162 絶望と後悔と懺悔と
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――これ、なんだと思う?
[自身の唇を指で少しだけ持ち上げる、 舌で触れば確実に違いのわかる感触は伸びた犬歯。 普段は大声など出さないから気づかれる事もなかった]
お前の血を飲みすぎたようでな、 もうここまで来てしまった。
[戦場で無茶をするたびに摂取していた聖銀水、 じわじわと蝕む始祖の血は体中を巡り 人間であることをやめさせるには十分で]
(105) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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あぁ、すみません、今―――…
はい? 何でしょ、う。
[名を呼ぶ聲の、方を見遣り、応える。]
何を、おっしゃいます…
まだまだ、面白いものは幾らでも。
あなたの退屈を潰すものは、幾らでも。
……あります、から。
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楽しくはないぞ、むしろ奪われてばかりだ。 選択肢も未来も望みもなにもかも。
[>>109逆に問われても緩く否定の首を振る。 語ってもわからないだろうけれど]
あとひと押しというところだ。 こうなったらもう、戻れないらしいしな。
[聖銀水を摂取しすぎて堕ちた隊員を何名か殺した事があるし、 いずれは自分も堕ちるだろうという予感はあった。 少女に見える吸血鬼の首を絞める様子に しかし知っている顔だとしても、 先の零留のこともあって制止はしない。 意識は人間のものと変わりがないのだとしても、 共存なんて夢は見れないのだから]
お前を喰ったら、世界が変わるんだろうか?
(113) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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人間をやめたらコレが愉しいのか。
[誘われるようにふらり、足を進める。 しかし]
無論、人として戻るつもりだったさ。 始祖に心配されるとは驚きだな。
[>>114ああ、こいつは本当に人を誘うのが巧い。 今すぐ飛びついて甘受してしまいたくなる、 もう少し幼かったら、そうしてしまっていたかもしれない]
そうして第二のお前のようになると? 御免だね。
――だから断ち切るつもりだ。 輪廻の輪にも入らないようにな。
[三日月の付け根まで斧を深く握り直す]
(117) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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[孤児院に来たばかりの頃は違和感しかなかった。
『Trail』の懐剣を握り締め、
濡れた窓の外を見上げる。
こんな空を、知らない。
こんな色を、知らない。
こんな涙を、知らない。
こんな雨を、知らない。]
[こんな花を、知らない。
にこにこと、訳もなく笑顔であろうとする、
こんな自分を、知らない。]
[目を瞑ればすぐそこに、桜花が散っていた。
懐かしいあの日の様に。
あの夜のように。]
………おかあ、さま?
[あの方は、覚えて居なかった。
ほんの一時の邂逅。]
[新しい母と似た気配。
けれど、もっと強く眩い気配。
緩やかな金糸が夜風に揺れて。]
……ほぅ
[吐息混じりの幼い一声が耳に届いたのか。
鬱金敷いた紅が常磐を見て。微笑みを向ける。]
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私は私のままだ、何にもならんよ。 お前だってそうだろう。
[>>118ヒトと吸血鬼のまま、平行線をただ続ける]
なんだ、死すらもただの余興か? それでは何故吸血鬼という存在があるのだ。
[ただ消費されていっただけの命がどれだけになるか、 考えたくもない量の死体が今日も転がっている。 こんなことで人の数が戻るのかと疑問視したこともあった]
(120) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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[爪の伸びた指先は、まるで手招くように。]
『エメリッヒ殿? 如何されました?』
[衣擦れの音と、あの方を呼ぶ母の声がなければ。
常磐は直ぐ様駆け寄っていただろう。
踏み出した一歩はその場に留まったまま。]
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地に落ちればあっけないものなんだな。 ああでも少し話せて良かったか。
[>>112始祖を呼ぶ声が聞こえる、 そんな名前だったのかと今更知ることになった、が。
もう少し聖銀水の効果を実験したかったが時間も無さそうだ、 少なくとも始祖のことはまだ殺したいままだったし、 操られるような効果も無いようだ。 今後堕ちる前に留まる人材があれば良い戦力になるだろう]
これも楽しかったと、言うことになってしまうのか。
[始祖の心臓を一突きにせんと三日月斧を突き出した]
(121) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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[風で散る桜吹雪。
何度瞬いても、鬱金重なるのは瞼の裏でだけ。
冀い、鳥籠の屋敷を出ても。
冀い、現実を忘れても。
冀い、夢幻の記憶を擦り替えても。]
[『零』を『永久』に変えるのは、
*唯、一色だけ*]
零瑠…お前も、自由に飛んで行け。
[主の死か、その身の死以外自由にならぬ運命を持った者に。
仕える必要は無いと告げて崩れ落ちる]
周…お前の執念もしっかり見せて貰った。
[ほんの隙を作ったのは確かに周の遺した一撃だった。
見事だと喜ばぬ褒め言葉を掛けて]
私は永遠に、人間の敵だ。
[それだけは譲らぬと、睨みつけた淀んだ紅は数瞬後に閉じた**]
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知らぬだと? では何故……人を殺すのだ。
[>>122初めに間違えなければ共存の道もあったかもしれないと 思ってしまうのはまだどこか甘さが残っているからか]
滅びなどしないさ、人間は。
[どんなことになっても生きることには それこそ劣悪な環境ですら執着すれば生は繋がる]
楽しいわけがあるか。 やはり意見は合いそうにないな。
[例えば訓練して技が身につく、上官を倒せる。 強さを実感する、実践で功績を挙げる。 そういった達成感とは別物のこれは なんと名づけたら良かったのか]
(125) 2014/02/22(Sat) 04時半頃
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……最悪だよ。
[>>124笑みを浮かべる姿から三日月斧を引き抜く。 真っ赤な体液に塗れた月はあの笑みに似ていて だからだろうか。
一筋を指先で拭って舐める、 聖銀水とは比べ物にならない濃度が体内に侵食してゆき 完全に人の理からは外れた、ようだ**]
(126) 2014/02/22(Sat) 04時半頃
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