65 In Vitro Veritas
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ベネットは、見事に非常用転移装置の説明が被っていたので苦笑する。
2011/09/29(Thu) 01時頃
[心の中に、何か悲しい気持ちが積み重なっていく。
ニックとは、違う、きっとさみしさの……。
ニックがみんなを愛してくれる優しい人物とすれば、
コーダは、それとは違う、利己的な人間だ。
そう、最後に深く、たぶん「愛して」しまった27番を、
今、思い出してしまって、
その部分だけが狂ってきている。]
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……ううん、大丈夫。 僕は牧野センセイを探してくる。
[セシルの気遣いに、首を横に振った。 転移装置のことはセシルが知っている。 なら自分がすべきことは、牧野を探して検死ができるかを尋ねることだ。
それから警察を待って、……いや、来るんだろうか? その前に脱出して、……何処から?
考えても仕方ない。考える前に動こう。
そうして歩き出そうと振り向いた時。 ――こちらを見ているネク>>161と、目があった気がした]
(162) 2011/09/29(Thu) 01時半頃
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[目をそらそうと思った。 思ったはずなのに、すぐには動けなくて]
……僕を、
[呼ぶな。 そう言って強く睨みつけたかったが、やはり直視したくなかったのが半分、今までの出来事で疲れていたのが半分。
結局は普通に視線を外し、彼女に背を向けて歩き出す]
(170) 2011/09/29(Thu) 01時半頃
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[仮に、彼女が青年を追ってきたとしても。 ただ追ってくるだけなら拒絶しなかっただろう。 拒絶するだけの元気もなかったというのが正しいかもしれない]
……僕が、しっかりしなきゃ。
[知り合いが殺された二人。 もうすぐ移植を控えている野球選手。
クローンの映像で具合を悪くした医者。 上階へ戻っていった踊り子。 自分より歳若い娘。
無垢で無知なクローン達]
[自分は彼らより動けるはずだ。 驕りではなく、動ける人間が動かなければという義務感で前に進む]
(175) 2011/09/29(Thu) 02時頃
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[赤毛に寄っていく、自分、のように思えた。
それは、たぶん、自分
だ。
それならば、その人は、その人ではなくて、
その人は、自分……のオリジナル、なの だ。]
――……
[でも、そう、思っているのに、
まだ、諦めきれない、想い。]
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…………。
[歩きながらの問いかけ。 答えるべきか少しだけ悩んでから、振り向かないまま口を開いた]
……きっと、君には理解できないだろうけど。 僕は身体は女だけど、心は男なんだ。
いや、いつか身体も男のものにする。
僕は、男なんだ。
[クローンにジェンダーの意識はどれだけあるのだろう。 わからないから細かい説明はしない]
だから僕は僕と名乗る。それだけ。
[並んだ扉、薬品庫から1つずつ開けて中を覗いていく。中にあるモノには特に興味がない。転移装置、出口、牧野あるいは岩瀬。その4つを探して見つからなければ次の部屋へ]
(182) 2011/09/29(Thu) 02時頃
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[それでもネクはついてきただろうか。 いつの間にかいなくなっていても、振り返ることはない。 更に問いかけが続いたなら、それにも、答えられる範囲で答えて。
扉を開けて、探して、なければ次の部屋。 それを繰り返していれば、牧野たちのいる部屋にたどり着いただろう>>178]
ああ、牧野センセイ見つけた。 実は――さっき、雪織ヨーランダが。
[一瞬、躊躇って]
……殺されたんだ。
[非常用転移装置のこと、他に出口が見当たらなさそうなこと、問われれば、自分が持っている情報は全部伝えただろう**]
(185) 2011/09/29(Thu) 02時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/09/29(Thu) 02時頃
[ふと、芽生えたそれは、
一つの指針を…………。
そう、それは、ニックと同じような想い。
あの映像のように、ニックや赤毛や壊される。
そう、殺されるなんて…。]
守るよ……。
[小さく、呟いた言葉は、赤毛には聞こえなかっただろうけど]
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―地下2階・ドナー待機室―
[後ろをついてくるネクが何を考えているのかなど知らぬまま、開けたいくつめかの部屋の中に居た牧野とドナルドに状況を説明する]
誰が、は、わからない。 多分、16……黒田フランシスカのクローンが第一発見者で、その後人がどんどん集まってきたけど、ぱっと見、黒田フランシスカが殺したという雰囲気ではなかった。
なんで、……は。あれだけ悪態吐いてたら……。 オリジナルとかクローンとか関係なく、カッとなって殺した、とか普通にありそうでなんとも言えない。
[ドナルドの疑問>>208に答える]
(223) 2011/09/29(Thu) 08時頃
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――うん。 牧野センセイ、僕は医者の君に検死をしてもらって意見を求めたいけど、無理にとは言わない。
[そこまで言ってから牧野を見る。 行きましょうと言ってくれたことにほっとして。 紙とペンを請われれば、持っていた本の遊び紙を破って手渡した。 この状況で電子メモでなく態々紙を要求するのだから何か重要なものなのだろうと。そこに躊躇いはなかった。]
(224) 2011/09/29(Thu) 08時頃
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それができないみたいで。 説明を読む限り、この階と上の階に居る人間を一発で飛ばす装置みたいなんだ。だから――……
別の出口を見つけるなりして人数を減らさないと使えないみたい。
[口を噤んだドナルドも気づいたのだろう。 そしてそれを言わず、別の方法を提示してくれた>>211彼に内心で感謝した]
食料……。
[そういえばお腹が空いたなと、自分の腹部をなでる。 それも探しておくよと頷いて。
ああ、でも。食堂らしき部屋は無かったような気がする。医師や看護師の私物――菓子類は、10年以上前のものだ、あっても腐っているだろう。 期待できるのは長期保存がきく非常食だが……それもどれだけあるか]
(225) 2011/09/29(Thu) 08時頃
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ああ、僕は牧野センセイについてるよ。
それから僕は散花ベネディクト。 名乗ってなかったね。
[ドナルド>>212に頷き、彼が出ていくのを見送る。それから牧野に向き直り、こっち、と*雪織ヨーランダの遺体がある生ごみ処理機の前まで案内するだろう*]
(226) 2011/09/29(Thu) 08時頃
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→地下2階・生ごみ処理機付近―
[雪織ヨーランダの遺体傍にはまだ誰かいただろうか。 オリジナルがいたなら、牧野が医者であることを説明して場を開けてもらい。 クローンにはどう説明すべきか少し悩んだあと、動かなくなったヒトの片付けができる人だよとおおげさな説明をしてやはり場を開けてもらっただろう。 その後は牧野に任せることにして、青年は近くの壁に寄りかかって溜息を吐く]
――…、
[……まだ、ネクはそこにいただろうか。 いたのならば、問う。やはり視線は彼女を見ないまま。 "クローンは普段、何を食べているのか"。 "クローンは元の場所への帰り方を知っているのか" この2点。どちらもこれから此処で過ごす時間を考えれば、訊ねておきたいことだった**]
(227) 2011/09/29(Thu) 08時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/09/29(Thu) 08時半頃
[いわゆる、レンラクがとれない、
そして、鉄壁は壊せない。
だけど、人は、
簡単に壊せる。]
コーダ。
僕は、皆を守るよ。
僕らは、クローンじゃない。
僕らは、僕らだ。
だから、壊されたりなんか、しない。
壊そうとするなら……こっちが先に、壊してやるんだ。
[囁かれる声はしかし凛として、決意の強さを示していた]
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―地下2階・生ごみ処理機付近―
そう、食事は普通に食べるんだ……。
[ネクの返答>>241を聞いて、そう呟きを落とす。 クローンにはクローン専用の食料があって、それを一口食べれば暫くは平気、とか。 或いは栄養は培養液の中で摂っているので食事はいらない、とか。 そういう近未来は期待できないらしい。
つまり、食料はクローンの分も必要だということだ。
先程セシルのクローンが"固まった小さなパンのような粒"の在り処を教えてくれたが、果たして十分な量があるだろうか。セシルの提案の通り均等に分けることに異存は無いが、量が少なければそれもまた争いの種になりかねない]
時間になったら迎えが来るんだね。 ロボットは此処にはいないみたいだけど、きっと来るよ。
[むしろ来てくれないと困る。きっと、クローンが帰ったら定員もクリアして、あの装置も動くのだろう。そう信じたかった]
(256) 2011/09/29(Thu) 19時半頃
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…………。
[青年はネクの顔を見ない。 だけど、彼女がこっちをじっと見ているのは気配で感じられて。それが落ち着かない。だけど牧野に付き添うと言った手前、彼女の検死が終わるまでは此処から離れることもできず]
[何か、聞こうと思った。普段どんな生活をしているのかとか、家族はいるのかとか。……女として生きるのは、楽しいか、とか。 でも下手に知って情を移してはいけない気がして、口を開けない]
[代わりに携帯端末を取り出した。そこに専用のペンを使ってメモを記していく。 地下1階と地下2階の簡単な見取り図。今居る場所に、赤い×印。
"誰が"ヨーランダを殺したのか。それを、考え始めていた**]
(257) 2011/09/29(Thu) 19時半頃
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― 回想 ―
[その遺体の検死がはじまるとき、
リーネの声が届いたような気がした。
そして、ヨルの目の在処、
ニックを見やっただろう。]
[そして、ニックが密に囁いてくる言葉に、瞬いた。]
ニック……
[笑顔がよく似合うと思っていたその顔を見返しただろう。]
お前は、強い……。
[クローンではないと、そういえる、そして、生きるためのみんなが生きるための方法を提示する彼が眩しかった。]
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[べねでぃくとも?――その問いに頷きを返し、暫し状況判断に没頭する。 ネクが自分と同じように書き込みをしているのに気がついたのは、その少し後]
……。
[読み書きはできるのか。 なんというか――……中途半端だと思う。本当に奴隷として使うならば、知能は少なければ少ないほど良いはずなのに。 ……彼らの世界に反逆とか、クーデターとか、そういうものはないのだろうか。いや、それこそ教えられていないのかもしれない]
[その前か、後か。牧野による検死が始まるとそれに耳を傾け、彼女の言う内容をメモした。 刺し傷、動脈損傷、失血死、尖ったもの、はさみ。
そうメモをしていたから、16番が来たのに気づくのが少しだけ遅れた。 気がついたときには、牧野と話をしていて]
(292) 2011/09/29(Thu) 22時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/09/29(Thu) 22時頃
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[壊してた。牧野の言葉は移植に携わる医者の言葉だと判断し、自分は気に留めなかった。 16番が、ネクが、他のクローンがどう思うかということにまで思考が回らない。 思考を占めるのは、"誰が"、ヨーランダを殺したのかということだ]
……はさみ、か。
[例えばと示された凶器は、犯人の特定には至らない。 ネクに"クローンの世界にはさみはあるのか"と聞いてみようかと思ったが、此処が手術を行う病院であることを思い出してやめた。 南側にあった手術室の棚でも探れば、いくらでもその類のものは出てくるだろう]
(295) 2011/09/29(Thu) 22時頃
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[あの時、誰がそこを通ったのか。 これが探偵主人公の推理モノであれば、一人ひとりにアリバイを聞いて、なんてやるのだろうけど。
廊下をどのタイミングで誰が通ったか、なんて、そんなものいくらでも偽れる。 複数人で示し合わせればアリバイだって容易に作れるだろう。つまり、自分自身が直接接していない情報は全くアテにならないということだ]
[端末の画面をタップしてページを切り替える。 まだ名を知らない者もちらほらといたが、13人の名を書き記したページ。 青年自身と、ヨーランダの名前は記されていない。
その中からセシルの名前をペン先でタップする。 生きているヨーランダを一緒に目撃し、共に非常用転移装置を探した相手。 一応彼のほうが先にコントロールセンターを出たが、それから16番が手伝ってと声を上げるまでの間にヨーランダを殺し、凶器を隠し、返り血を拭うなんて不可能なように思えた。
"セシルはシロ"。 その意味を込めて、彼の名前を消した]
(301) 2011/09/29(Thu) 22時半頃
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ベネットは、漸く端末から視線を上げた。
2011/09/29(Thu) 22時半頃
[これはいつの言葉だったか]
ねえ。
コーダは……誰かを、守る?
《その為に、誰かを、壊す?》
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/09/29(Thu) 22時半頃
守るよ。
今一番、壊されそうなやつを。
あいつの目を……。
[赤毛の目のこと、思い出す。]
いまはな。
[それはまだ、牧野の話を聞く前の話]
[自分は、大きいヨルを壊した。
そしてヨルを取り戻した。
他の皆も、等しく大事で。
だから守る為に。
壊される前に。
壊すことは、厭わない]
[ただ、あの時壊すのに使った刃物は。
コーダが、どこかに仕舞ったから。
今度は、コーダがあれを使いたいのだろうかと。
そんなことを、考えて]
[この先、クローンと呼ばれる自分たちの中で、
一番最初に、あの映像のようになる者。
やっぱりそれは赤毛だろうと思う。
そして、移植できる人物もここにはいるらしい。
しかもそういう場所、であるらしい、ここは。]
赤毛のこと、守らなくちゃ…。
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