!
お父さんとお母さんなんか消えちゃえばいいのに!!
あたし頭おかしくない!!
[問診も受け付けず、医者の診断も拒否した。
それは病気だからじゃなくて、親に苛立っていたから。
ぷっつんとキレた頭は、もう真っ白になって
医者や看護師にまで当たり散らし、
結局そのまま、病棟に一夜だけ入院させられた。]
うっ……ぅわぁぁ……
[個室に放り込まれて、ひたすら泣きじゃくっていた。
何時間経ったかわからない。
病棟に出るのも嫌で、白いベッドに蹲って泣いていた。]
『橘高さん』
[看護師の声に、返事もしたくなかった。
泣きながら押し黙っていると、看護師は夕食の乗ったトレイを手に、部屋に入ってきて自分のベッドに歩み寄る。]
『ご飯、食べないと』
要らない。
[喉を通る気がしなかった。
それに病院食なんてくそまずい、という印象が強くて
ふるふると頭を横に振る。]
『そんなこと言わないで。騙されたと思って食べてみて』
……?
『うちの病院は、食事には力を入れてるの』
[看護師は優しく微笑んで、ベッドについたテーブルに食事を置くと、自分の頭を撫でてくれた。]
『お父さんとお母さんは、今頃心配で心配で堪らないの。
この病棟にいる患者さんのご家族は皆そう。
自分の子どもや親が病気だったら、怖くて堪らない。
でも、皆心配させまいと頑張って治療して、
元気になろうとしてる』
……あたしは病気なんかじゃない
『それなら、ご飯食べれるでしょう?』
……。
[誘導尋問みたいだ、なんて思いながらも
仕方なく箸を手にとった。]
『私は綺麗事は言いたくない。
本当は病気でこの病院に入りたくても、満床で入れなくて苦しい思いをしてる人が沢山いるのね。
あなたみたいな子には、早く笑顔になって欲しい』
[要するに出て行け、と言われているようで。
でも、この看護師は病気じゃないってわかっていた。
自分みたいなパターンを、いくつも見てきたんだろう]
……あれ
[煮物を口にして、驚いた。]
美味しい。
[病院食なのに、今まで食べたこともないくらい美味しくて。
なんでこんなに美味しいんだろう、と不思議に思いながら
黙々と食べた。
看護師はずっとそばにいてくれた。]
[翌日。
子どもの自分はその看護師にしか心を許せなかったけど
問診票も素直に書いたし、医者にも聞かれた事は全部答えた。
結果は、一時的な環境の変化によるもの。
病気とそうでない境界線は難しいから診断は下さない。
学校に行きたくなければ行かなくていい。
だけど三食ちゃんと食べて、できれば昼夜逆転を治すこと。
そうアドバイスされ、リズム障害の薬も貰った]
……ありがとうございました
[迎えに来た親の顔は見れなかった。
けれどあの看護師さんだけは直視できて、
彼女は最後まで優しく微笑んでいたから]
ありがとう。
[そう頭を下げて、それから二週間後、
久々に学校に行った自分に、待っていたのは
煮物の調理実習。]
『虹、なんで、そんな美味しく作れるの?』
[実習で作った料理を交換して食べた友人は、
感心した様子で、ぱくぱくと自分の作った煮物を食べてくれた]
美味しい煮物に出会ったからかなぁ。
[もうあの病院に行くことはないんだろうと思うと
少しだけ寂しい。
たった一晩しかいなかった自分を
あの看護師はそう長く覚えてもいないだろうと思うけど]
……あたしは、美味しい病院食を作る人になりたいなぁ。
[それが自分の将来の夢になり、
精神病やその心理を理解するために
大学で心理学もとった。]
…あの看護師さん
なんて名前だったのかなぁ。
[結局名札をしっかり見ないまま別れたから
名前を知らず、もう二度と会うこともないかもしれない。
けれど将来の夢、具体的に進路と言われれば
病院の食堂に行きたいと、
今なら迷わず答えることが、出来る*]
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―学生ホール―
[医務室でもらった風邪薬。購買でスポーツドリンク、飴を買って図書室に戻る途中。 学生ホールを通ったところで、朝から気になっていた淡い金髪の後ろ姿を見つけた。隅の方で、一人俯いて。
午後の講義も始まった頃か、人もまばらの中。背後から近づいて、その顔を覗きこんで。]
……歌南?
[寝てる、のだろうか。反応がないまま空いていた隣の席に座ってみる。]
(240) 2013/10/08(Tue) 23時頃
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こんなとこにいて。いつ来る気なんだろうな……。 喉にも体調にも、よくないんじゃないか。
[ちらりと見える目元は、少し赤い。図書館に居た加藤を思い出す。 泣いていた理由はわからないが。図書館に来なかったということは、たぶん気づかれたくないだろう。 でも、加藤の時のように見てみぬふりをするつもりはなかった。]
――…一人で泣かずに、頼ってくれないかなぁ。 嫌いになったりしないから。
[呟いた口調は優しく。眠るその頭を愛おしそうに撫でて。スポーツドリンクを少しずつ飲みながらしばらく隣で起きるのを待とうかと。]
(241) 2013/10/08(Tue) 23時頃
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ブローリンは、もらうついでに飲んだ薬のせいか、そのままうとうと。
2013/10/08(Tue) 23時頃
ブローリンは、トレイルに気づかずすやすや。
2013/10/08(Tue) 23時半頃
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―学生ホール―
ん……あれ。 寝てた…?
[目を開けて、視界に移る景色に目を擦りながら。そういえば学生ホールに来たんだったと思い出した。]
ふわぁ……ん。これは?
[肩が温かい。体を伸ばそうとして、ずり落ちそうになったそれを寸でのとこで掴んだ。膝かけのようだ。 視界の端、膝の上にはメモがあった。>>261]
加藤の…? でもこの字も内容も、鳥入先生の…。 うわぁ、見られたのかな。
[そっと掛けてくれたのだろう。厚意をありがたく思いながらも少し恥ずかしい。思い切り眠ってしまっていた。 頭をかきながら、加藤の膝かけを自分の肩から外して、まだ寝ている隣の彼女の方へと掛け直す。窓の外を見れば、そろそろ夕方だろうか。]
(267) 2013/10/09(Wed) 00時頃
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午後、サボっちゃったなぁ。 はは……学生の頃に戻った気分だ。
[思い出す様に少し笑って、体を伸ばす。そろそろ腹も減ってきたなとかぼやきつつ。 まさかこの後、理事長の騒動に巻き込まれるとは思いもせず――。]
(269) 2013/10/09(Wed) 00時頃
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