233 逢魔時の喫茶店
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俺の、望みは――、
[抱いて][抱き寄せて][抱きたい] [何処へも行かないで][傍にいて] [触れて][触れたい] [くちづけて]
[まるで捕らえられたかのように、彼から目がそらせない。 …いや、逃げる事を忘れたのは自分の方か。 君が何であれ、俺は何処にも行きやしない。
抱く望みは数え切れない程。だが、その中でも最も欲しいのは、]
[愛して] [愛したい] [愛したいのに]
[花言葉と同じよう、一部のヒトの酒にも意味を持つ物が居る。 ポートワインは『愛の告白』と、その甘い赤をたゆたせて。]
(51) 2015/08/12(Wed) 12時半頃
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[応えたいんだ] [愛したいんだ]
[ああ、胸が張り裂けんばかりに溢れるこの熱は、苦しみは、かつて忘れた物だった。 俺はこの名前を知っていた。 知っていたけれど、もう知らない。 生憎自分は忘れてしまったから、けれど、君は何でもできるんだろう。
代償は何でも、好きな物を。 君にだったら、心も身体も、魂さえも、全て捧げたって構いやしない。]
[――教えて]
(52) 2015/08/12(Wed) 12時半頃
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…君を愛する方法を、教えて欲しい。
[空っぽの言葉なんて、もう、口にしたくないから。 君に愛してると言いたいんだ。]
[教えて]
[夜の店に探す影は、かつて愛したあの死神。 しかし居なくなってからも、帰ってこないと分かってからも、探す事はやめられなかった。
無意識に探していたのは、君の姿。]
[教えて] [この荒野に咲く、花の事を] [きみの胸に咲く、花の色を]
[囁く声を耳に、彼の金に呑まれていく。]
(53) 2015/08/12(Wed) 12時半頃
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[手に取ったリキュールから香ったのは、甘いチョコレートの香り。
銀のシェイカーに注ぐのは色の無いホワイトカカオリキュールと、鮮やかな緑をしたミントリキュール。
それと真白な生クリームを加えれば、
淡いグリーンをしたグラスホッパーのカクテルが仕上がるだろう。
香ばしいチョコレートと爽やかなミントで構成される風味は、チョコミント。
小さめのカクテルグラスに注ぎ入れると、甘味をこのむ客の前へ、鮮やかな色彩を運んだ。]
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[君に捧げる心が欲しい] [君に捧げる愛が欲しい]
[堕ちたって構いやしない。 ヒトの信仰する神との決別なんて、当の昔に済んでいた。 死神を愛した時から、悪魔を愛した時から。 店に立ち、昼から夕暮れに立場を変えた時から、傲慢なヒトの為の神の寵愛など、信じる気は無くなっていた。
日の落ち始めた黄昏では、家々の影は長く、深い。 ほんの少し歩を進めるか、影の中に入り込むか。それはきっと些細な違いなのだろう。 それに君が居てくれるというのなら、何処だって構いやしないのだ。
そして、黄昏色は静かに闇に沈む。 深い夜の中他に人影はなく、優しく抱き寄せる彼の背へ、離れぬようそっと腕をまわした。
目へ、耳へ、胸へ。 下降する唇と甘い囁きに時折身を震わせて、指は彼の上着に浅い皺を刻む。 前開きのシャツは何時の間にか肌蹴ていたか。 その顔にほんの少しの羞恥を浮かべても、目をそらす事も、手を離す事もしなかっただろう。 熱の灯る胸にまた新たな熱を注がれて、しかしもう、苦しくは無い。]
(58) 2015/08/12(Wed) 21時半頃
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…ん、 [愛している]
[その言葉も吐息も深い口付けに溶けて、一先ずは漏れ出た音を返事としようか。 今はただ君が欲しく、酒に酔うよう、溺れてしまいたかったから、
目を、閉じた。]
[もっと][欲しい] [触れたい][触れて欲しい] [抱いて][全てが欲しい] [満たして][もっと]
[もっと、]
[欲は尽きない。 君が消えてしまわないよう、俺は、何度だって願ってやれるだろう。 契りと共に永遠に。
日は昇る。だが店内は夜のまま、まるで時が止まったかのように、闇が二人を包んでいた。*]
(59) 2015/08/12(Wed) 21時半頃
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[そして、]
(60) 2015/08/12(Wed) 21時半頃
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― ??? ―
[それは、何時だったか。 白い小さなメッセージカードに記したのはこの店の名前と、時刻を表す小さな数字。
オレンジ色のインクで綴られたそれは、]
(61) 2015/08/12(Wed) 21時半頃
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[ cafe & bar ] [ ≪ Twilight ≫ ] [ 24:00~5:00 ]
(62) 2015/08/12(Wed) 21時半頃
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[それは昼間の常連へ、人間の客へ渡すため。 彼はきっと口が堅いだろうから招いても問題ないと、渡すのは自分か、それとも手の空いた店員か。 するのはきっと、何時か彼が聞いた、不思議な話>>2:154の答え合わせ。*]
(63) 2015/08/12(Wed) 21時半頃
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