204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[部屋の壁に設えてあった棚に、毛布を見つけた。 まだまだニコラを抱いていたかったけれど。 降ろし、手に取った毛布をトレイルとニコラに放って投げた。]
……ニコラ。 あの男が何処にいるのか……という話だけど、ね。
[色のついた湯をマグカップによそい、2人に同時に差し出しながら。 一度は飲み込んだ言葉を。]
(71) 2014/11/19(Wed) 17時頃
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ノックスは、トレイルの仕草に炊事場の鍋の蓋を開け回った。ポトフ発見!
2014/11/19(Wed) 17時頃
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[たった1日手離していただけで、擽ったさに身を捻る様がとても愛らしい。首筋に歯を立ててしまいたくなる衝動が過ぎるのを待つ。>>72
見つけたポトフ入の鍋をペチカの上に移した。 ぶつぎりの卯肉は――…あぁ、まだ平気だ。 湯と共に肉を加え。温まるのを待つ間に、3階に行ってしまおう。]
……
[毛布にくるまる二人の様子を眺めやってから。]
シメオンと同じところでは、ないかな。
[言葉少なく彼の死を告げ。 すぐに戻ると声をかけて3階に向かう。]
(77) 2014/11/19(Wed) 17時半頃
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―ミモザ/3階―
[売り物の中で一番小さな宝石箱を選び、ニコラの着替えで包む。 他に用意するものを思い付いたら、また戻ってくればよい。
傷薬は要らなかった。 ニコラの体に牙のあとは見付からなかった。 あぁ、けれど。トレイルには。 爪でつけるには不自然な――…。 まるで始めからあったような。]
………あ、の、ガキ。
[髪を掴んで、乱し。けれど。 気を失った様を思い出せば、少しは――…。少しは。]
(80) 2014/11/19(Wed) 18時頃
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……バーニィ?
[叩いた部屋の、扉の向こう。 そこに誰が寝ているのか、或いは無人なのか。分からぬままに。
相談をしたかった。 ノックスの知らないことを、彼なら知っていると思った。
『食べたい』のではなく『食べられたい』と思うことは――…良くあることなのか、と。]
(86) 2014/11/19(Wed) 18時半頃
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……いや、出直すよ。
[ニコラの着替えが先だ。 中からの返事に扉を開けぬまま、離れた。
廊下と階段に残る足跡。 少年達に見せるには、きっと衝撃が強い。
拭くために持ってきたタオルでごしと拭っていく。 その分、戻りが遅くなる。>>85]
(87) 2014/11/19(Wed) 18時半頃
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――こんなに、だれかと、関わること、なかったし。
気になるとおもったひとからは、すぐに離れてた……
なのに――――
[ふ、と色素の薄い姿を思い返す。
ビスケット色を、あの、霜の青さを]
…………俺だって……嫌だよ……
ラルフの声が聞こえないのは
……ラルフに もう 会えないのは…………
けど 俺は どうしようもなく 獣で
衝動にも勝てない 人と生きていけない
ラルフは 衝動にも勝てて
人と生きる生業 大切にしてくれる保護者がいて
ーーーーねえ…… 聞き分けて……
[零れる我儘は 嬉しい けれど かなしい
どうしようもなく 別たれた 同じ獣だけれど
別の 獣なのだと]
…………大丈夫 ラルフなら
きっと 俺のこと
すぐに忘れることができるよ
[と 言って 笑った ]
[ 泣いた ]
………………ーーー
[ラルフが誰かを 思う
あの人は 嫌いだけど そう
そんな風に 誰かを思えるなら すぐ 忘れられる]
[言葉は 実感をともなって]
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―ローアンバー/3階廊下―
[拭き仕事の最中、背中に乗り込もうとする愛し子の重みがあったのは、昔のこと。
フランシスの呼び掛けに、顔をあげた。>>103 扉からラルフの顔を見えて。>>105 困ったように笑って見せた。]
ニコラがね、歩いて汚してしまったから。 単にそれだけだよ。
[ニコラは生きている。つまり。 俯き、また拭き掃除に向かう。]
(108) 2014/11/19(Wed) 20時半頃
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いやだ……
フィリップに、もう会えないとか……そんなのやだ……
[並べられる違いに、それでも。
フィリップだって、なんとかなるんじゃないかとか。
ゆめをみている]
獣なのはフィリップだけじゃない、し……
[嬉しいと悲しい。
初めて声がつながる相手だから、ただ、離れたくないと]
無理だよ。
フィリップを忘れるなんて、できないよ……
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[怪我をさせてしまった側だけれど。 そうとは言わず。
階段にかかる足。顔を上げても視線は低くなる。]
あぁ、心配ないよ。いたって無事だからね。 君も怪我はないかい?
[包帯巻いた手を上げた。>>110]
(112) 2014/11/19(Wed) 20時半頃
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ーーー初めて 同じ 獣に会えて嬉しかったから
きっと 君はそう思うんだ
…………ラルフ
君には……衝動を覚える相手がいる
俺みたいに 誰にでも
覚えるわけではない それを
今は まだ 衝動を 抑えられなくても
いつか 衝動を抑える術を 覚える
ーーーその時 いまの人ではなくても
衝動を覚えるほどの人と
一緒になることが君はできる
ーーー確かに こうやって
思いをそのまま分かち合えない
その分は その人と話して
言葉でわかちあえばいい
[言語化して 思うだけで悲しい
けれど 子供に言い聞かせるように
ゆっくりと 思考する そうすれば届くから]
…………だから ーーー
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……充分気を付けるんだよ。ラルフ。 彼にだろう?
でないと、フランシスが一番悲しむ。
[誰に負わされた傷か、見当ならつく。 掃除の続きをかってでてくれるフランシスに視線を向け、後は頼むと告げた。]
………
[誰にも――そぅ、誰にも譲りたくない。渡したくない。あげたくなんて――…ないのに。
淡雪の幸福を、選べない。
足は2階の床に着く。 これぐらいで良いだろう。
早く、タオルを棄てて。 手を洗って。二人を抱き締めたい。]
(120) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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[悲しい。
ゆっくりと、伝えられる言葉が。
突き放されているようにも感じて、かなしい]
そんなこと、ない……
[初めて伝わって嬉しかったけれど。
それだけじゃない、と、ぽつり]
――だから、フィリップを忘れろって。
そんなの、ないよ……
そりゃ……衝動を、おぼえるひとは、べつにいるけど。
大事だと、大切だと、思うのは……
また、別じゃないか……
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―ローアンバー/2階居間―
[そういえば。顔を合わせないと言ったのに、ラルフと会ってしまった。もう収まったのだろうかとゆるり考え。]
待たせてしまったかい? ……ただいま。
[毛布の繭2つ。炊事場の水でタオルを濯ぎ、棄てる。 念入りに手を洗い流してから、毛布ごと二人を抱き締めた。]
………
[目を閉じる。愛しい香り。 鍋の音に邪魔される。]
(123) 2014/11/19(Wed) 21時頃
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……大事な人 にしてくれるのは嬉しい
けど 君には 他にもたくさんの
フランシス ドナルド……衝動を 覚える人……
大切な人……が いる
ーーーーー俺は 人を食う獣だ
いつ何時 その人たちを喰らうかわからない
他の人と一緒にいることは出来ないーーー
3人の大事な人と 1人の大事な人
2人分 人間のそばの方が多いい
ーーなら 俺を忘れるのが……一番だよ…………
……そう、だよ。
[ノックスにとって、男は目障りで邪魔な存在でしかない。フランシスのように、悼めない。
さぞ幸せだろう。
望みの通り、ニコラに喰われて死んだのだから。
大切に育ててきた、ニコラに。]
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ん? ぎゃああぁっ!
[みっともない悲鳴が出た。>>129]
ニコラ、これ!
[卵形の宝石箱と、着替えを押し付けてから立ち上がる。 鍋から煙。焦げているかもと蓋に手を伸ばし。]
熱っ!
[ノックスの手から離れた蓋が、床の上に落ちた。]
(133) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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――っ、……
やだ、よ……
[諭される。
ただのわがままだとわかっている。
悲しさがにじむ]
俺だって、いつ、食らってしまうか、なんて
わかんない、のに……
やだ……
[たべてしまったら、一人になる。
それがいやでがまんしてきて。
フィリップを見つけて。
再会してしまったことで衝動を覚えて。
いまは、もう――]
ーー……ラルフの欲張りさん
[ラルフの哀しみに 彼もまた悲しくなる]
[ただーーーー衝動の激しさ
耐え難いはーーーーーよくわかる
人を喰らう 美味と 苦しさ]
ーーーーもし ラルフがーー
耐えられず 食べてしまったらーー
一緒に 人の世界の 外に行こう
[聞き分けのない 優しい 君に
考えた末の 譲歩点]
でも大丈夫 ラルフは耐えられる
フランシスもドナルドも いるから
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[熱い熱いと手を振っていたが、視界の端で転がっていく鍋の蓋。
その先は――…>>134>>139]
っ!
[手を伸ばすよりも脚を伸ばす方が早いからと、滑りこむ。 ――が、蓋はニコラに掴まれて止まる。]
(145) 2014/11/19(Wed) 21時半頃
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